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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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新刊本予告「巨大建築物の世界史」

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新刊本予告「費用・技術から読み解く巨大建築物の世界史」建築は歴史の生き証人。建物がわかれば世界の歴史がくっきり見えてくる!


これやってて気付いたんです。1兆円以上の単独建築物を建造した王朝は必ず滅んでるってことに。


新・新国立競技場提案書公開へ 12月14日JSCのHP

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ついに報道発表されましたね。

先月応募が終わっているはずなのに、
どうなっているのかわからなかった。

新国立競技場計画、もとい、仕切り直しの新国立競技場計画
新・新国立競技場計画でしたが、週明け発表するらしいです。

応募案を


新国立競技場 建設、提案書公開へ JSCのHPで
http://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20151211/dde/041/050/066000c

毎日新聞2015年12月11日 東京夕刊
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設について、遠藤利明・五輪担当相は11日の閣議後の記者会見で、設計・施工の一括公募に応じた事業者から提出された技術提案書を事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)のホームページで14日に公開することを明らかにした。技術提案書には図面や工法などが記されており、ホームページで国民の意見を受け付けるという。事業者の決定前の段階で提案書を公開するのは異例。
 技術提案書の受け付けは先月16日に締め切られた。応募した事業者数などは公表されていないが、大成建設中心と、竹中工務店・清水建設・大林組3社の共同企業体中心の2グループが応募したとみられる。【岩壁峻】


さて、どんな提案なんでしょうか

巷の噂というか、以前から報道にもありましたが、応募は2案。

伊東豊雄さんのグループ
隈研吾さんのグループ

といっても、今回はデザインビルド方式といって、施工会社ありきで応募制限をかけてしまったので、

竹中工務店、清水建設、大林組+伊東豊雄グループ
大成建設+隈研吾グループ

と呼ぶべきなんんでしょうが

伊東豊雄さんについては、以前どのような建築家であるのか特集してみました。

新国立競技場のもう1つの可能性。ケンチクボカン伊東豊雄②
新国立競技場のもう1つの可能性。ケンチクボカン伊東豊雄③
新国立競技場のもう1つの可能性。ケンチクボカン伊東豊雄④
新国立競技場のもう1つの可能性。ケンチクボカン伊東豊雄⑤

では、その対抗馬、隈研吾さんとはどのような建築家なのでしょう。

正直、よくわかりません。
ていうか、わからないのではなく、むしろわかる、わかりやすい。
そのときは、その瞬間は、その時代には。

どんどん変わる、作風が。

だから、わからないのではなく、説明が難しい。

「いつの隈さん」のことを言えばいいのかが。

少年ジャンプで1984年から連載を開始した「ジョジョの奇妙な冒険」という荒木飛呂彦先生の長期連載中の作品がありますが、
そんな感じ。

ずっと「ジョジョ」は「ジョジョ」なんだけど、、、

ジョジョってどんなの?
と聞かれると、いつごろのジョジョ?
もしくは、このころのジョジョはこうだったんだけど、その後のジョジョは全然違ってて、その後はもっと違っててて、初めから絵もうまかったんだけど、どんどん上手くなってる。

そういう建築家ですかね。
隈さんは。

と、隈さんもジョジョも分からない人には皆目わからないと思いますから、急ぎ解説してみましょう。

続きは、後で書きます。

隈さんは作風だけでなく、立位置もガンガン変化してるんですよね。








新・新国立競技場計画でB案押しの理由

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去る12月14日、JSCより新国立競技場計画の提案書が発表されました。

私はその頃ちょうど、12日の神戸から京都に移動して関西方面に居りまして、14日に東京戻りの予定でしたが

第11期灘大学vol.3「灘建築学~安藤建築 ウォーク&トーク」



「本日、新国立のA案、B案が出ます!!」

という問い合わせが殺到しまして、14時に発表されるらしいのですが、
ちょうど昼過ぎに新幹線に乗り、14時はおそらく静岡あたりの予定でした。

「それではダメです。そのまま大阪に来てください!」
「そして、発表即コメントを!」

ということでMBS毎日放送の「ちちんぷいぷい」スタジオで、西靖アナウンサーと、岡山同郷トーク等しながら待機しておったわけなんです。

そして、待望の14時過ぎ
「JSCのサーバーがアクセス殺到で落ちています!」

結局、資料入手したのは14時半ごろでした。



ひと目見て思ったことは、どっちも隈さん?でした。
同時に、スタジアム規模の巨大建築にもかかわらず、木が使ってあるということです。

最初の一言は「どっちも木かよ!」でした。

その辺スタジオでコメンテーターのみなさんとトークしまして、大阪の番組は皆さんの突っ込みが、鋭くかつ面白く、なんとかついていったという感じでした。

その後は移動中にお電話いただいた方々の質疑に答えながら、徐々に理解していったという感じです。



新国立デザイン2候補は東大頭脳の隈氏と伊東氏
日刊スポーツ 2015年12月15日

2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の新たな建設計画で、日本スポーツ振興センター(JSC)は14日、総工費や工期、外観イメージなどを記載した応募業者の「技術提案書」を公表した。応募者は2者で、ともに木材を使用した和風建築に重きを置いたデザイン。A案は「法隆寺」、B案は「縄文文化」からヒントを得たと提案書で説明した。

 建設計画に応募した2陣営の提案がこの日、明らかになった。2つの候補は、どちらも日本を代表する建築家がデザインした。

 提案書を提出したとみられる1人、隈研吾氏(61)は木を使った「和」のイメージを前面に出すのが特徴。建築エコノミスト森山高至氏によると、「新しい和の表現に挑戦し続け、世の中が求めるものに敏感に反応する」建築家だという。

 小学校時代、1964年東京五輪の建築物を目の当たりにして建築家を志したという。東大工学部建築科、同大学院から日本設計、戸田建設などを経て、90年に独立した。

 主な作品は、栃木・那須町「石の美術館」(2000年)、東京・築地「ADK松竹スクエア」(02年)、同南青山「根津美術館」(09年)、同銀座「歌舞伎座タワー」(13年)など。

 もう1人の提出者とみられる伊東豊雄氏(74)も東大建築科卒。13年に建築界のノーベル賞とされるプリツカー賞を受賞した。柱、梁(はり)、壁などを工夫して空間に自由度を持たせるのが特徴で、「曲線や曲面を多用する。伊東さんも同じことを繰り返さない」(森山氏)という。

 主な作品は、秋田県「大館樹海ドーム」(97年)、仙台市「せんだいメディアテーク」(00年)、長野県「まつもと市民芸術館」(04年)、東京都「多摩美大図書館」(07年)など。

 森山氏は、2案はテーマとなっている木の使い方が対照的だと指摘する。「A案は表面に装飾的に使っているのに比べて、B案では木を構造材として使おうとしている。特別な加工技術を駆使して耐久性を高めるのだろうが、チャレンジングな案だと思う」と述べた。【斎藤暢也】

http://www.nikkansports.com/general/news/1579512.html


新国立2案の違いは…「壁面」「フィールドとの距離感」
産経ニュース: 2015年12月15日

建築の専門家の目に2案はどう映ったのだろうか。

 建築エコノミストの森山高至氏は「いずれを選んでも問題はない。違いは、近くに寄ったときに見える壁面だ」と指摘する。「A案は壁面緑化により周囲の緑に溶け込ませて目立たなくし、B案は壁面をなくすことで圧迫感を取り除いている」と解説する。

 建築評論家の馬場璋造氏は「観客席の勾配がA案は急だがB案は緩やかなので、上方の席とフィールドとの距離感も違いが生じる。A案の方が近く見えるだろう」と見る。

 建築評論家の五十嵐太郎・東北大教授は「隈研吾さんが手掛けたとみられるA案は、棒状の木を組み合わせた『ルーバー』を使い、見た目のボリュームを軽減しようという狙いが見える。これは隈さんが得意とする手法。日本の古い建築の工法も取り入れ、和のテイストが濃い」と話す。

