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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう③

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新国立競技場問題についてこの2か月ほどの出来事をおさらいしていますが、
7月7日にJIA(日本建築家協会)とJSC(日本スポーツ振興センター)との、非公開による説明会、というまったく説明のつかない会が催されています。

日本建築家協会というのは
1947年に日本建築設計監理協会として発足、そして1955年の世界建築家連合(UIA)への加盟に伴い、日本建築家協会となったものです。
会長は芦原太郎先生  芦原太郎建築事務所

この説明会・意見交換会の対象はJIAだけではありません。
日本の建築士に関係する4団体にも向けて開催されたものです。


日本建築士会連合会というのは
都道府県ごとに設立されている建築士会をもって組織し建築士の品位の保持及びその業務の進歩改善を図り、広く社会公共の福祉増進に寄与することを目的とした財団法人です。
会長は三井所清典先生  
アルセッド建築研究所

東京建築士会は上記の東京を拠点とする建築士会です。
会長は中村勉先生  中村勉総合計画事務所

日本建築士事務所協会連合会 というのは
都道府県ごとに設立された事務所協会を会員として組織し、建築士事務所の業務の適正な運営と健全な発展及び建築士事務所の開設者に設計等を委託する建築主の利益の保護を図り、公共の福祉の増進に寄与することを目的とした
法人です。

会長は大内達史先生  協立建築設計事務所

東京都建築士事務所協会は上記の東京を拠点とする建築士事務所協会です。
会長は大内達史先生会長代行 西倉努先生 ユニバァサル設計

この7月7日
の会が非公開であるということを、槇先生は問題視されておりました。
そのことについてJSCは面白い報告書を作成していますのでご覧になってみてください。


2014年07月14日
「新国立競技場計画に関する説明会」の開催について[PDF:110KB]


「新国立競技場計画に関する説明会」の開催について
日本スポーツ振興センターは平成26年7月7日(月)、建築家会館1階大ホールにおいて新国立競技場に関し、建築専門家の方々への説明会を実施しました。
この説明会は、建築専門家の方々と直接話し合いを持ちたいと考え、日本建築家協会に依頼し会員に呼びかけていただき実施したもので、各建築関係団体の代表の方々である日本建築家協会芦原太郎会長、上浪寛副会長、日本建築士連合会三井所清典会長、東京建築士会中村勉会長、日本建築士事務所協会連合会大内達史会長、三栖邦博前会長、東京都建築士事務所協会西倉努会長代行などが出席し、景観、8万人の規模、仮設の可能性、コスト、維持管理費など、現在、社会で幅広く問題提起されている事柄を含め、当方の考え方を説明させて頂きました。
当センターからは河野一郎理事長、国立競技場将来構想ワーキンググループ安藤忠雄施設建築グループ座長、小倉純二施設利活用(スポーツ)グループ座長、都倉俊一施設利活用(文化)グループ座長、内藤廣施設建築グループ委員、安岡正人委員、和田章アドバイザー、
ジム・ヘブリンザハ・ハディド・アーキテクツ社ディレクター、日建設計・梓設計・日本設計・アラップ設計共同体スタッフなどが出席しました。


ここからが面白いんです。


「なお、建築専門家の槇文彦氏、大野秀敏氏、伊東豊雄氏、松隈洋氏にも呼びかけていただきましたが、出席していただくことが適いませんでした。」


ふ~ん。
「非公開でやるなんて言語道断まかりならん!」
って皆言ってるのに、そのことは置いておいて、

「ぼ、ぼ、僕たちは、ちゃ、ちゃんと、説明しようとしてるのに、、、こ、この人たちは、来なかったんだも~ん」

というニュアンス、印象操作、雰囲気づくり
必死やね。

ただ、槇さんも大野さんも伊東さんも松隈さんも4会の役員じゃないんだから、呼びつける理由がわからないし、
なおかつ、「来なかった!キリ!」ってえのも自問自答というか、
またストローマンやってんじゃねえの?という印象です。

このエクスキューズは余計でしたね。

さて、この事態、建築関連の人以外には、建築関連でも設計士以外の人にはよくわからないかもしれません。

実はですね前代未聞の大変な事態なのです。

建築コンペティションにまつわるゴタゴタはこれまでもあったんですね。

選ばれた案と選んだ人に疑問がある、、とかなんとか

たとえば、広島の世界平和記念聖堂の村野藤吾先生、
国立国会図書館コンペの吉阪隆正先生とか
最高裁判所コンペの岡田新一先生とか、
靖国にある昭和館の菊竹清訓先生、
最近では
横浜大桟橋のコンペの磯崎新先生と篠原一男先生のバトル、
直近では
大分県立美術館コンペの遠藤秀平先生の難波和彦先生への告発

しかしながらこれらは、提案を選んだ経緯や人間関係とデザインや建築思想がメインの議論であって、建築計画そのものについて言及されていたわけではない。

しかも建築団体から意見表明がなされたという話は聞かない。


建築士に関わるメインの4大体がそろって異を唱えているというのは、戦前戦後を通じてもなかったことなんです。


医学でいえば、
ある新薬品の認可とか治療方法をめぐって医師会も保険医団体連動会もそろって反対しているようなもの


危険だと、治療効果はないと、製薬会社も製造不可能と

薬害エイズ事件、ミドリ十字の事件ですがそのとき、
安部英に遠慮したのか、
医師体制の既存秩序を壊されたくなかったのか、
医師とか医師会はあまり発言しなかったですよね。


あのときは患者さんたちが告発して


これが今回は建築士会も新国立競技場計画はヤベえって言ってるわけですよ。ありゃやめろと、無理だと、無駄だと、

非公開と言われたこの説明会についてJIAはそのやりとりの概要を発表しています。
新国立競技場計画に関する説明会(概要)社団法人 日本建築家協会

この内容についてみていきましょう。

まずJSC理事である河野一郎氏が経緯説明します。
発言を分かりやすくするため文頭に番号を振ります。
K-1.
国立競技場は2019年ラグビーワールドカップ2020年オリンピック・パラリンピック大会招致に向け文部科学省主導で進めてきた。
K-2.
国立競技場将来構想有識者会議を設置し現国立競技場が国際基準に合致しなくなっていることを踏まえ、改築を目指すこととした。
K-3.
建設のための具体案を作成するため、建築、スポーツ、文化の各ワーキンググループを設置し、安藤様、小倉様、都倉様が取りまとめた。
K-4.
その結果、「8万人規模のスタジアム」「臨場感ある観客席」「全天候型のスタジアム」の条件が示された。
K-5.
与条件を踏まえ、国際デザインコンクールを実施し、2012年11月にザハ・ハディド氏のデザイン案を選定した。
K-6.
平成25年フレームワーク設計に着手し、昨年11月に「基本設計条件案」を示した。今年5月には、基本設計の成果として「基本設計案」を取りまとめ、公表した。

