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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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将来のサッカー日本代表が生まれるかも

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サッカー日本代表、今朝のギリシャ戦は残念でしたね。
守りに入ってるギリシャを突き崩すには、
やはりアグレッシブな攻撃、突撃、失敗なんか考えないで、
思い切りいってほしかったです。

国立競技場問題も佳境に入り、
サッカーの聖地として今後どのようになっていくのか予断をゆるしませんが、一方、そのころ私は何をやっていたかと申しますと
いつもいつもtwitterやブログに張り付いてるわけじゃないんです。

一昨年の滋賀県彦根の農工業連携施設もそうでしたけれど、
滋賀県彦根にあるローザンベリー多和田
地域資産をどのように活用するべきか、、ということで

投資家の友人と今、このような計画を進めております。
それは廃校となった学校施設の有効活用と地域活性化です。

町村合併と少子化で今地方の公立小中学校がどんどん廃校になっているんです。

かつての小中学校は地域のど真ん中にあったりするわけなんです。
そこが廃校になった姿は本当にさびしいものがありますね。

ところが、学校にはなんでもそろっている。
校舎やグランドやプールや部室やバックネットやトイレや、校舎跡から暮れゆくグランドを眺めていると、村下孝三なんかが聞こえてきたりして
見学してみると部室の天井に相合傘の落書きなんかもあったりして、
かつてここに数十年間にわたり200人もの青春があったんだなあと、
使われなくなった学校っていうのは本当に切ない感じがします。

その中でも今わたくしが相談に乗らせてもらっているある県のある町の廃中学校はグランドが芝生だった。
そこで、サッカーによる町おこしを考えてみようということになっています。

そこに、イギリスのプレミアムリーグのサッカースクールを誘致しようという計画です。

本場のコーチに日本に来ていただいて、
子供達はサッカーを教わると同時に、英語も学んでしまおうというものです。

もしかしたら、ここでサッカーを学んだ子たちが、プレミアムリーグに進んだり、2022年には代表選手になってたりして、と想像するだけで楽しい気持ちになります。

このような施設を日本国内に20カ所つくる予定です。
既存施設の有効活用ができれば、初期投資も少なくて済みますから、
田舎の学校でも企業グランド等でも全然かまわないんですよ。




続:新国立競技場はチューンナップできるのか(1)

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現国立競技場をチューンナップ、バージョンアップして、
ラグビーワールドカップ、オリンピックに向けて準備しようの続編です。

先日の外国人記者クラブでの記者会見でもリーダーとして、
そのご見識と沈着冷静なご判断で素敵な紳士っぷりを発揮された大野秀敏先生が、

なんと!現国立競技場を活かした代替案をご披露されました。

改修による新国立競技場計画案
説明書

その改修計画は真に大野先生らしいといいますか、既存の躯体を活かして収容人員と増やし屋根をかけるという単に機能増強にとどまらない、改修し付加する要素によって、現国立競技場の将来の利用維持管理のアイデアの可能性を広げ、周辺環境の関係をさらに深化させるきっかけを与えようというものです。

というのもですね、大野先生は建築家としても単に一個の建築を閉じた形態に押し込めたり、敷地をひとつの限定空間とみて、その中に恣意的なオブジェクトを置くようなデザインはしない人なんです。

大野先生のお仕事は通好みですから、今の若手建築家と称する人たちもその辺よく知らんと思うから解説します。

常に都市と建築のリアルな在り様を表現に据えている建築家です。
むしろ、小さな建築であっても都市的な要素、現代の生活空間を取り巻く周辺環境の意味とその繋がりを問うような作風です。

例えば、とある工業製品メーカーのオフィスビルであっても、


機能要素を分解して、再配置し、敷地内に小さなコリドールや広場を設けて、あらたな景観を生み出すようなお仕事をされています。

企業誘致が行われるような地方都市の工業団地は、大きな敷地と広い幹線道路のスケールによって殺風景になりがちなのですが、、


ここでも、ばっさり大枠の矩形でくくるのではなく、建築物の要素を可能な限りに分解。



建物の中に、通りぬけ通路や光の街路を導入。
無茶な開かない大型窓とかギリギリのディテールでキワドサを競うのではなく、開口の配置、素材や色彩を微妙に変化させ丁寧に設計デザインしてあることがわかりますよね。
これ、学校とか集合住宅じゃなく工場のオフィスですからね。

集合住宅になると、そのあたりの小さな都市的構成はもっと徹底していて、建物の中に街路を組み込んであります。


配置図を見れば大野先生の意図がよりはっきりと分かりますが、建物より、建物の影と樹木の方が詳しく描いてありますよ。



田園の中の集合住宅では
、近未来的都市ではなく伝統的な都市空間の再解釈に挑んでいらっしゃいます。


通常左右が閉じてしまうバルコニー共用部を、文字通り、繋がりをもった縁側の前の路地通路に変えてあり、ゆるやかに段差が取られているのも写真では目立ちませんが、集合住宅においてはまったく新たな、しかしながら伝統的要素を秘めた建築表現です。
簾を降ろした入口と掃出し窓の関係は、これで全面に盆栽とか鉢植えをぎっしり並べてあれば、京都の町屋とか江戸情緒の残る下町の佃島みたいな感じも出ていますね。


さらには展望台のような、上に向かう塔の建築であっても


人が歩いて楽しくなるようにしてある。




どうです?大野先生の建築は

建築がただ単にピクチャレスクな自己中心的な鑑賞用のオブジェクトではないってことが、はっきりわかりますよね。

大野先生は1985年に雑誌「建築文化」に、「周縁に力がある」という論文を発表されて、そのあたりを喝破されております。

ロラン・バルトの引用から始まるあたりが、僕好みで非常にカッコイイので、ちょっとご紹介しておきますが、

周縁に力がある 1985
ロラン・バルトは『表徴の帝国』のなかで皇居に触れて、「わたしの語ろうとしている都市(東京)は、次のような貴重な逆説、<いかにもこの都市は中心を もっている。だが、その中心は空虚である。>を示してくれる。禁域であって、しかも同時にどうでもいい場所、緑に蔽われ、お濠によって防御されていて、文 字どおり誰からも見られることのない皇帝の住む御所、そのまわりをこの都市全体がめぐっている。」と述べている。ブルバ-ルの先にはモニュメントが聳え、 明確な中心を綴り併せた都市から来た哲学者の目には、明確な中心をもちながらもそれが単なる深い森でしかなく、しかも、そこにはだれも入ることが出来ない 東京の中心部の構成がが極めて奇妙に映ったことであろう。


建築に於ける周縁空間
建物の周りが自然物で囲まれることによって初めて領域として完成するというふうに考えられていたとである。つまり我々にとって周りに自然を持たない屋敷はいわば「裸」の、不完全な屋敷なのである。

都市空間の周縁
一つの文化が持ち得る領域構造、あるいは空間構造のタイプの数は限られ、しかもスケ-ルを越えて繰り返される。ほんの小さな生活用具に現れる構造は、住居に現れ、そして我々は同じ目で都市を見、それをそのように編成する。

周縁のモニュメンタリティ-
建物のほうに永続性を期待できない日本の都市においては、むしろ自然を主体にした周縁の方に永遠性があったとしても自然なことなのである。そしてここか ら、周縁自体が都市のなかにあってある種のモニュメントの代替機能をも果たすことにもなるのである。その例の第一番は富士山である。


<置く>、あるいは浮島
日本の都市あるいは建物は<置く>というオペレ-ショによって成立しているからではないか。日本の建築の主流をなしてきた高床系の建物は束によって持ち上 げられ、大地から切り離されている。大地の形状を変えることなく、その上にそっと水平の床を置くシステムである(崖造り)。だから置かれた建物の下には自 然がそのまま残る。つまり建物は自然の海のなかに浮かんでいるのである。