 B案については「木の柱でスタジアムを浮遊させたように見せ、軽やかなイメージを与えようとしている。屋根の滑らかな曲線と全体の色使いも特徴的で、伊東豊雄さんらしさが出ている」と評価する。

 両案とも明治神宮外苑の森に配慮し、樹木を入れる工夫は見られるが、撤回前と面積はほぼ変わらず、高さも旧国立競技場の約2倍。建築史家の松隈洋・京都工芸繊維大教授は「景観的な観点から見ると、依然として巨大だ」と話した。

http://www.sankei.com/life/news/151215/lif1512150012-n1.html


新国立B案を評論家が「90点」の絶賛
スポーツ報知: 2015年12月15日

公開された2陣営の新国立競技場建設計画案について、撤回されたザハ・ハディド氏によるデザイン案の問題点を指摘してきた1級建築士の建築エコノミスト・森山高至氏は高評価をつけた。一方、スポーツ愛好家や街の声は賛否が割れた。

 A案には70点、B案には90点をつけたいと思います。7月に白紙撤回され、わずか5か月でここまで仕上げるとは、日本のゼネコンや設計会社の底力を見た気がします。どちらの案を採用しても完成度の高いスタジアムになると思いますね。

 A案も悪くないですが、やはりB案の方が木材を柱に活用したり、屋根の波形部分も面白い。周囲との調和も取れていて、上空から見ると「白磁の器」。内部の開放感もあり、工期短縮のための構造を工夫しています。ともに、工事現場で製作される基礎部分を工場で造る「プレキャスト」工法を採用しています。これで作業効率を上げ、人手を減らして効率化できます。ただ、全体的な評価としてはB案が一歩リードというところでしょうか。

 両案とも維持管理費を抑制するアイデアも入っています。五輪後も有効活用していくには非常に良いことですね。旧計画では、関係団体の要求をすべてのみ込んでしまい、技術的に難しい開閉式屋根を採用したりしました。その結果、総工費が膨張してプロジェクトは失敗しました。

 今回は客席部分のみ屋根で覆い、収容人数も8万人から6万8000人に減らしました。車で言えば、根幹部分であるシャシーをシンプルにしたことで、ほかの部分に注力できるようになったと言えるでしょう。どんなスタジアムが出来上がるか、楽しみです。

http://www.hochi.co.jp/topics/20151214-OHT1T50230.html

で、なぜB案押しなのか?といいますと

A案、B案のどちらも2019年11月完成としていますが、現時点では確約は出来ないのだと思いますが、B案の方が工期短縮の可能性を秘めているからです。

2案発表後に、多くの建築専門家にインタビューされたと思うのですが、デザイン性や作家の個性だけでの評価ということになると、それぞれの好みという側面もあり、みなさんA案、B案、どちらも良い、どちらも甲乙付けがたい、というコメントにしかならないと思うんですね。

面白いのは、いまだに「これならザハ案がよかった」という方もいらっしゃいますが。

つまり、この計画はデザイン論では片が付かない、ということですね。

パット見の印象はあいかわらず、鳥の目線で上空から見た形態しか把握できないから、両者とも楕円じゃないか、と同じ輪郭じゃないか、ということになるのだと思います。

なぜ、スタジアムが円形や楕円形になるのか?については以前解説しています。

参照:新国立競技場の基本設計は出来上がっていない!⑤


海洋微生物や植物の形態です。


というわけで、円形の構造物のデザインに木をどのように使ったのか?
A案は庇の下の部分、B案は構造柱、というのがまずはA案とB案の違いですね。


A案はどちらかというと、構造物としては無難な方針を立て、そこに木の襟巻きを着けた状態に植栽をを回したというものです。

B案は、極限までシンプルなお皿形状にしたうえで、木の軸をもった傘をさしているというものです。

この襟巻きと傘の考え方の違いが、デザインだけでなく、施工方法においてはっきりと違いが出ているというのが、今回わたくしがB案押しの理由でもあります。

それは、B案の方が工期が早いのでは?もしかしたら2019年11月とはいわず、2019年8月完成が目指せるのでは?という可能性をみたからです。

建築物の費用内訳は、大きなものでも小さなものでも、おおよそ材料が3割、人件費6割、経費1割といった割り振りになるのです。
つまり、素材をケチるよりも、人件費部分、早く手間をかけないで造ること、無駄を省くことというのが、費用にも大きな影響があるんです。

だから、早く造れるならそれだけ工事費も圧縮できるというわけなんです。

では、なぜB案の方が早く造れそうなのか?を技術提案書から読み解いていきたいと思います。

新・新国立競技場計画でB案押しの理由②

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新国立競技場の提案審査が昨日12月19日におこなわれた模様です。


それを受けて政府発表が22日にあるとかないとか言われておりますが、
結果がどうなろうと、とりあえずB案支持の理由解説を続けます。

まず、B案の方が工期を早めることができる可能性がある!についてです。
その前に、技術提案書を眺めておりましたら、既にB案の方が工期が早かったです。

これです。
A案提案書6ページの右上



続いて、B案提案書の18ページ右上





スタートがB案の方が後、にもかかわらず完成時期はいっしょ。
なら、B案さんも2016年12月に着工すれば、2019年9月末に完成すんじゃね?
ということになりますよね。


では、ちょうど1年後の2016年12月前後の様子をみてみましょう。

まずは、A案さん。
2016年11月に確認申請を終わらせる、と書いてあります。

続いてB案さん。
建築確認申請が2017年の1月となっていますね。


つまり、このスタートダッシュの2ヶ月を決めるのは、確認申請取得が鍵ということです。

また、A案さんとB案さんの動きの違いは、建物の下にある土の工事です。A案では、2016年12月から土工事を始めるとし、B案では2016年6月から分割契約により、土工事に手を着ける、と言っています。

これは非常に大事なことです。

以前より解説していますが、この土地の地盤はあまりよくない。
と同時に、以前の旧国立競技場の基礎杭が現状数多く残置されています。
これらが、どうなっているかをなるべく早めに知っておく必要があります。

なぜ、B案さんが土工事急いでいるのかというと、次のような記述がありました。


このブログの読者さんでしたら、もはや周知の「杭」問題です。
壊してしまった旧国立競技場は、以前みんなで勉強したように、猛烈な数の杭が打ってある。
その姿はまるで剣山のようである、というものです。

国立競技場の解体工事が決まらない理由 2

この剣山みたいな既存杭の処理を検討しています。

さらに!B案さんは、杭撤去と土の搬出についても検討しています。

この土の搬出がいかに恐ろしいか、以前解説しましたよね。

新国立競技場説明会にて 2

以前のザハ案計画では、基礎下にタイバーとかを埋め込む必要があり、土地を掘りまくる。

結果、ものすごい残土が出まくる、土を搬出しまくる、トラックがひっきりなし。
 

この、空恐ろしいまでの残土処理を減らす!6割減らす。
基礎形状を土の処分状況に合わせながら検討するとしています。

そういった検討処理を2016年度中に仕上げる!と言っているのがB案さんですね。

では、A案さんはその基礎下の土工事についてどんな言及をしているのか?といいますと


え、っと、、、A案君。ちっとも具体的じゃないんすけど、、、

「作業効率を提言し、縮減します、、」

ええ、気持ちは分かりますけど、どないして低減すんじゃい!という部分が欠けている。

「やろうと思います」、A君、それはいい、分かる。

そういうの、、新人さんとかが「御社のために全力でやろうと思います」
とか、「できるだけやります!」とか、、、
気持ちはありがたいねんけど、、、A君、ここは大人の世界やから、、、
どうやってやるんか示してもらわへんとな、、。