まあ、官僚らしい無難な表現ですね。
K-3.、K-4.、K-5.で事の問題の原因は自分ではないという釘を刺してあるところも
そして、有識者たちです。
【有識者】とは、ある事柄に知識と見識を有しておりその事柄に幅広い意見を述べることのできる人物。
ということになっていますが、、、はてさて実際どうなのか検証していきますか

続いてスポーツからの視点で具体案を取りまとめたという小倉氏

O-1.
2020年の東京オリンピックのメインスタジアムとして国際大会に使えるような競技場を条件として出した。

O-2.
FIFAワールドカップは2018年以降、開幕戦・決勝戦を行うスタジアムは8万人以上とFIFAの規約で決まっており、要件を満たさないと招致することができないため8万人とした。

O-3.
専用スタジアムではなく、多目的の利活用のためトラックが可動式の椅子で覆われる必要があると考えた。

O-4.
選手、観客、運営者にとって快適な競技場とするために、開閉式屋根があるスタジアムにしようと考えた。文化イベントの時には、音の問題を解決するためにも開閉式屋根を設置しようということになった。

O-5.
芝生あっての競技場であるので、早い段階から芝生の研究を行い、開閉式屋根で覆われた競技場でも健全に育成できる計画としていく。

ここで小倉氏はO-3.、O-4.、O-5.に関してなんも考えず発言してしまっていますが、条件を作成した責任があるでしょう。同時にスポーツ担当なのにスポーツのためにどうすべきかなんの発言もない、同時にフィールドに関する知見もないことを暴露しております。

こっからどんどん的外れになって、面白くなるのですが、続いて文化からの視点で具体案を取りまとめたという都倉氏

T-1.
スタジアムはスポーツと文化・芸術の拠点をつくる国家プロジェクト現在
の日本の経済的な立場等全てを鑑みると、国立競技場はオリンピックが終わったらおしまいではなく、将来にわたって維持していく必要があるが、投資を回収できる計画もあった。
T-2.
文化・芸術利活用ワーキンググループでは、文化・芸術イベントのプロデューサー、企画会社、テレビ局等の方々にメンバーに意見を聴取した。

T-3.
スポーツと文化を共存させ、芝生を大切に育成しながら、数万人のイベントをやらなければならないため全天候型の屋根が必須である。

T-4.
ライブエンターテイメントの需要は増加傾向で、2012年には3000万人を超える人が楽しんでいる。それで打ち止めではなく、開催できる会場があれば需要は更に伸びる。

T-5.
文化利用の関係者にヒアリングを行った結果、近隣の騒音問題から屋根があるかどうかが最も大きな要望であった。

T-6.
屋根があることで、利用する側からすると季節的な制約がなく、天候に左右されないイベントが開催できるようになる。イベント会社・プロモーターからは全天候型の新国立競技場への期待は大きい。

T-7.
完成後赤字の垂れ流しになるのではないかと言われている。下村大臣も予算委員会の中で年間10回程度イベントを招致できるのではないかと発言されたが、その3、4倍の需要はある。むしろ、スポーツイベントとの調整が必要になるくらい、期待は満ちている。

T-8.
先日来日したポール・マッカートニーも2019年に競技場が完成したら、是非またこの場所でコンサートをやりたいと表明している。

T-9.
完成すればスポーツ、文化、芸術の拠点となり、日本の財産となるのではないかと考えている。

さあ、そして待ちに待ってました、世界の安藤忠雄先生、しょせんどっちに転ぶなら、とりあえず闘う男!登場であります!

ここで休憩です。









新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう④

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非公開と言われた7月7日のJSC説明会について読んでみようの続きで、安藤忠雄氏の闘わずして逃げようとうするふざけたコメントをギッタンギッタンにする予定だったのですが
新国立競技場計画に関する説明会(概要)社団法人 日本建築家協会

それよりもなによりも、昨日のことですが、
またまた凄いことが起きました。

槇文彦先生が新国立競技場の代案を発表!!というニュースです。
うわあ!ここで来るか!!すげえ、すげえ、勝負師すげえ
やるよ槇さん!
これは、、、
本因坊秀策でいうところの「耳赤の一手」。
回天の素志を貫く槇先生、マジカッコ良すぎですよ。

槇文彦が新国立に対案「無蓋化し子供施設を併設」

無蓋化すれば、「計画は柔軟性を増し、建設費、維持管理費も一挙に削減し得る」、「スポーツ関係者の信頼が増大する」と主張。五輪後を見据え、子供 のためのスポーツ施設を併せ持つアイデアを提案した。「無蓋化によって節約し得た膨大な建設費のごく一部のコストによって施設は実現し得る」とも言及して いる。

 槇氏は日経アーキテクチュアに対し、「有蓋で12日間の音楽中心のイベントと、無蓋で365日大人も子供も楽しめる環境のどちらを貴方は選びますかという単純な比較によって、建築の善悪を超えた国民的世論に訴えていきたい」とメールでコメントを寄せた。


とりあえず、闘わない安藤忠雄は置いといて、槇先生の対案の解説します。

槇文彦さんがどのような建築家であるか、まずはこれ読んでください。

東京の森⑦だからこそ主張し続けよう(槇文彦さんってどんな先生?)


ね?これ読んでもらえば槇先生が今回なぜここまでこの計画に対して異議申し立てをされているかわかるでしょう?

実は今回槇先生がご準備されていた新国立競技場の対案について、そのお考えは先生からは以前から聞かされていました。

「既存改修に軌道修正できればいいけれど、おそらく国や役人はそれには耳を貸さないよ。きっと解体工事をゴリ押ししてくる。もし、ゴリ押しで今の国立競技場が壊されてしまったら、そこで反対も異議申し立ても象徴を失って意気消沈してしまうんじゃないかな。だから僕はね、新築するにしてもこういった方向性だよ、というコンセプトだけは考えておかなくてはならないと思ってるんだ。そして解体しようが何しようが、おかしいものはおかしい、ダメなものはダメって誰かが言い続ける必要がある。」

そして!
昨日のことですがJSCが解体業者は決定しますた!と言い出しましたよね。




安藤忠雄研究の3

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安藤忠雄研究1
安藤忠雄研究2

安藤忠雄研究2を書いたのが今年の1月12日でしたから
かれこれ、もう半年以上前のことだったんですね。

今年に入ってから、新国立競技場問題への取り組みが激しくなりまして、マンガ建築考察どころか、一般建築論もどんどん後回しになってしまいました。

というのも、この新国立競技場問題のキーマンが安藤忠雄さんだから、、なんです。
しかし、この論考では「新国立競技場問題」には触れませんよ。

新国立競技場コンペとその後の安藤忠雄さんの問題は、
「安藤忠雄研究」と並行連載しますから、そっちでやります。
新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう④

で、こちらの「安藤忠雄研究」は、
いってみれば、
建築の巨匠、世界の安藤忠雄とはいったいどういう人なのか?
建築家としてどのように評価されているのか?
なぜ彼の建築が評価されているのか?
そこに至る道筋といったようなものを、
ご本人が流布する伝説ではないかたちで、
やれるるところまでやってみようということです。