周縁に遊ぶ=江戸の名所
江戸の名所も当初は文人好みのものであったが、上野の花見などのような庶民的な名所も現れるようになった。亨保期にいたって名所は爆発的に数を増し、盛時 には一千とももいわれる勢いであったという。江戸の名所の代表的なものをあげると、愛宕山権現、神田大明神、日吉山王神社、増上寺、佃島住吉神社、といっ た寺社の境内や、西本願寺の参道、富岡八幡社の参道、浅草寺参道などの参道、日本橋、常磐橋、永代橋、両国橋西詰、筋違橋八ツ浩小路、新大橋東詰、あるい は溜池、日本堤、三派といった水辺、駒形塚、主水井、麻生一本松といった小さな場所も名所になった。江戸の特徴である坂も名所となった。九段坂、霊南坂、 神楽坂、愛宕薮下小路。色々な街角も名所であった。

繁華街=周縁
名所にはその場所独特の食べ物いわゆる名物と結びつき、見世物や淫売宿もあった。そこはアウトロ-の集まる場所であり、中心から排除された価値が集まる場所であった。名所は繁華街の原型であった。

旅人の都市
名所が名所として成立したのは、名所の場所の持っている空間的特徴や形態的特徴によってより、むしろその場所にまつわる「ゆかり性」あるいは「物語性」に よっているということである。勿論これまで述べてきたように名所は水辺や山の辺といった地形的特徴をもった場所を選んではいるものの、今日実際にその場所 を訪れてみると、意外にあっけらかんとして、とりたてた特徴がなくがっかりさせられることが多い。一般の都市の住人(即ちこの雑誌のおおかたの読者と違っ て建築家や都市計画家ではないという意味において)にとって、この「ゆかり性」や「物語性」こそ、場所と自分結びつける重要な媒介項なのである。実体的な イメ-ジだけで都市にかかわることなどとてもできない。


という、大野先生の現国立競技場の改修案がどのように優れているのか引き続き解説していきましょう。

つづく


「AKIRA」における都市構造とその破壊表現・2014年マンガ学会大会にて

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本日、マンガ学会大会にて論考を発表します。
マンガにおける都市構造とエネルギー
「AKIRA 」におけるネオ東京の都市構造とその破壊、
巨大災害と原発事故
と題してですが、以前より大友ファンの間でいわれていたのが、
「AKIRA」は予言の書ではないか、、というもの。
翌年に東京オリンピックを控える2019年という設定だったのです。

建設中のスタジアムが登場していますが、
なにやら奥のスタジアムのデザイン、どっかで見たことがあるような、、

発表内容はネオトウキョウと産業計画会議のネオ東京プランの比較や
アキラ全編に流れるそのリアリティを支える背景の都市表現について、
同時に、その災害表現についてです。


非常に躍動感を感じる大友マンガなのですが、意外とコマ数は多くないのです。
しかし、引きのロングショットと極端な寄りのアップを、小気味よくつなぎ合わせることで、読んでいるこちらが画面の中に入ったり出たりして、前後を脳内でつなぎ合わせて成り立っているです。


都市の破壊表現では、きっっちりパースを取ってあることがわかります。大友先生はもはや都市計画デザイナーであり建築家でもあるのです。


日本マンガ学会 第14回大会
(京都精華大学・京都国際マンガミュージアム)
6月28日(土)京都精華大学
13:00-17:00 口頭発表






FM東京:TIME LINE コメント 【島田雅彦 ・今井広海】新国立競技場問題

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【島田雅彦 ・今井広海】2020年東京オリンピックメインスタジアム新国立競技場、計画変更か!

新国立競技場問題7月7日はきたんのない意見のために非公開?

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7月7日のJSC側からの申し出による「新国立競技場問題」についての、建築専門家、主にJIAを窓口とする意見交換会の件が新聞記事になってました。



記事抜粋
JSC側から日本建築家協会に申し入れがあり、
建築関係の5団体の代表者のほか、計画に異議を唱える槇文彦さん、大野秀敏さん、伊東豊雄さん、松隈洋さんら数人が参加要請を受けた。

しかし、槇さんと松隈さんは取材に対し、参加を辞退することを明らかにした。

槇さんは「少なくとも市民やマスコミに公開されなければ参加はできない。これでは説明責任を果たすことにならない」と話す。

松隈さんも「社会的に重要な問題を狭い範囲の人間だけで非公開で議論すれば、社会からの不信感を高める」と異議を唱える。

JSCは「きたんのない意見交換のために非公開でおこなうことにした」
と発表していますが、、、きたんのない意見と非公開がなぜイコールなのか不明です。
きたんのない意見、正々堂々の意見なら、公開でいいではないか!
それとも、何かほかには知られたくないことでも話し合うのか?
それとも、会見中に感極まって号泣するおそれがあるとか?
それとも、怒号が飛びあう殴り合いとかを心配してる?

この件ここでまた建築専門家が密室でわけのわからん話し合いなどしてみせたら本当に業界の信用などなくなってしまいます。
ぜひ、みなさん公開としマスコミの取材も受け入れるように問い合わせしてください。

新国立競技場設置本部運営調整課長の高崎さんは実直で生真面目な方だから、後でまた遺恨を残すような方式、本当はこんなこと非公開でやりたくはないはずなんだ。でも彼の一存で公開は決められない。
しかしながら「公開せよ」の声が数千も届いてみれば、それは無視できない。高崎さんも上に報告をあげげなくてはならなくなる。そうすると、今度はJSCといえども恣意的に非公開とすることが出来なくなるんです。

公開の場じゃないと、安藤忠雄さんの講演会で繰り広げるいつもの面白い話も聞けないしね。やっぱ安藤忠雄さんの生のパフォーマンス、内藤廣さんの諸氏を前にしたマイクパフォーマンスも見たいよね。

下記に問い合わせ先と問い合わせの文面事例を書いておきますので、適当にコピペ、アレンジして今すぐGO!です。

JSCへのお問い合わせ先はこちら
JSCあての文面事例

新国立競技場設置本部 高崎義孝 運営調整課長様
7月7日の新国立競技場計画に対する建築専門家団体を招いての説明会の開催はご英断だと思います。しかしながら、今や国民の耳目を集めることになっている新国立競技場計画に対する様々な疑問点についての意見交換会を非公開とされる点、マスコミの取材を受け入れない点については、承服しかねます。
直ちに公開とされ、マスコミ取材の受け入れを承認してください。

JIAへのお問い合わせ先はこちら
JIAあての文面事例

JIA会長芦原太郎様

7月7日の新国立競技場計画に対する建築専門家団体を招 いての説明会にご参加いただきぜひその内容を逐次公開してください。今や国民の耳目を集めることになっている新国立競技場計画に対する様々な疑問点についての意見交換会に建築家協会がその説明窓口となり、その情報の公開性に尽力され、専門家向けの情報を広く国民に開示されるならば、本件を通じて生じつつある建築家のモラルや職能についての不信感も払しょくされ、そのことは国民全体の長期利益となるでしょう。
JSCに説明会の公開と、マスコミ取材の受け入れを承認するよう強く要望してください。

以上。


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7月11日奇跡のコラボ「参加と合意形成研究会」原科幸彦&浜野安宏

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急なお話しではございますが今週の金曜日7月11日に、
添付しました資料のような研究会シンポジウムをおこないます。
これは反対運動ではありません。

「参加と合意形成研究会」のサイト
  http://www.cuc.ac.jp/~sahara/opss/
  http://www.cuc.ac.jp/~sahara/


そこでは、新国立競技場が抱える専門家でなければ理解しがたい問題点をまずは、定量的に理解しよう、そして当事者意識を全員が共有できるテーブルを構築しようという試みをおこないます。

これは哲学者のユルゲン・ハーバーマスが唱えた公共圏という概念のモデルに基づいています

今回新国立競技場に関する諸問題は、
当面の当事者であられるJSCに端を発するものでもはなく、
もちろん誘致を推進した森元首相をはじめ誘致委員会の方々が原因
なわけでもありません。
国立競技場の将来像について、検討する役割の方々、検討する諸内容と情報が、それぞれの専門分野で縦断されたまま、横断的に統合され得なかったことにつきます。

