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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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築地再生計画はじめました⑬

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築地現地再生がなぜうまくいかなかったのか?なのですが

一般的にはこう言われております。
 
1.種地の不足 
駅や病院のように使いながら建て替えをしようとすると、どうしても一時避難場所というのが必要になります。A地点からB地点に一時的に引っ越し、C地点が完成したらAがそこに戻る、といったように引っ越しパズル、15の数字のパズルのもっと難しい感じです。
 
 
2.期間が長過ぎる
一度にすべてを新築できませんから、一部を壊しては作り移動して、さらに一部を壊して作り移動して、といったように。
佐藤修悦さんの「修悦体」として有名になったJR駅工事中のガムテープ文字を覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、工事カ所が何年にもわたり徐々に移動していたでしょう?そのような状況です。
 
 
 
3.工事費用が膨らんでいく
上記2.の工事期間が予想以上に延びることによる影響です。
4.運用に難がある。
市場の中を動きまわるターレやフォークリフトに加え、搬入トラックや買い出し人車両に、工事車両や重機が出入りする様子を実体験したところ、工事を進めていくに従い、やっぱり難しい、、という声が上がってきた。
 
これらの原因は、手を付ける前にどうして分からなかったのか?
もしくは、なぜそういった事態になったのか?といいますと、
これまでいろいろと検証してきたように、現地再生といいながら、
完成形の計画を立てるときにまっさらな状態から始めているからです。
 
築地に元からあるものを消してから、ないものとして、プランを考えている。
 
 
だから、こんなプランを立ててしまう。
 
 
これでは、築地ではない。
世界最大の水産中央卸売り市場として機能しない。
 
肝心のところが抜けている。
 
もう一度築地のコア機能部分を見てみましょうか
 
周囲に増築を重ねてきた部分をいったん外してみると、よりわかりやすいのですが、
これが築地のエンジンともいえる部分のプランです。
 
これまで、築地を語るうえで欠かせなかった特徴的な円弧。
皆さんそこにばかり注目しているのですが、円弧の中心に注目してください。
 
実は、この円弧と対を為して機能している最重要な部分が、なにやら妙なクシ形の部分。
カニの甲羅を外すと出て来るエラのような、手の指のような、
ちょっと有機的な形状をしております。
 
これ、平面図には買荷保管所と書いてありますが、現地では通称「茶屋」と呼ばれている部分です。
これが非常に重要な機能を果たすと同時に、非常にうまくデザインされているのです。
 
築地市場の空間モデルを思い出してください。
 
 
そして、これは空港に似ているんだ、といった。
駐機できる飛行機を増やすために円弧が採用されているのと同じように、
搬入の車両がたくさん並ぶことが出来る。
 
で、ゲルカン・マルクのテーゲル空港を見た。
 
 
実は、この円弧が搬入側の片側だけではダメなのです。
買い受けの搬出側にも駐機できなくてはいけない。
 
空港モデルでもそうですが、乗り換えの国内線側が必要。
 
 
その国内線側、築地でいえば搬出側でも、なるべくたくさん車を留めたい。
だから、こうなっている。
 
パリのドゴール空港です。
 
 
築地の「茶屋」と同じ。
 
 
こちらが、築地
 
 
 
続いて、この「茶屋」が持つ重要な機能について解説します。
 
つづく
 
 
 

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