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真国立競技場へ11

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真国立競技場計画がなぜ最速の計画かというと、
それは、建築許可に関する部分がいったん最少だからです。



つまり、この建物は下記の資料にもあるように



南北に128間(1間=1.8m)、約230m
東西に10間、約18m

面積4140㎡(1250坪)の平屋建てコンクリート建築
すぐに建つ、こんなもん。


都市計画許可上も、小さい建物になるから判断安全側。
変更も早い。

建築の許認可も早い早い、民間のERIとかビューロベリタスとかに持ってくだけ。構造審査もすぐ終わり!これに関してだけは!

1250坪のRC建築だったら、まあ坪100万円もみときゃ十分でしょう。
いくらだと思います?12億5000万円。
斜面地の整備とかもあるとしても、とりあえず50億円くらいで出来る!

即着工。
で、時間稼ぐ。

工程表はこのようになります。

まず、第一段階は初代国立競技場の復元です。

その許可は最速で取ります。
たぶん3か月くらい。

で、すぐ着工する。躯体だけなんだから図面もあるんだし。
で、その間この躯体と配置を活用しながらこの初代をどのようにバージョンアップが可能なのかをみんなで考える。

コンペしてもいいでしょう。
増築バージョンアップの設計に1年かけて、
その間初代国立競技場は活用する!
スポーツや五輪イベントやコンサートにも!
学徒動員の鎮魂や終戦記念日に国民全員で哀悼する。

そうして初代国立競技場ありがとうイベントをやって、バージョンアップ工事を開始する。

バージョンアップ工事中にテナントや活用方法等についても議論する。

間に合わないどころか、2018年中に出来上がるかもしれません。

では、どのようにバージョンアップするか!

そこでふたたびこの外苑空撮を眺めていたんですが、


左奥のところに橋がかかっていますよね。
これは今でも残る千駄ヶ谷駅前の橋です。
その周辺に川に沿うように民家が並んでいる。

で、もう少し寄ってみると


川からもけっこう距離がある。
むしろこの川沿いにも森があったのかあ。

こんな佇まいなんではないでしょうか


現在の空撮に載せてみましょう。


つまり、このファサードは通りから結構引っ込んだところにあったわけです。外苑西通りに面しない。

外苑西通りまで100メートルは離れている。







真国立競技場へ12

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ハフィントンさんが更新しちゃったので、12です。

真国立競技場計画は3ステップで計画するといいました。
理由は、時間短縮と考える余裕を生み出すためです。

槇文彦先生たちのグループが先日記者会見されましたよね。

世界的建築家・槙文彦氏「日本チームで作る」…新国立設計


http://www.hochi.co.jp/topics/20150606-OHT1T50035.html

2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の整備計画が大幅に見直される問題で、文部科学省などがデザイン監修者としたイラク出身のザハ・ハディド氏(英在住)の事務所との契約解除を検討していることが5日、分かった。

 ザハ氏の設計案に当初から批判的な立場を貫いてきた世界的建築家の槙文彦氏(86)らのグループがこの日、都内で会見を行い、代替案を発表した上でザハ氏を設計者から外してプロジェクトを見直すことを提言した。

 報道陣に配布した代替案資料の「設計者」欄に、ザハ氏の名前はなかった。槙氏は「ザハ氏はデザイン監修者に過ぎない。設計は日本チーム(合弁事業として手掛ける4社)でやっていけばいい」と明言。「今がラストチャンス。今すぐに全力を挙げて代案をつくらなくてはならない。考える時間はある。間に合わないからこのままいくというのは太平洋戦争の日本軍と同じ。世界最大の(戦艦)武蔵も役に立たず終わったんです」と強い言葉で危機感をあらわにした。

 代替案では「キールアーチ」ではなく観客席のみを屋根で覆う構造を提案。さらに常設の観客席を6万席に抑え、五輪期間中は2万席を仮設して対応すべきとした。「(現行案は)1625億円なんかじゃ到底できない。2700億円でもできるかどうか」と費用面の問題を指摘しつつ、JSCが五輪後に設置するとしている屋根の計画についても「前例がない。テストもしない。やってみないとわからないものをやろうとしていることが問題」と断じた。

 「このまま『バンザイ攻撃』をやるんですか? 真剣に話し合わなきゃいけない時期に達している」。まだ回答は来ていないものの、代替案はJSCや東京都にもメールなどで送付しており、今後は五輪組織委や文科省にも提案していくことを検討している。求められれば、意見交換の席に着く考えも明らかにした。

2015年6月6日6時0分  スポーツ報知


いやあ、槇先生、漢だねえ。
ラストサムライですよ。
いえいえ、槇グループが七人の侍です。


「実はな、金にも出世にもならん難しい戦があるのだが・・・ついて来るか?」
「はい」
「人を守ってこそ自分も守れる。己のことばかり考える奴は己をも滅ぼす奴だ。」



槇先生が建築家としてどういった方かは下リンクを参照してください。
槇文彦の建築:東京の森⑦だからこそ主張し続けよう

また、コンペで決まったのに覆していいの?
ザハさんがかわいそう?といった声も聞こえますが、妙な提案や周辺環境やローカルの文化をあまりに無視したデザイン手法に、そこで暮らす方々が異を唱えるのは、世界では至極あたりまえのことです。

コンペ案は覆せる:新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について12



さて、真国立競技場計画のほうですが、デザインや配置の前にこの建築にはそもそもどのような用途目的を盛り込めばいいのでしょうか?

新国立競技場コンペ大失敗の原因は、何もザハ・ハディドのデザインや途中で構造設計投げ出したのに、そのこと隠したアラップジャパンや、ザハのデザインを選んだ審査員の先生だけに帰するものではありません。

コンペの募集要項に盛り込まれた用途目的が過大だったからです。
最初の段階、スタートラインから間違っていた。
そのときの有識者会議のメンバーが一番悪いのです。

観客席は8万人必要だ!陸上の公式大会に必須のサブトラックを後回しにして、サッカーは天然芝じゃなきゃいけないのに、コンサート会場として使える日数を増やすために、雨が降ってもチケットの払い戻しがないように全部を覆う屋根が必要だ、国民の税金で建てる前提なのに、富裕層のためのVIP席が必要だ、もっとVIP席が必要だ、VIPマシマシでお願いします!

とやってしまった結果。
こうなりました。



地上70メートルです。
お椀からはみだしました。


ラーメンだったら、まだ頑張って食べればなんとかなったんでしょうけど、巨大なキールアーチは、スパン400メートル、一本で重さ3万トン以上。
3万トンといえば、自衛隊の護衛艦くらいの重量です。




これが二隻、なんの用途もなく空中に浮かべてあるのが、今のザハデザインから一連の新国立競技場計画なんです。

バカバカしいでしょう?
このことが周知徹底されるまで1年かかったわけです。

それまで槇先生を支持する100名の、審査員の内藤廣さんから「諸氏」と十派一からげされた建築家の先生や、JIA(日本建築家協会)の先生方が必死の訴えでJSCと議論を重ねたりした結果、やっと一昨日、政治家の先生方にもその意味が伝わったんです。

それでも、まだザハ案を支持するという建築家たちというのが存在するそうです。どんなご意見をお持ちなのか、この際ぜひ見に行ってあげてください。

契約解除間近のザハ案を支持する建築専門家たちのツイート - まとめ


と、また血圧が上がってきましたので、これくらいにしておいて真国立競技場計画に戻ります。

あわてて設計やデザインすると碌なことにならないし、目的が利用する方々と共有できていなければなりませんからね。

真国立競技場を再生した後、現地は1年のイベント使用しているさなかに設計を詰めていくと仮定した場合、この施設に必要とされるであろう機能をわかりやすく以下のチャートにまとめてみました。

これが、検討すべき課題の道筋です。

まず①番のサブトラック、これはですね、外苑西通り側と思ったんですが、今回は敷地が明治公園が地続きなので素直にそのまま置きます。

続いて、観客席。

観客席はですねえ、悩みますね。
なぜか?といいますと、芝生席で4万人強入るからなんですよ。

現在でも芝生席のスタジアムはあります。諸外国でも。


英語ではLawn seatといいますね。
天気さへ良ければ、最高。のんびりしてて



「フィールド・オブ・ドリームス」という映画がありました。
"If you build it, he will come."  「それを造れば、彼が帰って来る」



90年前のスタジアムです。

「それを造れば、彼が帰って来る」

今のグダグダの新国立競技場の経過を見ていると、もうそういうのでいいんじゃないかとすら思えてきます。
90年前の日本人は、建築家はもっとこういう公共工事に真摯だった気がします。
少なくとも、責任ある立場の人が雲隠れしたまま2年近くも潜伏しながら、講演会しまくる等、岸田日出刀が絶対にゆるさなかったと思います。

また、前章でも書きましたが、この場所で何があったか。

この辺読むとですね、今の新国立競技場のグダグダとか本当に申し訳ない気持ちになります。この出陣学徒の中には将来建築家になることを夢みていた建築学科の方もいたことでしょう。


雨の神宮外苑「学徒出陣」56年目の証言
http://www5a.biglobe.ne.jp/~t-senoo/Sensou/gakuto/sub_gakuto.html



学徒出陣の壮行会から70年 慰霊碑前で“最後の”追悼会
http://www9.nhk.or.jp/nw9/marugoto/2013/10/1021.html

「~元学徒や見送った女子学生たちにとって、この国立競技場に慰霊碑があることが、学徒出陣の証しなのです。~」
「~いったん撤去されても、再び、この場所に慰霊碑が戻ってくることを願っています。~」


この場所でですね。

毒薬仁太郎みたいなマインドになってしまった建築家連中が好き勝手やっていいのか!ってことです。


だから、どうしてもですね、手が止まりますね。

が、やはり日本では雨も多いし冬の管理も大変だし、この初代芝生復元は、1年間の限定使用イベントまでとし、ラグビーワールドカップやオリンピックには観客席を構築した方がいいんでしょうね。



真国立競技場へ13

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計画案の方を進めます。


検討の大前提はこちら

で、芝生席の面積ですが、過去資料によれば約2770坪だそうです。
坪というのは日本の尺貫法の面積単位で、タタミ2畳分のことをいいます。
レジャーシートの一番小さいもの、コタツの敷布とかが大体そのくらいですね。
面積に直すと、9150㎡ぐらいです。

この9150㎡に何人くらい収容できるかというと、、、
河川敷で花火を見ているときを想像してみると分かりやすいでしょう。

芝生席で気持ちよく座って観戦というと、こんな感じですよね。

小学校時代の体育座りだと、こうでしょうか。


つまり、過去資料にある、芝生席の収容観客数5万人というのは、立ち見を想定していたということです。
立ち見の場合の占有面積はEVとか、満員のライブハウス会場から想像していただければ分かるように、大体0.25㎡です。

芝生席の収容人員数は、1万5000人~3万5000人で変動することになります。

この初代競技場で学徒動員の壮行会で7万5000人が見送りをされたというのはもう本当に多くの方々が詰め掛けたことを物語っています。

人が通る通路部分のこともありますから、余裕をもって3万人程度とみるべきでしょう。

そいうことで、次のステップではこのスタンド席を増設したいと思います。

上に



この当時の資料によれば、この観覧席建物の高さは37尺ということですので

2段になっても、20メートルほどの高さ


2層に増築することで
外苑西通り側のファサードも、益々東京駅やホテルや大学みたいに重厚でクラシックっぽくなってきました。

これで、高さ20メートル強ですから
先日解体されてしまった、旧国立競技場35メートルよりも高さは低いんですよ。

この二段工事の際に、EVや設備系を増強していくことになるでしょう。

つづいて観客席の屋根についてです。

まず、この観客席がどのようになっているか?なんですが

こんな断面をしています。


雨掛かりを避けるようにするには、観客席よりも少し外に張り出していなくてはなりません。

よって、観客席の傾斜部分の幅約35メートルに対して少し余分に40メートルくらいの屋根が必要となるでしょう。

で、その屋根なんですが、ほとんどの場合は支柱を端っこに立てて、そこから屋根を支える梁に向かってつっかい棒を斜めに出しているのが普通でしょう。
そのつっかい棒の接合部をなにやら細かく分解したり三次元加工の部材でかっこよく見せよう、、ということをやっているわけです。


屋根といっても相当な大きさがありますから、自分の重さを支えなければなりません。同時に積雪荷重が一番の問題です。

これは建築構造だからといって何も難しい話ではなくて、身近なものでは壁や柱から出した棚板と同じ原理です。


上から斜めに鎖で吊るか、下からつっかい棒で支えてやるか、その両方の組み合わせです。

この片っ方だけに柱や壁があり、もう片方に柱がない棚。

重い物を乗せても棚板が支えられるようにする仕組みが、
スタジアムの屋根の構造の基本的な課題なのです。

大体が日曜大工レベル。
中学生でもわかる。

今の新国立競技場問題は、この屋根の支えにする予定のものが存在しないまま、さらにキールアーチというぐにゃぐにゃで基礎がバイーンと外れそうなものを延々と三年間も悩んでいるわけですね。