そんな感じなんです。

意気込みだけでは、新国立競技場は前回のコンペのときから、意気込みさんばっかり集まって、結局のところ計画破綻しているんで、
もはや相当ヤバイんで、意気込みとかはいらんから、具体的でドライで冷徹で厳しい見解を示してもらわへんとな。

そんな感じです。


新・新国立競技場計画でB案押しの理由③

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新国立競技場提案、A案vsB案ですが、
どうやら、明日結果発表されるという見込みです。

さて、私がB案押しであることの理由解説を続けますが、
工期が早い理由のひとつとして土工事についてやりました。

次に、A案とB案でもっとも大きな違いであるスタジアム屋根工事について解説します。

ここにですねえ、大きな工夫の違いがあるんですよ。

まずA案くん

片持ち屋根でシンプル、と言っています。

実は、今回のA案、B案とも片持ち屋根(片方にしか柱がない)を採用しています。
なぜなら、フィールド側に柱を立てると邪魔になるからです。

しかし、きちっと屋根を組み上げるまでは、屋根の梁を持ち上げたりするために支えが必要です。

上の図で仮設支柱と書いてあるのがそうです。
屋根の梁を載せる前に仮設支柱を立て、屋根梁の固定が出来たら仮設支柱を外す。
そしてまた梁の下に仮設支柱を立てるを繰り返していきます。
これはあくまで仮設ですから、本体が完成後には撤去します。
上の図では、そのために1本あたりの立てたり外したりが1日ほどかかり、屋根梁が108本あるといっていますね。

これはちょうど、人が重い丸太を持ち上げていくときのことを想像してみればわかるでしょう。

両端を持って支えますよね。
こんな風に



それがA案



続いて!B案


なにやら、短縮短縮っていっぱい書いてありますが、
注目すべきはここです。

A案にあった、仮設支柱がありません。

仮設支柱なしで組み立てようとしている。


これが、B案の工夫です。

柱の部分を支点にして、やじろべえのように、天秤のように、梁を載せたら、後ろ側で引っ張る。

それによって、仮設支柱の設置・撤去作業がなくなるどころか、柱があったら施工できないスタンド部分もジャンジャン工事できるわけです。

先ほどの丸太を二人で支える様子のように、このバックステーの機構を人体で現したものがこれです。



シーソーです。

太い木の柱の後ろに控える細い棒、バックステーが梁の下がりを支えている。
結果として、スタンドの裏側が非常に軽快に開放されるわけです。


108本の仮設支柱を使うと使わないのでは、1本あたりの仮設設置撤去作業が1~2日ということは、延べ108~316日ということになり、4工区同時作業だとしても1~3ヶ月の開きが出ます。

B案は、このシーソー式の屋根構造システムの提案により、A案よりさらに2ヶ月以上、場合によっては3ヶ月近くの短縮可能性をもっているのです。

非常に洗練された構造計画と施工計画が一体となったデザインなのです。


本年はありがとうございました。

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ブログを読んでいただいている皆様

皆さま、本年は大変お世話になりました。たくさんの皆様にいっぱい励ましていただき、なんとか頑張れました。

今も年明け出版予定の(建築業界大顰蹙必至、それ以外大喝采予定)大問題本の年内締め切り原稿に追われており、ブログも更新できませんでした。

カイジの「沼編」続き必ずやります。

すいません、来年もよろしくお願いします。

新年にやってみた

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たぶん、これはずいぶん前から流布されてるものでしょうし、いまさらなんだとは思いますが、やってみると非常に、確かに不思議です。

なんで?
そうかあ、、、
といろいろ考えさせられるもの、
どういう仕組みでそうなるんだ?と。



↓ここから


■願い事を叶える不思議なリスト

たったの3分ですから、ためす価値ありです。

まず、ペンと紙をご用意下さい。そして約束してください。

絶対に先を読まず、1行ずつ進む事を。

先を読むと、願い事が叶わなくなります。






●準備はよろしいですか?。



1)まず、1番から、11番まで、縦に数字を書いてください。



2)1番と2番の横に好きな3~7の数字をそれぞれお書き下さい。



3)3番と7番の横に知っている人の名前をお書き下さい。
必ず、興味のある異性の名前を書く事。
男なら女の人、女なら男の人、ゲイなら同性の名前をかく。




必ず、1行ずつ進んで下さい。

先を読むと、なにもかも無くなります。


4)4、5、6番の横それぞれに、自分の知っている人の名前をお書き下さい。これは、家族でも知り合いや、友人、誰でも結構です。




まだ、先を見てはいけませんよ!!



8、9、10、11番の横に、歌のタイトルをお書き下さい。



5)最後にお願い事をして下さい。






さて、魔法のゲームの解説です。



1)このゲームの事を、2番に書いた数字の人に伝えて下さい。



2)3番に書いた人は、貴方の愛する人です。



3)7番に書いた人は、好きだけど叶わぬ恋の相手です。



4)4番に書いた人は、貴方がとても大切に思う人です。



5)5番に書いた人は、貴方の事をとても良く理解してくれる相手です。



6)6番に書いた人は、貴方に幸運をもたらしてくれる人です。



7)8番に書いた歌は、3番に書いた人を表す歌。



8)9番に書いた歌は、7番に書いた人を表す歌。



9)10番に書いた歌は、貴方の心の中を表す歌。



10)そして11番に書いた歌は、貴方の人生を表す歌です。




↑ ここまで




私の人生を表す曲は荒井由美さんの「ひこうき雲」でした。

https://www.youtube.com/watch?v=9HInQDjCCRc

森山高至×オガスタ新潟 コラボ企画だそうです

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エクスナレッジという出版社から季刊で出ている工務店と施主と設計事務所をつなぐビジュアルオピニオン雑誌に「建築知識ビルダーズ」というものがありまして、

この雑誌は、「建築知識」という設計士さんが読者中心のマニアックな業界雑誌の、姉妹紙、妹分というものです。

全国の地域工務店の支援と設計力や施工力、営業力を養おう、支援しようという雑誌です。

私はこの雑誌創刊から、巻末にて「武将に学ぶ工務店経営」という拙文を寄稿させていただいています。

雑誌巻末といえば、水上努さんとか、井上靖さんとか、
中高生のバス旅行でいえば一番後ろの番長の席。


どちらかというと、私はそのような番長席の一つか二つ手前の軍師的席、

もしくは、

先生の側につく場合にはこれまた先生の助手的席、一番前に指定されてしまうか、

だったのですが、

この番長席に座って以来、締め切りが来るごとに、いつも呻吟しながら、この「武将に学ぶ工務店経営」を書かしていただいております。

特に、クレパスのラフなタッチでどことなくユーモラスかつ骨太な秀逸なる武将絵を描いていただいている、丸山誠治先生の独特のイラストがとっても印象的で、拙文を助けていただいています。

http://marutenbou.exblog.jp



この「武将に学ぶ工務店経営」も回を重ねまして、元々戦国マニアの私としましては、今後もまだまだたくさんの武将をご紹介していきたいと思っているのですが、

実際に日本各地で多くの建設関係者の方々に巡り合う度に、本当にみなさん、戦国武将だよな。と思うことしきりです。

そんな感慨もあり、これまで、私が設計した建設に関わった、企画した、という建築の所在地を日本地図に落とし込んでみますと、


このようでした。

その、空白地帯であった新潟県、越後の国。

一度行ってみたかった上杉謙信、直江兼続のところにも、なかなかの工務店武将がいます。

群雄割拠する工務店戦国の荒海に漕ぎ出し5年。
「手の届く自然素材の家」を旗印に、
既に独自の版図を広げんとするその会社とは!

