コロナウィルスの感染状況ですが、東京都は感染者数が2000人を超えることが状態化してしまいました。
それを受けて、菅総理大臣から緊急事態宣言が出されましたね。
「緊急事態宣言」と聞くと大変にモノモノしいですよね。
なにか、大きな天変地異とか、近隣諸国と戦争が始まるとか、国内で過激派がテロ行為や軍部のクーデターとか、
そういう印象を与えかねない言葉です。
同時に、
「非常事態宣言」とどう違うの?とか、そのようにも思われるでしょう。
これはですね、言葉の使い方がよくないと思うんです。
なぜかというと、「緊急事態宣言」とは、インフルエンザの流行に合わせた、インフルエンザの流行に即して作られた法律
「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の中の言葉なんです。
2009年(平成21年)に発生した鶏インフルエンザから派生した新型インフルエンザ(A/H1N1)の蔓延を防ぐために制定されたものです。
つまり、「インフルエンザ緊急事態宣言」というべきものなんですね。
なので、日本全土に及ぶ緊急事態とか、道路が封鎖、航路や海路がストップ、夜間外出禁止、戒厳令といった類いではありません。
その法律を、新型コロナウィルスにも適応させた、ということです。
法第32条を見れば分かりますが、この「(新型インフルエンザ等の蔓延の)緊急事態宣言」が出されるためには条件があります。
1.国民の生命や財産にいちじるしく被害を与えるおそれがある新型インフルエンザ等(の病気)が、国内で発生し
2.全国的かつ急速な蔓延により国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼす及ぼす恐れがある事態が発生したときで
3.基本的対処方針等諮問委員会の意見を聞いて
この3つの条件が必要ということです。
1.新型インフルエンザ並の危険な病気が発生
2.全国的に急速な広がりで国民の生活と経済を脅かす
3.委員の意見を聞いて
です。
つまり、1.も2.も、医療や疾病の内容ではなく、社会情勢の判断でしかないということです。
そして、「緊急事態宣言の機能」についても言及してあります。
なんのためにやるのか、なにが出来るのか
1.医療限界を超えてしまい、国民の生命・健康を保護できず、社会混乱を招いてしまうおそれが生じる事態で有ることを国民に周知するツール。
2.個別の緊急事態措置をおこなうための第一トリガー(緊急事態宣言の対象期間と区域において、それぞれの個別の根拠条例により運用を判断)
えっ?法的条文なのに、「ツール」だとか「トリガー」だとか、妙な英語混じりで、なんだかいいかげんなんですけど。
緊急事態を舐めてるんですか?としか思えない表現。
しかも、~せよ、とか、~しべし、とかの動詞の指示、命令ではなく、まさかの体現止め。名詞。
周知するツール?第一トリガー?
もう一度、わかりやすく読みますよ。
緊急事態宣言の機能とは、
1.社会混乱の可能性を周知する道具
2.(指定各地域)で措置をおこなうためのきっかけ
なんじゃそれ。
ぜんぜん、緊急事態に対処する気がないじゃん。
なんじゃこの法律。
そういうことがわかってしまったんです。
みんな、言葉で誤魔化されているんです。
そして、措置の種類も決めてありますね。
緊急事態宣言が出された地域においては次のことをやりなさい、ということなんですが、
1.外出自粛要請、興行場・催等等の制限の要請と指示
2.予防接種の実施
3.医療提供体制の確保
4.緊急物資の運送の要請・指示
5.政令で定める特定物資の受け渡しの要請・収用
6.埋葬、火葬の特例
7.生活関連物資の価格の安定化
8.行政の申請期限の延長
9.政府関係金融機関の融資
ええっ?
今回、この上記9項目、全然発表されてないじゃん。
それだけじゃない、飲食店の8時まで要請なんて、「緊急事態宣言による緊急事態措置」に含まれてないじゃん。
それよりも、第一に掲げられている、興業や催事の制限や要請が出ていないじゃん、巨大な催事をまだ普通に開催とか言ってますよね。
ちょっとちょっと、
みんなこの、緊急事態宣言の法文を読んだほうがいいですよ。
飲食店だけを悪者ににして、時短って、東京都知事が勝手にやってることであって、
その一方、やんなきゃいけない、催事の中止要請も予防接種も緊急物資の輸送も、生活関連物資の価格安定化も、
行政の申請延長も、金融機関の融資も、なんも実行されてないし、告知さててないじゃん。
いいのか?
こんなんで
つづく
建築エコノミスト森山のmy Pick