だから、現在新国立競技場問題で屋根がつかないとかつくとかで連日報道内容まで変わり、文科省が500億円くださいと都知事にねじ込もうとしたり、悩むということ自体、

棚板が落ちるか落ちないか、で悩んでいるのと同様で非常にバカバカしい話なのです。

では、我々真国立競技場検討委員会ではどうするつもりなのか


部材点数を減らして、現場作業のもっとも簡易な構造方法。
そして、全国のほとんどの鉄工所で加工が可能なくらいシンプルであたりまえの枯れた技術、枯れきった工法。

トラスです。

このような部材を準備します。


上図で黄色いところがトラス。
グレーのところが斜面傾斜に合わせた現場打ちの基礎です。


こいつを47本準備する。


鉄骨工場には実はグレードというのがありまして、Sグレード、Hグレード、Mグレード、Rグレード、Jグレードという風に工場の規模や資本力、従業員数等の評価で、工場の格付けが決まっています。

Hグレードというのは各県に1社あるかないか、Sグレードに至っては全国に10数社しかない。
ですから、超大型案件ではこれらの工場にしか発注が流れないんですが、実は職人さんの鉄鋼の加工技術ではMグレードだって、Rだって、Jだって、そんなに変わらない。

このMグレード工場は日本中に存在します。

このどこにでも均等に一定以上の技術力をもった工場や職人さんが、いいぱいいるという日本の技術世界というのこそが、世界にもっとも誇れる日本の建築世界の特徴なのです。

つまり、この建物の工事には、普通のレベルの鉄骨工場なら、誰でも参加できる。
同時に、この鉄骨部材なら、日本中どこからでも運んでこれるでしょう。

47都道府県で、むしろ速さや仕上がりやその溶接やボルト接合の丁寧さや、いろんなことを競いあえばいい。

地方創生、国民参加を詠うなら、この真国立競技場では鉄骨バトル、鉄骨甲子園をやってみたいと思うのですが、いかがでしょうか


そのあたりの、鉄骨にかける熱い想いを以前マンガにしていますので
ご興味のある方はぜひ、読んでみてください。




鉄骨マンガの最終校チェック中

鉄骨マンガの最終校チェック中②

鉄骨マンガの最終入稿



鉄骨造とはどういうものか。
著書のあとがきでも解説しています。

「予測する力」です。



この全国に発注するトラスですが、敷地にどのように設置されるか、といいますと、このように斜面にインストールされます。


まあ、いってみればデッカイカーポートですかね。
簡単な構造です。

これが47本並ぶ。

このように

オールジャパンでつくるので、「オールジャパントラス47」と名付けました。

そして、膜屋根を固定する。

ステップ3の完成です。


何か、初代のDNAを引き継ぎ、二代目のハートを引き継いだようにも見えますね。

意外と空が広いんです。

自動車でいえば短い開発時間やレース期間の中で、定められたレギュレーションの中で極限の速さを競うF1は、贅肉をそぎ落としたアスリート的マシンといえるでしょう。

同様に、建築もギリギリの状況の中では、アスリート的な姿に近づいてきているように思えませんか?

たぶん機能美というのが建築にもあるはずなんです。

この真国立競技場にはブヨブヨして太った贅肉はありません。
爽やかな建物、すごくいい感じの施設なんですけど。


ラグビーワールドカップ、そしてオリンピック施設としては、最速で完成フィニッシュです。

真国立競技場のロゴにもピッタリ合ってる感じしません?


というわけで、次章14ではここからさらにオリンピック後も見据えたバージョンアップできる可能性について言及していきたいと思います。


明日の告知です

真国立競技場へ14

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先日出させていただいた勉強会の動画がYoutubeに上がっておりました。
公開勉強会/森山高至「真国立競技場へ」




ここで使ったレジメ等は主催された「神宮外苑と国立競技場を未来へ手渡す会」さんの方からpdfファイルが配布されると思います。

動画の内容は現在起きていること、その背景をわかりやすくダイジェストでお送りしっています。特に!「キールアーチ」について、どういうものか、何が問題か、小学生から建築の専門家ではない、おじいちゃんおばあちゃん、主婦の方、お兄さんお姉さん、勤労青年から、飲んだくれの新橋や新宿ゴールデン街のオヤジ連中にまで伝わるよう、念入りに面白おかしくやっております。

ぜひご覧くださいませ


で、そろそろこの「真国立競技場計画」のまとめをおこないと思っているのですが、

以下の報道がありましたね。

下村文科相、新国立競技場整備問題「最終判断近い」
http://www.hochi.co.jp/topics/20150619-OHT1T50275.html

2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の整備問題で、下村博文文部科学相(61)は19日の会見で、現行の計画案をゼロベースに戻すか、継続するかなどについて、「トータル的に考え、最終判断を近々しなければならない」と述べた。

 自民党の行革推進本部では、17日に世界的な建築家の槙文彦氏(86)を招き、会合を開いた。監修者としたザハ・ハディド氏の契約を解除して、屋根は客席部分を覆う形にするなどの提案があった。

 下村文科相は、19年ラグビーW杯の新国立開催が「絶対条件」とし、競技場デザインの変更については「国際オリンピック委員会(IOC)がコストの問題だけで、別の形になることは理解してもらえるのか?」と、会見で自問自答していた。


2015年6月20日6時0分  スポーツ報知


なるほど~、自民党、終に槇先生を呼んで話聞きましたか!

で、槇先生は、
「ザハ・ハディド氏の契約を解除し、屋根は客席部分を覆う形にしろ」とおっしゃった。

いいね、いいいね、これで今の新国立競技場がなぜ出来ないか、なぜ金をいくら注ぎ込んでもどうしようもないか、を政府は理解したことでしょう。

デザインがどうとか、コンペの経緯がどうとか、そんなことの前に物理的問題だった。
今の新国立競技場計画が、真に新しい技術的挑戦といったような爽やかなチャレンジ、乗り越えるべきプロジェクトX的なものではなく、

自動車でいえば、「スポーツカーだけど、家族全員で乗りたいから8人乗りのワゴンで、オーディオ完備、荷物も載せたいので荷台があって、ミニクレーンも付けて、F1レースで勝て!」といったような、本末転倒な本来ならあり得ない要望。

与えられたテーマの互いの技術的追求、早く走る、大勢乗せる、貨物を運ぶ、が互いの技術的成果をないがしろにするような矛盾した要望、克服すべき技術的価値もない建築であったことも理解されたでしょう。

同時に、デザインがいつの間にか、竹やり出っ歯、意味のないエアロパーツをデコったヤン車、痛車であったことも理解されたことでしょう。


だからこその下村文科相の自問自答、いいんだろうか?これまではいったいなんだったんだろうか?という煩悶、懊悩、倒懸。

すいません!審査した建築家が馬鹿でした。
すいません!コンペ要綱を作成した有識者会議が阿呆でした。

となればいいんですが、

今のままでは下村文科相が悩むのも無理もありません。
さっさと連中を呼び出して叱り飛ばしてください。

それと、下村文科相!IOCも別の形になっていいと言ってます。
また!コンペ案は覆せる!
一年半前の記事ですが、以下をぜひお読みになってください。


ただ、まだまだ予断を許しませんよ。

3000億かかっても4000億かかってもやらなきゃならん!っていう、ハチミツおじさんが東京都知事の舛添さんところに、自慢のハチミツを持参して懐柔に向かいました。


一体、ひと瓶いくらのハチミツか知りませんが、高くても数千円ですよね。そんなハチミツの小瓶ひとつで、数千億の税金出動を認めるわけにはいかないですよ。

で、こうなってくるとですね、JSCが出していた新国立競技場における収支見込ってやつも、もはや破綻していることは明らかですよね。

1625億円のときに、彼らは目一杯の楽観論と希望的観測ででっちあげた収支見込だったわけです。


新国立競技場の収支見込み等[PDF:148KB]
※公表内容は、現段階での設定及び見込みであり、実施設計及び今後の進捗により変更等が生じます。
http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/shushimikomi/20140820_shushimikomi.pdf

これちょっと精査してみましょうか

これが収入予定とやらです。

続いて、使う予定のお金ですね。


そして!この収支目論見書には次のようなただし書きがあります。

注目すべきは、この黄色のラインを引いたところです。
まず、一番目。
法人内(JSC内ということ)の他の事業、代々木競技場、JISS、NTCの運営と一体だから、、
というところ。

つまり、出店してるのは、国立競技場だけじゃないぞ、代々木競技場もだぞ、JISSもだぞ、NTCもだぞ、というところ

JISSって何?て思われたでしょう?
JSCの中に設けられた組織、
国立スポーツ科学センター、なかなか立派な組織です。
http://www.jpnsport.go.jp/jiss/home/tabid/36/Default.aspx

JISSとは!HPによれば以下のように書かれていますね!

「この国のスポーツを強くすること。それがJISSの目標です。

JISSは(公財)日本オリンピック委員会(JOC)・競技団体・大学・国内外のスポーツ研究機関と連携し、日本の国際競技力向上への支援を行っています
。」

そして、多くのスポーツ選手からのメッセージが

モーグルの上村愛選手
「自然体で競技に打ち込むことができるのが、JISSの魅力です」


ショートトラックの酒井裕唯選手
「世界の選手に勝つために」


競泳の松田丈志選手
「JISSはいっしょに戦ってくれる仲間です」


新体操日本代表女子チーム
「JISSは、強さの源です」


体操上山容弘選手
「JISSは自身に足りなかったものを埋めてくれた場所」


フェンシング日本代表統括コーチOleg Matseichuk
「JISS is one of most important part of us」




いろんなアスリートたちが寄せる文書
ここに居たんだ!アスリートたち

今回、新国立競技場問題で、実際にそこでプレイし我々を楽しませてくれたり、夢を与えてくれるはずのアスリート達の意見が、まったく聞こえてこなかった、見えてこなかった、その理由とは!

選手たちが頼みとするJISS国立スポーツ科学センターが、JSCの下部組織に組み込まれていたからなんです。

実際の現場の声が上がってこないはずだ、これでは!

その結果、JSCと有識者が決めたといわれる妄想の競技場、施設要望にコンサート使用が優先的に盛り込まれているという摩訶不思議な欠陥競技場計画、破綻した新国立競技場計画の構造的欠陥が、この現場の声を抑え込んでしまえる組織システムだったというわけです。

このJISSについてもう少し見ていきましょう。

そして事業紹介
JISSでは、スポーツ科学・医学・情報など先端的な研究のもと、充実した最新施設、器具・機材を活用し、各分野の研究者、医師等の専門家集団が連携しあって我が国の国際競技力向上のための支援に取組んでいます。

「メディカルチェック」
競技特性、種目特性に配慮した評価とアドバイスを目指します。
「医・科学サポート」
医・科学的知見に基づいてコーチと選手をサポート。課題を発見・解決し、さらに強く。

「競技研究」
各競技種目特有の課題や問題点を抽出し、競技力向上に直接的かつ即時的に貢献する。
「基盤研究」
ハード面・ソフト面における強みを生かしオリジナリティの高い研究・開発を行う。

「競技者を支える最先端医療」
トップレベル競技者のスポーツ外傷・障害及び疾病に対する診療、アスレティック・リハビリテーション、心理カウンセリング、栄養相談を、競技スポーツに通じた専門家が実施します。
診療科目としては、内科・整形外科・歯科・眼科・皮膚科・耳鼻科・婦人科があります。

事業収支報告書がありました。

アスリート支援と強化を通じて、スポーツ医学の発展を目指すという素晴らしい組織です。このような組織の下支えというものはなかなか目にすることがありません。TVの特集番組等で選手密着取材のときにチラっと登場するメディカルチェックの様子等、JISSがおこなっていたんですね。



続いて、NTC。
http://www.jpnsport.go.jp/ntc/
これはナショナルトレーニングセンターの略です。
HPによれば

味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)はスポーツ医・科学・情報研究機関であるJISSと一体となった国際競技力向上のための強化活動拠点。

味の素トレセンは、競技別の専用練習場である「屋内トレーニングセンター」、「陸上トレーニング場」、「屋内テニスコート」及び宿泊施設の「アスリート・ヴィレッジ」から構成され、競技者が同一拠点において集中的・継続的に強化活動を行うことが可能になりました。また、ジュニア競技者の育成等、長期的な強化事業への活用も期待されます。

冬季競技、海洋・水辺系競技等については、日本各地の専用施設が「ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点」に指定され、ナショナルレベルのトレーニング施設の充実とネットワークの構築が図られることとなります。

味の素トレセンの管理・運営は、隣接する国立スポーツ科学センター(JISS)を運営する独立行政法人日本スポーツ振興センターが一体的に行い、これにより、選手や競技団体は、両センターのトレーニング施設とJISSのスポーツ医学・科学・情報サポートを十分に利活用しながら、高質なトレーニングを実施することができます。