同時に、
誰もが知ることとなった建築家安藤忠雄を通じて、
日本の建築家とはどういう人たちなのか?
建築作品とはどういったものを言うのか?
建築作品の評価とはどういった部分で決まっているのか?
といったことを出来るだけ平易に明らかにしていこうというのが趣旨です。

ですので、一部の方々から期待されている、
タイトルから連想されるような、立花隆さんによる「田中角栄研究」のような告発系のものではない。ということを最初に顕示しておきたいと思います。

さて、前回までの流れですが、

安藤忠雄さんは実は独学ではない。
コンクリート打ち放しも安藤忠雄さんの専売特許ではない。
というところまででした。
コンクリート打ち放しのことを専門家はRC打ち放しと呼ぶのですが、
その方がカッコいいのというのもありますけど
このRCというのは
「リメインダーズ・オブ・ザ・クローバー (The Remainders of the Clover)(クローバーの残党たち)」ではなくて
「レインフォースドコンクリート(Reinforced-Concrete)(補強されたコンクリート)」
つまりは、前回ご説明した鉄筋によってより強くしたコンクリートっていう意味の頭文字です。

その人たちとは、東孝光、鈴木恂、坂本一成の諸先生です。
その他にも1970年代を通じてRC打ち放しによる住宅の名作をつくられた建築家の先生はいらっしゃいます。

篠原一男、宮脇壇、室伏次郎さんらもそうですが、
参照:篠原一男論:機動戦士ガンダム(1st)における建築的考察 7

そもそも大型建築では、戦前戦後を通じてコンクリート打ち放し建築はつくられています。

日本で最初の打ち放し
は大正13年(1924年)にアントニン・レイモンドによって建てられています。
東京の森⑥日本の都市が空襲された理由

しかし、密集した都市型住宅におけるRC打ち放しの意味と可能性を説いたということでは、上記の東孝光、鈴木恂、坂本一成のご三人が黎明期の三銃士といってもいいでしょう。

この三人の方々を見ていくことで、安藤忠雄氏が受けたその多大な影響をうかがし知ることができるのです。同時に影響を受け過ぎているため、後の自称独学言説を始めざるを得なかったのだと思います。

まず、東孝光さんですが、
どのようなお仕事をされたかたといいますと、
世界に轟くお仕事をなさっています。
しかも処女作において

これは「塔の家」と名付けられたのですが、現在も健在です。
当時もそうですけど、現在においても都心も都心。
東京オリンピックのときに整備されたオリンピック道路、外苑西通りに面しています。
上の写真からでは周囲がビル化されたとは想像もつきませんが、周りはまだ木造二階建てとか平屋が立ち並んでいる中にスクっと立ちあがった地下1階、地上5階の個人住宅です。

敷地は6坪ほどしかない。
6坪っていうのは約20㎡です。
しかも三角の敷地。
20㎡といえば現在都内のワンルームマンションは25㎡に規制されていますから、ワンルームの部屋より小さいんですよ。
そんな小さな敷地、でも都心のど真ん中、そしてキラー通りに面する。

これはですね。
エポックメイキングってもんじゃない。
何かみんなの常識をぶち壊して新たな常識を打ち立てたんです。
小さな敷地でもカタチが三角でも「やれる!」と

日本の建築家なら誰でも知ってるみんなの憧れの住まいです。
日本どころか世界中の建築家が日本に来ると必ず立ち寄っていたといっても過言ではないでしょう。
同時に、日本の建築家の手による作品の中でもっともマスコミで紹介された回数の多い建築でもあります。
だから、この建築を実現した東孝光建築研究所にはなんていうんでしょうか、ものすごい期待、現代でもそうなのですから当時の建築学生の夢を全部背負ってしまったような感すらあります。
みんな東孝光建築研究所に入りてえ!ってなったのも分かります。

当時の東先生は坂倉順三研究所という現在まで続く老舗の超有名建築設計ファームにご在籍で、新宿西口ロータリーのお仕事をされていたんですね。
このあたりのお話しを僕は吉村篤一先生からいろいろと教えていただきました。
また、日本の建築家って「なんのなにがし建築研究所」って名前を付けるのがスキなんですね、
「なんのなにがし建築事務所」じゃなくて。
建築事務所だと、、なんか事務仕事?、、ビジネス。
建築研究所だと、、なんか研究職?、、探究、ドリーム。
ってイメージになるでしょ。

この「なんのなにがし建築研究所」っていうネーミングを発明したのが坂倉順三さんだと思います。
そういった意味で坂倉順三建築研究所の門下生たちが「研究所」を名乗り始めたことで後進も「研究所」なんですよ。
この風潮は今も続いています。

で、東先生なのですが、
「ちっぽけな個人が圧倒的な物量で荒ぶる都市に住んでやれ!」というコンセプトはほんと時代を超えたメッセージになっているわけなんです。
これにね、安藤忠雄さんもすっごく共感されていたようなのです。

そのまんま「都市ゲリラ住宅」のコンセプトになっているんですよね。

これがですね。
都市住宅 臨時増刊 7307 住宅第4集に掲載された、
安藤忠雄さんの「都市ゲリラ住宅」と題された論文です。

これを追々読み解説してみましょう。

「都市住宅」という雑誌については以前ご紹介したと思うんですが、

建築専門雑誌がなぜ廃刊に追い込まれるか 1
建築専門雑誌がなぜ廃刊に追い込まれるか 2
建築専門雑誌がなぜ廃刊に追い込まれるか 3

当時もそうでしょうけど、今でもこれを超える建築雑誌は出ていません。
通常の特集号のときなんか表紙からしてアートでしたからね。


この増刊号でも、表紙を見れば掲載建物の写真が矩形に並んでいるだけで一般建築雑誌に見えますが、デジタル印刷でないこの時代に活字(フォント)だけでも7種類つかってありますからね。
しかも7307の下にうっすら黄緑色なので、この画像では読みにくいでしょうけど、この雑誌のテーマっていうんでしょうか、そこに書いてあるのは詩ですから、ちょっと田村隆一風の

鳥がとおり過ぎると
その窓は見えはじめる
空が遠のくと
その屋根は 部屋を隠す
その街には誰かが住んでいる

なんじゃそりゃ、って感じでしょう。

今の建築界は教養の範囲が現代美術かITネットワークか生活のコミュニティとかに偏ってて、文学・歴史の成分が少ないんですが、このころは思想と文学がメインテーマですからね。

理系・文系の架橋、ハイアートとローアートの包摂、
生きていくのになんの役に立たない教養主義がテーマの僕としては、
なんじゃこりゃあ!っていうくらいカッコイイものなんです、
このころの「都市住宅」誌は。

これ以上3にすると長すぎるので、4にいくか


安藤忠雄研究1
安藤忠雄研究2

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新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう⑤

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7月7日にJIA(日本建築家協会)とJSC(日本スポーツ振興センター)でおかわれた、非公開による説明会についての報告です。

