宮崎県に、都城市という街があります。
宮崎県でも南の端ですね。
むしろ鹿児島県なんじゃないの?というぐらい、かつては薩摩藩だったようです。
都城盆地という山に囲まれた盆地ですから、いわば京都のような地形ですね。
それでなのかどうなのか、九州南部の地方都市なのに、都(みやこ)と城(じょう)で、都城です。
この都という字は、メトロポリスを表すのではなく、
者には「魔除けされた土手」という意味があり、「阝(おおざと)」と組み合わせられることで、
呪術的に「守られた土地」という意味になり、そこから安全な土地として栄えることから、都市を表すことになったようです。
なので、都城とはいってみれば、都に立つ城のことですから、古代都市として何か必須の条件でも備えていたのでしょう。
かつての九州王朝である筑紫王国が移封されたとか、神武天皇の宮居があったとか、
そもそも日向(ひゅうが)の国という命名からして古代ロマンを誘うわけですが、
その都城市、思いっきり名前負けするくらいに、というか豊富な自然に囲まれた農業の国です。
特に、農林畜産業の分野において全国トップクラスを誇っており、多くの食品関連企業が立地しています。
農業産出額の約8割を畜産業が占めていることが特徴ですが、焼酎を中心とした酒造メーカーもたくさんあります。
そのような、母なる大地と峻険な山々に囲まれたおおらかな街にこんなトンガッタ建物があるんです。
なんだ?これは!と
まあ、思うでしょう、普通。
僕もですね、思いました。
初めてこの建物のことを知ったとき。
えっ?何?これ、蝸牛的なアコーディオン的な、なんか動き出しそうな…
種子島宇宙センターとか軍事基地じゃないの?と。
都城市民会館って聞いて?へっ、市民?
いやいやいやいや、これってもっと何か…
こう宇宙的なロボット的な未来的な、マジンガーZとかの機械獣とかの危険な形態でしょ。
SF好きな俺らにはアリだけども、一般市民には無理っしょ、こんなマシン。
と、思いましたね。
また、そういうオーラをフルスロットルで、ガンガン放っています。
こんな、未来から来たバックトゥーザフューチャーな凄い建築。
これがですね、もはや建設から既に50年を経ようとして、超絶に価値上昇中なんです。
世界的にみても…なんです。
しかも、これ設計した人、日本人なんです。
その人の名は、菊竹清訓。
名前からして、古代王朝の役職とか古代の名著みたいな感じしますよね。
キクチクセイクンではなく、「きくたけきよのり」さんといいます。
戦後日本の現代建築の巨匠です。
というか、今をときめく多くの日本の建築家を生んだ人です。
つづく