としまえんが先月末で閉園しましたね。
大変、多くの人々に惜しまれて、ちば先生の「あしたのジョー」の真っ白に燃え尽きたポスターまで張り出されていた。
としまえん、東京に住む人ならば、一度は行ったことがあるでしょう。
東京ディズニーランドに一度も行ったことない私ですら、行ってます。
三回も。
それはですね、早稲田大学CM研究会に所属していた頃に、こんな広告を見たからですよ。
後に大変に有名となる、博報堂のクリエイティブディレクター大貫卓也さんのお仕事です。
なに?これ!て思いましたもんね、高田馬場駅に貼られたポスター見て。
これって、食堂とか居酒屋の前に貼ってあるビール冷えてますのパロディじゃんね、と。
でも、なんか、とってもイイ感じ、「プール冷えてます」。
プールは冷やしてはないんだけども、「冷やして、おもてなし、していますよ」というニュアンスと、
街中華や甘味処を彷彿とさせるような、「冷やし中華始めました」と同様の、
広告の屈託のない話しかけ力。
「プール冷えてます」のコピー文字とペンギンイラストだけのシンプルさとレトロ感には、
人を食ったようなクレバーさとユーモアがあって、大変に驚いたものです。
なので、行ってしまいました。
学生の俺は、バイト後に、としまえん、一人で。
そのときも、チラッとは思ったというか感づいたんですけどね、あれ?なんで豊島園なのに、練馬区なの?
まあ、練馬区と豊島区は接しているから、練馬だけど豊島でいいのかな?と、三鷹市だけど武蔵野と名乗るみたいな。
と、あまり深く考えることはなかったんです。
ところが、歴史小説を読むようになって、
戦国オタクになって、
としまえんは、豊島区に関係するから「としまえん」ではない、ことがわかったんです。
そもそも、豊島区も本当の意味で豊島区ではない。
むしろ、東京23区の全域が豊島区でもよかった。
東京では無く、その以前の江戸でも無く、豊島市、豊島県、豊島都でもよかった。
それぐらい、豊島はは広かったんです。
なぜなら、かつて東京の南部全域を、豊島の殿様が治めていた。
豊島氏という氏族がいたんです。
平安時代から室町末期、戦国自体の初期まで。
豊島氏の家紋、三つ柏です。
つづく