非公開と言われたこの説明会についてJIAはそのやりとりの概要を発表しています。

新国立競技場計画に関する説明会(概要)社団法人 日本建築家協会

この内容についてみていきますが、
JSC理事である河野一郎氏が経緯説明、
スポーツからの視点で具体案を取りまとめたという小倉氏、
文化からの視点で具体案を取りまとめたという都倉氏、
の発言のあと、いよいよ安藤忠雄氏の発言が始まります。

A-1.
場所、景観、規模、開閉式屋根等の問題点を指摘されているのは認識している。
A-2.
場所や規模、予算などについては、委員を依頼された時点で前提条件として聞いていたことである。
A-3.
私もすべての事柄について権限のある責任者ではなく、国民や専
門家の皆様に対して説明する立場にない。
A-4.
これまでJSC から事業者として説明
して頂くよう伝えていた。
A-5.
私がデザインについて説明をする前に、皆さんの疑問点を直接聞くことが必要。
A-6.
のような機会がこれまでなかったのが問題であったと思っている。
A-7.
国家的事業であ
ることを考慮すれば、本来であれば公開ですべきだと考えている。
A-8.
デザインの選考については、構造や設備、そして管理運営など専門の先生方にも相談して審査して頂き、ザハ・ハディドの案が良いのではないかということになった。
A-9.
審査についての問題点も指摘されているようだが、限られたスケジュールの中では公平になされたと思っている。
A-10.
私が答えられる範囲のことは全部話したい。

なんだと?
A-2.、A-3.、A-4.の発言!
これは、どの口が言ってるんだ!
特に!
A-3.だ!
「私もすべての事柄について権限のある責任者ではなく、国民や専
門家の皆様に対して説明する立場にない。」

誰が、あんたを全ての事柄について権限があるっていったかよ!
建築の実現性と予算やデザインの判断については、あんたに権限があるんだよ!
そして!
国民や専門家の皆様に対して説明する立場にない?
じゃあ、なんでそこに座ってんだ!!

と、書いているうちにまた頭にき始めたので、休憩。

休憩してきました。

続いてA-2.だけども
「場所や規模、予算などについては、委員を依頼された時点で前提条件として聞いていたことである。」

・・・・・・・・・・・( ̄  ̄;)  うーむ、、、
まだ、そんなこと言ってんのか、、、

これ、コンペの選定委員のことを言ってんだと思うんだけども

以前、確認したじゃん。
新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について14

その前から委員やってんじゃん。

国立競技場将来構想有識者会が発足
東京都が招致を目指す2020年夏季五輪のメーン会場に想定されている国立競技場の将来的な活用策などを検討する「国立競技場将来構想有識者会議」が2012年3月6日発足した。


委員長には佐藤禎一国際医療福祉大大学院教授が就いた。施設を運営する日本スポーツ振興センターが設置した組織で、委員には建築家の安藤忠雄氏、石原慎太郎都知事ら14人が名を連ねる。

この会議で予算とか方針を決めたんじゃないですか!
じゃあ、仮にこの全体方針について世界の安藤といえども、一切口挟めなかったとしてもだ!
「国民や専門家の皆様に対して説明する立場にない。」っていうのはどういう了見なんだ。

そしてA-4.
「これまでJSC から事業者として説明
して頂くよう伝えていた。」

なんだ?この責任放棄&人のせい、発言。
しかも非公開とはいえ建築家の専門家代表たちJIAの人たちがいるある意味おおっぴらの席で。

JSCは建築の専門家じゃねえんだよ!説明しようにも建築の委員から言われたことを言うしかないんじゃん。
案の定5月28日の基本設計発表の記者会見でも

河野一郎理事が
「え~、このように開閉式の屋根が、、、」としゃべりだしたら、
隣の人が
「違います、屋根じゃありません。」
えっ?屋根じゃないの、、
「開閉式遮音装置が、、」
「はい。」
再度、河野一郎理事が
「というわけで屋根が開閉することによりコンサートの騒音が、、、」
「屋根って言わないでください、、屋根じゃありません、、」

って、なってたでしょう?
これは、屋根ってなんで言ったらいけないかその意味が分かっておられないからですよ。
分かるわけないよ建築基準法における定義の話なんだから。

これも以前解説しましたよね。
新国立競技場の基本設計は出来上がっていない!②
もはや常識なんだよ、この偽装屋根、解釈屋根については

A-5.
私がデザインについて説明をする前に、皆さんの疑問点を直接聞くことが必要。

いや、みなさんの疑問点はこの数か月講演会でも直接質問されたり、TV番組でも阿川佐和子さんにも質問され、手紙や電話でばんばん入っているでしょう?
元倉さんなんか、手紙を送ったって公開までされてるじゃん。
東京芸大名誉教授の元倉眞琴さんから安藤忠雄氏への手紙

A-10.
私が答えられる範囲のことは全部話したい。

いますぐあらいざらい全部話せ!

ということで、話したかどうか、
後半を読んでいきましょう!

つづく



新国立競技場問題・史上最悪の作戦に向かう⑥

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JSCによる非公開説明会における安藤忠雄氏の非常に不誠実な発言について詳細に見ていったわけですが、その場しのぎをしてしまったことによってかえって窮地に陥りはじめています。

前回、「世界の安藤忠雄大脱走ショー」になっている、と言いましたが
なぜ、そこまで逃げる必要があるのか、、、

自分で決めたことを、みんながいいといったとか言い出したり
自分が押した提案を、急に和田先生にご裁可とか言い出したり
来てもない審査員たちに、電話という証拠が残らないかたちで、ご評価いただいたとか言い出したり

なぜ、そこまでトーンが変化しているのか、、、
というところにぜひ皆さん注目していただきたいのです。

なぜなら、
たとえデザインについて反論があろうとも、
付近住民から反対があろうとも、
他の権威ある建築家から叱責されようとも、
安藤忠雄氏が、ここまでぶざまに逃げたことはないからです。

これまでなら、
みなさんが反対されようとも私の一存で決めた。
他の審査員を説得してでも自分の意思を通した。
とか言う人なんですよ。

普通だったら5月28日の基本設計発表のときに、
ドヤ顔して出てくると思うんです。

こんな感じで



で、
絶対他の人と話し合ったとか、
みんないっしょにとか、言わない人なんです。
俺が俺がの人、
コンペのスタート時にはさっそうとガンガン一人で出てたでしょう?

