毎週、毎週、刻々と状況が変化していくコロナウィルス事情です。
前回は、「果たしてどれくらい換気すれば、安全といえるのか、多少は安心できるのか」について書こうと準備してました。
しかしながら、高橋和郎先生による (大阪府立公衆衛生研究所副所長・感染症部長)
という論文を発見しまして、
さらに、
緊急寄稿(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察(白木公康)
を読んでいると、こう書いてありますね。
注意すべき点は,湿気の高い密室では2m離れていても,くしゃみや咳だけでなく,呼気に含まれる1μm程度のエアロゾルさえ感染性を保持して浮遊し,吸気によって上気道または下気道で感染するということである。
密室におけるインフルエンザの集団感染例としては,空調が3時間停止した飛行機内で,1名の患者から37名に感染している。
多くの人が密集し呼気のエアロゾルが乾燥しない空間では,感染者がいると感染は避けがたく,多数の感染者が発生する。
これは、大変だ!
ほぼ空気感染するイメージなんです。
それを、実際に映像化した研究者もいました。
A 3D model of a person coughing in an indoor environment – how an aerosol cloud travels in the air
フィンランドのアールト大学が作成。咳の飛沫がスーパーマーの通路を越えて広がる衝撃の動画。
咳をした人が立ち去った後もウイルスを含んだ微細なエアロゾルが残されている。
この、絵の壁のようなものが、スーパーマーケットの陳列棚を表しています。
高さは約2メートルくらいでしょうか
そして、買い物中の人が隣の通路にいるときに、咳をしたらどうなるか?
という動画のシミュレーションです。
咳をして数秒で目の前3メートルくらいにまで、ウィルスを含む息が飛んでいますね。
そして、ぶわーっと雲が広がるようにエアロゾル(空中の飛沫粒)が横にも流れていく。
2分後には、隣の通路で買い物をしている人の頭上に、その雲がかかっていってます。
その間3分ほどです。
このCGにおける粒の色の違いは、浮遊する高さを示していて、
黄色はちょうど低い天井に届くくらいの、棚を超えるくらいの、3メートルくらいの高さを示します。
青い粒は、床に落ちていくものです。
普段は我々の目に見えないので、知らんぷりというか、知りたくない事実ですが、
このシミュレーションを見る限り、各通路に一人づつが咳やくしゃみをすると、
店内は全部このウィルスを含む見えない雲に覆われてしまうことがわかります。
この雲を吹き飛ばすためにも、いかに、換気が重要か、わかりますよね。
まずは、いかにマスクをしなければならないか…ということがわかります。
そのような現実を前にして、このような記事がありました。
「小売店崩壊」に危機感 人手不足、感染リスクも―従業員、心身に負担・新型コロナ 時事通信2020年4月14日
これは…どうしたものか。
実際に私がスーパーやディスカウント量販店や、ドンキでも観察してみましたが、
レジ待ちのお客さんの列が、陳列通路内まで伸びて、買い物品を選ぶ人とも重なり合っていました。
レジ待ちの間隔を開ければ開けるほど、今度は品物を物色中の人と接触してしまう。
レジが終わった後の袋詰めコーナーも横の移動と作業が重なりあってしまっている。
これ、少なくともレジ周辺の商品陳列をやめて、スペースを広げる必要があるんじゃないでしょうか。
で、できれば、袋詰め作業は半野外でやってもらうとか、換気をどうにかする必要があると思います。
そういった意味では、数日前から話題になりはじめた、コンビニ各社のレジのビニールガード、
これは、簡単に出来る方法としては、まったく何もない状態で人と人が正面から相対するのに比べれば、
大いに効果ありといえるでしょう。
レジ前にビニールカーテン コンビニ大手がコロナ防止策 2020年04月08日
コンビニエンスストア大手各社は8日、レジカウンターへのビニールカーテン設置といった新型コロナウイルス感染防止対策に乗り出した。政府の緊急事態宣言を受けた措置。従業員と来店客双方の安全確保を目指し、各店舗に対応を呼び掛ける。
セブン―イレブン・ジャパンは、全国の店舗でビニールカーテンの設置を進め、会計時の飛沫(ひまつ)感染防止を図る。また、レジ待ちの客同士が十分な距離を確保できるよう、床に立ち位置を表示する。イートインのコーナーでは、座席を間引くなど、密集環境を作らない工夫を促す。
しかも、割と簡単に付けることができる。
緊急事態宣言が出されても、原則、営業を続けるコンビニ。新型コロナウイルス感染防止のため、レジ前にカーテンを付けるなど対策を始めました。
「こちらでは感染防止のため、透明なカーテンが設置されました」(記者)
スタッフが天井に取り付けているのはビニールのシート。口元が隠れる高さまでつり下げられました。
ローソンは、緊急事態宣言の対象地域となった7都府県で、客と従業員の接触を避けるため、レジカウンターの前に透明なカーテンを設けるなど対策を始めました。
セブン‐イレブンも一部店舗で同様の取り組みを行っているほか、レジ待ちの客同士が間隔をあけて並ぶよう、床にテープを貼ったり、イートインスペースで間隔をあけたりするなど対応をしています。
取り付け方法も紹介されていましたが、ひとりが抑えておいて、ひとりが端を止める。
ひとまずホッチキスで留めていますが、
ガンタッカーなんかがあると、もっと簡単です。
ガンタッカーというのは、ポスターを張ったり、あとは壁に布地を簡易的に張ったりするときに活躍しますね。
内装工事では、もっとゴツイのがあったりしますが、挟まないで使えるステープラーです。
(※ホッチキスというのは商品名で、ステープラーが一般名です。)
スーパーなどでも、こういうビニルの仕切りでいいんじゃないか?と思われますが、
何もないよりはマシだと思います。
が、この絵にあるように、ビルのテナントのコンビニと比較して、すぐわかるのは空間の大きさなんですね。
天井高さも高いし…
あと、こういう大規模店舗では、なぜか、天井からガラス板が下がってることに気付きませんか?
これは、防煙垂れ壁というもので、火事のときに天井に上がった煙を一時的に止める効果を期待して付けてあるものです。
かといって、これが本当に壁で造ってあると、重たい感じになるので、ガラスなのです。
この防煙垂れ壁をうまく利用しながら、店内の換気にも配慮しつつ、
人と人が真正面からなるべく相対しないように、スクリーンを設置してみてはどうでしょうか。
そのときに、この透明ビニールは当初は簡易的に一時的に緊急事態的に付けるので止むを得ないとは思いますが、
コロナ騒ぎの収束が長引いて、ビニルを長期に設置せざるを得ない可能性が出てくる場合、
大型の特殊建築物では、ビニルが不燃性であることが大事です。
燃えない透明ビニルなんてあるの?と思われるでしょうが、あります。
たとえば、こんなのが…
つづく