昨日のことですが、以下の記事が出ました。
昨夏以降に全国で顕在化した工事用「高力ボルト」の不足問題が深刻化している。国土交通省は3月、メーカーやユーザーを対象に2回目の需給動向調査を実施。約9割が「工期に影響がある」と回答した。同様に回答したのが83%だった昨年10~11月の初調査時点に比べ、変更や延長といった工期に及ぼす影響が大きくなっている事態が浮き彫りとなった。
12日に行われた衆院国土交通委員会で、国交省の野村正史土地・建設産業局長が井上英孝衆院議員(日本維新の会)の質問に対する答弁で明らかにした。需給動向調査結果の詳細は集計中という。野村局長は経済産業省や高力ボルトのメーカー、ユーザーのファブリケーターといった関係者と協議し、需給安定化に向けた新たな対策を検討しているとも説明した。
国交省によると、高力ボルトが不足する主な要因には、全国的な大規模建築プロジェクトの増加に伴う鉄骨需要の増大に、ボルトの生産が追い付かない状況があるという。
記事引用ここまで
12日の国会で 井上ひでたか議員が国土交通省で質疑された様子は動画でも見ることができます。
井上英孝(日本維新の会) 国土交通委員会 2019.4.12
井上議員:「一連の高力ボルト不足について、国土交通省としては、
現状どのように分析し認識されておるのかお聞かせください。」
国土交通省からは、野村土地建設産業局長が登場
野村局長:「えー、まずご指摘のハイテンションボルトですが、
高力ぼるとは、こうりょくぼるととも、こうりきぼるととも呼ばれておりまして、
私はこうりきぼるとでいかせていただきます。」
「去年の10月には、こうりきぼるとの不足の問題は把握しておりまして…要因といたしましては、
昨今の(建築における)鉄筋コンクリート造から鉄骨造への工法のシフト、
オリンピック等の建設需要の増大からくる在庫不足の中で、多めの発注等も起きていると認識。」
井上議員:「現在の日本の工事においてですね、こうりきぼると、どれくらいの工事において影響が出ているのか、把握されてますか」
野村局長「昨年の10月の調査においては83%の業者で工事の遅れの影響が出ている、
本年3月の調査まだ分析中ですが、9割の業者で影響が出ており、
国土交通省ではボルトの工期設定やボルトの早期発注において注意喚起をおこなうとともに、
建設関連団体を通事、需要に関して計画的発注を、供給側に対しては経済産業省と連携し、
安定供給に向けた協力を要請したところであります。」
井上議員:「昨年の夏からいえば、10ヶ月くらい経過しており、もう少しスピード感もってですね、
10月に調査して83%、要請して、3月に調査して9割と、要請しただけでは十分な効果が出ないのではないかと、
国土交通省の見解、今度どのようにこの状況を解消していくのか
野村局長「3月に…これまでの効果を確認するために二回目の調査をしたところでありまして、
依然として受給は逼迫は継続しておりまして、10月の調査の時点よりも長期化している
なんらかのさらなる対策を講じる必要があると考えてる次第です。」
この4月5日は、鉄鋼メーカーやファブリケーター、経済産業省も含めた意見交換の場を設けて、
こうりきボルト受給調査結果の共有、意見交換結果も踏まえながらなんらかの対策ができるのか、
現在、検討しているところでございます。」
井上議員:「この答弁を聞いていると、悪化している。気付いたときよりも工期の遅延がひどくなっているし、ボルトの納期も延びてる。
経済産業省にお聞きをしますが、毎月の1万トン程度にとどまり、供給が追いついていない、
原料の特殊鋼線材は必要量の確保も簡単ではない
建設業界の需給逼迫について把握されてるのか、メーカーの増産を考えるべきではないでしょうか」
財務省の広瀬大臣官房審議官が登場
広瀬審議官:「ボルトメーカーはすべてを合わせましても、月産1万トンということで、10月の調査結果をもとに、
11月26日、国土交通省と連名で安定供給に向けて要請をし、ボルトメーカー各社は工場の24時間稼働、
一部製造の外部委託も進めているときています。」
井上議員:「ある程度、ボルトメーカーの数は把握していると、しかしながらファブリケーターのとこに作った数がどえくらいいっているのか、
流通の間にはいっている商社や問屋における数についても、把握の必要がある。
気付いてから、さらに納期含めて悪化するということは看過できない。
オリンピックの後にはですね、万博や大規模な再開発も控えておりますので、非常に大問題と思います。」
井上議員:「メーカーは過去の元気の時代のない時代もありますし(急に設備投資は躊躇するでしょう)、製造もフル可動で頑張っておられると、それらのボルトが、どのようにキッチリ市場に流れているのか、のみならず、原因を一日でも早く解明し、早く手を打ってほしいと思います。
同時に、建設現場から必要以上の注文が殺到し、価格も高くなったという話しも聞きます。
3万円上がり、さらに1万円あがったと、これはトンあたりということでしょうが、
増産がままならない、状態であるならば、海外からの輸入ということも考えなくてはならないでしょう。
当然キチンと規格を受けたものでなければならない。」
野村局長:「ボルトの場合はJIS規格か国土交通大臣認定を必要としています。
トルシア型こうりきボルトの認可を持つ外国メーカーは韓国のドンア社が唯一でありまして、
JISについては、中国、韓国に3社、ドンア社製の高力ボルトはすでに国内で使われていると確認しております。
しかしながら、ファブリケーターからの重複発注や水増し発注もあると聞きますので、
まずはこの物流の整流化が必要で、今後市場の各プライヤーのふるまい、メーカー増産の設備投資、輸入の増加についても
引き続き調査し把握しなんらかの対策を打っていきたいと考えています。」
井上議員:「野村局長、早口でありがとうございます。財務省の広瀬さんもよろしくお願いします。」
というわけで、高力ボルトの問題が初めて国会で議論されました。
現状では、調査し把握し調査し把握し把握し調査し、分析しまして、
調査し把握し調査し把握しひきつづき、把握し調査し、把握し把握しているところでございますけれども、
ひきつづき
なんらかの対策を検討し調査し把握し調査し、なんらかの対策を検討しているところでございますけれども、
ひきつづき把握していきたいと思います。
という状態あるということです。