そしてザハに決めた~!のときなど、
発表の場に、たのみの和田先生も内藤先生も皆もいなかったじゃん。
なんや、シャツのボタンもガンガンガンと3つも開けてかっこええやん。


それが、今回、そうしないのか、、、
建築の法律にもかかわる説明においてマスコミ取材時にも

JSCの理事を放置プレイにしているのはなぜなんだ。


新国立競技場、僕は以前からダメだ、と言っていますが、
安藤氏も、とうとうヤバイんじゃないかとわかったんだと思うんです。

だから、なんとかならないか、、、
もはや元のデザインのコンセプトなどどうでもいいから、
建ててくんねえと、自分がヤバイと、、
それで頭がいっぱいなんじゃないかと思うんです。

いやいや、自分のことなど、もういいから

広く国民のこととか、日本の建築文化のこととか、東京オリンピックのこととか、実施設計のこととか、施工方法のこととか、
もっと大局観をもってくれよ

これじゃあ太平洋戦争中の軍部の思考パターンになってますよ。

つづく










短期掲載:「新国立競技場に執着する安藤忠雄の大罪」

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月刊紙の爆弾8月号に寄稿した記事。
皆の衆、読んでくれい。


「東京オリンピック2020から東京を考える」展

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  • 10月1日
    なんと、建築学会の建築週間2014年で、
     「国立競技場ちゃん展」をやります。
    正確には、僕に与えられたスペースで、ですが


    「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表④
  • 「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表③
  • 「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表②
  • 「国立競技場ちゃんコンテスト」の作品発表①
  • 国立競技場ちゃん擬人化コンテスト作品発表
  • ご応募いただいた方々にはご連絡とっています。 キリハナさん、このページご覧になたらメールいただけますか? moriarchecono@ジーメールまでお願いします。
    このイベントはエライことになっておりまして、
    第1夜:「新国立競技場の議論から東京を考える」のシンポジウムは発表になるやいなやあっという間に定員オーバーしたんです。
    で、会場外の中庭でパブリックビューイングやることになりました。

    そして!なんと!その場外で
    建築体操でおなじみの、田中元子さん司会
    拙者が解説いたします。

    どうなっちゃうんでしょうか。
    今から非常に楽しみなイベントとなってまいりました。


    -建築文化週間2014-建築夜楽校2014 
    東京オリンピック2020から東京を考える
    主 催 
    日本建築学会後 援(予定) 日本建築家協会、日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本建設業連合会
    協 賛(予定)
    大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店、東京ガス、東京地下鉄、日建設計、日新工業、日本設計、NTTファシリティーズ、NTT都市開発、LIXIL住生活財団、三菱地所設計
    問合せ
    日本建築学会事務局 教育・普及事業グループ 三島 
    TEL:03-3456-2056  FAX:03-3456-2058  E-mail:mishima@aij.or.jp

    概 要
    東京オリンピック2020を建築的、都市的それぞれの視点から読み解きながら、東京そのものについても考える。第1夜目は、建築的視点からオリンピックと東京を考える。新国立競技場計画は、国際コンペのあり方から巨大建築物の更新と景観・環境・歴史の関係にいたるまで、実に多くの問題点を提起した。立場の異なる複数の視点から総合的な議論を展開することで、新国立競技場論を、オリンピック東京論へと接続させていく。第2夜目は、都市的視点からオリンピックと東京を考える。オリンピック後の本格的なグローバル競争に向けて、東京はどのような政策を打ち出し、建築家や専門家はどのようにそれに答えるべきか。オリンピック以後を見据えて東京の将来像を議論し、建築家、専門機関、非営利職能団体の役割を討議する。

    ▼第1夜:「新国立競技場の議論から東京を考える」
    〔日 時〕2014年10月1日(水) 18:00~20:30(開場 17:30)
    〔登壇者〕槇 文彦(建築家、槇総合計画事務所代表)内藤 廣(建築家、内藤廣建築設計事務所代表、東京大学名誉教授)青井哲人(建築史家、明治大学准教授)浅子佳英(建築家、インテリアデザイナー)
    〔コメンテーター〕五十嵐太郎(建築批評家、東北大学大学院教授)
    〔モデレーター〕松田 達(建築家、東京大学助教)

    ▼第2夜:「オリンピック以後の東京」
    〔日 時〕2014年10月9日(木) 18:00~20:30(開場 17:30)
    〔登壇者〕市川宏雄(都市政策、明治大学教授)白井宏昌(建築家、H2R architects共同代表)為末 大(プロ陸上競技選手) 〔コメンテーター〕中島直人(都市計画、慶應大学准教授)五十嵐太郎(前掲)
    〔モデレーター〕藤村龍至(建築家、東洋大学講師)

    会 場 建築会館ホール(東京都港区芝5-26-20)

    関連企画展覧会「東京オリンピック2020から東京を考える」展
    会 期
    2014年10月1日(水)~10月13日(月・祝)
    会 場
    建築博物館ギャラリー(東京都港区芝5-26-20)
    出展者(予定)
    槇 文彦、森山高至、青井哲人+明治大学青井哲人研究室、オリンピック選手村代替案(浅子佳英)、オルタナティブ・オリンピック(門脇耕三、谷尻誠、長坂常、永山祐子、羽鳥達也、松田達、トウキョウ建築コレクション)、 NeXtokyo(森俊子、森浩生、藤村龍至、古市憲寿、楠本修二郎、スプツニ子!、梅澤高明)、プロジェクトGDZ(門脇耕三、川添善行、南後由和、藤村龍至、古澤大輔、松川昌平、水野学)ほか
    入場料 無料

    2014年6月13日外国人記者クラブ 「新国立競技場問題の解説」

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    2014年6月13日におこなわれた外国人記者クラブ 記者会見、「新国立競技場問題の解説」 後半の一部。

    「新国立競技場の今の計画案のままで、屋根を開閉しつつ、芝生の育成に適する採光を可能にする素材はありません。」

    「C種膜の採用というのは現時点での苦肉の策だと思われます。結果として建築の法律に抵触してしまっています。」

    「今起きている新国立競技場における問題について、審査委員長を務められた安藤忠雄さんには多大な責任があると考えています。」


    安藤忠雄研究の4

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    なんだかいろんなことがあったこの二週間ですが、
    安藤忠雄研究の続きです。

    大阪出身の東孝光さんが東京の都心のど真ん中に無理やりというか、極小の住まいを個人の力で、建築家としての意思でくみ上げたところまでした。そして、そんな個人の生活の拠点を都市のまっただ中に成立せしめた東孝光さんには、当時の1960年代~1970年代の多くの建築の若者が憧れ、殺到したわけです。

    でも、東孝光さんの影響なら誰でも受けたいですよ。
    今でもあんな都心の極小空間に住まうことはみんなの夢でしょう。

    当時、都市と個人の関係については当時多くの建築家が取り組んでいたテーマでした。同時に、極小でありながら豊かな個人の生活の拠点を確保する、というのは建築家としても永遠のテーマです。
    この個人の力で住まいを確保するっという東孝光さんの「塔の家」に呼応するように現れ、塔の家を超えるくらいに人気があった建築家の自邸に鯨井勇さんの「プーライエ」という住宅がありました。

    これはですね、当時建築学科の大学生に過ぎない鯨井勇さんが卒業設計の課題として仲間たちと独力でセルフビルドした家です。

    僕は20数年前に見学させていただきましたけど、なんていうか永遠に未完成でありながら、住まいとしては住手と共に進化していくような家でした、ランボーの「酔いどれ船」を思い起こすような空間でしたね。
    板張り外壁の黒塗もその後の極小住宅の意匠に影響を与えています。
    たぶん、この「プーライエ」が都市と個人の対峙をテーマとした住宅の極北に位置するような建築の金字塔だと思います。

