病院建築のコロナ対策リフォームについて、大型建築はいいので、もっと身近な地域の病院でどうすればいいのか?という質問がありました。 確かに、安倍首相の会見でも、今後、新型コロナウィルスの検査数を増やすために、様々な医療機関でも検査をおこなえるようにするとの発言もありましたね。 また、次のようなニュースを見ました。 PCR検査、日に150件 町のクリニック 休みなし朝日新聞 川村直子記者 2020年5月1日 「熱やせきがあるけれど、ほかでは診てもらえない」「呼吸が苦しい」「味覚がない気がする」――。新型コロナウイルスの感染が広がる中、埼玉県三芳町の「ふじみの救急クリニック」にはPCR検査を求め連日、多くの人が訪れる。 ほとんどの患者がCT検査も希望し、医師が肺の画像を診断。PCRの検査数は日に150件を超える。 クリニックでは新型コロナウイルスに関する受付を通常窓口と切り離し、救急救命士らが屋外でトリアージ(治療優先順位の選別)を行う。医師が院内で診察した後、看護師もしくは臨床検査技師が屋外でPCR検査の検体を採る。 ゴールデンウィークも休みはない。夜間はスタッフが限られ、従来の救急搬送などにも対応しているため、診察は原則午前9時から午後8時まで。症状が強く出ている場合は24時間受け入れている。 鹿野晃院長は「マスクやガウンなど医療物資が不足する中、地域医療を支えるためスタッフ一丸となっている。失われた命は戻ってこない。症状のない人は今は出歩かず、過ごしてほしい」と話す。(川村直子) 地域医療のために踏ん張る先生方のすさまじい努力には頭が下がりますね。この数年間は国の方針で、高齢化、少子化に応じた地方の医療機関改革や保険制度の見直しなどで、県立、市立の病院の統廃合もあり、地域の病床数(入院可能なベッド数)の制限も続き、そもそも病院の経営が難しくなっている。 それだけではない。少子高齢化というのは、日本全体の話なので、当然のことながらすべての業界に起きていて、医師の少子高齢化も進んでいます。事業継承されなくて辞めていく病院も多いということなんです。私はこの4年ほど集中的に医療施設や高齢者施設、介護施設のコンサルティングをやってきて、そのような実情をたくさん見ています。 そのような社会的背景の中で、今回の新型コロナウィルスの蔓延なんです。なので、この記事の埼玉県三芳町のクリニックは救急も受け入れる体制をとられていて、大変立派なんです。 ですが…このニュースを見て、思わず、これは!なんとかしなきゃ、と思ったことがあるんですね。 それは、この状況です。 PCR検査を実施している看護師の方の姿です。看護師の園田さんは、「プレッシャーはあるけど…」とおっしゃっている。 スーパーやドラッグストアと同じ、とりあえずの支柱にビニール。しかも、この支柱は、スチールラックの棚柱です。 これ、グラグラするやつです。特に、ビニールを支えているフレームの角のところは、ボルトをいくらキツく絞め込んでも変形します。面剛性が取れていないから。 おそらく、緊急で臨時で、とりあえず手元にあるもので対応されているんだと思うんです。 そして、PCR検査の検体をとるときというのは、患者さんにグッと近づかなきゃいけないし、そのときに痛みが出たり、くしゃみが出たり、大変に気をつかう作業。看護師さんや医師の感染の原因にもなる危険な作業なんです。 だから、野外でおこなっている、ウィルスの粒子を拡散するために、風で流れて薄めるために…飛沫を防御するためのビニルを間に入れて、でもビニルはビロビロです。こういう状況こそ、地域の設計事務所や建設会社が解決していかなきゃいけないと思うんですね。 同時に、天気の良い日はまだこのような手法もあり得ますが、雨の日や風の日はどうするのか… 既存の病院をいきなり増築というわけにいきませんよね。許認可とか続きをみる
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