大阪万博のパビリオンが建たない!って噂が燎原の火のごとく広がっております。燎原の火【りょうげんのひ】とは、燃え広がって野原を焼く火は、勢いが盛んで止めることができない、という意味だそうです。つまり、万博が間にあわなえ!!って人々がみな思い始めた、噂しだした、伝えだした、ということを意味します。その証拠に、こんな記事が出ました。 「万博工事従事者、残業規制適用外に」 日本博覧会協会、政府に要望 | 毎日新聞 2025年大阪・関西万博の海外パビリオンで建設手続きが停滞している問題を巡り、日本国際博覧会協会が、万博工事に従事する建設労働者を24年から適用される残業時間規制の対象外とするよう政府に要望していることが分かった。複数の関係者が27日、明らかにした。開幕に間に合わない事態を避ける狙いだが、実現するmainichi.jpどういうことかというと、2019年4月いまから4年前に労働基準法の改正があったんです。具体的には残業の上限規制です。残業時間は、月45時間・年360時間が上限という決まりです。月45時間?そんなに残業してる?と思う方もいるかもしれませんが、まず、もともとの労働時間は8時間って制限されているの知っていましたか?朝9時に出社して8時間だから17時、ではなく休憩時間も60分必要だから、9時に出社して18時に退社です。それが労働時間の原則です。それ、守れているでしょうか?正直、私が鬼のような設計事務所に勤めていた時代、バブルの1990年頃ですが朝始発の6時に出社して終電の夜の11時半に退社してました。途中、休憩時間というかおにぎりとかパンを片手に模型づくりとかしていましたから、まるまる17時間労働ですね。完全にアウトです。土日も出社してましたから、1日17時間、週に119時間。なんかですね、そういうノリだったんですよ、バブル期の建築設計事務所って。美容師とか医師の卵とかもそうでしたね、あとテレビ局のADさんとか、雑誌の編集者のアシスタントとか。深夜12時くらいにも開いてる飯と飲みができるバーに行くと、そういう仕事の修行者たちがいっぱいいて友達になってました。私はまだ深夜とはいえ家に帰っていましたけど、当時も伝説の有名な建築家で京都駅とかやった人の事務所ではスタッフは家にも帰っていない、拘束時間24時間とか言われていました。修行だからいいんだ、とか、3年間だけがむしゃらにやって仕事を覚えるんだ!とか、スタッフも好きで残っているんだからいいだろ?という感じだったわけですが、そういうのは、もうダメです。ですが、建設業はどうしても残業になりがち。まず、工事現場の作業のコアタイム、職人さんの労働時間が8時から17時くらいなんです。で、監督さんはその前に来る。監督見習いさんはさらに前にくる。なぜなら、遅刻したら「舐められる」から、です。工事現場というのは複数のキャリアも経験も違う人の集まりですから、単純かつ明快な組織の上下関係や決まりが重要なんです。責任ある立場の人が、自分らより早く来ている、ならばちゃんと自分も時間どおり来よう、という意識を維持させる。だから監督は朝7時とかに来ている。(いい監督だと7時に来て現場のチェックしたら、喫茶店とかで9時まで時間潰して、わざと遅れてきたふりもする)だから、私もちょっと厳しめの指示とか難易度の高い設計など、都度都度現場に出向くときなど、監督より早く行く、そして工事監督から「早いっすね」と言わせる、というのをやってました。そして、現場の片づけが終わってから監督も帰れるのか?というと、続きをみる
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