あけましておめでとうございます。
昨年は、コロナでホント大変でした、そして継続中です。
私のまわりでも、みなさん大変でした。
特に、観光関連つまり宿泊系と外食産業、特に宴会やイベントが開けるお店、
その中でもお酒を出すお店では、客足が遠のいたというか無くなった。
年末に向けて、いわば最後のかき入れ時がなくなってしまいました。
そして、年明けを迎えていますが、
そのような時期にこういう報道が出ています。
3日 15時23分
東京都は、現在、飲食店などに行っている午後10時までの時短要請をさらに前倒しして、
午後8時までとする方向で検討を始めたことが、関係者への取材で分かりました。
う~ん、飲食店が午後8時まで…。
これはですね、大変に難しいですよ。
実行不可能な要請、効力のない対策といっていいでしょう。
まず、飲食店の経営事情がわかって言ってるんでしょうか?
飲食店と一言でいっても、千差万別であることは誰でも知ってると思うのですが、
まず、和洋中華、朝飯・昼飯・晩飯、深夜、早朝、24時間、
飲酒をともなう、お茶を出す、お菓子を出す、生ものを出す、焼く物、煮るモノ、カウンター、座席、円卓、
立ち食い、お一人さま、数人、団体とそれぞれ運営形態がまったく違います。
つまり、食の種類だけでなく、時間と空間でニーズも運営も異なるんです。
「8時まで」ということは、8時でお客の入場を止めるのではなく、8時に客を送り出す、ということだから、
実質は、7時半が飲み物のラストオーダー、料理は7時~7時15分がラストオーダーです。
つまり、6時に行かないといけないんです。
でも、夜のお客は、5時に絶対に終わるような仕事なら、6時にお店に入れるかもしれませんが、
普通の企業では、6時、7時が仕事の終わり時間ですから、もう店には間に合わないということです。
もしくは、店に着いたとたんにラストオーダー、最初の料理が出る頃には帰り支度ということになり、
ちょっと遅めの会社や残業があれば、もう晩飯は無理ということです。
お店の側からすれば、10時までならば、なんとか9時までに来てもらえれば対応できたし、
お店に行く方とすれば、会社がちょっと遅くなっても8時過ぎには顔出せたんですが、6時に行ける人は希でしょう。
日本の都会で、お昼のランチがメインで考えてる店なんていうのは、ほとんどありませんからねえ。
飲食店を経営している人ならすぐに分かることですが、お昼というのは店を知ってもらうのが目的で、
居酒屋でもレストランでも、ランチはリーズナブルに出しているところがほとんどです。
お昼時は、お客の回転で稼いでいるようなものです。
なので、お酒を出す夜がメインになっているわけです。
むしろ、繁華街では夜しか営業しないというお店がほとんどでしょう。
それを「時短」で8時までとする…。
普通に昼からやってる店なら、時短は可能でしょう。
たとえば、ラーメン屋さんとかならば、
昼11時30分オープン、14時でいったん閉店。
夕方5時オープン、夜8時で閉店。
しかし、夜しかやっていなかった居酒屋やバーからすると、
夜7時オープン、即ラストオーダー
夜8時に閉店。
開店前後の準備と閉店の片付け時間を入れても、実働は3時間。
これでは、成り立たない。
一律、8時閉店ではなくて、トータル6時間で、好きな開店・閉店時間を選んでもらうようにしてはどうですかねえ。
それならば、昼に3時間開店して、夕方に3時間開店という店もあれば、
早朝に2時間開店して、お昼に2時間やって、夕方に2時間やる立ち食いソバ
夜、8時から開店して夜中までやるバー、
それぞれが、時短で実働時間を8時間から6時間に減らす、6時間を4時間に減らす、という対応が可能になると思うんですよ。
そういう柔軟な対応にしないと、夜8時でいっせいに閉店って、
そて、戒厳令じゃないですか。
そもそも、そんな一般人や中小の商業店舗を追い込むんじゃなくて、
政府や行政は、救済措置をちゃんと考えるべきなんじゃないでしょうか。
これまでも、何度も何度もお伝えしているように、建築空間のコロナ対策に予算を出し、制度化しろよ!という話です。
つづく
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