オーガニックスタジオ新潟

http://www.organic-studio.jp



略すと意味が分からなくなるのですが、
略して「オガスタ」です。


その、オガスタの船長、相模稔社長より、年明けご連絡をいただいて、速攻次のようなことが始まってしました。

オガスタ新潟
森山高至×オガスタ新潟 コラボ企画






新国立競技場に新たな問題が発生

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新国立競技場計画について、また新たな問題が発生しました。
と、聞くと、多くの方々が、またかと、いいかげんにしろと、もうウンザリだよと、

東京オリンピック決定以降、せっかくのお祭りイベントが、停滞気味の日本経済に活が入るのかとか、景気がよくなるといいなとか、そういった前向きの話になるはずなのに、

なんだか、イヤな話ばっかりだよとがっかり感このうえなしだと思います。

ホントにそうです。

なんで、おめでたいイベントのはずなのに、こうも嫌なこと、こうも拍子抜けすること、こうも意気消沈させることばっかり起こるのか。

そう思われることしきりだと思います。

私もそうです。

新国立競技場の白紙見直しコンペで、

このままゼネコン主導だとダメだよ。
このまま大成建設ありきではダメだよと。
このままA案選んじゃダメだよと。

関係者の皆さんには失礼のないように

直接ではなく、間接的に、

はっきり言うのではなく、示唆的に、婉曲に、暗喩的に、暗黙に、それとなく、そこはかとなく、お伝えしてきたつもりなのですが、、、

同時に、A案に決まってからも、ザハ修正案とプランが酷似していることが分かっていても、はっきり言うのではなく、示唆的に、婉曲に、暗喩的に、暗黙に、それとなく、そこはかとなく、ヤバイですよと

お伝えしてきたつもりなのですが、、、、

がっかりでしたね。

現在起きていることはこうです。

A案を採択と報道されて以降のことですが、、、、

破れたB案の設計者である伊東豊雄さんが会見されたんです。


その中で、審査に疑問がある、と


審査結果とは、このようなものでした。


なぜ?A案もB案も2019年11月完成をうたっていたにもかかわらず、工期短縮でA案の方に配点が大きいのか?

確かに、私も疑問でした。
なぜなら、B案の方が工期に余裕をもっているだろう、と予測していたからです。
その理由は以前解説しましたよね。


新・新国立競技場計画でB案押しの理由

新・新国立競技場計画でB案押しの理由②

新・新国立競技場計画でB案押しの理由③


しかしながら、伊東豊雄さんのこの会見、
コンペに負けたにもかかわらず、
まだ「審査に疑問」とか「おかしい」とか、
普通に考えれば、潔さがない、負け惜しみ、と受け止められかねない。

それでも食い下がる伊東さんに、ちょっとビックリというか、少し引いたというか、やはり大者になる人は最後の最後まであきらめないのか、と、石田三成の事を思い出したりしてました。

石田三成のエピソードとは次のようなものです。

関ヶ原の合戦に敗れ、戦場を脱出した三成も遂に捕縛され、勝った徳川家康より死罪を申しつけられます。
その三成は処刑直前に、喉が渇いたとして警護の者に水を所望しました。
警護の者は、「今、水はないが柿がある。代わりにそれを食せ」と言います。
しかし、三成は「柿は痰の毒であるのでいらない。」と答えました。
それを聞いた警護の者が「もうすぐ首を斬られるのに毒を断って何の意味がある」と笑いました。
が、三成は「大志を持つ者は、最期の瞬間まで命を惜しむものだ。」と毅然と言い放ったといいます。

確かに、新国立競技場計画はA案に決定したわけではなく、A案がJSCとの優先交渉権を得たというだけ、候補者として先頭に立つだけで、言ってみれば、まだ決定したわけではないからです。

と、感心しておりましたら、続いてビックリするような発言。


(A案では)ザハさんに訴えられるかもしれない、、、

はあ?何言ってるの?伊東さん。
ザハ案とA案って全然、違うじゃん。見た目だって
と一瞬思いました。

私が思うくらいですから、世間の巷の方々も当然そう思ったでしょう。


ところが!なんです。ほぼ、同時に等のザハさんが
「我々のデザインに驚くほど似ている」と発言

http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/22/zaha-a-plan_n_8859028.html



いやあ、似てないよ、と


ですから、この発言を聞いて困惑する方々と、

私は「いやあ、スタジアムなんて観客席は似るものですよ。そんなこと言い出したら、古代ローマから訴えられますよ」と
コメントしたものの、、、

どうも気になって、ザハ案のプランとA案のプラン、その平面図を比較してみたわけなんですが、、、

新国立はザハ案「下敷きにしてる」日刊スポーツ 2015年12月24日
http://www.nikkansports.com/sports/news/1583138.html



えーっと、、ちょっとよくわからない、、というのも
上の図でザハ案時代の平面図が赤い線で、黒い線がA案なんですが、、
互いの図面がドンピシャ、ザハ案にA案がドンピシャ、だから
ザハ案時代のキールアーチ対応で楕円からはみ出した赤い線しかその違いがない。

えっ?これはどうしたものか、、

細かい●点が見えると思いますが、そこが構造柱です。
そこがピッタッンコ
こここれは、、似てる似てないの騒ぎではない、問答無用のデータコピー。


これは、もうおなじみポルナレフ先生の登場です。


A案に決める前に言っておくッ!
おれは今A案のスタンドをほんのちょっぴりだが分析した
い…いや…分析したというよりはまったく理解を超えていたのだが……

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

『おれはこれまでA案を見ていたと
思ったらいつのまにかザハ案だった』

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…
似ているとか自然に決まるだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…



やはり、三成が、身体に毒だからと、柿を断ったのは正解だったのかもしれない。





新国立競技場に新たな問題が発生②

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A案がザハ案と似ている問題についての続きです。


伊東豊雄さんによる懸念が的中し、



ザハさんは、「我々のデザインに似ている」と発言。



確かに壁も柱も観客席もおんなじということが確認できました。

この件について、詳細に執拗に検証を試みている注目すべきサイトが存在しています。

[新国立競技場150] A案とザハ案の類似性検証(1月2日版…重ね合せ図あり)

以前にもご紹介したことのなるkenshou jikenboのブログです。

ここ見ますと凄いことになっています。

kenshou jikenboさんは技術者の方らしく、きっちり図面を活用しながらビジュアル的に解説しまくってあります。



平面図だけでなく、断面図も



内部レイアウトについても

新国立競技場に新たな問題が発生③

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新国立競技場問題は昨年の7月に予算が天井知らずということで、
このままではマズいと計画の白紙撤回、安倍首相の緊急会見、
見直し決定、という流れだったのですが

その見直し決定後の議論のときから、なんかきな臭い、なんかすっきりしない、なんか、嘘っぽいと思い続けておりました。

その辺はちょこちょこ小出しにブログ記事にしてましたので、常連読者の方々はよくご存知だと思います。

しかしながら、私はオリンピック反対論者ではありませんので、うまく進んで綺麗に進んでいくことを願っておりました。

同時に、オリンピックを機会に乗じてやろう、上手汁を吸ってやろう、たかってやろうというような、ゲスな輩は激しく憎んでおります。

で、新国立競技場計画なわけですが

伊東豊雄さんによる懸念、ザハ氏による警告が発せられるなか、問題のA案を設計したと自称する建築家隈研吾さんの会見があったんです。

場所は、日本外国特派員協会、通称外国人記者クラブです。

実は、昨年の時点で、私はA案とザハ案一致点問題、もしかして設計データ流用問題、まったくコピペ可能性についてはなんとなく気付いていたのですが、

場合によっては、ザハ案時代の設計図書はJSCに買い取りされてるかもしれない、場合によっては設計実務は日本側の設計会社によってなされており、その知財や権利の行使については解決しているかもしれないという可能性も考慮して、

指摘を思いとどまっていたんです。

だから、隈研吾さんの会見に非常に興味があった。

隈さんがなんて言うか。

ところがなんです。

当日の記者会見中継録画がYoutubeにありますが




長いので、文字起こしされているこちらのサイトの方がいいでしょう。

とりあえず計画案の説明です。
http://thepage.jp/detail/20160115-00000005-wordleaf

隈:緑を植えると、たぶん皆さん気になるのはメンテナンスが大変じゃないかっていうことをたぶん気にされるだろうと思うんですが、メンテナンスがなるべくかからないような木を選んで植えました。