そのため、大局観的にはオリンピック誘致とそのメイン会場はなんらかの手をつける必要は自明でありながら、その対応方法が重心を欠いたまま、計画の全体像が偏心した状態での施設計画推進という今の状況を生んでいるのです。建築物は一定の要望プログラムがあればそれを反映し勝手に像を結んでしまいます。その結果の像が今回国民すべての合意を得ているとはいいがたいのはこの要望プログラムに反映するべき諸項目に不足と誇張があった結果なのです。

目的は以下です。

現在、計画に関わるすべてのレベルで各ご担当者、委託専門家も無為な作業に没頭し、ハードウェアとしての建築物には合理性を欠いたままであり、オリンピックの開催だけでなく、ラグビーのワールドカップという誘致に携わった森元首相にとっても思い入れのあるイベントを適正におこなえる時期や規模を逸脱しようとしています。
また、国民の将来にわたる税負担のこと、また広く国民に開かれた運動競技場という本来の目的を大きく逸脱して民間イベントのための支援をおこなうことが半ば第一目的と化そうとしています。
そのようなことは、本筋ではない、元より道理が通らない、
それは関係者の方々全員がお気づきのこととと思います。

そのため全員が焦っています。そして各作業項目を負担した方々は皆さん、さながら出口の見えない迷宮にさまよいこんであがいています。
そのため、現在の計画案の全体像を、各専門家集団から横断的に切り分け解剖し、人的組織的つながりと各専門家どうしの知見が正常に噛みあうための、計画案に先天的に埋め込まれてしまったその歪みを是正するための地図をつくるというのが今回の目的です。

そ して、前回のオリンピックにあった同時代精神、敗戦国日本を世界にデビューさせた当時の、昭和39年の誘致委員の方々、スポーツ関係者の方々、代議士の先 生方、技術者たち、そして当時の若い国民たちと同じように、全員が納得のうえで、各関係者全員の真の頑張り、真の努力、真の協力関係を今の国民全員にア ピールできるように少しの軌道修正を皆さんと考えていきましょう

新国立競技場計画の持続可能性 は?
7月 11 日(金)午後2時~4半
会場:千葉商科大学 ・丸の内サテライト キャンパス
ウェブ中継 実施
1. 参加と合意形成研究会の趣旨 
原科幸彦(千葉商大学 原科幸彦 政策情報学部長、東京工業大学名誉教授  )
2. 国立競技場問題
浜野安宏(ライフスタルプロデューサ)
森まゆみ(作家)
3. 持続可能性診断の方 の方法
・インパクトアセスメント 原科幸彦
・代替案
レガシー継承とその実例  森山高至(建築エコノミスト)
改修計画案  大野秀敏(東京学学研究新領域創成科教授)
・持続可能性診断 枠組み例
施設の機能 鈴木知幸(2016年東京オリンピック招致準備 担当 課長 )
環境影響: 都市気候  三上岳彦(首都大学東京名誉教授)

丸の内 3-1-1国際ビル1階、皇居側帝国劇場の側あるビルです。
Tel 03-3216 -5220
メトロ有楽町線  有楽町駅 有楽町駅 直結
都営三田線・日比谷駅直結、
JR ・有楽町駅徒歩 2分。
 ◎問い合わせ桑原洋一 Tel:  090-5541 -3635
kuwabara.yoichi@uwalumni.com 

「参加と合意形成研究会」のサイト
  http://www.cuc.ac.jp/~sahara/opss/
  http://www.cuc.ac.jp/~sahara/

国立競技場ちゃん擬人化コンテスト作品発表

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この数か月、多くのメディアにも取り上げられるようになり、
新国立競技場問題ですが、
7月16日に入札保留とされた現国立競技場、しかしながら
「8月から解体はやる!」というJSC宣言も出て風雲急を告げる国立競技場ちゃんです。
昨日の7月20日の締切までに全世界中から多くの提案をいただきました。

このコンテストに際しての審査委員長からのメッセージです。

「いちばん」をつくらない。
日本を変えたくないと思う。古い日本に戻したい、と思う。
もう一度、地に足をつけた国に。

そのためのシンボルは既にあるのだ。
世界中の人が一度は来てくれた。
世界中にその名が刻まれている。
世界一楽しい場所が元々ある。
それが、100年前に造られた外苑周辺だ。

そのスタジアムの擬人化が「国立競技場ちゃん」だ。
世界一の萌え、世界一のオタ、世界一のキャラクター化、
そのポテンシャルは、日本にある。
その多様性ゆえサブカルに「いちばん」はつけられない。
だから、創り方も自由でなければならない。

私たちは現国立競技場の擬人化コンテストの実施を世界に向けて発表した。
そのプロセスには、市民誰もが参加できるようにした。
専門家抜きでもあっさりみんなでつくりあげていく
「建物」ではなく、「建物擬人化」。
そう。まるで日本中からオタ総出の「コミケ」のように。

この国にはたくさんの中心がある。サブカルチャーの力で。
そして、なにより、日本中みんなの面白がる力が。
すでに世界中で「いちばん」なんだと気づいてほしい。


というわけでございまして、応募作品を以下に張り付けていきますね。
「応募案を主催者が探す」というのがこのコンテストの特徴でして、
まだ見つけられていないぞ!という方はどうぞ教えてください。

ニコニコ静画にいきまして「国立競技場ちゃん」と入れて検索します。
すると、おおー!いっぱいありますねえ。




PXIVの方でも応募作品があります。



「国立競技場くん」というのもありました。zhiさん

ニコニコ静画で「国立競技場」で検索しないと出てきませんが、
zhiさんいわく
以前「擬人化はなんで女の子ばかりなの?」というツイートを見かけたので描いてみました。「国立競技場くん」 直線的なモチーフが多い現国立競技場は男の方が合うかなと思いましたが、やはりあの構造美を人体に落とし込むのは難しい。
そうです。

取り急ぎ、ご報告してまた詳しく解説していきます。
あと、今後の発表方法についてもニコニコ動画で授賞式とかやりますかね!

これから槇先生の講演会に行きます。

国際シンポジウム「都市と建築の美学-新国立競技場問題を契機に」
日時:7月21日(月祝)14:00-17:00
場所:東京大学文学部法文2号館1番大教室(文京区本郷7-3-1)
地図:http://urx.nu/9ENI

挨拶:小田部胤久(美学会会長、東京大学教授)
基調講演:槇文彦(建築家)
講演:初田香成(東京大学助教)
オリンピア・ニリオ(ボゴダ大学教授)
中谷礼仁(早稲田大学教授)
司会:岡田温司(京都大学教授)

申込不要、参加無料、通訳付
問合せ先:京都大学岡田研究室/075-753-6546,7921
主催:美学会










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「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表①

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先月の20日を締切とさせていただいていた「国立競技場ちゃん」ですが、
発表から間が開いてしまいましてすいませんでした。
元々、現国立競技場のさよなら解体イベントが多発される中、
現国立競技場の建築物としての魅力を再確認してみようというのが趣旨でした。
ところが、6月の解体工事入札不調に続き、
7月の解体入札も業者未決定の状態が続いています。
その理由はいろいろと、取り沙汰されていますが、
6月の解体工事入札は予算が少なすぎて成立しなかったそうです。
というのも、現国立競技場は基礎下にかなりの本数の杭が打ってあり、
それの引き抜き等を考慮すると示された予算案では全然足りないとのことでした。
7月の入札では、前回の入札不調を考慮し予算を倍に上げると共に、
入札企業の資格を下げたそうです。
結果として、予定工事価格をかなり下回る価格の入札があり、
業者資格にも不安があるということで業者未決定という事態です。


