みなさんは「アースダイバー」を知っていますか?
アースカイザー?なんかカッコいい言葉だぞ、なんかのヒーローだっけ?
それは「超絶変身アースカイザー」もしくは「ゴッドサイダー」です。
カイザー・ソゼ?なんか聞いたことあるような・・・
それは、「ユージュアルサスペクツ」のケビン・スペーシー演じるところのキントが想像でつくった殺し屋です。
アースダイバーとは、文化人類学者の中沢新一先生の著書というか、世界の見方、
思考のフォーマットといってもいいでしょう。
人類の歴史を地形と空間との関係を、多面的角度から思想する行為、
時間と空間を同時に脳内に展開するためのツールです。
アースダイバーという言葉は、水に潜る鳥アビが勇気を振り絞って水中に潜り、
その深い水底から持ち帰った泥によって、地上の世界が作られた。
という神話に基づいたイメージです。
この神話における地上とは我々の住むこの世界ですが、この世界を認知する我々の思考や認識も、
神話の潜水鳥のように深い深い潜在意識の中にもぐり込んで掴みとった泥のような不定形で不確かなものによって、
徐々に形作られていくのだということを隠喩しています。
今の大将棋ブームのちょっと前ですが、プロ棋士になれなかった主人公を描いた「ハチワンダイバー」というマンガがありましたが、その「ダイバー」の意味も、9×9マスの将棋盤の中に「思考ダイブ」するイメージを表現したものでした。
つまり、ここでいうダイバーは現実の世界に自らを投企する、深い思考の中に潜る、意識をもっと大きな全体像の中に沈める、
そんなイメージと考えればいいでしょう。
そのことを我々の住む身近な都市をサンプルとして思考実験した
「アースダイバー」シリーズという本があるのです。
この本はですね、ベストセラーになりました。
タモリさんが日本中の街を歩き、その街の魅力や歴史をそこに生活する人々の暮らしをともに体感する番組。
今、大人気の「ブラタモリ」という番組があります。
また「スリバチ」なる地形を体験するスリバチ学会、坂道を堪能し坂道体験をする企画、夜の街を散歩しながら昼間とは違った顔を記録した「東京夜散歩」とか、
そういった、現実の空間体験と脳内の体験や知識が渾然一体となることで、大きく思考の枠組みが広がるようなそんな企画の大本といっていい、中沢新一の真骨頂といってもいい、そんな本です。
この本が出版された頃に、ほぼ日刊イトイ新聞さんで詳細にその背景や中沢新一さんの人となりが紹介されています。
http://www.1101.com/experience3/01-0714.html
こちらは、まさにアースダイバーについて中沢新一さんと糸井重里さんの対談です。
https://www.1101.com/nakazawa/2005-12-22.html
そのアースダイバーの最新刊が出ました!
「アースダイバー 東京の聖地」(講談社) です!
「アース」、「ダイバー」、「聖地」、とキラーワードの連発です。
そして、その聖地とは!
海民二千年の知恵 築地市場
太古の無意識の現出 明治神宮
どっちも、森山が大騒ぎしとる場所やん。
そです、どっちもこの数年間、その場所の帰趨を巡って世論が沸騰している場所です。
そして、この二つの聖地について、僕は中沢新一先生とずっといっしょに行動しているのです。
もちろん、世俗的現実と高尚な思惟と、文化的行動と政治的行動、思考空間と現実空間のそのすべてで、
です。
このアースダイバーを巡る冒険を始めてみましょうか
つづく