これが南側の入り口からスタジアムを見上げたところです。普通、建築っていうのは、建築家はついつい建築を模型で見て、上から見て、格好がいいとか悪いとか言うんですが、私たちの場合は人間の地上のレベルから見たときに、建物がちゃんと人間に優しく感じられるようにするということをテーマに設定しておりますので、この地面のレベルから建物を見上げたときの感じというのが非常に大事です。

 この見上げた絵で木が見えると思います。これはひさしの、軒の部分に木をたくさん使っています。これは日本の伝統的建築っていうのも、ひさしの下の軒の部分に木を使って、その部分がすごく美しいのが日本の伝統的な建築の特徴なので、私たちもそういうような日本の技を今回、この建物にも生かしたいと思いました。

 例えば、皆さんご存じの奈良の法隆寺があります。この法隆寺の五重塔というのも、そのひさしの裏の軒というものの美しさ、そこに木を使っている、その美しさがこの法隆寺の五重塔の美しさの大事な部分なので、われわれはこういうものを意識して、こういうやり方を現代によみがえらせようというふうに考えたわけです。

 それからこの軒に木を使うというののもう1つのいいところは、直接雨がかからないので木が長持ちするっていうことです。それによってこの法隆寺の建物は世界最古の木造建築って言われますですね。それと同じようにわれわれも、木を軒のところに使って雨が直接かからないようにすることで、メンテナンスを簡単にして木を長持ちさせる、メンテナンスコストを安くさせるということを考えました。



メンテナンスコストがかからない木っていうのがあるとは思えないんですが、まあ次にいきましょう。


面白いのはその後の質疑応答コーナー
http://thepage.jp/detail/20160115-00000009-wordleaf

ザハさんもわれわれも両方とも3段なんですけど、3段にしたときに観客席からサイトラインっていって全てのアスリートが見えるように計算をすると、角度っていうのは、一番適正な角度っていうのが決まってくるので、その場合もザハさんの角度は私に似てるっていうのは、それはアスリートから見えるようにすると自動的にそれに近い角度が出てきます。

 それからもう1つ、細かいディテールの話なんですけど、座席の並びも東京都の火災予防条例って法律があって、その火災予防条例っていうもので決まった座席の配列の仕方があるんですね。それをするとだいたい同じような配列でしか法律が通らないので、それもザハさんは、そこも言ってるのかもしれないんですけど、座席の配列が似るのは同じ法律、それから同じ敷地の形、同じトラックの形になってるので、自動的に似てくる。そういうふうな宿命にあります。

 で、そういうことにも、そういうディテールにもかかわらず、やはりわれわれとザハさんは基本的に実現しようとしてる建物のコンセプトが違いますので、大きな配置、先ほどサドル型とフラット型って言いましたけれども、基本的にまったく違う建物だ、まったく違うデザインだということは分かっていただけると思います。はい。

ザハさんとの類似を指摘され、この辺、非常に矛盾してて苦しい答弁が続きます。
自動的に決まるのだけど、まったく違うものだそうです。

質疑応答コーナーの続きです。
http://thepage.jp/detail/20160115-00000010-wordleaf


隈さんご自身は、ザハ案との類似性をお認めになっているかのようにも聞こえました。となると、ザハさんが法的手段の行使も辞さないま、外形上のネックはやはり梓設計の存在ではないでしょうか。ザハ案の設計JV4社のうちの1社であったこともあり、今回のスタンド設計で、本当に流用やアイデアの一致がなかったと言い切れるのでしょうか。よろしくお願いします。

隈:私は類似点というのは、座席を何席並べるとか、それから角度っていうことで、それはあの条件から自動的に出てくるものでの類似点があると言ったので、デザインが類似してるとはまったく思っておりません

隈:そうですね。今回のコンペティションというのは、実は、プロセス自身いろんなことがあったということで、普通の国立のスタジアムっていう以上に世界の人が着目しているんですね。ですから、私に寄せられるメール、いろんな意見も、もう本当に世界中の専門家の方から、こんなに皆さんが関心持っているんだなというふうに感じます。

 それは建築家としては、私は今の時代の建築家っていうのはそういうものを無視する、昔の建築はそういうのを無視する、あのような、建築家っていうのはなんかすごくエゴイスティックなそういう人だっていう評価も昔はあったけど、これからの建築家っていうのはやはり、そういうものに対して誠実に応えるっていうことが私の責任だと思っているので、できる限りそういうものに対して誠実に応えたいっていうふうに思っています。


再度、前回の設計案との類似についての質疑について、またも非常に苦しい矛盾した答弁です。


自動的に出てくることだから類似点がある。
デザインは類似していない。

世界中が着目している、からそういったメールとか
できるだけ、そういったものに誠実に応えたい。

う~ん、隈さん、苦しいなあ。
水中、それは苦しい、と同じくらい苦しいなあ。
ジョニー大蔵大臣ぐらい、苦しい。




B案!再浮上か!

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緊急告知!!

シンポジウム「B案の主旨 新国立競技場コンペティションを振り返る」
小嶋一浩、千葉学、塚本由晴、柳澤潤、横河健(五十音順)

昨秋行われた新国立競技場のコンペティションの結果は既に御承知の通りですが、メディアでは表層の部分のみが伝えられ、その真意が必ずしも正確に報道されているとは思われません。そこで私達はB案の当事者及び審査員、批評家の方々を迎え、コンペティションにのぞんだ経緯、提案の主旨等を語っていただき、このプロジェクトの意義を問い直すことによって、今後の建築界や社会への理解を深める機会としたいと思います。御多用中とは存じますが、万障お繰り合わせの上、是非御参加下さい

2016 年 2 月 9 日(火)18:30~20:30 JIA 会館 大ホール
出演 (敬称略)伊東豊雄、三井雅貴(日本設計)香山壽夫(建築家、審査員)、森山高至(建築エコノミスト)中沢新一(思想家、人類学者)【司会】 
定員 : 100 名(事前申込制)
入場料: 無料
お名前・フリガナ・ご所属・電話番号を明記の上、下記まで email にてお申込み下さい。
申込・問合せこちらからの返信をもって御申込受付となります。
定員を超過した場合は、抽選となりますので御了承ください。
伊東豊雄建築設計事務所 ( 担当 木下 ) tel.03-3409-5822(平日 10:00-18:00) sympo@toyo-ito.co.jp

新国立競技場に新たな問題が発生④

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隈研吾さんの会見による「自動で決まる。」
これはですね、あり得ないです。


もちろん、ある程度同じになってくる、という言葉のニュアンスは分かります。

機能が同じなら、機械とか道具というのは似てくる。

生物だってそうです。
機能に特化したら種族が違っても似てくる。
生物学上は収斂とか言われている現象です。

古代生物にお詳しい川崎悟司先生のブログに魚竜について描いてありますが、イルカとイクチオサウルスのデザインはほぼ一緒です。

http://ameblo.jp/oldworld/entry-10317048395.html

確かに、ザハさんが言うように、「驚くほど似ている」し、
隈さんの言うように、「自動的に決まる宿命にある」のかもしれません。

たとえば、自動車で比較してみると

こちらが、「BMW 130i Mスポーツ」


そしてこちらが 「Audi A3」

車好きでなければ、なかなか区別がつかない、フロントのマークが違うだけのように見えます。

立体のときにはフロントからのむっくり感でまだ違いを言うこともできますが、これが二次元図面になると

「BMW 130i Mスポーツ」図面 

Audi A3」図面



ぱっと区別はつかない。

驚くほど似ている。
だが、
自動的に決まる宿命。

なのでしょうか、、自動車業界からそういった話しを聞いたことはありません。

しかも、この驚くほど似ているであろう両車両ですが、図面を重ねてみました。赤はAudi、青がBMWです。

ぴったりなんて合わない。
同じようなコンセプトで同じような寸法の同じようなデザインの車でさえ、メーカーが違えば、設計者が違えば、場合によってはCAD(製図)ソフトが違えば、作図データが完全一致することなどないのです。

しかし!