今後の推移がどうなっていくのか、、予断を許しませんが、
「国立競技場ちゃん」の方、お待たせいたしました。
各応募案をさっそくみていきたいと思います。

まず、体の一部が国立競技場化しているものです。
みとみとさんによるこちら

一番最初にエントリーされたものですね。
1964東京オリンピックの選手ジャケットを身に着けて、聖火トーチを持った国立競技場ちゃん。
サンバイザーは現電光掲示板、そしてボディに一体化した競技場は、「艦これ」でも見られるようなオーソドックスな処理。注目すべきはポニーテールでまとめらた黒髪とキリリとした眼差しは昭和39年の日本の気持ちを体現するものでありましょう。
キッチっとしめられたジャケットの左胸の日の丸のワッペンが円形に歪むくらいの巨乳っぷりが、意外な感じを受ける「国立競技場ちゃん」です。
競技場スタンドから足しか見えないのは、ミニスカートなんでしょうねきっと。

続いて、ラフスケッチ段階のキリハナさん作品。


聖火台をアタマに乗せて競技場全体が肩から腰にかけて一体化しています。ちょっと大人の雰囲気のするお姉さんですが、やはり1964東京オリンピックジャケットを彷彿させるものとなっています。キャラクター的には高橋留美子先生とか「ツルモク独身寮」の窪之内先生に登場するような、昭和後期、バブル前夜をわせるロングヘアー&肩パットですね。仕事が出来そうな女性管理職、新人君にも厳しくも優しい「国立競技場ちゃん」ですね。

続いてbushikoさん。
「君も燃やしちゃうぞ~」とでも言ってるのでしょうか。
ちょっと悪戯好きの国立競技場ちゃんです。
現競技場のトラックレーンに使われている海老茶色のジャケとホットパンツに紺色のネクタイがなかなか職務に対する責任感を感じさせますね。ヘアバンドにサッカーのピッチをモチーフとしていますので、この競技場ちゃんの希望は、国立競技場をサッカー専用スタジアムにしてよね。のメッセージとも受け取れました。
バランスのとれた秀作と思います。



まさに、「おもてなし」がコンセプトのモエストロさん。
競技場西側のアプローチが振袖でございます。
サムライブルーの着物をお召しになっておりますが、その銀色の髪はそのままビップの屋根でもあります。この競技場で2020年も世界のVIPをお迎えするぞ、の気合いも感じられる国立競技場ちゃんですが、意外と茶目っ気もありますので、このまま髪を伸ばし続けていけば、スタンド全域を覆うくらいにはなるのではないでしょうか
注目は照明スタンドが非対称な点まで再現されているところです。

というわけでございまして、次々とエントリー作品を紹介していきますね。





「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表②

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続きまして、国立競技場の要素、性格、意味を推し進めた作品群をご紹介します。
現国立競技場は「大和撫子である!」に賛同いただいたのでしょうか
和服を前提にしたものがこちらです。


箆蔵@Archt+(へらぞう@あちと)さんの作品
和服です、でもってかんざしが現国立競技場の照明灯であると、着物の柄がフィールド&観客席のオレンジ、そして帯も観客席の青色というカラーリングの意識が見てとれますね。
蹴鞠としてのサッカーボールも心にくい演出です。

その前の習作では唐笠が登場していました。
髪も長くて、この国立競技場ちゃんは、情報開示も説明も不足している今の計画にちょっと怒っているようです。



同様にファッションのカラーを意識したJJ製作所さんの国立競技場ちゃんです。


こちらは、ちょっとボーイッシュなイメージ。
タイツとアームカバーが青です。
シューズと手袋がオレンジ、国立競技場カラーですね。
彼女のスカートに注目。RC構造のスケルトンをモチーフにしています。
聖火台や電光掲示板はヘアバンドでさらりと流してあり、
この国立競技場ちゃんは「ちょっと競技場に寄って行こうよ!」と
重たくならないようにフランクに気い遣ってくれてるようでして、
軽く誘ってくれているので付き合いやすそうですね。

次も箆蔵さんの作品です。

フィールドにへたり込んでいるようですが、彼女は何やら訴えかけているようですよ。
「ちょっと、ちょっと、いきなり壊すなんて聞いてないんだけど、、、」

鋳物の聖火台から炎のごとき袖のデザイン、五輪のネックレスも小物として効いています。
そして!ペタン座りではなく正座でこの国立競技場ちゃんはお行儀がいいです。


そして!国立競技場だけじゃない、明治神宮外苑全体の聖なる妖精。
を描いていただいたのが、zhiさんのこの提案です。

銀杏のモチーフが登場しました。
同時に彼女は何か未知のパワーを右の手のひらに集めていますね。
コスチュームが青~群青ということで、風の谷のナウシカを彷彿とさせますが、、
「そのもの、、青き衣をまといて、金色の野に降り立つなり、、、」
は外苑の銀杏並木に降り立つ「国立競技場ちゃん」のことだったのかもしれませんね。





「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表③

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zhiさんによる国立競技場ちゃん=外苑全体の守護神
の作品はですね、初期型からどんどん進化されてたんです。

最初は国立競技場ファッションの素敵なお姉さんでした。
競技場モチーフの帽子に銀杏のイヤリングですね。
彼女のカチっとした鼻と厚ぼったい唇が野性味を帯びていいですね。
なぜか、卑弥呼?って言いたくなるような。

つづいて、闘う国立競技場ちゃんです。

背景に控える黒い影はなんなのでしょうか、
基本計画で無意味な白い壁にされてしまう前の巨大軟体動物が外苑に襲い掛かっております。
それに立ち向かう国立競技場ちゃんです。

高炉コンクリート製の躯体でつくられたショルダーパットと胸当ての鎧を身に着け、聖火台と同じ川口の鋳物屋さんでアームカバーとすね当てを製作してもらったようです。
銀杏型の鉾はすべてをなぎ倒す気合いにあふれておりますが、、一番の見どころは出陣前にザンバラに切った前髪と脇髪でしょう。
スカートの厚みから生地中に鉄が編み込まれていると思います。

そして、女神のような国立競技場ちゃんです。

ラスボス登場!といった感じです。
穏やかな表情からは、怒らしたらどこまでヤルかわからない怖さもありますが、外苑を愛するものにはどこまでも無限の慈愛にあふれております。
国立競技場や外苑を巡る何やら黒い策謀にとうとうお目覚めになられたかもしれません。
兜は円錐の分割領域で赤い部分が二カ所に増えておりますが国立競技場ちゃんが怒るとここが光ります、たぶん。肩パットは万国旗のポールにより敵の刃を防ぎつつ軽く動きやすくなりました。コスチュームはスケルトンの骨組みで補強されており、手首のプロテクターは聖火台ですね。


つづいて、「ペタン座り」で表現されたシリーズ。
ペタン座りとは、アヒル座りとも言われる足をW型に開いてお尻を落とす座り方です。
僕も小学校低学年の頃は出来たような気もするのですが、「女座り」と呼ばれたりするためいつの間にかできなくなっていました。
聞くところによると、骨盤や股関節形状の違いにより男子には出来ないため、萌えイラスト等では女子力表現アイテムとしてよく登場します。

萌え度120%のmossyaさんによる国立競技場ちゃんです。



いわゆるドジっ娘、でも頑張り屋さんの国立競技場ちゃんです。
モチーフとアイテムの解説が秀逸ですね。
特にひざっ小僧のバンドエイドとか、「小さいケガがある・・」
にヤラレました。


続いて、キリハナさんの習作、国立競技場ちゃん

ペタン座りのお姉さんです。
キリハナさんは線の強弱とサラサラっとしたタッチで動きのある表現がイイですね。
コスチュームのデザインはこのまますぐにでも作れそうです。
頭上に聖火も燃えていますし、もうこのまま国立競技場イベントでコスプレ可能な感じです。


