こんな建物があります。
こんな素晴らしい建物が壊されようとしているんです。
JR釜石線の遠野駅です。
なんだか、懐かしい感じのする駅舎ですよね。
まず、横長い寄棟の瓦屋根が、昔の学校みたい。
そして、窓割がリズミカルで窓の桟がカワイイ、だから、ホテルというか旅館みたいでもある。
これ、みたいじゃなくて、実際にホテルだったんです。
駅舎がホテル、なんて、まるで小さな東京駅ですよね。
全国の駅舎を探訪されてる歩王(あるきんぐ)さんのブログをご覧ください。
[プロローグ]3月14日がラスト!フォルクローロ遠野に泊まってきた。
[エピローグ]ついに閉館…フォルクローロ遠野に泊まってみた。
マジ、素敵なたたずまいだったんですよ。
フロントのカウンターがお洒落ですよね。
遠野物語の玄関口である遠野駅が、ちょっとレトロモダンで欧州調なのが益々素敵です。
眼下を通る列車を眺めながら、鉄道好きなな人ならタマランでしょうねえ。
歩王さんが書いておられるように、この釜石線は別名「銀河鉄道」とも呼ばれておりまして、
それは、「銀河鉄道の夜」を書いた宮沢賢治の故郷である花巻と釜石を結ぶ列車だからなんです。
この地図にあるように内陸部の花巻から海岸まで、90キロの道のりを約2時間で結んでいます。
これ、行ってみるとわかるんですが、何かですね、日本を横断するかのごときなんです。
こういう風景がずっと続いています。
山に囲まれた盆地のような平野をずーっと走ります。
なんにもない、というか、田畑がずーっと広がって、遠くに山がずーっと見えている。
線路の両脇が田畑のあぜ道で、家はみな山裾に固まって並んで建っているんですね。
この釜石線は本当に素晴らしくて、日本の国土の美しさをと気づかせてくれる路線のひとつです。
同様に静岡県から富士川を遡行して山梨県の甲府に至る美延線と、近鉄の伊賀越えで伊勢に出るルートも素晴らしいですよ。
こんな2両編成で、海に向かって走り続けます。
最近は、本当に銀河鉄道にSLも走らせているみたいですよ。
この、釜石線の中間点に位置するのが、遠野なんです。