新国立競技場のザハ案とA案はピッタリ合った。


外の隈さんの皮から受ける印象はまったく違うものなのですが、、、、

中身はザハ案だった。

これ、見たとき。

アーノルドシュワルツネッガー主演の、フィリップ・K・ディック原作の、
「トータルリコール」という映画のワンシーンを思い出しました。

顔割れオバサンです。


ひとことでいうと、こういうことなんだと思います。



非常識な建築業界 「どや建築」という病

「どや建築」という病 (光文社新書) まえがき

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アマゾンで予約開始だそうです。
非常識な建築業界 「どや建築」という病 (光文社新書)


ただ、近くに本屋さんがなくてしかたなくアマゾンの方はしょうがないのですが、
できれば、街の本屋さんで買ってください。

また、本屋さんイベント等の企画がございましたらどこへなりとも出向きますので、
ご遠慮なくおっしゃってくださいませ

<目次>
第1章 [非常識なコンペ] 新国立競技場は「よくある話」
第2章 [非常識な建築史] 建築はなぜ「どや顔」をするようになったか
第3章 [非常識な建築家] オリジナルでなければ建築ではない!? 
第4章 [非常識な建設現場] ゼネコンという名の総合商社
第5章 [非常識な建築論] 建築業界にも「常識」はある

はじめに
2013年9月、2020年の夏季オリンピックの開催地が東京に決まったというニュースが私たちのもとにもたらされました。同時に、そのメイン会場として、イラク出身の建築家・ザハ・ハディド氏が設計した新国立競技場のイメージ画像が何度も紹介されました。


私は嫌な予感を覚えました。

さかのぼること1年前、新国立競技場の改築に向けた国際デザイン・コンクールが開催され、ザハ・ハディド氏の案が最優秀賞に選ばれたことは知っていました。しかし当時は、東日本大震災からの復興がようやく緒に就いたばかりで、あの壮大で滑稽な案がそのまま建設されることはないだろうと「楽観視」していました。しかし、その壮大な計画は静かに着実に進行していたのです。

「このままマズイことにならなければよいが……」

嫌な予感を覚えたのは、新国立競技場の設計コンペを巡る一連の流れが、私がこれまで目にした日本全国の公共施設に関する設計コンペの失敗例とあまりに酷似していたからです。過大な要求を積み上げ、拙速に企画されたとしか思えない設計コンペの募集要項、そこに群がる斬新で奇抜な建物をつくりたがる建築家たち、彼らの案を狭い視野でしか選り分けることのできない公共意識の低い審査委員たち。結果、せっかくの一大プロジェクトも最終的には誰も喜ばない、一過性のお祭り騒ぎに終わる例を、私は数多く見てきました。あとに残るのは桁外れの維持費と、地元自治体を悩ます財政問題です。

そして予想した通り、新国立競技場は同じ道を歩んでいきました。幸い、ザハ氏の案はぎりぎりの段階で白紙撤回されましたが、その後も決して予断を許さない状況が続いています。本書執筆の時点でも、まだ火種はくすぶったままです。新国立競技場に関するこれら一連の問題を、本書では「新国立競技場問題」と呼ぶことにしましょう。世間一般には、3000億円にものぼろうかという過大な建設費に非難が集中しましたが、新国立競技場問題の本質は、実はもっと根深いところにあります。そこには建築業界特有の、一般の感覚ではにわかに理解しがたい「非常識」な論理がいくつもまかり通っているのです。

また、つい最近ですが、新国立競技場問題に続き、2015年にいわゆる「傾斜マンション問題」が明るみに出ました。税金のむだ遣いという点で非難を集めた新国立競技場と違い、こちらは私たちの安心・安全な住環境を脅かす「事件」として、連日日本中の注目を集めました。

「建築業界全体が、何か大きな問題を抱えているのではないか」。いま、多くの国民がそんな不安な思いにさいなまれているような気がします。

私は常々、建築家には三つのタイプがあると考えています。

ひとつは、建築物を設計する知識・技術をもつ「建築士」。一般的な住宅、公共施設、商業ビルなどの建物を設計する人です。独立開業している人、建設会社やアトリエに所属している人など雇用形態はさまざまですが、いずれも高い倍率を勝ち抜いて一級建築士や二級建築士という国家試験を突破した人たちです。


二つめは「建築家」。欧米諸国と日本では建築家の定義が異なります。欧米諸国の建築家は日本の建築家より業務の幅が広く、建築だけでなく広く社会問題や文化の発展といった事業に包括的に取り組む人を差します。教会や王宮といった時の権力者や為政者たちの施設建設を背景に、長い歴史を通じて確立されてきた伝統的な職能のひとつです。建築家として身を立てるまでは狭き門で、社会的地位も非常に高い職種といえます。

日本は明治維新以降、そのような欧米型の建築家像を目指してきました。しかし、未だに建築家の定義ははっきりしません。建築設計業務を行ううえでは建築士の資格が必要ですが、彼らがみな「建築家」であるかどうかは分かりません。取り組んできた業務内容の成否に応じて「自称」したり、日本建築家協会に所属することでお墨付きを得ているというのが実情です。大学教授を務めたり、建築系のメディアでもてはやされたり、設計した建物が建築賞を受賞したりして、その名が広く知られた人はおおむね「建築家」を自称しているようです。

そして三つめのタイプが、周囲の環境とまったく調和しない、それ単体での成立を目指す彫刻のような建物を設計する「表現建築家」です(表現建築家とは私の造語です)。ひとつの建物には、いくつもの価値が内包されます(明るい、暖かい、涼しい、広い、格好良い、新しい、楽しいなど)。

住宅であればそこに住む家族の数だけ、公共施設であればそこを利用する人の数だけ、さまざまな価値基準で建物に接します。しかし表現建築家は、格好良い、新しいといった見た目の価値だけに走っていきます。そして彼らが設計する建物は、例外なく威圧的な「どや顔」をしています。どや顔をした建築(略して「どや建築」)を次々に生みだし、都市を、地方を、日本社会をあらぬ方向に導こうとするのが表現建築家です。

私が、建築業界全体に蔓延しつつある「どや建築という病」に気づいたのは、いまから十数年前のことです。それ以前は、たまには変わったデザインの建築があっても面白いだろうし、建物の依頼主が満足しているならそれはそれでありだろう、と考える程度でした。ところが、全国の地方都市で街づくりの仕事にかかわるようになると、特に公共施設における「どや建築」の建設が、たんなる建築デザインの問題を超えて、自治体の財政や地域住民の生活環境を大きく脅かしている実態を目の当たりにするようになりました。

「どや建築という病」は、あくまで私個人の頭のなかだけでくすぶっていたテーマでした。しかし、「どや建築」という視点でいまの建築業界を分析すると、新国立競技場問題も含め、そこに巣食っている数々の問題が驚くほどスルスルと解けていきました。本書は、現在の建築業界から数々の「非常識」が生みだされる原因を、「どや建築」をはじめとするいくつかの視点で検証し、一般の読者にもご理解いただけるように書いたものです。

今後マイホームの購入を考えている人、愛着のあるわが街に、快適に利用でき誇りがもてるような公共施設が建っ
てほしいと願っている人。みなそれぞれに理想とする住環境、生活環境があるでしょう。それは、この国に生きるすべての人たちが、建築業界の「非常識」に気づき、みずから声をあげることで建築業界内部にいる人たちの意識を変えられれば手に入れられるはずです。

この世に依頼主のいない建築というものは存在しません。誰も使わない建築、何の役にも立たない建築は必要ありません。建てる側より、依頼する側の意識が変われば、建築を取り巻くこの社会の環境はもっと良くなっていくはずです。「建築エコノミスト」として活動する私の経験と見解が、その一助になれば幸いです。