ペタン座りではなく、斜めに流して座っているのはJJ製作所さんの国立競技場ちゃんカーニバル風味イベント仕様です。

国立競技場はスポーツの殿堂であり、イベントお祭りの広場でもあるわけですから、このロックバンドボーカルみたいな国立競技場ちゃんもイイと思います。

競技場の命、芝とトラックレーンを表したタイツ、観客席カラーのロンググローブ、左腕の電光掲示板デザインのリストバンドはスマホにもなりそうですね。後ろにまとめた髪そのもののが聖火を表現しております。


そして、恐怖のペタン座りで登場するのは、掟破りの応募案。
「国立競技場ちゃん」ではなく「新ちゃん」です。
「新国立競技場ちゃん」はいつの間にか無茶苦茶に改造を施され、行きたくもない外苑に無理に連れてこられたんだそうです。

このまま、私はどうなってしまうんだろう、、生まれて来れるのだろうか、、という不安感が暗黒銀河の中で表現されています。
「新ちゃん」はデカ過ぎて、そこにペタン座りするだけで、
周りの木々や建物を押しつぶしてしまうのです。

つづく



「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表④

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続きまして、国立競技場の建築的要素を擬人化したというより
国立競技場のイメージガール的なものをご紹介しますと、
キリハナさんによる一連のカッコイイお姉さんシリーズ。

指先まですらーっと伸びた線、片側が半分脱げているサンダルなど細かい表現が繊細ですね。ファッションデザイン画としても素敵です。

最終的に背景のデザインまで含めて仕上げられたものがこちらです。

国立競技場をイメージしたデザインの洋服をお召しになっておられます。群青とオレンジの組み合わせです。

さらに!キリハナさんが満を持して投入された「国立競技場ちゃん」
が、これだ!

髪は手入れの行き届いた芝です。
聖火台は首のチョーカーとして表現されています。
そして競技場スタンドの円弧が肩出しファッションを強調しています。
左右非対称なのもイイですね!

新国立競技場と闘う女戦士というより魔法少女系になりました。
トーチの先から電撃や炎を吹いたりするのではないでしょうか。

キューティーハニーみたいに、神宮外苑の平和を乱す悪の組織に立ち向かう、おしゃれ魔法少女国立競技場ちゃんには青空が似合います。


同様に、変身型の国立競技場ちゃんのエントリーがありました。
藍屋伝一さんの作品は、ラグビー対応です。
ラグビーの試合中に何度も登場する魔法のヤカンをもっています。


しかも、飛べる。
そして!なぜかアスリートに変身すると下に身につけているのはスクール水着!代々木の国立競技場にも出没するつもりなのでしょう。
すばらしい。
スポーツアイテムてんこ盛りです。

そういえば、代々木国立競技場(代々木オリンピックプール)は、
丹下健三さんの設計で有名だけど、国立競技場はなんでもない建築なのでは?
と勘違いしている人達がいますが、
霞ヶ丘と代々木の両競技場は兄弟、姉妹なんですよ。
どちらも生みの親は岸田日出刀先生です。
代々木も最初は角田栄さんが基本計画を進めてたりしたそうです。
その後、岸田さんが代々木は丹下君に任せよう、ということで、
両施設は建設省の技術陣が一丸となって進めていったのでした。
その辺のお話を両施設に関わられた建設省OBの室橋さんに先日聞いてきました。

そして、xyn9さんの手による絵画館ちゃんと国立競技場ちゃんの妖精イラストもあります。(ご本人は非エントリーといわれてましたが)

SF小説の挿絵を思わせる雰囲気のある風景ですね。
外苑の緑を象徴するものとなっています。


そして!なんだか憎めないというか、
ヘナヘナ~っと、すごくいい。
morotoraさんによるゆるキャラの国立競技場ちゃんです。
「てへっ」

この国立競技場ちゃんはとっても気に入りました。
ゆるキャラとして着ぐるみ作成してみたくなりました。


いやいや、国立競技場は女子じゃなく男子だろ!
というのがzhiさんの「国立競技場くん」です。
これはカッコイイですね。
コンクリートスケルトンの甲冑を身にまとい。
左腕は聖火を鋼にしたという炎剣と化しています。
これは私も大好きなライダーマンやコブラの
ようですね。
外苑戦士国立競技ンジャーです。


以上のように、最終的に国立競技場ちゃんは、萌えとジャパンを融合しつつ、外苑と国立競技場を守るための戦士のようなキャラクターが登場したのは、きっと今の新国立競技場の様々な矛盾や問題に多くの人たちが気づきはじめた、そこで!みんなの平和を守るためでしょう。



最期に、番外編で「新ちゃん」こと「新国立競技場ちゃん」が今どういった状況にあるのか擬人化していただいたものがありました。
「悪い魔王に捕まった新国立競技場ちゃんは変形させられて、地上に送り込まれようとしています。地上に実体化するとやはり巨大化します。魂と切り離されているので自分では動けません。」とのことです。


この悪い、、魔王は、、、
どっかで見たことがある、、、

確か、、、ひらがなで「いちばん」を語っとる人や



とりあえず、国立競技場ちゃん企画の報告は以上です。
私の著書プレゼントや打ち上げオフ会の企画なども考えていますので
応募者の方々にDMします!

皆さまありがとうございました!
アドバイスいただいたFLGPさんはじめ、
応援いただいた方々ありがとう!

新国立競技場コンペで可動屋根はみんなどうしてたの?by i+i

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私の大学研究室の後輩で、以前は事務所をシェアしていっしょに仕事していたこともあるアイプラスアイ一級建築士事務所の飯塚さんが新国立競技場で設計上のネックになっている可動式屋根について詳細な分析をされています。転載と紹介の許可もらいましたので全文ご紹介いたします。

ここから
新国立競技場の可動屋根 2014年7月5日記事


新国立競技場、7/7にJSCと安藤さんとJIA建築家の非公開の話し合いがあるそう。どうなるんでしょうか。私がザハの現行案で一番気になるのは、やっぱり可動式の屋根ですね。
20 年くらい前、ずっと小規模なものですが、隣の席で上司が可動式屋根のプールを設計してたんで、横目で眺めてたこともあるんですが、可動屋根って格好良くす るのが、ともかく難しいんです。雨仕舞を考慮すると、どうしても可動部屋根が、非可動部屋根の上に乗っかってきます。巨大な可動部は大きな重量となり、屋 根自体も自身の形状を維持するために大げさになります。加えて、仕組みは単純なほど壊れにくいし、制御も簡単、コストも安いということで、動き方もシンプ ルにせざるを得ないから、円運動とか直線運動とかの決まりきった形で解かなければなりません。なので、どうしても、薄い、細い、シャープといった語彙とは 真逆の、単純な、どんくさい、古臭い形状になってしまうことが多いんですね。

