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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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新型コロナウィルスにおける建築的考察⑲

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今、新型コロナウィルスCOVID-19で営業を自粛中の事業で、今後はどうすればいいのか?という話が多数あります。 感染経路は人の口から飛び出す飛沫が、空中を漂って吸い込まれてしまうことだと言われていますね。だから、空気中のウィルスがいなくなるようにするためには換気なんだ、ということでした。その換気とウィルスの関係について、新型コロナに関してはいまだに研究中のようなので、データがないんですが、 同様に空気感染する結核については長い歴史があるので、さまざまな研究結果や臨床データがあります。 私が、まず注目しているのは、上記表の「空間の換気回数と空中の浮遊菌の除去に関する時間」というグラフです。換気回数というのは、単に窓を開ける回数、ではありませんよ。ある部屋の中の空気が全部入れ替わる回数、つまり部屋の大きさ分の空気が入って出ていく量のことをいいます。 なので、下図のような部屋を考えたときに、37.5立方メートルの空気が入れ替わることをいいます。 この入れ替わる空気の量が1時間あたり37.5立法メートル以上あれば、1時間あたり1回の換気量ということで、たとえば、トイレなんかに使われている丸穴が10センチの径の小さな換気扇。性能表をみれば有効換気量52立法メートル/時と書いてありますから、1時間あたり1回の換気量を確保なら十分に足りています。 建築の法律でも住宅の換気量については決まりがあって、以前から問題になっていたシックハウス対策として2003年から施行されています。 ただ、その数字は、0.5回以上でいい。 だから、この10数年間に建てられた家は、この0.5回分の空気が1時間に入れ替わるように設計されているわけです。 ですが… 空気中の細菌をを90%以上除去するための換気量ということになると…3回、99%除去するとなると5回、99.9%除去するとなると7回、一般的な住宅の基準の6倍、10倍、14倍以上の換気量を確保しないといけない。 建築基準法の決まりを守っているだけでは、全然足りない。 かといって、一時間あたりの換気回数が10倍と言われてしまうと、どうすればいいのか広い部屋であればあるほど、換気の量は巨大になってしまう。 でも、よく考えてみれば、がらーんとした体育館に一人でいるのと、数人で会議室にいるのとでは当然影響は違うはずなんですよね。 なので、もうひとつのグラフの方も見てみましょう。ウィルスの除去量ではなく、換気の量と感染率について 部屋の広さじゃなくて、人間の数で調べたグラフです。 どうもですね、この上のグラフの1人あたりの新鮮空気の換気量という部分に着目すると30以上になると、感染率がぐっと下がっている。4分1以下になりそうです。この30の単位ですが、立法メートルではなくて立法フィートであることに注意しないといけません。1フィートは0.3048メートル、約30センチだからそれの立法ということは、3乗されているわけですからずいぶん小さい。 約35分1、ということは、グラフでぐっと感染率の下がる30立法フィート/min以上の換気とは、毎分に0.9立法メートルなのだから、1時間に直すと0.9立法メートル×60分=54立法メートル/時。 それなら足りそうですよね。あの小さな換気扇でも。 ほぼ足りてる。この小さな換気扇の換気能力を、立法フィート/分に直すと、52/60×35=30.3333…、クリアです。 そして、下のグラフのように、そもそもの菌の量が少なければ、換気量が毎分30立法フィートあれば、感染率1%くらいに下がってます。 つまり、こういうことなんです。 まず、最初の段階で、がつーんっと換気かまして、換気回数で5回/時くらいにして、空間内での菌の量を99%以下続きをみる

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