以上の「どや建築」のまえがきを公開したら早速、
早とちりさんから「森山ヒドい、僕たち私たちの素晴らし建築の世界を冒涜するのか!」といった連絡があったので補足しておきますが、、

まずヒドいことしてるのは俺じゃない、ちょと田舎に行けば、自分達の実家に帰って冷静にあたりを見回せば、「どや建築」はいくらでも見つかるだろう。次に素晴らしい建築の世界を冒涜してるのは奴ら自身であるということ。

また、私が批判しているのは、建築家全体ではないということ。同時に、全ての建築が素晴らしいとは限らないということ。その中の一部には批判されるべき傾向がある!と言っている。

だから、俺に文句言っても無駄。

そもそも俺の発言に怒りや痛みを感じるということは、思い当たるフシがあるということ、その自覚があるということだ。

俺に文句言ってる暇があるなら、自分らで「こんなに素晴らしい建築がありますよ」とか「建築作品世界が素晴らしい理由」とか「日本の文化に貢献する建築作品たち」とかの本をどしどし書いて世に問えば良いだけだ。

それに、公開したのはまだまえがきに過ぎない、慌てふためくな!と言っておく

「どや建築」という病 (光文社新書) あとがき

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非常識な建築業界 「どや建築」という病

見本誌が届きました。



2月9日は伊東豊雄先生はじめ新国立競技場B案の制作者の方々のシンポジウムでした。

当日の様子はすでにYoutubeにUpされていると思いますので、会場に来れなかった方、中継を見逃した方もぜひ、そちらをご覧くださいませ。
コンペの審査会でおこなわれたB案チームのプレゼンテーションをそのまま伊東豊雄先生、日建設計の三井さん、竹中工務店の丹野さん、高井さんが再現されています。

そして、審査委員会のお一人香山先生が、開口一番「絶対にB案の方がよかった。なぜこれに決定しなかったのか、、、」審査会の様子についても可能な限り発言されています。

同時に、中沢新一先生の爽快な捌きによる司会っぷりも見事です。


そのときに、このフライヤーも会場に置かせていただいたのですが、書籍の方、もう間もなく店頭に並ぶと思います。



で、先日のまえがきに続きあとがきを公開します。

あとがき

 本書のタイトルに「非常識な建築業界」を提案してくれたのは、光文社新書編集部の三野知里さんです。打ち合わせのなかで、私が何度も非常識という言葉を使っていたところからの着想でしょう。ただ、私の頭のなかにあった「非常識」は、漢字ではなくカタカナのほうの「ヒジョーシキ」でした。

執筆した内容は辛辣ですが、そこにはある種のギャグ的、ネタ的な意味合いもあり、いざとなったら「ごめんごめん、いろいろ書いたけどあれは半分冗談なんだよ」と笑って済ませられる余地を残そうと考えていたのです。

新書執筆というかたちで建築業界の一端を暴き(ほんの一部ですが)、一般に垣間見させてしまうのは、業界内から見れば、おそらく私のほうが「非常識」です。建築業界の人たちから、「そこまで言わなくてもいいじゃないか」「森山め、余計なことを言いやがって」と怒号が飛んでくる様子が目に浮かびます。

しかし、新国立競技場問題に関して、責任の所在を徹底的に曖昧にしようする業界関係者たちの態度を見るにつけ、その考えも変わりました。「それでも工事は進めなければならない」と、旧国立競技場をさっさと解体し、「デザイナーは悪くない」と十数億円ものデザイン監修料をザハ氏に支払う。「審査委員に落ち度はない」と審査委員長は何度も会見を拒み、「ゼネコンも悪くありません」と見積りの明細は公にしない。

業界全体をあげて火消しや隠蔽に向かう様は醜悪以外の何ものでもありませんでした。「これはもう、退路を断って徹底的に書くしかない」。そんな思いから、「ヒジョーシキ」は「非常識」に変わりました。

白紙撤回後、あらためて開催された新国立競技場のコンペで選び直された「A案」についても、ザハ案の「パクリ」ではないかという疑惑が浮上するに及び、一連の問題に対する「非常識のきわみ」にはただただ呆れるばかりです。


本書では、主に新国立競技場問題に端を発する「設計」の問題と、傾斜マンション問題で発覚した「施工」の問題を取り上げました。しかし、もう一つの大きな問題、「行政」の問題は紙幅の関係で取り上げることができませんでした。本文中では触れませんでしたが、少しだけ述べておきましょう。

2015年11月、東京都文京区に新しく建てられた分譲マンションで、信じられない「事件」が起こりました。建設時に取得したはずの「建築確認」が、完成直前になっていきなり取り下げられてしまったのです。これにより、そのマンションの購入者は入居ができないどころか、建物自体が取り壊されるかもしれないという事態に立ち至りました。建設前から周辺環境への影響が取り沙汰されていた建物のようですが、建築法規上、一度は「適法」と判断された建物です。

「建築確認」とは、一般に行政の許可制度と誤認されることが多いのですが、実際は公的な「許可」ではなく、あくまで「確認」です。建物を建設する側が「適法な建物です」という書類を作成し、役所や民間の確認検査機関が「確かに適法です」と「確認」するだけの制度です。なぜ「確認」なのかといえば、「許可」にしてしまうと許可した行政側に責任が生じてしまうからです(同じ問題が10年前に起きた「耐震強度偽装事件」でも取り沙汰されました)。

「適法」だったはずが「適法ではなくなった」のは、建築確認の申請内容の解釈に無理があったためです。「解釈」という行為には、属人的な幅があります。建設側は「適法な建物です(自己申告)」と主張しましたが、マンションの周辺住民を含む建設反対派が「適法ではない部分がある」という審査請求をかけた結果、「たしかに適法ではない部分がある」と建築審査会により解釈し直されました。

そこには、建築法規の体系が条文の論理構成によってつくられた成文法ではなく、もともとの古い社会から存在した人々の社会的規範や常識をもとに法制度化した慣習法から発展していることの、制度的限界が示されています。

本文中にも出てきましたが、日本の建設業従事者は全就労人口の約1割を占めています。この数字は、おおざっぱに言えば身近なところに一人や二人、必ず建築関連の仕事に就いている人がいるということです。

つまり、あなたの身近なところに、建築業に関する事件や不祥事の裏側について当事者の立場で解説してくれる人材が豊富にいるということです。

私は大学の建築学科を卒業後、建築士の資格を得て設計実務に携わりましたが、同級生には建築士の資格を経たのち施工管理技士となり、建設現場の管理に従事している人もいます。また別の同級生は、市役所に入ったのち建築士の資格を得て、いまは建築行政全般の仕事に携わっています。個人で設計事務所を開設し、いったんは民間の建築設計に関わったのち、いまは民間の確認検査機関に転職した人もいます。

建築関連といっても、新国立競技場のような華やかなプロジェクトに携わっているのはごく一部の人で、その多くは道路整備や護岸工事をはじめとする、日本国土を災害などから守るためのインフラ業務に関わっている人だったりします。

このように、建築業界への関わり方は人それぞれですが、みな同じような知識を身につけ、同じような技術的バックボーンをもっている人たちともいえます。今後、建築業界に絡むニュースを耳にしたら、あなたの身近にいる建築業界の人たちに意見を求めてみてください。彼らこそ、建築業界を知るための最も優れた解説者になってくれるはずです。

そうやって、私たち一人ひとりが公共施設をはじめとする建築の諸問題に常に意識を向けていれば、閉鎖的な建築業界も少しずつ変わっていくはずです。

建築業界独特の非常識のなかには、それでもいくつかの常識や希望、日本経済再興のためのヒントが隠されています。そのことを心に留めたうえで、再度本書を開いていただければ、また違った一面も見えてくることでしょう。