全体の形状は、可動部の仕組みから、ほぼ決まります。その他 のデザインが決まってから、後付で可動屋根を設計する、というのはナンセンス。例えば、福岡ドームを考えてみてください。円弧に沿って開閉するから、球場 の形は円筒です。形状は、可動の仕組みときちんと対応させないとまずいわけです。
質 疑応答なども読みましたが、新国立競技場コンペでは、「可動屋根は絶対条件、開放面積は問わない、でも芝のことは考えろ」ということだったようです。1次 審査の提出案では、可動屋根を考えてる案、考えてなさそうな案、曖昧にしてる案など、いろいろありました。まじめに考えてる案は、既にある可動屋根の仕組 みに倣ったものが多かったようです。設計期間がほとんどなかったのですから、まあ、当然ですよね。で、コンペ案を現実に存在する可動屋根の仕組みごとに分 類してみたら、なかなか面白かったので、ダイジェストで、ちょっと見てみましょう。
まずは、ドーム中央部が長手方向に分割され、立面円弧状に開くタイプ。写真は大分ドーム。可動屋根が薄くて、なかなかいいですね。黒川さん+竹中工務店他の設計。屋根は結構大きく開くんだけど、これでも芝の育成上はいろいろ問題あるんだそうです。
シンガポールの国立競技場も長手に開きます。設計はオブ・アラップ。大分ドームと同じように左右をつなぐ梁が入っています。
この方式を採用したのが新国立で3位になったコックス案です。可動屋根が小さい割に開口がでかいので、開口部に、つなぎの梁は必要そうですね。
コープ・ヒンメルブラウ案も、同じ方式です。1次審査通らなかったので、全く注目されてませんが、観客席は、妹島さんと同じようにうねってました。全体の形状は不定形の敷地には結構あってる気がしますね。
ドーム中央部が短手方向に分割され、立面円弧状に開くタイプ。これは山下設計の実作。
この方式は、アーキテクチャルシステムオフィスというグループが採用してます。
続いて、水平スライド式。トロントのドームです。
チッパーフィールド案がこの水平スライドタイプ。大げさですけど、ディテールは綺麗にまとめられそうな感じです。
SANAA+日建設計案。こんな絵しかないので、全く詳細がわかりませんが、スライド式ですかね。対称性のない客席や屋根は、面白いと思いましたが、可動屋根はあんまり考えてない風です。日建設計は可動屋根苦手なのかな?
蛇腹状の屋根も実作あります。ウインブルドンのセンターコート。開口は長方形。水平に動くだけですから動きは単純ですが、制御は意外に大変なようです。短辺方向にきちんと水を流せるよう、蛇腹には、一定ピッチでアーチ状のトラス梁が入っています。膜材は不明。
伊東さんの案は、これに似てます。シンポジウムのビデオでは、屋根は膜じゃない素材と言ってた気がするので、太陽電池下にスライドする方式かもしれません。
豊田スタジアムも蛇腹状です。サインカーブを描く、平行な2本のキールに沿って、蛇腹屋根が動きます。形としては非平行にしたかったんでしょうけど、可動ですからやむを得ません。サインカーブにしたのは、単純な平行アーチの退屈さを回避したかったからでしょうね。
こ の豊田の屋根は2重になっていて、中に入れる空気の量を調整しながら、閉じていくという、とんでもなく複雑なメカニズムをとっています。これ以上難しい仕 組みは、無理そう。というか既にやり過ぎか。これつくったエンジニアはすごいですね。このスタジアムも短辺方向にトラスを入れています。
フランクフルトのサッカー場は、蛇腹式ですが、中央から外周に向かって開く膜がついてます。最初はパラシュートみたいに真ん中にたたまれています。
外周に引っ張って、
ピンと張って完成。雪は諦めてるのかな。雨がたまらないよう、真ん中を上方に引っ張りあげてるはずです。明らかに曲がるタイプのC種膜ですね。
スタジアムコンセプト案。よくわからないけど、真ん中に地球みたいのが浮かんでるから、開閉するんだったら、フランクフルト式のはず。
ラファエル・ヴィニオリ案。平面はまんまる。可動屋根は、フランクフルト式に最も適した形です。
仙田さんのとか
これとかは、カメラの絞りのような感じですかね。実現案はみつけられませんでした。
あと、コンペ案にはなかたけど、実現案では、水平回転方式=博多ドームの膜構造タイプもあります。例えば但馬ドーム。

大 体これで、膜の可動屋根は全部網羅したと思うので、次に膜構造の建築物の一般的な注意点をまず整理しておきましょう。私は膜は小さな公共施設のキャノピー くらいしかやったことないので、そんなに詳しくないですけど、おそらく要点を箇条書きにすると、下記のようになるはずです。

・雨水が局所的にたまらないようにする
・膜が裏返らないようにする
・風でばたつかないようにする

雪以前の問題として、雨がたまってもいけないし、強風時の傘のように、風でひっくり返ったりしちゃダメなんですね。そして、その防止のためには、

・雨水を適切に集めて早期に排出する
・膜に適切な張力を導入する
・強制的に膜に勾配をつくる

のが大事なんじゃないかと思います。最後のがちょっとわかりにくいですけど、規模の大きなドームは、どうしても中央が平らになりやすいんですね。なので、面を細かく分割して、折り紙状に勾配をつくるというのが、膜構造建築ではよく行われます。

ということで、前置きが長過ぎますが、以上を踏まえ、問題の国立競技場の屋根を見てみましょう。
私が考えるザハ案屋根の問題・疑問は下記の3つです。

1.C種膜の問題
これは、森山さんの記事を参照いただければと思います。

2.ETFTフィルムの問題
基本設計報告書によると、競技場では、南側の屋根の一部にA種膜でなく、透過率の高い、透明の膜を検討しているとのこと。これはETFTフィルムではないのか?ETFTフィルムは、現行法規では、建築物に使えません。

3.形状そのものの幾何学的問題

上記の材料の問題が、手続きの工夫で仮にクリアになるとしても、形状の問題というのは相変わらず残ります。そこんとこが、ともかく気持ちが悪いと考えていらっしゃる方、特にベテラン建築家の中に沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

この屋根は、非常に曲率が大きな、ほとんど平らに近い屋根です。平面は楕円で、1方向のアーチじゃなくて、2方向にゆるく曲率がついた3次曲面で、ケーブル膜と呼ばれる形状。形自体ははロンドン五輪の時の、ザハの水泳場と同じですね。
この形状は、短辺方向に見ると逆アーチがついてるおり、まんなか付近はほとんど平らです。この形状を膜で実現するには、前述のとおり、膜自体をピンと張っておく必要があると思います。じゃないと水たまりできちゃうから。

と ころがですよ。これがなんと長手方向に真っ二つに割れて、2本のアーチ周辺に収納されるという仕組みらしいんですね。短辺方向でみると谷、つまり、一番水 にとっては弱点となる部分がパッカリ割れるようなんです。最も水に弱い部分に沢山の水があつまってくるという不合理な形状。

長辺方向の根 元付近では、屋根はクロスタイと呼ばれる構造体の間に設けられたスリットの間を、するすると移動するようです。そして、そのガイドとなるのは、膜の構造体 である構造体のケーブルです。ケーブルは、風などによって3次元的に動くはずですが、そのケーブルの下を、3次曲面の蛇腹状の膜が、短時間で開閉するとい うのです。その仕組みは、上で長々と解説した過去のどの事例とも異なっている、世界初のものです。

3次曲面状の屋根をワイヤー等で引っ張ってバランスよく開閉させるには、どんな駆動の仕組みにすれば良いのか。

長手方向の最下部には雨水が集まってくるはずですが、樋らしきものはみあたりません。屋根の上の雨水はいったいどうやって集めるつもりなのか。また、左右2つのテントの重ねあわせ部には、どんな樋をしこむのか。

折りたたんだテントはどこに収納するつもりなのか。

そして、ばたつかせないように、水たまりが出来ないように、1万㎡以上の不安定な構造体にどうやって張力を導入するつもりなのか。

考えれば考えるほど難しそうです。基本設計発表時には、2本アーチを並行にしてくるんじゃないか、あるいは膜自体を諦めるんじゃないかと想像してたんですが、発表された案は傾いたキールも、膜の可動屋根も、そのまま原案通り残ってしまいました。屋根形状も変更なしでした。

ほんとに出来るんですかね?この屋根。

この屋根は膜メーカー任せにできる簡単な膜じゃありませんし、日建設計がやったところで、難しいのは同じです。発注者や審査員の先生が、今すべきことは、設計者を呼んで、可動屋根の実現性を徹底的に調査、確認することなんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

この先どうすべきかという選択肢は4つくらいあるでしょうか。

1.何もしない
設計者は、上述した、きわめて困難な問題を必死で解決、C種膜の可動屋根で計画通知は通し、工事着工前までに、新素材を開発して辻褄をあわせるということを考えているのでしょうか?
災 害拠点としても位置づけられる公共建築なのですから、仮に法的な手続きがだましだまし通ったとしても、安全性に問題があり、耐用年数が短く、常設の公共建 築で全く実績のない材料を採用することは大問題です。ひとたびトラブルが起これば、発注者および設計者は、材料選定の責任を厳しく追求されることになると 思います。オリンピックの開幕式や神宮の花火大会で競技場の屋根が燃えたりしたら、それこそ大変です。最もこれが筋の悪い選択肢だと思います。