    そのような個人と都市の対峙をテーマとする建築のスト-リーと同時に、コンクリート打ち放し仕上げ、コンクリ-トのアノニマスな表現に都市住宅の可能性を見出していたのが、鈴木恂さんです。




    Problems with the New National Stadium Project

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    この資料の英訳です。

    An Overview of the Multitude of Problems with the New National Stadium Project*

    By Takashi Moriyama, architectural economist

    1. The Problem of the Competition

    Since only the recipients of internationally renowned awards were allowed to apply for the design competition of the new National Stadium, a very limited number of architects could meet this condition. The Architectural Institute of Japan (AIJ) Prize was not included in the “internationally renowned awards,” so it seems that the judging committee intentionally excluded Japanese architects. In addition, applicants had just two months to complete their proposals after submitting an application to participate. Within this limited time, it was impossible for them to fully examine and understand the site. Since very little information about the cultural and historical context of the site was provided, it was difficult for applicants, especially foreign architects, to consider the unique character of the district. Additionally, several famous foreign architects on the judging committee never visited Japan to participate in the official discussions that decided the winner. Therefore, it is impossible to say that the judging committee held exhaustive discussions. The minutes of the meetings of the judging committee and the advisory council have not yet been disclosed, so we cannot know how and why they chose Zaha Hadid’s design for the new National Stadium. Tadao Ando, chairman of the judging committee, has continued to decline comment. The other members of the committee have also remained unaccountable.

     

    2. The Problem of Scale

    The scale of Hadid’s design is unreasonably massive in scale. The existing bowl-shaped stadium includes a stand of seats added for the 1964 Tokyo Olympic Games, which means that it is already much bigger than the original scale. The stadium’s walls, however, do not exceed 30 meters high, and the tallest floodlight is 54 meters high. The Hadid design for the new stadium more than doubles the height, at 70 meters high. According to the site plan, it will be far bigger than the existing stadium and subsume the land currently occupied by the Nihon Seinenkan Building and Meiji Park. Since there is insufficient right of way between the new stadium building and the streets around the site, the monstrous walls of the new stadium will loom over the streets. The new stadium will cause irreparable damage to the environment and skylines of the verdant, open spaces that currently exist around the stadium.

     

    3. The Problem of the Landscape

    The new stadium will destroy the landscape of the Meiji Jingu Gaien (Outer) Park, which represents the historical continuity and cultural value of modern Japan. The park was founded by citizens to commemorate Emperor Meiji and Empress Shoken after their deaths. The stadium site is next to the center of the park, where the Shotoku Memorial Museum stands. Along with the Naien (Inner) Park, the Outer Park has been a cherished green space for Tokyoites for over 100 years. During the past century, innumerable citizens have donated money and offered voluntary services to construct and maintain the Shotoku Memorial Museum, the gingko tree-lined street in front of it and the forest surrounding it. The park can be regarded as a traditional “Chinju-no-mori,” a grove where a god for the local people resides. This is why the park was designated by the city of Tokyo as a historic area for landscape preservation in which the height of buildings has been restricted. Last year, however, the designation was lifted for the sake of constructing the new stadium.

     

    4. The Problem of the Architectural Design

    There are a multitude of problems to overcome before constructing the new stadium, including drafting the master plan drawing, basic design documents and construction documents as well as estimating construction costs, to name a few. Because the master plan drawing was far from detailed, the process of drafting the basic design documents has fallen behind schedule. Since it has been found that the roof design of the new stadium will not be able to support the weight of snow in winter, the designers (Nikken Sekkei, Nihon Sekkei, Azusa Sekkei and ARUP Japan) are still drafting the basic design documents, which should have been released by the end of March 2014. The delay in delivery of the basic design documents is caused by the scale of the stadium’s framework, which is equivalent to a huge cantilever bridge. The scale is enormous – as huge as Minato Ohashi Bridge in Osaka. It is extremely challenging for the designers to create a basic structural design that will provide sufficient structural strength to support the stadium.

     

    5. The Problem of Construction

    Because the basic design has not yet been completed, it is impossible to precisely calculate the construction costs. The competition did not require consistency in terms of structural engineering, so what we have now is just a design sketch with 3-dimentional CG imaging. This is quite unusual. Since the sketch does not describe the structural methods, materials or construction methods at all, it is impossible to estimate construction costs. In addition, since there is insufficient space at the site for construction crews to store materials or assemble structural parts during construction, the streets around the site will have to be shut to all traffic for a certain period. Moreover, since Japan’s construction industry has suffered from a serious shortage of workers, craftsmen and materials due to rebuilding in the Tohoku region, construction costs will soar far higher than planned.

     

    6. The Problem of Management

    It is said that one of the reasons for constructing the new stadium is that the IOC requires the accommodation of 80,000 people at the opening ceremony of the 2020 Tokyo Olympic Games. However, the IOC does not require this as an absolute condition for holding the Games. Rather, the IOC advocates a compact Olympic Games. In fact, the new stadium design is functionally ineffectual as a sports facility. Despite its huge scale, it does not include a warm-up track, which is essential for holding international track and field events. This is a critical flaw. In addition, although the authorities expect that revenues from renting the stadium for concerts and events after the Olympic Games will cover the running costs, it will become increasingly difficult to hold any event that attracts 80,000 people in Japan, a country whose population is rapidly shrinking.

     

    7. The Problem of Construction Costs

    When the competition committee solicited designs from architects for the new stadium, the construction costs were estimated at 130 billion yen. However, the costs for the selected design have been estimated at 300 billion yen. Although the authorities announced that costs had been reduced to 170 billion yen by cutting 20% of the scale of the facility, this figure is not creditable, since no detailed design plan has been disclosed. Along with the construction of the new the Japan Sports Council (JSC) headquarters building, the total budget has soared to 197 billion yen. As for running costs, the estimated expenditure is 4.6 billion yen per year, while the estimated revenues are 5.04 billion yen. The breakdown of revenues includes 1.21 billion yen from renting the stadium for entertainment events and 0.52 billion yen for conventions. However, no one knows if the estimate will prove to be accurate. In addition, the problem of designing a retractable roof, which is necessary for holding entertainment events, has not been resolved. Annual revenues of 5.04 billion yen are only 2.6% of the investment of 197 billion yen; annual profits of 0.44 billion yen are just 0.2 %. If revenues from entertainment events fall to one-half, the stadium will see huge losses of 0.2 billion yen every year after 2020.