味の素トレセン施設の主体的運用は、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)が行います。

なお、施設の性格上、利用対象は基本的にJOCの強化指定選手及び各中央競技団体の推薦を受けた強化選手に限られます。

ということですので、ここはもうオリンピック強化選手に特化した活動施設と考えていいんでしょう。

で、JSC全体での決算書というものもありました。
http://www.jpnsport.go.jp/corp/koukai/zaimu/tabid/194/Default.aspx

収入の部



TOTOの売り上げ金が突出して大きいですね。

支出の部


やはり、国立競技場改築事業費が大きい。
スポーツ助成事業費よりも大きいですね。

どうやら、JSCは収入が1800億円くらいあり、そのうち1100億円くらいがTOTOの売り上げであり、国からの助成金は300億円、競技場はじめ施設収入は30億円に過ぎないことがわかります。

いわゆるTOTO法、スポーツ振興投票の実施等に関する法律というのがありまして、このクジの売り上げ1100億円の使い道は法律で定められております。


で、これまではTOTOの売り上げの5%を新国立競技場の建設費に充てていいとなっていた。5%といっても50億円ですよ。
それを!キールアーチの銭が足らんからといって、10%に拡大しようとしている!今。
さらには!JSCはTOTOの扱いをプロ野球にまで、その強欲の触手を伸ばそうとしているんです。

本来スポーツの振興というなら選手への支援に集中するべき、同時に次世代の小中学生に対して応援していくべき。

前述の国立スポーツ科学センターJISSに出している費用が20億円、そしてナショナルトレーニングセンターへの費用は8億円でしかない。

スポーツ助成金の配分もこのような感じです。


もう少しわかりやすい資料はこちら


はなしを整理すると、JSCという組織には1年間で1800億円くらいの収入があります。
そのうち1000億円はTOTOの売り上げです、300億円は国からもらっています。

で、30億円くらい職員に給料を払っています。
TOTOの運営費に200億円使っています。
TOTOの当たりクジに535億円払いました。
もうかってるんで、国に92億円を戻しました。
新国立競技場関係で300億円使いました。

選手の支援には30億しか出していません。
オリンピック関係で20億円使いました。
全国のスポーツ整備支援費で90億円
子供たちの支援に9億円

細かい数字は丸めましたが、大体上記のような感じです。
さらに精査の必要はありますが、、、、

本来のスポーツ振興に使っているのが150億円くらい。
収入の1割弱ですね。

にもかかわらず、建ちもしない新国立競技場計画へTOTOの売り上げをさらに突っ込もうかという、プロ野球も巻き込もうかという、策謀をめぐらせているんですよ。

どう思います?

真国立競技場へ15

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というわけで、ここまでの真国立競技場計画の概要をまとめると以下のようになります。

この計画は必要に応じて、必要なパーツを可変させていく、という合体ロボがコンセプトなんです。

なぜ、真かというと、

真実の競技場とかこういうものだろ?という説もありますが、、、

それは!真ゲッターロボから採りました。




チェーンジ ゲッター ステップワン!


真国立競技場計画STEP1


目的:最短でスタジアムを建設する。
方法:建設行為を最小限にする。
手法:初代競技場を復元する。
効果:建築に関わる許認可が短い。工期も短い。慌てなくてよい。
費用:30億円弱
結論:初代国立競技場を復元し1年間のイベント使用の後、バージョンアップ工事をおこなう。その間にラグビーワールドカップへの対応方法やオリンピックへの対応方法をじっくり検討する。


チェーンジ ゲッター ステップツー!


真国立競技場計画STEP2

目的:観客席の増強、屋根の設置
方法:スタンドを増設し、屋根を構成する。
手法:日本中の鉄工所で発注が可能な単純な片持ちトラスで構成し、47都道府県に「オールジャパントラス47」として分離発注する。既存残置杭の処理や基礎下新規杭の打設。
効果:全員参加型での建設プロセスのイベント化、ものづくり競技化。
費用:20億円
結論:初代国立競技場の外苑西通り側のファサード意匠の近代建築化によるノスタルジー効果。屋根鉄骨の製造プロセスの可視化。必要追加機能の明確化を図ることが出来る。



チェーンジ ゲッター ステップスリー!


真国立競技場計画STEP3


目的:観客へのアメニティの向上
方法:スタンドを内部空間化と設備増強
手法:ガラスカーテンウォールを設置し内部空調および内装工事。斜面下にトイレ設備等の埋め込み。
費用:10億円
結論:スタンドが内部化されることにより、快適性が向上するだけでなく各種のアメニティ機能を増強し、メインスタンドとオープン座席との違いが楽しみ方の幅を広げる。



このスタンドの雰囲気はこんな感じですね。



これは、長崎県の大村競艇場のメインスタンドです。

2010年より、新築計画とコンペ開催をおこなったものですが、私がコンペ要綱作成にかかわり、コンペ審査員の一人としてお手伝いしたものなんです。

つい、先々月に開場した出来立てホヤホヤの施設です。
設計者は梓設計の安野さんのグループでした。

このように直線的に建築化したスタンドなら、ガラスで覆うことで空調も十分に効かすことも出来ますし、なかなかいいでしょう?

私がなぜ、今回の新国立競技場のコンペに怒っているかというと、これまで読んできていただいた皆さんには自明でしょうが、私はこれまで公共や民間まで様々な設計コンペで、その募集要項や審査過程に加わってきているので、新国立競技場コンペの杜撰さが本当に手に取るようにわかるからなんです。募集要項ひとつ作成するにも何度も模擬設計をやって、間違ったものや要綱のルールの裏をかいたものが出てこないように調整を重ねるのです。

それでも、いざコンペを開催すると必ず政治的な圧力があります。
審査員側に通じているであろう応募者も出てきます。
そういった勢力を穏便に排除し続けないと、本当に利用者や主催者にとってふさわしい提案だけを最終審査に残すのは難しいのです。

一昨年も滋賀県でそういった難しい案件が発生しましたが、応募者や審査の先生、主催側の行政の努力により、最悪の事態(予算超過による建設の断念)を回避することができました。

同様に、新国立競技場コンペの今の状況は、ザハ改悪案を捨てて、見直しを図る以外に選択肢はないのです。


チェーンジ ゲッター ステップフォー!


真国立競技場計画STEP4

目的:ポストオリンピック・スタジアム周辺のにぎわい創出
方法:敷地西側の活用
手法:スタンド西側に増築。
費用:200億円
結論:外苑西通り側に増築し、通りに面したにぎわいの創出空間をつくり、東京体育館側敷地と連携した都市型スポーツ拠点とする。








上記のような流れで徐々に整備していけば、いろんな可能性が図れるんではないでしょうか

なお、旧国立競技場の解体前に斬られた1千本以上の樹木は、ふたたび全国から献木を募り、森にします。


また加筆しますが、、大体こんな計画です。

5~6年がかりで
300億円くらいでイケルんではないかと思います。

サブトラックの地下を含め駐車場建設等を考えても、500億円くらいでオツリが来るでしょう。

しかも、単年度の予算編成で様子見ながら進められるという意味でもお役所的にもメリットあるんじゃないでしょうか。


新国立競技場デザイン変更は訴訟につながる!は嘘

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新国立競技場問題で、
森元首相「ザハ氏のデザインを変えた場合、違約金が生じるばかりでなく訴訟を起こされる可能性がある。訴訟となれば決着が付くまで着工できない恐れ、それでは到底間に合わない」と発言したらしいが、

森氏はJSCに騙されている。?

この変則コンペではデザイン監修者の立場を確約書に明記。

ザハのデザイン監修契約ではザハは変更を拒めないように契約されている。 

デザインの変更について、「乙は不合理にこれを拒絶しない」 。

にもかかわらずこの森氏の発言はつじつまが合わないですよね。

デザイン監修者が訴訟など起こせないように、新国立競技場コンペの要項は悪知恵の塊みたいに出来上がっています。

その点に気づいたザハの師匠であるレム・コールハースは「こんな建築家を愚弄するようなコンペには応募などできない。」といって辞退したと聞きます。



イベントのお知らせ6月29日(月)「都市とスタジアム」

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イベントのお知らせ
VACANT「都市とスタジアム」

オリンピックやワールドカップといった大型スポーツイベントの招致から市民のレクリエーションに至るまで、都市にとってスタジアムは必要不可欠な施設です。一方で、建設や維持にかかる膨大なコスト、景観の破壊、騒音問題など、スタジアムは社会の負担にもなり得ます。理想的なスタジアムのあり方を考える「都市とスタジアム」シリーズの第4回目では、新国立競技場問題について考えます。

解体が完了し、いよいよ2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピックへ向けて建設が始まる段階になって、数々の問題が表面化している新国立競技場ですが、さて今何が議論の争点になっているのでしょうか?また、ひとりの市民としてどのようにこの問題と向き合うべきなのでしょうか?サッカーに造詣が深く、新国立競技場に関する記事も多く執筆されている作家・編集者の佐山一郎氏と、早くから新国立競技場の問題点を指摘し、ザハ案反対の先陣を切ってこられた建築エコノミストの森山高至氏を迎えて、東京が直面する問題について考えます。

2015/06/29 Open 19:00 / Start 19:30 
渋谷区神宮前3-20-13 Vacant 2F  
参加:料金1,000円

佐山一郎
成蹊大学文学部文化学科卒業。作家/編集者。『スタジオ・ボイス』編集長などを経て84年よりフリー。イベント関連著作に季刊『デザインニュース』(日本デザイン振興会)初出の浜野安宏、柳宗理、内田繁、面出薫らへのロング・インタビューを収めた『デザインと人 25 interviews』(マーブルトロン)。主著書に『闘技場の人』(インプレスR & D)、『VANから遠く離れて 評伝石津謙介』(岩波書店)ほか。2013年よりサッカー本大賞選考委員長。現在発売中の『フットボール批評』(カンゼン)issue 05で、猪瀬直樹前東京都知事による新国立競技場問題への苦言を引き出している。

森山高至
早稲田大理工学部建築学科卒業後、政治経済学部大学院を卒業。理系、文系を問わない幅広い知見から、哲学から競艇まで文化のヒエラルキーを超えて活動する建築エコノミスト。あるときは建築家として家やビルを建て、またあるときは地域産業の復興や地方の町興しに奔走し、またまたあるときはTVや新聞等のマスメディアでコメンテーター、果たしてその実態!はマンガやアニメの超強力な応援団。そんな視点から日本の建築業とそれをとりまく社会と生活を考えています。

というわけで、佐山一郎さんとトークイベントやります。
不肖、森山けっこう緊張&興奮しております。

佐山さんはですねえ、80年代キッズなら憧れの超カッコイイ大人のお一人、流行通信、STUDIO VOICE編集長。
ファッション、アート、文学そしてサッカーということで、どういったトークが繰り広げられるのか、これまでの拙者の修行がどの程度のものなのか!カルチャーのチャンピョンに挑む挑戦者の気持ちでがんばってみたいと思います。


元80年代キッズの方も、若者もぜひいらしてくださいませ。


ログミーの新国立競技場関連記事です。

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7月7日「第6回国立競技場将来構想有識者会議」に向けて

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週明けの7月7日、七夕の日ですが、
「第6回国立競技場将来構想有識者会議」が開催されます。


マスコミ関係者の方は会議の傍聴と記者会見の取材にぜひご出席いただけますようお願いいたします。

これまで私は新国立競技場問題において主に建築のハード面から解説し、特に構造的側面と施工方法から来るコストアップ要因について予測してきたわけですが、

多くの皆様より、なぜこうなんだ?誰が責任者なんだ?誰得なんだ?
という疑問の声をお聞きします。

私もですね、なぜこうなったのか?
誰が責任者なのか?
誰得なのか?