2.屋根の形状を変える
公 共施設の屋根ですから、この可動屋根はA種膜でなければなりません。今、設計者がやるべきことは、デザイン監修者とともに、屋根の形状および、可動の仕組 みをA種膜が可能な形(たとえば大分ドームのような形)に見直すことではないかと思いますす。日本の法令を遵守した、きちんと開閉する屋根のデザインを考 えることは、デザイン監修者の当然の義務であるはずです。日本の技術力を世界に示すのも結構ですが、法律の範囲内でやっていただきたいものです。

3.可動屋根自体をやめる
屋根が必要なのはイベント時だけです。サッカーも陸上もラグビーもオリンピック開会式も、フィールド上部の屋根は必要ありません。コンペの条件を覆す事になりますが、可動屋根をやめるという判断もあるはずです。

4.建設そのものをやめる
新 国立競技場は今のまま残し、各種競技は既存の施設を利用すれば、環境負荷は最小です。そして、本当に必要な施設、機能だけをを、新築に限らず、仮設、リノ ベを含めて考えていくのが本来の正しい考え方でしょう。公共工事は基本的に予算ありきです。激しく予算オーバーするなら、そういったことも視野に入れてお く必要があるはずです。(基本設計が終わっているのですから、基本設計図に基づいた概算工事費がないのが変ですが、どうなってるんでしょうか?)

出来る限り早く結論を出していただきたいものです。

ここまで

飯塚さんは現在、使い勝手を考慮した丁寧なプランニングと大胆な立体的空間構成の住宅作家として大ブレイク中です
本年中にもこれまでの設計活動を集大成した書籍が出版される予定ですが、元々は大高正人先生の最後のお弟子さんとして大規模な公共物件に携わられていましたから、こういった大型施設にも強いですね。


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木造建築マンガの初稿があがってきました。

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今春の鉄骨マンガ「ストーリーで面白いほど頭に入る鉄骨造」に続きまして、在来木造建築をとりあげました。
「超時空建築ポリス調査官アカネ(仮)」の初稿が届きました。
作画は
高村しづ先生、https://twitter.com/takasidu お疲れさまです。

ちょこっと、プレビュー。


ネルフみたいな組織ですね。

時空ジャンプした先を、今流行の銭湯にしてみました。
アカネはお寺と思ったようですけど。



コルビーは芝犬型の調査支援ロボなんです。



鉄の異形棒鋼を鉄筋、鉄の筋肉と呼んでることに納得がいかないアカネですが、なぜ鉄筋と呼ばれるかこの後解説が入ります。

木造建築の調査にやってきた調査員アカネは、縁あって檜工務店の門をたたく。昔かたぎの大工の親父さんに気に入られたものの、アカネが想像していた寺社仏閣の伝統木造ではなく、現代は様々に合理化した在来木造建築が主流であった、、、。
檜工務店に居候しながら、愛犬?柴小犬型汎用支援ロボットと共に、木造工事現場を興味深く調査するアカネであったが、、。
というお話です。
今回も単なる学習漫画を超えた面白さでお届けしております。


リバプールが千葉にサッカー教えに来ます。

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廃校の再活用でサッカースクールを
の計画が進んでおります。

先日、正式に発表あったのでもうご紹介していいかと思います。
場所は千葉県南房総市です。
でチームはイギリスプレミアリーグのリバプールです。
コーチはリバプールから子供たちにサッカーを教えるだけでなく、
英語も教えにやって来ます。
http://lfcsoccerschools.jp/

グランドに面して、技術家庭科棟が残されてました。
自転車の分解パネルとか電気部品の解説図などがなつかしいです。
これを活用します。

予算をあまりかけられないので、最低限の改修を計画しています。
でもブリティッシュなんだから、、ここはレンガは絶対貼ろうよ、とレンガタイル貼ることになりそうです。予算がないのに、、、貼れるのか、、、

でも、このリバプールのレッドはうまく取り入れなきゃ、ですよね。
この独特のレッドはですね。
CMYKでいくと
C=0%、M=100%、Y=99%、K=4%という配合です。


出来るところから工事進めています。


新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう

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昨年から追っかけ続けていた新国立競技場問題ですが、
この件を通じて建築業界のこと、建築家のこと、建築のこと
がより多くの方々に理解されることが私の第一の目標でした。
そして、
新国立競技場に関する諸問題はこの夏の間に一定の決着を見ると考えていました。

たとえば、現計画の見直し、そのオルタナティブは3つあって、
1.新築の取りやめ→既存改修・リファイン
2.ザハ案の破棄→新規プロポーザルにより設計者再選定
3.新築案の大幅な改造→敷地、高さ規模縮小、構造方式変更を含む


その中でも1.案が大局的に見てもっとも適正がある

というのが今でも変わらない私個人の意見です。

というのも、この新国立競技場に対する要求項目の優先順位は
機能性の前にまず納期ですよね。


2020年のオリンピック開閉会式に使用する。
2019年のラグビーワールドカップに間に合わせる。


そして、機能面では

陸上競技の国際基準に合わせる。
球技場としての最適化(観客スタンドの屋根含む)

最後に多目的性

次に商業利用価値を高める。(イベント使用等)

あくまで表向きの大義はこの順番なのだから
間に合わせないような行動はもっとも愚行だということになる。

次に、間に合わせたとしても
陸上競技やサッカー、ラグビーがおこなえない施設は無駄になる。

そして、商業利用が赤字を生み出し地域の活性化にもつながらなければ、この地域は空虚になる。

ということだと思うのですよ。

だから、この問題を順々に潰していくのがJSCはじめ有識者会議の役目だと思うのですが、問題を解決していくどころかさらなる問題の拡散、リスクの拡大を行おうとしています。
それが、昨日発表になったといわれる
「新国立競技場、実施段階で施工予定者を選定」というニュース
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20140818/673870/?P=1
その概要をざっと眺めてみましたが、、、
愕然としました。



ああ、やっぱりジャン。
この絵に描いてある青い長方形、タイバーです。

これ、覚えておられる方も多いと思いますが、
僕が以前でんじろう先生風の解説で示した輪ゴムです。

参照:新国立競技場の基本設計が終わらない理由3

この輪ゴムがないとアーチはもたないんだよ、と小学生にもわかるように「建築のでんじろう先生」が解説しておいたのですが、

5月28日の基本設計発表のときには、
まだ教えてもらってなかったんでしょうね。

今、出てきたね。

JSCはもはや既に参謀本部から見放されてるんじゃないか、、
ということです。

もしくは、有識者会議の中に、どうしてもこの計画について真面目に見直すことを拒んでいるモノが居る。
その結果、いまだに自らの役目を果たすことなく、JSCにすら大嘘をついている。「大丈夫だ」と

この新国立競技場問題を太平洋戦争中に建造された戦艦大和になぞらえる方々が多いのを知っていますか?
ただ単に時代遅れのデカイ戦艦を作ったことの愚行と単純に捉えている方も多いと思うのですが、当時の軍部や政府のすべての人間が阿呆だったわけではありません。にもかかわらず、結果そうなった。
これには理由というか流れがあって、その中で大方の連中が流されていった。
それと似ているからなんですよ。

「艦これ」の流行によって、昭和40年代プラモ少年じゃなくても、戦艦に詳しくなった若い人も多いと思いますので、新国立競技場がなぜ巨大戦艦になぞらえられるのか、
同時に
「新国立競技場、実施段階で施工予定者を選定」というニュースについても解説してみたいと思います。

つづく





新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう②

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日本は太平洋戦争で負けました。
このことについては戦後70年間実に多くの人々が様々に語っておられます。
体験談、多くの著書、当時のニュース、いろいろなご意見もあります。
毎年八月になれば今でもこの戦争に関しての多くの言説があります。
子供のころからそうでした。
出身が岡山県西部でしたのでテレビ局は岡山系列と香川県系列そして広島系列の、
両方が受信できる環境だったんですね。
TV朝日系列では瀬戸内放送と広島ホームテレビ
TBS系列では山陽放送と中国放送
日本TV系列では西日本放送と広島テレビ
フジ系列ではテレビ岡山とテレビ新広島
テレビ東京系列のテレビせとうちは当時はありませんでした。
そして、8月ともなりますと広島県系列の局では原爆に関する報道や番組が特集されます。


それらを見ていますと、
子供心に、
なぜ日本は戦争で負けたんだろう?
なぜ、戦闘に関係のない福山とか岡山の町まで爆撃されてしまったんだろう?
そもそもなぜ戦争を始めてしまったんだろう?