    * This handout was made for the symposium held on May 12, 2014

     Translated into English by J.K & K.S 


    J.K & K.S さん、ありがとうございました。

    新国立競技場整備の最新の状況について

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    なんだかわかりませんが、明日とりあえず行ってきます。 明日午後一時半から自民党の行革推進本部の無駄撲滅プロジェクトチームが新国立競技場に関するヒアリングを行います。 ニコニコ動画で生中継します 【自民党無駄撲滅チーム】新国立競技場の整備状況について (番組ID:lv194431584)
    【9月25日(木)】 場所:自民党本部5階 ブロック第5会議室

    13:30~「【自民党無駄撲滅チーム】

    出席者(予定): ・河野太郎(自民党無駄撲滅プロジェクトチーム座長) ・橋本聖子(東京五輪実施本部長) ・馳浩(前東京五輪実施本部長) ・白間竜一郎(文部科学省スポーツ青少年企画課長) ・山崎雅男(日本スポーツ振興センター新国立競技場設置本部長)

    なんていうか、真田幸村みたいな心境でございます。

    さあ決戦だ!「新国立競技場の議論から東京を考える」

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    「新国立競技場の議論から東京を考える」

    日時:10/1(水)18:00-20:30
    出演:槇文彦,内藤廣,青井哲人,浅子佳英,五十嵐太郎,松田達
    主催:日本建築学会
    中継:http://urx.nu/cu7Q


    無駄撲滅PT「新国立競技場」ヒアリングに出席してきました。

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    2014年9月25日におこなわれた自民党の行革推進本部の無駄撲滅プロジェクトチー­ムによる新国立競技場に関するヒアリングの模様です。ザハ・ハディド氏に対する­デザイン監修契約13億円について質疑してきました。

    出席者:河野太郎議員、馳浩議­員、橋本聖子議員、大内達史(建築士事務所協会会長)、鈴木知幸(元・2016年東京­オリンピック招致準備担当課長、順天堂大学客員教授)、内藤廣(東京大学名誉教授・新­国立競技場コンペ選定審査員)、中村勉(東京建築士会会長)、森山高至(建築エコノミ­スト)、和田章(東京工業大学名誉教授・新国立競技場設計アドバイザー・元日本建築学­会会長)、文部科学省、JSC、ザハ・ハディド日本事務所
    【自民党無駄撲滅チーム】新国立競技場の整備状況について 
    (番組ID:lv194431584)
    http://live.nicovideo.jp/watch/lv1944...


    今、建築家に問われているのはアンガージュマン。 そもそも日本に「建築家」という職能の定義はないのだから、建築家を自称するものらがどのように行動するかによって建築家は常に再定義されつづけることになる。 サルトルの言葉を借りれば「建築家はその時代の中に状況づけられている。 そこに存在することによって現代に働きかけているのである以上、建築家はその行動が意志的であることを決意しろ」ということだ。 サルトルの言う「engagement:アンガージュマン」は「社会参加」と安易に訳されているが、もっと広義に捉えるべきものだ。 「自らの存在の仕方に関する限り全面的に責任がある」ともいえるし、 「たとえ石のように押し黙っていてもその受身の態度がすでに一つの行動」なわけであり、その行動が自らの存在を定義する。 ならば、「建築家とは押し黙る人」と社会的には定義されてしまうことになるだろう。 もう一度いう。 「建築家はその行動が意志的であることを決意しろ」

    PR: All Jeep Compass Fair


    木造マンガが出ました。

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    「ストーリーで面白いほど頭に入る木造」
    エクスナレッジ


    が出来ました。


    西暦2XXX年。時空調査機関タイムゾーンの調査員・白鳥茜は、世界的に失われつつある木造建築の調査をすべく、現代日本へ時空ジャンプする。みずからの祖先でもある檜工務店の一家に転がり込んだ茜。さっそく昔かたぎの大工にして同社会長・檜甚五郎庇護のもと、犬型汎用支援ロボット・コルビーをしたがえ木造建築のノウハウを学んでいく。




     
    この本をつくることについて僕が考え続けていたことをあとがきに込めましたのでご紹介しておきます。


    変化をつづける木造住宅の世界で変わらないもの

    森山高至 

    建築に携わる人もそうでない人も、いちばん身近な建物といえば木造住宅でしょう。ところが、ひとくちに木造住宅といっても、そのイメージは年齢や地域によってずいぶん異なります。ある人は、漆黒の瓦を戴いた純和風の木造建築をイメージするかもしれません。またある人は、白い板張りがまぶしい洋館風の輸入住宅をイメージするかもしれません。どうしてでしょうか? それはおそらく、わが国の木造住宅が私たちが想像する以上のスピードで年々進化(変化)しているからです。

    いまの若者には想像できないかもしれませんが、つい50年ほど前、まだ日本には茅葺屋根の家がそこかしこに建っていました。文化財や保存用の建築物としてではありません。普通の人が普通に暮らす家として普通に使われていたのです。戦後20年ほど経ち、大都市圏ではそろそろ高層ビルが建ち始めようかという頃、田舎のほうではまだ築100年以上の木造住宅が当たり前のようにありました。

    本作の主人公である茜が、「未来で想像していた木造建築と違う」という趣旨の発言をしますが、なにを隠そうこの言葉は、遠い未来から見た現代の風景ではなく、現代からほんの少しの過去を振りかえった私の偽らざる思いです。茅葺屋根、漆喰塗り・板張りの壁、格子の嵌った窓、障子があり縁側がある畳の間……、いまの住宅とは何から何まで違う木造住宅こそ、私が「知っている」木造住宅です。

    なぜ、木造住宅は変化しつづけるのでしょう? 住宅の工業製品化によって……、新建材が次々と生まれたおかげで……、職人を大切にしなくなったから……、どれも正しい答えです。なぜなら、そもそも住宅とは居住者のライフスタイルを支えるために、その時代に最も廉価で入手しやすい材料を使い、なるべく簡易な工法を用いて、効果的かつ普遍的なかたちに収斂していくものだからです。いま私たちが「伝統的」と呼んでいる建築物も、なにも初めから伝統的であろうとしたわけではありません。たんにその時代の最先端、その時代の経済のポテンシャルがあのような建築物を生み出しただけです。商業的な賑わいを見せた港町に成功者が建てた鯨御殿や鰊御殿、養蚕場を屋根裏にしつらえ大家族が同居した合掌造り、軒を低く連ねた雁木造り、税金を抑えるために間口を狭く奥行きを深くした京町家など、個別具体的に進化・多様化した木造住宅は、すべてその時代の「当たり前」の住宅でした。現在の「ツルツル・ピカピカ」な住宅も、数世代後の世界からは「伝統的」と呼ばれるかもしれません。

    同時に、住宅は時代や場所の社会資本や経済動向にも大きく左右されます。

    茜が指摘したように、この数十年間に新築された木造住宅がどれも同じように見えたのは、日本各地で個々人のライフスタイルや経済事情が平準化したためともいえます。いまや住宅は、じっくり時間をかけ何世代にもわたり維持していくものではなくなりました。現在は、働き盛りの世代がニュータウンの新興住宅開発地に住宅ローンを組んで世代ごとに新築するという考えが支配的です。見方を変えれば、家づくりに付随するこの住宅ローンという巨大な仕組みが、いまの日本の金融制度の一側面を支えているともいえます。耐震等級や省エネ等級といった定量化・数値化できる性能が一般にも求められ、建て主たちもメンテナンスフリーで汚れにくい素材を選びたがるのは、住宅に金融的価値を担保できる性能を問うようになった、経済というバックグラウンドからの反映の結果でしょう。