計画が非常にバカバカしく、愚かであることははっきりと指摘できるのですが、原因と経緯と対処方法がよくわからないんですね。

そこで、私の専門の第二の矢。

政治経済学で学んだ、経済的投下資本のひとつ人材面から、人的資源管理、組織構造と便益の関係についても紐解いていきたいと思います。

そして、7月7日に向けて、ここまでの経緯を人物相関関係としてつまびらかにしてみようという試みです。

物事の動きの中には必ずエンジン、内燃機関ですね、と同時に複雑な歯車や車輪があるものです。

同時に前衛と後衛、神輿とそれを担ぐ人、見えないところで段取る人と目立つ役として乗っかる人、という風に役割分担があるものです。
さらには利用される人と利用する人、残る人と切り捨てられる人、トカゲの尻尾と胴体、そして手足と頭、というように全体が機能的に編成されているはずなのです。

それが、非常に練り上げられた精緻な目的をもった組織機構なのか、富栄養や利得を求めて場当たり的に寄り集まり増殖している細菌のコロニー的な集合なのか、によって対処方法は変わると思うのです。

というわけで、ざっくり人的相関図を作成中です。これはまだドラフト(下書き)なので、今後情報を集めて漸進的に更新し続けたいと思っています。

下記に掲載するのが
新国立競技場問題の人的相関(β版15.07.05)です。


知ってることがあったら、どんどん教えてくださいね。

新国立競技場問題・潮目が変わるということもある1

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新国立競技場問題に取り組む皆様こんばんわ
「潮目が変わる」という言葉があります。
情勢が変化するその境目のことを指しますが、なにやらそのような気配。

とうとう、本当の切所という感じになってきましたね。

7月7日の有識者会議というのがそうでしたが、「2520億円承認」と一方的に流したことでかえって、この問題の異常性に多くの国民が、とうとう気付いた感があります。

で、連日の報道でもめまぐるしく変わっています。

さて、そのようなときには時系列でおさらいしておくべきでしょう。


この1週間の主だった報道を列挙してみます。
これ以外にもいっぱいあるのですが、主にこの計画に携わった方々や、現在の政府の言説に絞ってみても、たくさんあって、いまや新国立競技場問題は、国民的話題となったことがよくわかります。

と、同時に連日コロコロと変わるその内容と同時に、それぞれの立場での思惑が入り乱れるものとなっており、この問題が今絶賛交戦中ということもみて取れるでしょう。

後ほど最整理しますが、

7月6日からスタートします。



新国立競技場の費用負担 国と都が会談へ 7日有識者会議[ 2015年7月7日 05:30 ]
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/07/07/kiji/K20150707010685120.html


遠藤利明五輪相は20年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場について、
今週中に東京都の舛添要一知事と会談する意向を明かした。 7日に事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が有識者会議を開き、総整備費の細かな内訳を示す。舛添知事は、下村博文文部科学相から示された新国立整備費の負担について反発。遠藤五輪相は都との調整役を担っており、「そう遠くない時期に(舛添知事と)会えるんじゃないか」と話した。


新国立「見直しを」8割…「真摯に受け止める」
2015年07月07日 11時30分


http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20150707-OYT1T50088.html新国立競技場の建設を巡り、下村文部科学相は7日の閣議後記者会見で、読売新聞社の全国世論調査に対し、計画を「見直すべきだ」と答えた人が8割に達したことについて、「報道は承知している。真摯しんしに受け止めたい」と述べた。


後藤田議員新案 新国立は五輪後サッカー野球2分割
[2015年7月7日9時46分
http://www.nikkansports.com/general/news/1503127.html


2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設問題について前内閣府副大臣で自民党の後藤田正純衆院議員(45)が6日、都内で日刊スポーツのインタビューに応じ、現計画を見直し、新国立を五輪後に野球場とサッカー場に分割する新計画案を語った。 「民間プロチームが使用すれば年間100億円は稼ぐ」。整備費が約2520億円に膨れあがった現行案で推し進める与党内から反対の声が上がった。「後藤田案」は約950億円で整備できるとし、設備を簡素化することで約1500億円削減できるという。 「使用するチームを入札する。巨人でもヤクルトでもいい。新球団ができたっていい。新国立は一等地。どこがやったって回収できる」。8万人のスタジアムを五輪後に改修し5万5000人にする。縮小部分を曳家(ひきや)の技術でずらし、新秩父宮スタジアムに再利用する。こちらもJリーグチームを募ってラグビーにも使用する案だ。


新国立競技場改築費 2520億円で決定 7月7日 17時39分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150707/k10010142211000.html
020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場について、運営するJSC=日本スポーツ振興センターが開いた有識者による会議で、改築費は斬新なデザインにこだわるなどした結果、当初よりも900億円多い2520億円になることが決まりました。膨大な建設費に批判が集まるなか、5年後に向けた計画が進められることになりました。都内で開かれた有識者会議にはメンバー12人が出席しましたが、最初のデザイン案を決めた、審査委員会の委員長で建築家の安藤忠雄氏は欠席しました。遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣は、記者団に対し、「建物の特殊性という意味で『費用が高い』と言われれば確かに高いと思うが、ある程度はやむをえない。後ろ向きではなく逆にPRして世界に発信していくという思いで造ったほうがよい」と述べました。
新国立競技場:森氏「価格、圧縮され妥当」 舛添知事「国の責任で」…有識者会議での委員の発言要旨2015年07月07日
東京都内で7日にあった「国立競技場将来構想有識者会議」での委員の発言要旨は次の通り

 ▽森喜朗・東京五輪・パラリンピック組織委員会会長


 (新国立競技場が)ラグビーのワールドカップ(W杯)と五輪だけを対象にしたもののとらえ方をしている人が多い。私は、老朽化した国立競技場を、いつもまでも放っておくのか、という考えだ。「建て直そう」というのが我々、自民党の文教政策を担ってきたものとしては政策課題だった。
 いつかは建て直さないと、危険なものを残しておくことはできない。何かのきっかけが必要だろうと私も思っていた。たまたまラグビーW杯の日本開催が決まった。
 ラグビーW杯(の主会場)はサッカーと同じように(観客席数)8万人が条件。これを満たすスタジアムを造るということから始まった。当時は民主党政権だったので、(元参議院議長の)西岡武夫さんが、教育政策をずっと担当してこられた方の責任として「私が会長となって議員連盟をつくろう」と、国立改築のために汗を流そうと言われたのがそもそものスタートだった。
 その後に五輪・パラリンピック開催が決まった。これが追い風になって、両方とも政府がバックアップしていこうとなった。スポーツ団体で、ことを進めたわけでもなんでもない。これは五輪、ラグビーW杯のためだけで造るということだけの価値観なら、(建設費用が)高いのか低いのかという議論になる。そうではなくて、これからの日本のスポーツの聖地として、さらに五輪が終わっても50年、60年、70年と、これを象徴的なものとして存在できる(施設を)ということが願いでもあった。
 (建設に要する)価格がここまで圧縮されたということは、さまざまな意見があったからだが、極めて妥当なところだ。価値判断を五輪・ラグビーだけでとらえては造る意味がない。2019年はプレ五輪年でもあり、五輪の全競技(のテスト大会)を前の年にやる。「プレ五輪大会実施のために急がないといけない」という大事な視点を忘れた論陣は極めて遺憾と思っている。「サヨナラ国立競技場」のイベントには日本中から人が集まった。ラグビーとサッカーのメモリアルの試合をやったときも、国立競技場に対していろんな思い出を持った人が現れた。国立はスポーツマンにとって、国民にとっていかに大事なものかを改めて知った。その場所に次の競技場を造るということを、誇りを持ってやらないといけない。
 前からスポーツ政策をやってきた人は、(国立競技場について)ずっと心配してきた。2016年五輪の招致に手を挙げた時は、晴海に東京都と国が協力してスタジアムを造るといわれた。びっくりした。「国立競技場は忘れたのかな」と。当時の(招致活動に携わった)人たちは、「国立競技場はサッカーとラグビーに使ってください」と言っていた。結果として(晴海への新競技場計画は)風の強いところでは使えないとなり、今の国立を改築しようとなった。プロセスがあったということをご理解していただきたい。

 ▽舛添要一・東京都知事


 6月29日の調整会議で下村(博文)大臣が説明された新国立競技場の整備方針が決まったと思う。詳細はご説明いただくということだった。私は建築家でも会計士でもない。専門的な点は判断するのは不可能に近いと思っている。一方で、常に申し上げているように2020年五輪・パラリンピックの開催都市の知事としては、とにかく2019年ラグビーW杯、20年大会に絶対に間に合わせてほしい。しかるべきものをきちっと造っていただきたい。これは国立ですから、国の責任でしっかりやるということなので、具体的には文科省とJSCの責任において、間に合う、しかるべきものを完成させていただくということを重ねてお願いする。


 ▽笠浩史衆院議員(20年東京五輪・パラリンピック推進議連幹事長)

 昨年5月に基本設計を発表して約1年2カ月たった。基本構想の時に1300億円程度で、いろんなものを積み上げていくと3000億円くらいかかるという予算になった。3000億はあまりにも予算が大きいとなり、基本設計の1625億円になったと思う。デザインのよしあしは専門家ではないので、専門家同士の議論で、国民の理解を得ていく努力を引き続きしてほしい。ただ、1625億円の基本設計から、今回2520億円に膨らんだことがいろいろな批判を招いている大きな要因と思う。しかも五輪・パラリンピック後に先送りした分を含めると3000億円近い予算がかかるかもしれない。なぜそうなるのかという説明が、かなり足りないのではないか。「多くの国民の支持を得て」と言ってますので、あらゆる努力していかなくてはいけないと思う。本当に工期は大丈夫か、この予算がもっと膨らむのではないか、財源をしっかりと、国として責任を持って都と一丸となって確保していけるか。「見切り発車」ではないかという批判もあろうかと思う。実施設計段階も消費税8%で計算しているが、17年4月には10%になることが決まっている。「また膨らむのではないか」という不信感を招かないような、今後も丁寧な説明をしてほしい。

▽馳浩衆院議員(大会推進議連事務局長)

 招致段階から関わってきて、外交問題として各国のIOC委員に説明してきた。構想がまとまったことと、これで工期を間に合わせるということでの皆様の合意を得たうえで、申し上げたいことが一つある。私は柔道も好きだが「合わせて一本」ということがある。渋谷区と新宿区と港区と神宮外苑一体で考えていかなくてはいけない。新国立競技場のことだけでなく、国立競技場を中核として使っていかないといけないし、ここにスポーツレガシー(遺産)を残していかなくてはいけない。にぎわいとともに儲けていく発想を加えていかない。パラリンピックの構想もある。このエリア一帯をスポーツレガシーの特区構想として一体的に整備して活用していくことを視野に入れた、本来的な有識者の考え方が必要だと思う。舛添さんにも都として招致を提案したので、このエリア一体を特区にして金融的支援も、民間の参入も、規制の緩和も、税制上の優遇も、まさしく「合わせて一本」。一体のにぎわいとスポーツ文化のレガシーになっていくんだという中で、私はそういう言い方をした。スポーツ特区構想を、ここを軸に世界に発信していく。私たちも招致の段階でそのことを世界の関係者に説明したり、会議の中で発言したりしてきた。今、新国立競技場の構想をご説明いただいて、がんばろうというだけで今日の会議で終わらせては困る。今後の新国立競技場を中心とした展開を国が責任持つのは当たり前だが、国家戦略特区構想は自治体からの提案となっているので、舛添知事も「スポーツクラスター構想」をおっしゃっておられるし、(国立競技場の)地元の渋谷区、新宿区、港区の皆さん方、パラリンピック関係者の皆様方、アクセシビリティというのはまさしくユニバーサルデザインが必要であるし、都市計画法上のもっと商業施設であったり、福祉施設があればもっと賑わいをもっていけるかもしれない。合わせ技を積み重ねながら、これは文科省にも申し上げたいが、もともと「多様な財源を確保してやる」となっているので、多様な財源をみんなで確保していこうということを、しっかり根回しをして確保していく意思を示さないと。我々は世界に発信してきたので。よりよいものにしていくために汗をかいてほしい。特区構想は遠藤大臣も招致段階からかかわってきて経緯も知っているのだから、こういうときこそ舛添知事を支えて、国も税制上の支援、財政もしっかりやるよと。規制緩和もやる、民間事業者を回していける方向性を導いてほしい。価値のある事業と思っているので遠藤大臣はそういう汗かきもお願いしたい。こんなものはみんなでスクラムを組まないとできないですからよろしくお願いします。
 鈴木秀典・日本アンチ・ドーピング機構会長
 私からは1点申し上げる。ドーピング検査が競技会で行われる。それはただ検査を行うだけでなく、どうやってアスリート(選手)を導いて、そこからお出しするか。そういう個人のプライバシーにかかわることがある。前回の国立競技場(の建設時)にはなかった発想の設備を考えてもらえるよう、変更にともなってこういうものが変わらないようにお願い申し上げる。
 横川浩・日本陸上競技連盟会長
 「いくらなんでも(建設計画を)決めましょう」ということだと思う。速やかに建設に着手しましょう。大変大きな空き地になった旧国立の後を眺めていると、そこに建てるべき新しい国立競技場の構想がなかなか固まらないのは、なんとも悲しい。そして「五輪レガシー」として、この新国立競技場を長期にわたって、広範に活用していく夢を具体的に語っていこうではないか。(今は)そういったタイミングだと思う。

 鳥原光憲・日本障害者スポーツ協会会長

 新国立競技場は(20年五輪・パラリンピック)招致の決定において、極めて重要な要素だったと思う。これは施設面、ソフト面含めての話で、特にパラリンピック関係の世界の中でも、この競技場に対する期待は大きかった。これは東京招致の決定の極めて重要な要素だったと思う。説明を改めてうかがい日本の技術力、先進性、スポーツ文化に対する国としての考え方を象徴するような、そういう世界に誇る施設として十分価値のあるものだと。これは定量的にカウントできる価値だけでなく、それ以外の非常に大きな価値を持ったものだと思う。競技場の本体、および周辺において、アクセシビリティが高レベルに保たれている。この点は非常に貴重なことで、これが観客席なりエレベーターなりアプローチなりトイレなり、あらゆるところに考慮されてそれが従来の競技場と比べてスペースが大きくなっている理由の一つになっていると思う。競技場も周辺も含めて世界に誇れるエリアだということを前向きに訴えていくことは大事だと思う。前向きな発信として説明があったような工事内容の説明等を丁寧にやって国民の理解を広げていきたい。