なんで広島に原爆を落とされてしまったんだろう?
と疑問が沸いたものです。

同時に、昭和40年前後生まれは大体そうだと思うのですけど、私も多分に漏れずプラモ少年でしたからそのような大局観とは別に、
タミヤ模型の戦車とかハセガワの戦闘機とかニチモの戦艦とか作りまくっていましたので、
それらを通じて戦史に詳しくなっていくんですよ。

戦時中の日本が資源のないアジアの小国が、明治維新から100年も経たない状況下で、日露戦争でやっと目鼻がついた状況下の20年やそこらで、よくここまでの技術力でゼロ戦や三式戦飛燕やイ号潜水艦とか戦艦大和や武蔵や、空母飛龍や大鳳とか局地戦雷電とかエンテ翼試作機の震電やロケット機秋水、ジェット機橘花とか、
よくもまあ、作れたもんだよ、、と感慨深かったものです。

同時に、そういった現場の技術者の努力をフイにしてしまうような作戦命令、建造計画。

特に航空兵力が雌雄を決するということがあきらかなのに、実際に真珠湾攻撃では空母を中心とした機動力で戦果を挙げた体験があるにもかかわらず、多くの軍事関係者がわかっていたのにもかかわらず、日露戦争時のバルチック艦隊との帝国海軍による日本海海戦勝利の幻影にこだわって、大艦巨砲主義により現状を無視して建造された戦艦大和が、世界最大の規模と当時の造船技術の粋を集め、当時の金額で1億3000万円(現在の金額に直すと1300億円とも1600億円とも言われていますが)という膨大な戦費と人材を投入したものの、時代遅れでまったくモノの役にも立たず、最終的に天一号作戦という片道燃料のみを搭載して沖縄に特攻するという悲劇を生んでしまったのか、
子供ごころに非常に疑問をもっていたわけです。

なぜなら、個別の兵器開発の技術力では日本の技術者も欧米に負けてはいなかった、資源不足もたとえばジェット燃料を入手が困難な石油に代わるバイオ燃料、松根油で飛ばそうとか無茶だけど先駆的な発想、現場の人達はギリギリで頑張っているにもかかわらず、大本営はじめ参謀本部は帝国大学出の超エリート集団にもかかわらず、一体全体何やってたんだよ!なぜもっと大局観をもってある程度のところで事を収める努力をしなかったんだよ!と憤っていました。


また、戦前と戦後は別世界と思っている人が多いですが、そんなことはないんです。明治大正時代から実に多くの人々が欧米に留学もし、海外からも人も招き、海外で経済活動をおこなう日本人も多くビジネスも多様におこなっていた。国際事情だって政府関係者だけでなく多くの民間人も理解しているはずなのに、なぜこうなった!という大きな疑問がまったく解けないんですよね。

同時に、日露戦争以降の日本の経済戦略、外交戦略や軍事戦略に関して、
中学生のころから何度も地図上での机上での模擬戦、自分なりに相当回数シミュレーションをおこなってきています。
どう考えても1930年、昭和5年頃から論理的にみて愚策をとっている。

新国立競技場問題について考えていると、これが大戦中の戦艦大和の建造といっしょだという意見にはまさにそうだな、と思わざるを得ないんですよね。

だいぶ話がそれましたが、ここ数カ月の新国立競技場にまつわる推移をおさらいしてみたいと思います。

つづく












新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう③

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新国立競技場問題についてこの2か月ほどの出来事をおさらいしていますが、
7月7日にJIA(日本建築家協会)とJSC(日本スポーツ振興センター)との、非公開による説明会、というまったく説明のつかない会が催されています。

日本建築家協会というのは
1947年に日本建築設計監理協会として発足、そして1955年の世界建築家連合(UIA)への加盟に伴い、日本建築家協会となったものです。
会長は芦原太郎先生  芦原太郎建築事務所

この説明会・意見交換会の対象はJIAだけではありません。
日本の建築士に関係する4団体にも向けて開催されたものです。


日本建築士会連合会というのは
都道府県ごとに設立されている建築士会をもって組織し建築士の品位の保持及びその業務の進歩改善を図り、広く社会公共の福祉増進に寄与することを目的とした財団法人です。
会長は三井所清典先生  
アルセッド建築研究所

東京建築士会は上記の東京を拠点とする建築士会です。
会長は中村勉先生  中村勉総合計画事務所

日本建築士事務所協会連合会 というのは
都道府県ごとに設立された事務所協会を会員として組織し、建築士事務所の業務の適正な運営と健全な発展及び建築士事務所の開設者に設計等を委託する建築主の利益の保護を図り、公共の福祉の増進に寄与することを目的とした
法人です。

会長は大内達史先生  協立建築設計事務所

東京都建築士事務所協会は上記の東京を拠点とする建築士事務所協会です。
会長は大内達史先生会長代行 西倉努先生 ユニバァサル設計

この7月7日
の会が非公開であるということを、槇先生は問題視されておりました。
そのことについてJSCは面白い報告書を作成していますのでご覧になってみてください。


2014年07月14日
「新国立競技場計画に関する説明会」の開催について[PDF:110KB]


「新国立競技場計画に関する説明会」の開催について
日本スポーツ振興センターは平成26年7月7日(月)、建築家会館1階大ホールにおいて新国立競技場に関し、建築専門家の方々への説明会を実施しました。
この説明会は、建築専門家の方々と直接話し合いを持ちたいと考え、日本建築家協会に依頼し会員に呼びかけていただき実施したもので、各建築関係団体の代表の方々である日本建築家協会芦原太郎会長、上浪寛副会長、日本建築士連合会三井所清典会長、東京建築士会中村勉会長、日本建築士事務所協会連合会大内達史会長、三栖邦博前会長、東京都建築士事務所協会西倉努会長代行などが出席し、景観、8万人の規模、仮設の可能性、コスト、維持管理費など、現在、社会で幅広く問題提起されている事柄を含め、当方の考え方を説明させて頂きました。
当センターからは河野一郎理事長、国立競技場将来構想ワーキンググループ安藤忠雄施設建築グループ座長、小倉純二施設利活用(スポーツ)グループ座長、都倉俊一施設利活用(文化)グループ座長、内藤廣施設建築グループ委員、安岡正人委員、和田章アドバイザー、
ジム・ヘブリンザハ・ハディド・アーキテクツ社ディレクター、日建設計・梓設計・日本設計・アラップ設計共同体スタッフなどが出席しました。


ここからが面白いんです。


「なお、建築専門家の槇文彦氏、大野秀敏氏、伊東豊雄氏、松隈洋氏にも呼びかけていただきましたが、出席していただくことが適いませんでした。」


ふ~ん。
「非公開でやるなんて言語道断まかりならん!」
って皆言ってるのに、そのことは置いておいて、

「ぼ、ぼ、僕たちは、ちゃ、ちゃんと、説明しようとしてるのに、、、」
こ、この人たちは、来なかったんだも~ん」

というニュアンス、印象操作、雰囲気づくり
必死やね。
誰だかしらんが、、
非公開好きな人がおるんやね。

つづく



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