    時代や場所が変われば、住宅が変わるのも当然ということです。

    ただ現在のように、大手ハウスメーカーの商品化住宅が隆盛を極め、家づくりの仕組みや素材が根底から変わりつつある時代にあっても、家づくりに携わる職人たちのチームワークや連携、これがなければ木造住宅は一棟も建ちません。地域に密着した仕事であるという点も、時代がどれだけ変わろうとも変わらない部分です。

    本作の読者は、建築に携わってまだ日の浅い人、あるいはこれから木造住宅を建てようとしている一般の人が多いでしょうが、住宅の出来不出来を左右するのは、結局は施工する人たちの腕、仲間たちとの連携、彼らをまとめる親方、現場監督の力量だという事実だけは忘れないでほしいと思います。そう、檜甚五郎率いる檜工務店のように、活気あふれる会社や職人たちがいて初めて、木造住宅の現場は(あらゆる建築の現場は)成り立っているのです。

    その一方、扱いやすい材料、簡便な工法、数値ばかりを追い求める業界の風潮が、このところ、家づくりの現場に欠かせない「熱」を奪い、職人たちの技やアイデア、チームの連携や地域密着さえも薄く、弱くし始めているのも事実です。茜(そして私)が現在の木造住宅にもつ違和感を最後までぬぐえないのは、いつまでも変わらないと信じていた(変わってほしくないと願っていた)部分までもが、この時代、どうやら変わりつつあるという焦りとも怒りともつかない思いに、なんとなく折り合いがつけられないからなのかもしれません。いや、それすらも、時代の反映として静かに受け入れるしかないのでしょうか。


    もう間もなく書店に並ぶと思いますので、ぜひ手にとってみてください。
    建築業界1年生はもちろん、一般の施主さんにも、
    木造住宅の全体像をわかりやすくマニアックに楽しく解説したつもりです。



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    みんなのアムステルダム国立美術館へを見てきました。

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    配給元のユーロスペースさんより試写会にご招待うけ、
    『みんなのアムステルダム国立美術館へ』を観てきました。

    この映画はですね、国立美術館の改装工事が計画され、国際コンペで選ばれた設計案に対して、市民らが反対運動を展開し工事が頓挫して10年間も閉鎖されていた間に起きたことを追った映画なんです。

    それだけじゃなく歴史的建築物とそこに込められた文化やそれを支える人々の汗と涙と努力と欲望とか誠実さとかいろんなことがいっぱい詰まったとても人間らしい素晴らしい映画でした。


    「10年も!閉館していた世界的美術館、そこでは何が起こっていたのか?」
    というのがキャッチコピーなのですが、
    この映画には前編があったんですね。

    『ようこそアムステルダム国立美術館へ』

    2004年、レンブラントやフェルメールなどの傑作を所蔵するアムステルダム国立美術館で大規模な改築工事が始まった。「みんなに愛される美術館」を目指して館長や学芸員たち、建築家が試行錯誤する中、美術館を貫く通路をめぐり地元民がプランの変更を求めて猛反発。さまざまな立場の人々の意見が飛び交い計画は二転三転し、工事は中断する事態になってしまう。

    こんときには、いつになったら美術館はオープンできるのか?
    ということがテーマでした。



    改修デザイン提案コンペで勝利したのはスペインの建築家クルス&オルティスだったのですが、市民団体は「あのエントランスは自転車が通れない!」と問題提議してきます。

    じゃあ、建築家は通りぬけできなく設計していたのか?というとそうではないんです。

    むしろ、この通り抜け通路がこの建築の市民利用を即す特徴ととらえて美術館の左右移動のさまたげになっていた、自転車通路を立体的に地下ロビーと組み合わせることで解決しようとしていたんです。

    だから、建築家の二人は
    「我々のエントランスのデザインアイデアがコンペ勝利の決め手だ

    自信満々でした。


    しかしながら、市民はこのデザイン提案を机上の空論と一蹴しガンガン反対していきます。

    討論集会においても両者の意見はまっこう対立です。

    建築家は「あの連中には何を言っても無駄だ、聞く耳をもっていない。」とあきらめ顔ですが、解体工事はどんどん進んでいきます。

    美術館の館長は、アムステルダム市民のための文化の殿堂を目指すと宣言し、実際にそうなることを本当に望んでいるのですが、
    設計もなんとか終わり、やっと許認可も通り、いよいよ着工できるかという矢先に、建築の査問委員会でこの許可が差し止めになってしまいます。


    で、工事はずっと頓挫したままだったわけなのですが、、、


    美術館の学芸員たちはそんなこと言っても、美術品の収蔵管理や新美術館での作品展示の計画も進めなきゃいけませんから
    大変です。

    というのが全体の流れです。

    ただいわゆるジャーナリスティックな作品ではなくて、とっても人間らしいシーンが多く、なおかつ映像がきれい。そしてキャラが凄く立ってて俳優なんじゃないのか?ってくらいに良いシーンが撮ってあるんです。

    それはドキュメンタリーだからといってすべてを俯瞰的に撮るんじゃなく要所要所でアップやパンアップを多用
    してることもありますが、

    編集が素晴らしくてリアルのセリフや表情が多重な意味をもって象徴的な効果を生むようにできあがってる点でもあります。


    この打ち合わせシーンでも模型を入れた低い位置からのカットが、
    そうでなくても大男のレーウ館長と、説明する建築家が、
    大きく立ちふさがって、ちょうど進撃の巨人のようでしょ?

    このころは、まだ彼らが計画の全体像を把握していたこともこのカットから伝わってきます。


    出てくる人たち全員、俳優さんに見えてしまうんですよね。

    というわけで、12月に封切りですので、ぜひぜひご覧ください。

    国立美術館という施設の意味や市民や国民の想いと地域文化、そして建築家や専門家の役割と職務に対する誠意、行政の役割まで含めた、この映画を見ると、この建築が、美術館の姿をしたアムステルダム市民のための大きな家なんだってことがわかります。

    封切りまで不定期でこの映画の良さを皆さんにお伝えしたいと思います。また、つづき書きますね。


    ラリーズ?Tape Deck Mountain「Ghost Colony」

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    アメリカのバンドですが、
    裸のラリーズを彷彿とさせる曲です。
    日本に呼んでみたいです。

    訳詩: 亡きがらの街 なぜ向かうんだ? 身体はもうないんだぞ 家に戻るのか? 亡きがらの街 知りたくなかったけど ほんとはわかってた だって魂だもの 夢やドラマじゃないよね なんて無意味なんだ 電気を消しただろ? 俺が消え始める 消えるのか 消えるのか 消えるんだな

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