 竹田恒和・日本オリンピック委員会会長

 多くの競技場施設の中で目玉であり、招致のシンボルでもあったメーンスタジアム。この実現は重要であると思う。この公約を守るということは重要だし、IOCメンバーもこのすばらしいメーンスタジアムのデザインをみたときに「東京に(投票しよう)」というように思った方も多くいたと思う。特に安倍(晋三)総理がブエノスアイレスで、全IOC委員の前で、「このデザインのメーンスタジアムを建設します」といった言葉は非常に重いと思う。IOCのバッハ会長はメーンスタジアムに関しては、ナショナルプロジェクトなので日本側でよく検討して決めるようにといっていた。しかし、ソチ五輪では5兆円というナショナルプロジェクトを含めても膨大なお金がかかり、これがその後のIOCの大きな問題となった。そういう意味で、IOCの考え方からすると、メーンスタジアムの現在のコストも決して満足できるものでないということは我々も認識しなくてはいけない。しかしながら、ここにきて工期を考えるとほかに方法がないとうかがっているし、事実であればこの方法でなんとか成功させてほしい。私は専門家でないのでよくわからないが、うかがいたいのは、この(天井部分の)キールアーチが新しい工法でリスクもあり、大きなチャレンジであると聞いている。実際に技術的に問題なく、そして工期に必ず間に合うのかが非常に重要だ。森元総理もおっしゃっていたが、ラグビー(W杯)に間に合えばいいということだけでなく、1年前のプレ大会は必ず開催しなくてはいけないので、2019年にはこれが完成していることが非常に重要だ。それと、やはりなんと言っても立派な施設をつくって大会を成功させて、そして日本のスポーツの聖地としてすばらしいレガシーが残るということが最も重要だと思うし期待している。

 張富士夫・日本体育協会会長

 日本体育協会は、山で例えると「ふもと」の部分でスポーツを支えるということをやろうとしている。ここにきて我が国全体でスポーツを盛り上げる動きが出てきている。スポーツ庁もでき、(五輪担当)大臣にもご就任いただいた。また私どもも障害者スポーツもやっている。これからますます平和立国を支えるものと思う。私自身、(1964年の東京)五輪のときは30歳前だったが、あれから日本がこの50年で、経済もスポーツもすばらしく発展した。それを考えると50年単位ぐらいでものを見なくてはいけない。これは2020年も大事だが、(新国立競技場は)そこから先の50年、日本の国のスポーツを支える象徴だと強く思っている。確かに今は「(建設費用が)高いか安いか」という話はあるかもしれないが、無駄は省くとしても大事な所はきちっとやっておかないとと強く思っている。日本武道館であった世界剣道大会には56カ国から選手がきたが「日本の武道館でやれるということはあこがれ」という方がたくさんいた。国立競技場ができたらあこがれになると思っている。

 都倉俊一・日本音楽著作権協会会長

 今、日本武道館は黒字の体質。補助金も受けていないし、8割以上は文化活動ということで「武道の聖地」であるとともに、1966年にビートルズが来たのをきっかけに、世界のアーティストのあこがれの場になっていることも事実。我々の仕事は五輪・パラリンピック大会後の活用を考えるということ。神宮の森発、東京発のスポーツのみならず、(新国立競技場を)文化芸術の情報発信の基地とする趣旨であり、協力を申し上げたい。
 国立競技場の採算は非常に安く見積もられていると思う。この2年間で文化芸術部会で、現場で文化イベントコンサートを主催している多くの人からヒアリングしてきた。現在3~5万人規模の競技場の需要は、供給不足状態である。一般社団法人のコンサートプロモーターズ協会というのがあるが、2013年度にはコンサートの動員数が3000万人超えた。14年度には4000万人を超えた。のべだが日本の人口の3人に1人が、コンサートに行っているという実態。「なでしこジャパン」(サッカー女子日本代表チーム)を見ていてもわかるが、サッカーを観戦するとしても自宅待機型は減り、積極参加型になっている。大きなスクリーンで応援したい。コンサートもしかり。大規模アリーナではコンサートが供給不足だといわれるが、首都圏だけでも3年間で年平均で300万人ぐらいの動員をしている。JSCの収支見込みをみてあまりにも控えめすぎるのでびっくりした。
 最初参加したときに(新国立競技場の工費は)1300億円とおっしゃっていたが、これが2500億円になったのでびっくりはしている。だが、その前提が屋根があるかないかとなると、新国立の採算が絶対的に合わなくなってくるのははっきりしている。要するに屋根がないことでたとえばプロモーターが長期的な契約、特に大物アーティストと契約するときに、天候が左右する長期契約はできない。季節的な要因で真冬に屋根のないコンサートは不可能なので4カ月ぐらいは使えない。我々の試算では、屋根があることがマストである。屋根があることによって現在のマーケティングをやった結果、赤字の垂れ流しなんてとんでもない。建設費の回収も可能と考えている。国立競技場は日本の新しいシンボルと同時に、世界のアーチストが憧れる有数のコンサート会場になることは明らかだと思っている。この五輪を契機に、(全面屋根付きの競技場を造って)日本が世界の先駆けになるということがあってもいいのではないか。将来的な採算のためにも、レガシーのためにも、作るなら中途半端でないものを作ってほしいと願うばかりだ。

 小倉純二・日本サッカー協会名誉会長

 1点目は、この有識者会議でザハ・ハディドさん設計の「収容人員8万人、開閉式屋根、可動式の新しい国立競技場」と決めて、五輪の主会場として招致活動を進めた。アルゼンチン(でのIOC総会)で安倍晋三総理の力強いスピーチがあって、2020年東京五輪・パラリンピック開催が決まった。そのときの招致ファイルに「8万人」と「屋根」が入っていた。そういう意味では安倍総理が話したことは国際公約だと思う。今回の新しい案は、屋根が先延ばしでは国際公約が守られているのかどうかをきちんとすべきだと思う。今月にIOC理事会があると聞いているが、そこでの説明が必要だと思う。その点、安倍総理の話と今回の新しい計画が国際公約に合っているかどうかをきちんと説明していただきたい。
 2点目は、今回の案でサッカー協会も、この有識者会議の決定に従って、IOC委員であるサッカーの関係者に、そのデザインを含めて「(観客席)8万人」「開閉式の屋根」「臨場感あふれたスタジアムということで可動式の客席」の3原則を示して、「サッカーのW杯のメーンスタジアムとしても使える」と言って(サッカーW杯の)招致活動もした。「東京五輪を支持してくれれば、W杯もやれます」と活動した。間違いなくその関係者の方は、東京に投票してくれたんだと思う。そういう意味では約束をしている。ただし、今の計画だと可動式の椅子が仮設ということになっている。仮設では男子のサッカーW杯の開催規定に違反する。常設でないと成り立たない。ですから、このままではサッカーW杯の招致ができない。新しいスタジアムを使ってはできないということなので、急がないのでラグビーのW杯が終わって、五輪が終わってからでもいいので仮設となっているところを、可動席椅子を常設にしていただくということを確約していただきたい。そうでないと、この案に反対せざるをえない状況だと思う。
 男子のサッカーW杯で、アジアの国が(開催に)手を挙げられるのは2030年以降だが、女子のW杯は手を挙げられる。23年に女子のW杯を、この国立競技場を使ってやりたいと考えている。うまく使えるように、可動式椅子を含めて検討してもらいたい。ここの開閉式の屋根がない限り、新国立競技場は永久に経営は赤字だとはっきりしている。五輪が終わったら、早く開閉式屋根をつけてもらい、可動式の椅子を常設にすることを守ってほしい。これが私がお願いしたい条件で、さもなくば反対せざるを得ない。
 都知事にもご理解いただきたいが、もしも東京で直下型地震があったときには帰宅困難者がたくさんでる。これを守るのが国立競技場だと、有識者会議ではこれまでも検討してきた。ですから、屋根があって部屋があって備蓄の食事ができるということであれば、少なくともこの近辺で10万人以上の方を保護できると思う。ここを拠点として使ってほしい。
 下村文科大臣が(財源の一部に)寄付という話もしたが、有識者会議でも寄付の話はでている。一般の方で、寄付したい方はいる。その方のためにも寄付しやすい仕組み、「ふるさと納税」のようなやり方もあるし、プレートを作って(寄付者の)名前を書くということで、寄付してもいいと考える人はいっぱいいる。そういう仕組みを作っていただきたい。質問した2点の国際公約に反していないかということと、可動式の椅子が常設なるかを回答してほしい。

7月7日まで




新国立競技場問題・潮目が変わるということもある2

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つづいて
7月8日以降


菅氏、新国立競技場デザインは「変更すれば国際的信用失墜」2015.7.8 12:54
http://www.sanspo.com/sports/news/20150708/oly15070812540002-n1.html
菅義偉官房長官は8日の記者会見で、2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)のデザインを維持すべきだとの考えを示した。「安易な変更はわが国の国際的信用を失墜しかねない」と述べた。
遠藤利明五輪相は衆院文部科学委員会で新国立競技場の総工費負担問題について「東京都と国の調整に全力で取り組む」と述べた。

新国立 石原元知事「費用の話は一切していない」
2015年7月9日http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015070902000140.html

-新国立競技場のデザインをどう思うか。 最初に見た時、「これは金がかかるぞ」と言ったのを覚えている。屋根はいらないんじゃないか。私が選んだようにも言われるが、まったく違う。あれは天才建築家の安藤忠雄さんが決めた。 -石原氏も都知事時代は有識者会議に入っていた。 その時にデザイナーの話は出ていない。一六年五輪招致では中央区晴海に主会場として普通の競技場を造るつもりだったが、(知事退任後の)二〇年五輪招致で奇天烈(きてれつ)な建物になった。 -一六年五輪招致の時、主会場についてどんな話があったのか。 財政を再建した都には当時から四千億円の基金があった。そこで国が「(主会場の)国立競技場を造ってくれ」と頼んできた。「なぜ都が国立競技場を造る?」と苦笑いしたが、基金があったので「分かった」と、建設費(約九百億円)は都の全額負担にした。 -森喜朗氏は講演で「石原都知事の時代に都と国で一六年招致の主会場の建設費を折半しようという話があった」と説明した。 (森氏と)費用の話は一切していない。森氏は当時、日本体協の会長で主会場の建設に権限はない。

新国立整備費負担、担当者間で協議…国と都合意 
 
2015年07月08日 18時56分http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150708-OYT1T50170.html?from=ytop_main12020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場を巡り、国が東京都に整備費の負担を求めている問題で、舛添要一都知事は8日、遠藤五輪相と都庁で会談し、担当者間で協議を始めることについて合意した。都の負担額や支出する根拠は今後、五輪相が設置する作業チームに都の担当者が加わって検討する。
 遠藤五輪相は会談の冒頭、「19年春までに完成させたい。改めて協力のお願いに来た」と説明。これまで国は500億円超の負担を求めてきたが、五輪相は「今日はいくらとは申し上げない。事務的に詰めて結論を出したい」と提案した。
 5月に下村文部科学相から費用負担を要請された舛添知事は、「税金を使えと言う以上、きちんとした根拠が必要」「国から説明がなければ検討できない」などとこれまで強硬姿勢を見せていたが、この日の会談では軟化。「できるだけ協力する。どういう理由で都民が納得するかは、全く手が付いていない。我々も人を出すので事務的に詰める作業を始めてよいと思う」と述べ、提案を受け入れた。
 ただ、負担額については「300億円になるのか800億円になるのか分からないが、都の頭越しに決められると信頼関係を傷つける」とけん制した。

新国立競技場 コスト確認せず決定か
7月10日 15時14分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150710/k10010146211000.html改築費が2520億円に膨らんだ国立競技場について、デザインを決める最初の審査の過程で、技術的に建設が可能かどうかチェックされたものの、設定したコストに収まるのかどうかの確認は、事実上行われずに決まった可能性が高いことが関係者への取材で分かりました。
最後は、オリンピック招致のためのインパクトを優先して今回のデザインが選ばれたと見られています。1300億円と設定されたコストの確認が事実上されないまま、デザインが決まった可能性が高く、その後金額が二転三転した要因になったとみられます。

新国立競技場、デザイン選考過程を検証 文科相 
2015/7/10 11:02http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H4H_Q5A710C1EAF000/下村博文文部科学相は10日の記者会見で、新国立競技場のデザイン選考について「(当初の総工費の)1300億円がどの程度、デザインをする人たちに伝わっていたのか。値段とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」と述べ、検証する考えを表明した。
 またデザインの採用を決めた審査委員会で委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏について「デザインを選ぶ責任者だった。堂々と自信を持って、なぜ(イラク出身の建築家)ザハ・ハディド氏の案を選んだのか発言してもらいたい」と話した

