先々週、関東圏を襲った暴台風は、房総半島南部を中心に大きな被害を与えました。
その被害も、これまでの予想や観測史上を超えるような風によるものでした。
建物には様々な災害が襲いかかります。
一番みなさんが気にするのは地震、そして注意しているのが火事ですね。
江戸時代から、地震と雷と火事
これは、鯰絵(なまずえ)と呼ばれる今で言うポスターというか漫画の扉みたいなもので、
地震や災害のときに身を守る護符として、地震が起こる度に作者不詳で発行されたというものです。
庶民の不安を取り除くためのおまじないとして、災害の後に急速に広まっていったんですね。
それくらい、災害は恐ろしいものでした。
今とは違い、当時の一般的な日本の建築は、茅葺きに障子張りと燃えやすく、
また、建物の強度も、一部の贅を凝らした名工による寺社仏閣ならまだしも、庶民の長屋等ではそこまでキチント建ててない。
その結果、江戸の町は火事に大変弱く、日本の木造建築も石垣も地震が来る度になんとかして耐震の工夫を積み重ねた歴史でした。
それらの経緯を踏まえて、現在の建築基準は決められています。
そのために、建築物には耐震設計と、強度を担保する適切な工事が求められます。
また、火事を防ぐためにも、耐火構造や防火区画、燃えない建材といった耐火・防火設計とやはり適切な工事が必須です。
ただ、そのときに風の話しはあまり出て来なかった。
台風ではどちらかというと、これまでは大雨の心配をしていました。
大雨で川が氾濫し、床上浸水による被害です。
ところが、今回の台風15号の被害の多くは、風によるものなんですね。
日本に来る台風の風の吹き方は、右側からねじり込むように吹いてくる。
強烈な右フックで殴られる状況なんです。
風で屋根や壁が吹き飛んだ。
風で樹木が倒れてきた。
また、恐ろしいことに、風で電柱が折れた。
風で高圧鉄塔が倒れた。
そして、今回、問題にしている、ゴルフ練習場の柱が倒壊した。
こんな巨大な構造物が一気に全て倒れてしまうことがあるのか…
と戦慄しました。
で、現地に行ってきたんです。
つづく