最後に、「どや建築」という私の発想にいち早く興味を示してくれ、本書が世に出るよう多大なるご協力をしてくださった藤山和久氏に御礼申し上げます。

2016年 1月
森山高至

武将に学ぶ工務店経営 真田昌幸

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建築知識ビルダーズで連載中の「武将に学ぶ工務店経営」も、次回で24回目を向かえますが、大谷刑部こと、大谷吉継をとりあげています。

NHK大河の「真田丸」が人気のようですが、主人公である真田幸村、(今は幼名の源三郎ですが)よりも父親である、草刈正雄さん演じる真田昌幸がますます光っておりますね。

実は、拙者もすでに安房守殿はずいぶん前に採り上げておりました。
http://www.xknowledge.co.jp/book/detail/76781083

しかし、今回の大河での草刈正雄の昌幸は本当にイイですよね。

セリフが聞き取りずらいという声もあるようですが、僕はあの「えっ?」って聞き返したくなるようなブツブツ声と、シャー!って言うときの昌幸の対比は凄く良いと思っています。

非常識な建築業界 「どや建築」という病 (光文社新書) 発売

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非常識な建築業界 「どや建築」という病 (光文社新書) 発売

昨日出ました。



◎新国立競技場問題、傾斜マンション問題はこうして起きた! 
過剰なデザイン、下請け丸投げのゼネコン、偏った建築教育……etc. 
建築エコノミストが、問題の本質を暴く。

<内容紹介>
2015年に騒動となった新国立競技場問題に続き、選び直されたデザイン案に「コピペ」疑惑が浮上、

さらには横浜で傾斜マンション事件が発生するなど、建築業界の威信を揺るがす問題が立て続けに起こっている。

しかし、これらは氷山の一角にすぎない。

建築の現場で起きていることを見れば、今後も似たような問題が起きる可能性は十分にある。

いま、この業界の裏では何が起こっているのだろうか?

「どや顔」をした使いづらい公共施設で税金をムダにしないために、

危険なマンションを買わないために、

寿命の短い持ち家を建てないために――。

知っておきたいこの業界の「非常識」な実態。

<目次>

第1章 [非常識なコンペ] 新国立競技場は「よくある話」

第2章 [非常識な建築史] 建築はなぜ「どや顔」をするようになったか

第3章 [非常識な建築家] オリジナルでなければ建築ではない!? 

第4章 [非常識な建設現場] ゼネコンという名の総合商社

第5章 [非常識な建築論] 建築業界にも「常識」はある

<著者プロフィール>

森山高至(もりやまたかし)

1965年岡山県生まれ。一級建築士、建築エコノミスト。

早稲田大学理工学部卒業後、設計事務所を経て、同大学政治経済学部大学院修了。

地方自治体主導の街づくりや公共施設のコンサルティングを行いながら、ジャーナリストとしても活躍。

ポップカルチャーの視点を交え、建築を分かりやすく解説することを得意とし、

著書に『マンガ建築考』(技術評論社)、『もし女子高生が家を設計したら』(マンガ原案、エクスナレッジ)、『費用・技術から読みとく巨大建造物の世界史』(監修、実業之日本社)などがある。

Amazone の建築ジャンルで1位でした。



光文社新書では9位




街の本屋さんに、著者突撃自筆POP販促大作戦も引き続きやっております。


豊洲の新市場が大変らしい

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先週の『非常識な建築業界「どや建築」という病』の発刊以降、手書きのポップを持って、著者突撃街の書店さん販促大作戦を敢行。


書店さん廻りをしている中で、大変な問題がいくつか耳に入ってきました。

まずひとつは、書籍の取次業者の太洋社の廃業問題でした。

高田馬場駅前の書店さんといえば、芳林堂書店さん


取次問題で新刊本がまったく入ってこなかったそうです。
なかった、と過去形になってしまったのは

本日のことですが、こんなニュースが!

都内駅周辺や埼玉、神奈川などに店舗を展開、「芳林堂書店」が破産
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160226-00010000-teikokudb-ind


ショックでした、、、レコードと楽器ののムトウがなくなったときもそうでしたが、、学生時代から芳林堂書店さんでは、もういろんな本を買わせていただいていた。

手書きポップを置きにいったときに新書のご担当者さんから「新刊の入ってくるアテがないんで、無駄になってしまうかもしれませんよ」と言われたのが最後の訪店になりました。

それと!「どや建築」を買ってくださった方から、ご報告いただいたのが、

築地が大変なことになってる!築地が?
もとい、築地の移転先の魚市場が、まったくダメなんです!

という情報でした。

すると次のような記事がありました。

豊洲新市場に“”衝撃欠陥” 積み荷の重さで床が抜ける恐れ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/175878/2

はあ?
床荷重を間違ったのか?
と記事をさっそく読んでみました。


開場予定は今年11月7日。豊洲新市場は、築地からの移転費が5884億円にも上る見込みだ。市民と築地の仲卸業者からなる「守ろう!築地市場パレード実行委員会」が22日、移転に関わる33項目の問題点を明記した公開質問状を舛添都知事に提出。その後の会見で、新市場の“衝撃欠陥”が明らかになった。

「豊洲新市場が今のまま開場すれば、床が抜けてしまうかもしれない」と指摘したのは、東京中央市場労組執行委員長の中澤誠氏(51)だ。新市場で仲卸業者が入る「6街区」の、床積載荷重の限度は1平方メートル当たり700キロ。築地市場を頻繁に行き交う荷物運搬用の小型車「ターレー」1台の重量は、運転者と積載貨物を含めると約2トンにも及ぶ。

「ターレーだけでなく、魚を入れた発泡スチロール容器などを何段も積めば、700キロは優に超えてしまいます。豊洲市場は『50年先を見据えた首都圏の基幹市場』と銘打っていますが、長年使っているうちに床が剥離・ヒビ割れしてしまうでしょう。築地では仲卸業者は1階に位置しており、“地べた”の上で作業しているので補修可能ですが、豊洲は2階以上の“高床”。最悪、床が抜けてしまう可能性も考えられます」(中澤氏)

実行委の賛同人で1級建築士の水谷和子氏(63)は、「ベンゼン汚染について、全700区画のうち305区画が未検査のまま」と指摘。さらに、「店舗の作業スペースが狭すぎる」と憤ったのは、築地で64年間にわたりマグロ仲卸業を営む野末誠氏(78)だ。
「一般的な魚屋には、最低約3メートル幅の間口が必要だと思うのですが、私たちに割り当てられたのはたった1メートル40です。これでは、冷蔵庫やシンクを置くとマグロを置くスペースがない。誰がどういう基準で決めたのか全く分かりません」
 残り8カ月余りで、“欠陥”を直せるとは思えない。舛添都知事はどう返答するのだろうか。

というものなんですが、、、、
床荷重の見込みを間違っていたのか?本当に?という疑問もありますが、
一番、驚いたのは、ここです。

「一般的な魚屋には、最低約3メートル幅の間口が必要だと思うのですが、私たちに割り当てられたのはたった1メートル40です。これでは、冷蔵庫やシンクを置くとマグロを置くスペースがない。誰がどういう基準で決めたのか全く分かりません」

えっ?また利用者不在の計画案?

いったいどこがやったんだろう?よくある計画コンサルタントの仕込みで、市場みたいな大規模設計の実績のない設計事務所とか、湾岸整備系のマリコン下請け設計事務所とか、魚市場側から見たら非常識な、建築業側の常識で進めたんじゃないのか?

と資料を探してたら、ありました。

なんと!新国立競技場計画に続いて、
またもや!日本一のはず?のとこでした。 orz....
しかも、JVじゃない、全部単独受注。

これ、事情が本当に設計事務所側にあるのか、もしくは計画を依頼した側にあるのか、今度こそ建築業界はきっちり説明しとかないと大変なことになりますよ。





美の壺3月4日放送「欄間」編

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