自民「新国立競技場」でも異論封じ 「揚げ足取ると…」
2015年7月9日19時32分http://www.asahi.com/articles/ASH795QZQH79UTFK00Z.html
新国立競技場の総工費が2520億円に膨らんだ問題について、自民党細田派の9日の会合で、批判的な発言の自粛を求める場面があった。同派は安倍晋三首相や森喜朗・東京五輪・パラリンピック組織委会長、下村博文文部科学相の出身派閥。身内からの異論で野党の追及が強まるのを封じる狙いがある。
 出席議員らによると、9日昼に党本部であった定例会合で、首相側近の萩生田光一・党総裁特別補佐が「もう少し安くできなかったのかという思いはある」と述べたうえで、首相が国際オリンピック委員会総会で「このスタジアムでお待ちしています」と発言したことを挙げ、「金のことだけで設計を変更するわけにはいかない」と話した。また、「すでに決定したこと。今から党内で揚げ足を取ると、野党にとって『しめた』という話になる。その辺を含めて支えていただきたい」と訴えた。


新国立競技場見直し「思い持ったことも」…首相
2015年07月11日 08時18分http://www.yomiuri.co.jp/national/20150711-OYT1T50013.html
2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の総工費が当初予算の2倍近くの2520億円に膨らんだことを受け、下村文部科学相は10日の閣議後記者会見で、コンペで決まったザハ・ハディド氏のデザインの選考過程について検証する必要があるとの考えを示した。このデザインは12年11月、建築家の安藤忠雄氏を委員長とする審査委員会が採用。だが、予算の1300億円で実現できるかどうか、建築の専門家らの間で疑問視する声が上がった。
 下村文科相は「ザハ・ハディド氏も金額についてどの程度認識していたのか。(選考で)値段とデザインを別々に考えていたならばずさんだ」と述べた。総工費が正式に示された7日の有識者会議を欠席した安藤氏については、「選んだ理由を堂々と発言してほしい」と指摘した。
 安倍首相は10日の衆院平和安全法制特別委員会で、「(見直しを)多くの国民も思っているのではないか。私もそういう思いを持ったこともある」と述べ、複雑な心境を吐露。だが、工期などを理由に、「新デザインを決め、基本設計を作ることは、20年に間に合わない可能性が高いと報告を受けている」と説明し、見直しは困難との考えを示した。

首相 新国立競技場のデザイン変更は困難
7月10日 16時25分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150710/k10010146301000.html
安倍総理大臣は衆議院の特別委員会で、国立競技場の改築費が大幅に膨らんだことに関連し、基本設計をし直すことになれば、東京オリンピック・パラリンピックなどに間に合わない可能性が高いとして、デザインの変更は困難だという認識を示しました。この中で、安倍総理大臣は国立競技場の改築を巡って、1625億円とされていた費用が、その後、2520億円と大幅に膨らんだことに関連し、「民主党政権時代にイラク人の女性建築家のデザイン案が決まり、これでオリンピックを招致すると決まった。その後、検討を重ねていくなかで、確かに費用がかさみ、変えることが可能か、検討しているところだが、工期として可能かということも当然ある。私も率直に、『どうなんだ』ということも、繰り返し、事務方にも投げかけてきた」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「これから国際コンペをやり、新しいデザインを決めて基本設計を作っていくのでは時間的に間に合わない。2019年のラグビーワールドカップには間に合わないし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも間に合わない可能性が高い」と述べ、デザインの変更は困難だという認識を示しました。


<新国立競技場>文科相「ずさんだったことになる」
毎日新聞 7月10日(金)21時38分配信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150710-00000102-mai-pol
 下村博文・文部科学相は10日、閣議後の記者会見で、新国立競技場の計画について「(当初予定した総工費の)1300億円がデザインする人に伝わっていたか。値段は値段、デザインはデザインということならば、ずさんだったことになる」と述べ、2012年の国際公募や選考の過程を検証する考えを示した。ほかの閣僚からも「デザインが決まったのは民主党政権時代」と、総工費膨張の原因を民主党に責任転嫁するような発言が相次いだ。
【迷走する新国立競技場】「聖地」が泣いている
 実施計画で了承された建築家ザハ・ハディド氏の案は開閉式屋根を支える2本の巨大な弓状の構造物(キールアーチ)が特徴で、総工費をつり上げた。下村氏はハディド氏がデザインする際、当初予定していた総工費を「どの程度認識していたのか」と疑問を呈した。
 安倍晋三首相は10日の衆院平和安全法制特別委員会で「民主党政権時にザハ案でいくと決まったが、その後、検討を重ねる中で費用がかさんだ」と答弁。麻生太郎副総理兼財務相は会見で「建設費用が決まった経緯がよく分からない。(12年当時の)野田内閣に聞いてください。政権交代のときに渡されただけで、我々は額も知らされていなかった」と述べた。

新国立競技場 コスト確認せず決定か
7月10日 15時14分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150710/k10010146211000.html
改築費が2520億円に膨らんだ国立競技場について、デザインを決める最初の審査の過程で、技術的に建設が可能かどうかチェックされたものの、設定したコストに収まるのかどうかの確認は、事実上行われずに決まった可能性が高いことが関係者への取材で分かりました。
新国立競技場のデザインは2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致活動が行われていた3年前の7月、競技場を運営するJSC=日本スポーツ振興センターが、「総工事費は1300億円程度を見込む」と設定して募集し、応募した人たちもこの金額に収まることを示していたということです。このあと、建築家の安藤忠雄さんを委員長とする審査委員会が3回開かれ、46の応募作品からイラク人女性建築家のデザインに決まりました。この過程では、1回目の審査委員会のあとに委員会のメンバーとは別の専門家たちによる「技術調査」が行われました。この際に、それぞれのデザインで技術的に建設が可能かどうかのチェックはされましたが、設定したコストに収まるかどうか確認していなかったことが、関係者への取材や当時の資料から新たに分かりました。さらに、委員会の議事録や当時の審査委員への取材によりますと、その後の審査では一部の委員からコストを懸念する声があったものの、複数の審査委員が「技術調査」でコストの確認も同時に行われていたと思ったということで、最後は、オリンピック招致のためのインパクトを優先して今回のデザインが選ばれたと見られています。1300億円と設定されたコストの確認が事実上されないまま、デザインが決まった可能性が高く、その後金額が二転三転した要因になったとみられます。


安藤忠雄氏「何でこんなに増えてるのか、分からへんねん」…新国立問題で初コメント
2015年7月11日14時44分http://www.hochi.co.jp/topics/20150711-OHT1T50099.html総工費の高騰が問題となっている新国立競技場のデザイン選考について、審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏(73)が11日放送の日本テレビ系(読売テレビ制作)「ウェークアップ! ぷらす」(土曜・前8時)にコメントを寄せた。安藤氏がコメントするのは問題が浮上して以来、初めてとなる。
 「安藤忠雄建築研究所」の名前で、番組の司会を務めるキャスターの辛坊治郎さん(59)宛に出されたファクスでは「コンペの与条件としての予算は1300億円であり、応募者も認識しています。提出物には建築コストについても示すように求められていました。それは当然評価の一つの指標となりました」と明記。下村博文文部科学相が10日の閣議後の会見で発言した「値段(総工費)とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」との言葉に反発した。
 また、辛坊さんによると、安藤氏は「デザイン決定後の基本設計や実施設計には、審査委員会はかかわっていない」と話していたといい、最終的な計画概要の2520億円という金額に関しては「辛坊ちゃん、何でこんなに増えてるのか、分からへんねん!」と驚いていたという。安藤氏が7日の有識者会議を欠席した点に関して辛坊さんは「しゃべりたい気持ちは満々らしいが、周囲から止められているらしい」と聞いているとした。

石原元都知事 新国立競技場工費高騰は「安藤さんの責任じゃない」
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/07/12/kiji/K20150712010720320.html石原慎太郎元東京都知事(82)が12日、フジテレビ「新報道2001」に生出演。新国立競技場の工費が膨張している問題について、デザインの採用を決めた審査委員長の建築家・安藤忠雄氏の責任ではないと主張した。
 20年東京五輪のメーンスタジアムは2本の巨大アーチを維持して総工費が膨張しており、整備費が2520億円に膨らんだ最終的な計画概要となる実施設計が有識者会議で了承された。だが巨額の総工費は国会で批判が出るなど、議論を呼んでいる。
 石原氏は「ああいう奇矯(ききょう)なデザインになって。選んだのは東京がいろんなことで頼りにしている安藤さん。世界的、天才的な建築家ですから。彼が面白いんじゃないかって決めた」と安藤氏が審査委員長として決めたことは認めながら、「これがいくらかかるかまではね。デザインを請け負ったゼネコンが決めることですからね。高いとか低いとか彼の責任じゃありませんよ」とコスト面に関しては安藤氏の責任ではないと話した。


これが、本日7月12日現在です。
また後ほど加筆いたします。

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帰ってきた国立競技場計画 1

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国立競技場を復元する提案を作成中につき



壊してしまった国立競技場でしたが、この建物のDNAをつかって新築しようという計画を立てています。

「帰ってきた国立競技場1964」です。

新国立競技場見直しについて:原科先生からの手紙

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新国立競技場計画は白紙見直しになりました。
これから、次の案を策定していくうえで、もっとも大事なことは
合意形成の仕組みです。

参加と合意形成研究会を主宰されている原科幸彦(はらしなさちひこ)先生は、
アセスメントの世界的大家でいらっしゃいます。
「アセスメント」とは「査定」のことです。
「査定」とは、事前に調査して決定することです。

我が国では「環境アセスメント」という言葉しかなく、かつ正確に運用されているとはいいがたいのですが、
アセスメントには世界的なフォーマットがあるのです。

その原科先生より、新国立見直しに際してお手紙をもらいました。

昨年来いろいろな場面で私を励ましてくださいました。
私には、たくさんの私にとっての勝海舟先生がいらっしゃるのですが、原科先生はヨーロッパ文化における市民社会の成立と、その維持のための知的戦いについて、多くの示唆をいただいております。


【ハイブリッド会議なら、半年で答えを出せる。新国立】

原科です。

新国立競技場問題、緊要なのは、プロセスの透明性です。この先の監視、さらには関与をしっかりしないと、結局膨大な国費を消費することになりかねません。

今朝の朝日新聞第2面の報道で気になることが、2つありました。

●コンサートは維持費の助けにはならない
 一つは、コンサート利用の件です。グランドに屋根がないと、「コンサート利用は制限され、将来的な収支を圧迫する可能性もある」との記述は、ミスリーディングです。
 その理由は、ご存知の通り。天蓋を作るための追加投資の結果、維持費は年間数億円程度だったものが、一気に数十億円に跳ね上がる。これは、本末転倒。スポーツ施設に純化した競技場を作り、コンサート利用は、空いているときに貸すだけにする。特段の追加設備は不要です。

●整備計画づくりの進め方: 透明性が鍵
 もう一つは、整備計画づくりの進め方です。

 文科省ではなく、今度は内閣官房に設置した再検討推進室で作るとしています。これは一歩前進ですが、それだけでは問題。再び不透明なプロセスになる可能性があります。検討プロセスの透明化を担保しなければならない。9月上旬をめどに計画を作るとしていますが、私は公開の議論をもとに計画づくりを行うべきと考えます。
 私にはその成功体験があります。すなわち、実学としての社会工学の成果があります。

 この方法は、IOCが定めたオリンピックムーブメント・アジェンダ21に適うものです。IOCのアジェンダ21では、計画策定の前に、environmetal impact study をして十分な環境配慮をするよう求めています。計画の見直しは、十分な環境配慮を求めていますが、その環境の中身が日本国内の概念と大きく異なります。アジェンダ21には、cultural.social and natural environment と明記してあります。すなわち、国内のアセス概念ではなく、国際協力分野で使われている、環境社会配慮の概念に近いものです。

 このような多様なインパクトのチェックは一部の専門家だけに委ねるわけにはゆきません。問題に関わる多様なステークホルダーの関与も必要です。その方法はあります。専門家とステークホルダーが同じテーブルを囲むハイブリッドの公開会議の場をつくります。ハイブリッドモデルのメンバー構成による会議、ハイブリッド会議です。
 このハイブリッド会議の場をまず作り、様々な助言を受けながら計画づくりを並行して行う。計画づくりとインパクト・チェック統合したプロセスが、計画づくりを成功に導きます。その成功例を、廃棄物処理計画紛争の解決や、国際協力分野での、合意形成が難しかった環境社会配慮ガイドライン作りの成功など、私はいくつも経験してきました。

 このハイブリッドモデルを適用した、公開の会議で整備計画を作って行く、このことが透明性を担保してくれます。計画策定プロセスの透明性の担保が不可欠です。

 そうすれば、これまで最も経費の多かったロンドン五輪競技場の650億円程度で、新国立競技場は造れるはずです。一部では、財務省は1800億円程度までは認めるだろうなどとの声も聞かれますが、とんでもない。そんな財政規律のないことでは、世界に誇れるオリンピック・パラリンピックにはなりません。

 私のメモを、添付します。






新国立競技場問題解決には志が必要

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とうとう文科事務次官らがクビになりました。

文科省の担当局長が交代へ 計画白紙で事実上の更迭か

文部科学省は7月28日、新国立競技場建設の担当者だった久保公人スポーツ・青少年局長(58)が辞職し、後任に高橋道和内閣官房教育再生実行会議担当室長(54)を充てる人事を発表した。

人事は8月4日付。旧文部省出身の山中伸一事務次官(61)が退任し、後任に旧科学技術庁出身の土屋定之文部科学審議官(62)が昇格する。


実際に文科省が問題を認識しながら握りしめていたわけですから、やむを得ないと思いますが、何度も言ったんですけどね。
「これ握りしめてたら命取りになるぞ…と」

ということで、新国立競技場問題解決に向けて次の一手をどうするのか?というのが、矢継ぎ早にどんどん出て来ないとヤバイわけです。

私はいろいろとヒヤリングした結果、「Wスタジアム構想」です。
外苑でサブトラック付きのミニマム陸上競技場&スポーツメディカルセンター300億円、と湾岸でサッカー専用球技場6万席固定、WC時3万席増設可能型600億円の民活イベント型、のダブルスタジアム整備に固まりました。

そんな折、突如、ランドスケープアーキテクトの守屋実先生からこのような画像が届きました!!

