コロナについですが、1月8日より緊急事態宣言ということになりました。
1都3県、埼玉、千葉、東京、神奈川です。
そして、14日からは、地域を拡大しています。
東海の都市圏である名古屋を中心とした愛知県、岐阜県
関西の都市圏である、大阪、京都、神戸のある兵庫県、
九州の都市として福岡県です。
そこに、関東首都圏として栃木も加えられました。
こうやって観てみると、果たして県単位でいいのか?という気はしますね。
要は通勤、通学をはじめ商業活動や人の往来が頻繁なところを、指定地域にしたいということなのでしょうから、
東京ですら、西の奥多摩エリアは含める必要があるの?と思いますし、千葉県の南房総や埼玉県の秩父や利根川方面もそうです。
神奈川県も川崎・横浜から西や南まで含める必要があるのか、一方、茨城県の取手やつくばは含めなくてもいいのか?とかです。
東海地方も、三重県の四日市は?とか、関西でも中国自動車道以北や京都の亀岡以北、日本海側まで含めるのか?という疑問がある。
関東圏で、小山や宇都宮がある栃木県を追加したように、関西でも大津、草津の滋賀県南部までは都市圏といえるのではないか。
そう考えてみると、緊急事態宣言の対象とすべきは、経済活動の繋がりと一致しているわけであって、
必ずしも、面として県全体ということではないはずなんです。
今の時代に、経済活動の繋がりといえば、自動車、鉄道という公共交通機関であるべきなんですね。
だから、物理的地形と、経済的地形というのは違ってきてるわけなんです。
新型コロナウィルスに限らず病気は人間を介して感染を広げていくわけなので、本来なら、その経済的地形によって考えなくてはならない。
経済的地形を考える目安のひとつに、「時間地図」というものがあります。
交通系の専門書や、時刻表を考えるときに出てくる概念ですが、
これをもっと我々のおかれている社会問題として捉えて可視化しようといういくつかの試みがあります。
これは、60年代にグラフィックデザイナーの杉浦康平さんが考案した「等時間地図」です。
杉浦さんはグラフィックデザイナーとして目に見える形や色で何かを伝える専門家ですが、
同時に人々に何かを考え込ませる力のある哲学者的な人です。
建築専門書の「都市住宅」の表紙でもさまざまな実験的試みをされていまして、まあ、私が若い頃からあこがれの人ですね。
たとえば、これが東京を中心とした等時間地図です。
そして、これが大阪を中心とした等時間地図
新幹線や特急の止まる駅のある都市はぐぐっと、中心に向かって切れ込んできていますよね。
つまり、現代社会の空間は、交通機関と共に連動して振幅している、ということなんです。
なので、緊急事態宣言も、感染対策を主で考えるのならば、そのような社会的な空間と距離で考えないといけないんです。
つまり、感染対策地図という考え方が必要なんです。
同時に、ただ闇雲に飲食店を閉めさせていけばいいというものでもない。
このブログの本題である「新型コロナウィルスに対抗する建築空間の作り方」を考える必要があるんです。
それについて現時点での最新の調査情報をもとにお伝えしていきたいと思います。
その前に、昨年、事態の進行と共に検討していた以下のページをおさらいしてください。
新型コロナウィルスにおける建築的考察① 新型コロナは空気感染じゃないのか?ならば換気が重要 2020年3月9日
新型コロナウィルスにおける建築的考察② ビル管理法の換気回数でいいのか?感染確率との関係は?2020年3月9日
新型コロナウィルスにおける建築的考察③ 換気のやり方には種類がある。感染するウィルスの量は? 2020年4月3日
新型コロナウィルスにおける建築的考察④ ウィルスを含むエアロゾルは店の中でどう広まるのか? 2020年4月14日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑤ 呼気から出てくるウィルスを可視化。ビニルの効果はあるの?2020年16日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑥ 新型コロナウィルスはどのように感染するのか?床が危険?2020年4月17日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑦ 【重要】ウィルスは床に落ちている。ロシアのテレビ局から取材 2020年4月19日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑧ 【重要】病院建築は防疫体制が不十分、食品工場や畜産に学ぼう。2020年4月23日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑨ HACCP食品工場のウィルスや細菌からの防御システム 2020年4月24日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑩ 【重要】コロナ対策の医療施設のつくりかたは結核に学ぶべき 2020年4月25日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑪ 【重要】ICUのゾーニングと感染防護服バーサフローを準備せよ 2020年4月27日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑫ パンデミックの映画と同じ展開。CDCの間違いを指摘 2020年4月29日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑬ 日本の感染対策もCDCに準拠ではダメ。理想の施設とは 2020年5月1日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑭ スーパー、飲食店の建築的な感染対策の方法 2020年5月2日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑮ 病院施設の感染対策。陰圧と陽圧のコントロールが重要 2020年5月4日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑯ 【重要】結核院内感染予防対策から分かる感染を防ぐ換気量 2020年5月6日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑰ コロナ対策のための病院の改修方法と臨時対応策の方法 2020年5月7日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑱ 宝くじに学ぶ、PCR検査場の不足と院内感染の防止の方法 2020年5月8日
新型コロナウィルスにおける建築的考察⑲ 【重要】飲食店でウィルス感染しないための換気の方法と換気の量 2020年5月10日
つづく