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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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中央卸売市場制度って日本人の大発明なんだぜ⑤

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市場をめぐる経済概念とは、水の循環のようなもので、文化人類学的にも民俗学的にも、生物の生存をめぐる物理的、社会学的な環境を含め、人類の歴史と一体であるということを確認しました。

 

 

また、市場という言葉が非常に多様かつ包括的に使われているために混乱を招いてしまう。

ここまでの議論を前提として、より理解を深めるために、市場という言葉の定義を以下のようにしたいと思います。

 

レベル1

市(いち) 歴史的・伝統的にモノの売り買いが行われる行事や、フリーマーケットも含む小規模の売り買いイベント。

レベル2

市場(いちば) 一定の商品を集め大量に売買する場所、小売店が集まり食料品や日用品を売る常設の場所。

レベル3

市場(しじょう) 商品や証券、財貨、が売買される具体的場所や社会制度を包括する経済的かつ哲学的な抽象的空間や概念。

 

 

そういった意味では、休日だけのイベント魚市というのは、市(いち)です。

また、多くのみなさんが観光客も含め築地市場だと思っている築地市場の場外というのは、

市(いち)と市場(いちば)が混在している場所のことで、市場(しじょう)ではありません。

 

築地市場の場内だけが市場(しじょう)と呼べる場所です。

なぜならば、そこは法を含む制度によって周到に設計され組み上げられた、抽象的概念と空間を具現化した場所だからです。

 


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