国立競技場で渋谷川復活計画です。


なんか、イイんですけど!!
す~っと、さりげなくてかっこいいんですけど!

渋谷川の復元(ランドスケープからみた新国立競技場の提案)

上記守屋先生のページには渋谷川の歴史とランドスケープからの視点による計画案が紹介されています。



付近の街並みとの調和もいいぞ!


これが渋谷川。

都心に川を復活させる、これはいいんじゃないですか?
都内の川のほとんどは暗渠になっていて、そのほとんどは都会の地下で真っ暗闇の中をひっそりと流れています。
それを表に出す。とっても素敵なアイデアですよね。

このアイデアもCGも手弁当、勝手な提案、なんの見返りも報酬もとりあえずない、それでもやっちまうのが真のアーチストなんではないでしょうか。
そして、どのようなアイデアでもカタチにしないと人の目には触れない、届かない。

でも、思い切ってカタチにすれば、手を動かせば、こうして見ることが出来る、感じることが出来る、なんかワクワクしてくる。

当然、守屋先生も有志。

「有志」とは、志(こころざし)が有ると書きます。

志とは武士の心と書きますが、

志とは、心に決めた目標、思いやる気持ち、をいいます。


何かやむにやまれぬ大和魂がありながら、藤沢周平の小説に出てくる武士のような、力まないで、さらさらと爽やかなご提案です。

若手建築家諸君!
じゃんじゃん手を動かそう!マンガでもポンチ絵でもなんでもいいんだ!建築を学んだものじゃないと出来ないんだぞ!なんのために学校行ったんだ?会社入ったんだ?設計事務所で大変な思いで仕事を覚えたんだ?こういう日のためだろう?

「どうせ俺たちなんて…」とか、「勝手に上の連中が決めんだろ…」とか、何かを始める前から腐ってるような連中もいますが、本当に建築や街や文化を愛するなら、匿名であらぬところに愚痴をつらつら書き連ねて、人の足を引っ張る前に、手が動くはずである!

と、いうことで、何か思いついた人はどんどん発表しようね。






東京オリンピック2020を黒字化する方法1

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新国立競技場問題に続き、エンブレムパクリ問題と、なにやら東京オリンピック決定以降のモヤモヤ感が半端ないですよね。

新国立競技場以外の施設でも、東京都の施設費用がムチャクチャかさんでいるとか

総費用が2兆円超えるとか、超えないとか

でもって、費用削減しているとかしていないとか

まあ、安く上げるに越したことはないんですが、
コンパクトオリンピックももちろん大事なんですが、

なにやら、ここへきて、闘う前から敗戦処理モードになっている。

失点をいかに抑えるか、始めてもないのに敗戦の責任者を見つけるとか、、
しらけモードになってきている。

そんなことはない。

むしろ、阿呆どもの必敗の計画が露呈しただけ
ギリギリだが、路線変更のチャンスが生じた。

負け試合が必定の流れに釘を刺した。
ぶっとい五寸釘的なものを。

だから、見直しなんだ。

見直しとは、出血を止めるだけ、という消極的な雰囲気から脱却することはできないのだろうか?という事を考え始めています。

赤字覚悟というのは、なんだか面白くない。
責任回避の他人事だらけのエクスキューズばかりが報道されているここんとこの東京オリンピック事情ですが、

その原因をつくった奴らを差し置いて、
もっと面白い提案や政策を考えていくチャンスと考えたいと思います。

と、いっても
私自身、今すぐ、これだ!という案が出せるわけでもありませんが、いつものように書きながら考える、走りながら調べる、グズズズ言う前に、まずはカタチにする、というモットーに基づき、

無鉄砲に宣言したいと思います。

東京オリンピックを黒字化する
東京オリンピックを面白くする。
東京オリンピックを盛り上げる。

以上。

どういう流れになるのかも分からないまま、自分自身の知力を信じて、自分を追い込んでいきたいと思います。

と、いうことで、いつものように根本からおさらいです。

「オリンピック開催都市は大変なことになる」は事実なのでしょうか?


2年前の記事ですが、決まった瞬間は結構議論も高まっていたようです。

3兆円との五輪経済効果は楽観的過ぎ? 都の試算に懐疑的な見方も

http://jp.wsj.com/articles/SB10001424127887324255404579071801286545402
安倍晋三首相は、東京が五輪開催地に決まったことを起爆剤にして、長年続いたデフレを払しょくしていきたいと語った。東京都の試算では、五輪の経済効果が国民総生産(GDP)の約0.6%に当たる3兆円にのぼり、全国で15万人の雇用が創出されるという。

これに対し


日本総研の主任研究員、松村秀樹氏は公共事業への五輪の貢献度について、大きな債務を抱える政府がどこか他の予算を削るため、公共事業の支出が純増することはあり得ないという。また、一般消費者も五輪関連でお金を使った分、他の支出を抑える可能性もあると指摘。「たとえいろいろなものを作るにしても、逆にそれで作らなくなるものもある。確かに関連効果だけを集めていくと、それくらい(3兆円)になるかもしれないが、それはあくまで部分的な問題で、国全体で見るとそんなに目に見えて大きな効果というのは無いのかもしれない」と懐疑的

といった意見。

つまり、東京都で3兆円ほどの経済効果が見込めるが、
国の財布からは、その分どこかを削るので、
国全体で見るとどうなのか?

確かに、そんな気がする。
公共投資の原資は国の歳出か債務になるから、今あるお金の中から使うか、借金するかしかない。

確か、東京都は4500億円ほどの積み立て金があるとか猪瀬元都知事が言ってたから、オリンピックに投資されるという2兆円?のうち残金の1兆5000億円ほどは税金、国の金で、どこかを削るかきっと借金。

ということです。

2年間のオリンピック記事はいろいろと検証できて面白いですね。
続いてこんな記事

2020年東京五輪の経済効果を1984年以降の開催国から見る
財政規律と国民意識変化が経済効果を最大化する
中島厚志 (経済産業研究所理事長)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3188?page=1

20年オリンピックの東京開催が決まり、さっそくオリンピックの経済効果に期待が集まっている。オリンピック開催には大掛かりな準備とインフラ等の整備が不可欠であり、長期にわたって経済を下支えすることは言うまでもない。

1964年に開催された東京オリンピック時の景気をみても、開催1年前から潜在成長率(当時の日本経済が有していた潜在的な経済成長率)を最大2%ほど上回っている(図表1)。

図表1:オリンピック前後のGDPギャップ(日本)
拡大画像表示

 当時の日本の潜在成長率は9%から10%程度であったと推計されるので、一時的とはいえ、この成長率をさらに2%も上振れる経済成長は、正に大型のオリンピック景気と言うにふさわしい。









なるほど、1964年(昭和39年)ごろの日本のGDP成長率が10%前後というのも途方も無いですが、そこにさらに2%上積みしたというのは凄いです。

隔世の感がありますね。

なぜなら、この20年間。
今はたちの人が生まれてからずっと
今30歳の人なら小学生のころからずっと
今40歳の人なら成人してからずっと

日本のGDO成長率は1%~2%のプラスマイナスで推移しているからです。



この状況が国民の実感としてどれくらい違うかというと、
まずベースの額面で給料が毎年1割上がっていく感じです。

さらに仕事も増えていくし、昇進もしていくし、人手不足ですから、4~5年で給料が倍になる感じ。

たとえば、今年20万円の人が1年目がんばったら24万円くらいに増える。2~3年仕事を覚えたくらいには30万円を超えているような感じですね。

もちろん、物価も上昇していったわけですが

サラリーマン年収の推移というものがあります。

平成26年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/14/index.html



ここの資料を読んでいますと

1964年(昭和39年)ごろ平均年収の40万円程度が、
5~6年後の1971年(昭和46年)には年収100万円にまで上昇し、
2000年までに500万円まで上昇しています。


これでは、確かに、今の70歳代の方々と、我々やもっと下の世代では感覚が違うのは当たり前ですね。

ぼーっとしてても、なんかいつも上昇。
バイト代が自給100円から1250円に上昇したようなものでしょう。
もちろんその分物価も上がったわけですが。


そのような時代と今では、何が違うのかというと。
昔は「ローン組んだ方が勝ち」ということです。
借りたときの金額面の相対価値がどんどん落ちていくわけですから

昨日の借金1万円は1月で1%下落していく。
1ヶ月後には9900円になっているようなもの。
1年たったら、9000円になっている。

だから、みんな先を争って、土地を買い、家を建てたわけです。

旧国立競技場も1957年(昭和32年)13億5000万円で建設されています。



当時の工事風景

このころの建設労働者の日当は約600円でした。

月に25日も現場に出ると、1万5000円。

当時の6畳のアパート家賃は2000円くらいだったそうです。
その木賃アパートも200万円以下で建っていたわけです。


現在の70歳以上の方には人生の前半戦における、20年での一気の経済成長爆発の原体験が忘れられなくいのもわかりますが、

先ほどのGDP推移グラフを見ていただければお分かりのように、すでにプラスマイナス1%での成長率という、それは成長していると言わないんじゃないか、というような時代にとっくに突入しているわけです。



東京オリンピック2020を黒字化する方法2

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東京オリンピック2020の全体計画について考えていこうとしていた矢先ですが、なにやら新国立競技場計画の方がまたまたあわただしくなっております。

9月までに基本方針を定めるとして、多くの意見を取り入れるということで、遠藤五輪相が精力的にいろんな方々をお会いされているという報道が続いておりましたが

新国立競技場、常設のサブトラック断念…政府
読売ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150731-OYT1T50030.html

政府は30日、総工費がかさんで見直すことになった新国立競技場の建設計画で、選手がウォーミングアップするために必要な常設サブトラックの設置を見送り、仮設とする方針を固めた。

 複数の政府関係者が明らかにした。計画の再検討に合わせ、アスリートらから常設を求める声が上がっていたが、総工費が膨らみかねないとして断念した。

 サブトラックは、主要な国際大会を開く際には必要で、2020年東京五輪・パラリンピックでは、近接する明治神宮外苑の軟式野球場に仮設で作ることが白紙撤回された旧計画に盛り込まれていた。

 政府は再検討の中で、財政的な理由とともに、味の素スタジアム(東京都調布市)や日産スタジアム(横浜市)など常設サブトラックを持つ競技場が首都圏に複数あるため、「新国立競技場に設ける意義は薄い」(政府高官)との方向に傾いた。新たな計画でも、設置場所は軟式野球場とする案が有力だ。

いやあ、サブトラックはいるでしょう。

もう3週間前のことですが、新国立競技場計画がまさか見直しになるかなんて予想だにせず、為末大さんとラジオでいろんなことを心配していました。




この番組の中でも為末さんと話し合ったように、陸上の正式な大会を開くためには、「サブトラック」は絶対必要なんですよ。


真国立競技場計画では、元の明治公園敷地に配置してみましたが


これ、以前検討してみましたよね。

新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について13 2013年11月20記事

まだ旧国立競技場があるときでしたが、外苑西通り側にサブトラックを作って、中とそのまま繋げてしまおうというアイデアでした。



この手法で考えればいんじゃないですかね。

そして、国立は国の施設なのですから、あくまでその目的はあまねく国民に対する公共サービスの側面が強い。
商業ベースに載らせようとし過ぎることなく、初期費用をなるべく落として、利用料を下げ
て誰でも使いやすいようにする。

そして、陸上では巨大な観客席は不要だし、サッカー場ではピッチと観客席を遠ざけるトラック部分は、観戦にとって邪魔です。

これは意見の折り合わない二世帯住宅問題みたいなものです。

だから、「陸上と球技の併用はやめたほうがいい」と考えています。

先日、TV朝日の「モーニングバード」さんのコーナー「そもそも総研」でもご説明したのですが、

http://www.tv-asahi.co.jp/m-bird/souken/20150730/3768

そもそも総研7月30日
そもそも「新国立競技場」の建設費はいくらなら妥当なの?/そもそも総研

新国立競技場建設の適正額は「400億~600億円」だと試算されている森山さんの出したベストプランは、「国立競技場跡地に陸上専用の競技場(300億円程度)を作り、それとは別に、サッカーやコンサートなどにも使える大型施設(600億円程度)を湾岸エリアに作る」というものだそうです。

施設を屋根付きにする最大の目的というのは、周辺住民に配慮しての「騒音対策」だそうですが、湾岸エリアならばその必要がなく、大幅なコストダウンが見込めるのだそうです。また、周辺の交通インフラ拡充や商業施設の誘致、雇用の拡大なども期待できるそうです。さらに、「民間との協力体制が組めれば、建設費をペイできる可能性もある」とも、森山さんはおっしゃっていました。


と、いうことで、為末大さんも遠藤五輪相と会談されてました。
http://www.sankei.com/politics/news/150731/plt1507310027-n1.html

遠藤利明五輪相は31日、2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)の新たな建設計画策定に向け、元陸上五輪選手の為末大氏らから意見を聞いた。為末氏は総工費の圧縮を念頭に「全部の要望を入れると、また盛りだくさんの競技場になる恐れがある。我慢してもらうこともスポーツ界全体で必要」と指摘した。

 既に五輪相には日本サッカー協会が8万人収容とフィールド近くにせり出す可動席を、日本陸上競技連盟がサブトラック常設を要望している。

 日本オリンピック委員会(JOC)の平岡英介専務理事は「新国立の問題で国民が不信感を持ち、五輪そのものへのマイナスなイメージができたのは大変残念。大臣の力で順調に立ち上げていただきたい」と訴えた。

 遠藤五輪相は同日の閣議後の記者会見で、従来案に反対してきた建築家の槙文彦氏らとの会談も希望し、「多様な意見があると思う。十分踏まえる努力をしたい。可能な限り多くのみなさんに会いたい」と述べた。


私は、為末さんともお話したし、遠藤五輪相ともお話した経緯もあり、やはりアスリートファーストで、為末さんを応援する意味でもこのサブトラックの常設は強くお願いしたいと思います。

が、、、

東京オリンピック2020を黒字化する方法3

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新国立競技場計画について、政府がインターネット調査を開始したそうです。

新国立競技場、魅力あるスタジアムにするためには何が必要?
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/18142/vote
政府は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の主会場となる新国立競技場について、できる限りコストを抑制し、本年秋口までに現実的な計画を策定するとしています。
あなたは、新国立競技場を魅力あるスタジアムにするために、何が一番必要だと考えますか。
(設問提供:内閣官房新国立競技場の整備計画再検討推進室)

なるほど、なるほど
続いて、昨日には第三者委員会も発足。


新国立競技場の検証第三者委に為末氏ら 7日に初会合
http://www.asahi.com/articles/ASH8432FSH84UTQP00F.html

2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場をめぐり、建設計画が迷走した経緯を検証する第三者委員会について、下村博文文部科学相は4日の閣議後の記者会見で、委員に元陸上400メートル障害選手の為末大氏ら6人が内定したと発表した。ほかに法律家や公認会計士、建築学専攻の大学教授ら。7日に第1回会議を開催し、その後数回の会議を経て9月中旬に報告書をとりまとめる予定。デザイン案を選ぶ過程や、工費が二転三転した理由などについて検証し、関係者の責任問題も取り上げる。

遠藤五輪相なかなかやりますね。
今は、もたもたが一番ダメですからね。

まあ、いろんな方々のご意見を聞くことは大事。
そしてJSCも有識者会議も最後までこだわっていたコンサート優先活用についても、、、思い切った見解が

新国立競技場 スポーツ競技に使用限定などとする基本方針決定へ
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150801-00000021-fnn-soci
フジテレビ系(FNN) 8月1日(土)16時26分配信

新国立競技場の整備計画の再検討に向けて、政府は、競技場の使用目的をスポーツ競技に限るなどとする基本方針を打ち出す方針を固め、4日に関係閣僚会議を開いて決定する予定。
新国立競技場をめぐって、政府は、建設費を圧縮するため、競技場の使用目的からコンサートなどを除外して、スポーツ競技に限定することを柱とする基本方針を固めた。
4日に遠藤オリンピック担当相を議長とする関係閣僚会議を開き、政府の基本方針を決定する方針。
政府は、この基本方針へのパブリックコメントを募集し、広く一般からの意見をふまえ、9月、整備計画を策定することにしている。
また政府は、新競技場の屋根について、観客席部分のみに設置する方針も固めた。
練習用に使うサブトラックについても、政府関係者は「周辺のさまざまな施設をうまく使っていく」と話し、これまでの案と同じく、常設とはせず、仮設で対応する方針。

さらには、河野太郎さんからは

新国立「建設せず」の選択肢も、白紙撤回で自民が新提案

http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/new-national-stadium-idJPKCN0Q90XT20150804

[東京 4日 ロイター] - 自民党の行政改革推進本部は、新国立競技場の整備計画見直しに向けた提言で、競技場を建設せず、既存のスタジアムなどを活用する選択肢を盛り込む方針だ。
7日にも取りまとめ、政府に提出する。
河野太郎行革本部長が4日、党本部で記者団に明らかにした。河野本部長は、競技場を建設しない「ゼロ・オプション」もあり得るのか、政府は慎重に検討すべきと指摘。その上で、駒沢陸上競技場を改修したり、埼玉スタジアムや日産スタジアムなどを活用する方法もあると強調した。
提言では、競技場を建設する場合でも、陸上競技を駒沢で開催し、国立競技場跡地には五輪開会式・閉会式に必要な6万人規模のスタジアムを整備する案も盛り込む。開閉式屋根の設置や、サッカー・ワールドカップ(W杯)の招致に必要な8万人の常設観客席には否定的な見解を示す。
自民党では同日、内閣部会と文部科学部会の合同会議でも提言について議論が行われ、「民設民営」や「公設民営」など、民間のノウハウを活用する方法を検討すべきとの意見が出た。

行革本部と内閣・文部科学部会は提言を週内に一本化した上で、政府に提出する見通し。政府は提言を踏まえ、遠藤利明五輪担当相を議長とする関係閣僚会議を開くが、政府内には「(競技場を建設しないのは)突拍子もない案」との声も強く、最終的にどの程度反映されるかは流動的だ。 (梅川崇)

さらに、さらに

自民・河野氏「8万人収容スタジアムは最悪の選択」
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2555892.html

新国立競技場の建設計画をめぐり、自民党の河野太郎・行革推進本部長はサッカー・ワールドカップのために8万人を収容することができるスタジアムの建設は「最悪の選択」と批判しました。
 「間に合わないからもうとりあえず目をつぶって作るというのは、最初のプランを白紙撤回した以上、やるべきではない。極端なことをいえばゼロオプションなら間に合う。2500億をやめて8万人を1800億で建てます、みたいなのは最悪の選択だと思います」(自民党 河野太郎 行革推進本部長)
 また、河野氏は国立競技場の跡地には「6万人規模」のスタジアムを建設した上で、駒沢オリンピック競技場に3万人収容のスタンドを整備して、陸上競技が行えるように改修するなどのアイデアを示しました。さらに、河野氏は「スタジアムを造り、国が維持費を払い続けるモデル」を離れて、スタジアムを利用してランニングコストを最小限に抑えるという、民間活用の必要性を強調しています。
 自民党の行革推進本部では、5日からオリンピックの後を見越した具体的な提言のとりまとめ作業に入ることにしています。(04日21:55)


本当にゼロベースからみんなが考え始めている感がある。

大元から考えていったとき

国立競技場は

国立なのだから、公共サービスの基本は広く国民に提供すること。
民間では採算性等でできないことを公がやる。

だった。

だから、アマチュアスポーツ中心になるのが道理。

こうして昭和40年代から公共事業で全国に多くの運動施設が開設されました。

文科省による、体育・スポーツ施設現況調査の概要
www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa04/.../1261398_1_1_1.pdf

というのがあります。


今、議論は新国立競技場だけに集中しておりますが、
新国立競技場のことだけを考えるから、
渋谷区、港区、青山、赤坂、新宿とか、大都会のど真ん中感を、
意識しまくるから

「こんな良い立地なんだから、、、サッカー場」とか
「こんな良い立地なんだから、、、市民公園に」とか
「こんな良い立地なんだから、、、コンサートが」とか
「こんな良い立地なんだから、、ボールパークに」とか

「こんな良い立地なんだから、、こんな良い立地なんだから、、こんな良い立地なんだから、、」
「不動産活用して!高層化して!マンション分譲してえ!ハァハァ」
という輩も出てくる。

なら、新国立競技場に限らず全国のこれら運動施設の運営状況を考えたときに、少しでも全国に波及できるような制度的枠組みにもつながるような政策が必要なんではないか?

と考えているんです。

それはですね。
スポーツメディカル、運動医学.

真国立競技場へ14でも触れておきましたが、
JISS国立スポーツ科学センター
http://www.jpnsport.go.jp/jiss/home/tabid/36/Default.aspx

この組織を発展拡大、広く国民の健康に貢献するような仕組みを盛り込んでみたらどうなんでしょう。

JISSはトップアスリートだけの、最高のスポーツ医学研究所ですが、
スポーツ医学を必要としているのはトップアスリートだけではないんです。

病院には病気やケガをしたときに初めて行くところ、といったイメージが強いですが、そのような治療型、対処療法型では対応できない多くの需要があります。

街のジョギング愛好者、高校球児、サッカー少年、体操少年少女、それだけではない、仕事上で足腰を痛めた中高年、かつてスポーツで関節や骨にダメージを受けている人、階段の上り下りや歩くのが大変になってきた高齢者の方々も含めた、リハビリや適切な運動フォームの指導。
むしろ、普段そうとは気付かず行っている柔道整体師さんによる整骨院なんかもその延長線上にあると思います。

競技場施設は競技フィールドと観客席で出来上がっていると言い続けていました。

そこにレストランやショップも併設して楽しい場所にしよう、とも言ってきましたが、それらは民間協力でも十分補えるはず。

むしろ、新しいかたちでの予防医学というか健康増進、スポーツ振興に結びつくのは、医学的なサポートなんではないでしょうか?

昨今、いろんな健康法やダイエット本が盛況を極めております。
歩き方ダイエットとか呼吸法ダイエットとか、フィジカルトレーナーとか、細マッチョとか。

そういうものも運動医学の裏付けが必要なのではないでしょうか。

同時に、現在進行中のアスリートだけではなく、かつてのアスリートによるアドバイスやサポートが受けられたり、元選手の新たな活躍の場としても、指導員や治療サポート、介護といった雇用の創造ができるんではないかと思います。

かつて、すごいプロ野球選手で、ヒジを痛めて引退された方なんかもたくさんいます。

今、モーニングで連載中の「グラゼニ」という野球マンガがあるのですが、主人公の凡田夏乃介は、今、そういった状態になっています。


杉浦氏はかつて自分がヒジを壊して引退した径験があるので、凡田選手に手術を受けるように勧めているところです。


プロ野球選手ほどおおげさではないかもしれませんが、みなさんや友人で部活等で似たような経験をしていないでしょうか?

私の友人でもいました。
サッカー部の友人は県の強化選手に選ばれるほどでしたが、足首の捻挫をひどくやってしまった。野球部の友人は腰を痛めていた。女子でも中心的選手でしたがソフトボールを怪我でやめちゃったとか。
まだ14~15歳の中学生のころです。

おそらく全国にそういう例がある。


同時に、パラリンピックへの支援も可能なのではないでしょうか。

私の地元の企業で障害者の方の雇用を積極的におこなっている会社がありました。
ある時期から川にかかる大きな橋の上りスロープで車椅子の方々が毎夕すごい勢いで上り下りされるのを見てたのですが。

その後。みなさんがバスケットチームをされていたらしい、ということも、「バガボンド」で有名な井上雄彦さんの「リアル」というマンガで知りましたよ。


スポーツメディカルセンターを新国立競技場に併設することを強く勧めます。そこは普通の病院と同じように健康保険制度を活用した治療部分と、より高度な治療やサポートは自費で受けることができるようにすればいい。

そうすれば、競技場の運営はメディカルセンターからの家賃収入だけで成り立つと思うのです。
もう、JSCはただの大家に成り下がれば何もしなくていいし、なにも考えなくてよくなる。

そして全国の運動施設に連携するスポーツ医学の窓口を設ける。
現役アスリートを支援するだけでなく、元アスリートの知見と経験則が広く多くの国民に活かせることでしょう。

2014年4月「新潮45」新国立競技場問題についての記事です。

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新国立競技場問題についての反省ブームのようですから
新国立競技場問題に関する記事のまとめ
以上にまとまっている、「新潮45」の2014年4月の記事をどうぞ

今北産業の方も、これ読めば大体わかるでしょう。
このころはまだ旧国立競技場は壊してなかったんですよねえ。







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