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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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新型コロナウィルスにおける建築的考察⑫

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ざっと病院の設計図をチェックしてみたころ、

病院のプランニングが、当然のことながら合理性を発揮し、もっとも清潔なゾーン管理は手術室で、

あとは全部つながっている、というのが結論でした。

 

つまり、この数十年間は、重篤な致命的な感染症が克服されたとみて、病院設計の基本的考え方はできているのです。

これを、新型コロナウィルスの突然の登場に合わせて直していく…というのは、案外難しいんですね。

 

それは、物理的に難しいというよりも、制度的に、運用的に難しい面があるんです。

 

なぜなら、病院のやり方、感染症への対処方法というものにも、規則というか指針があるからなんです。

つまり、建築が感染症を前提としていないのは、医療機関からの要望がそうなっていないからで、

医療機関が要望しないのは、CDCの感染対策マニュアルや、厚生労働省の指針がそうなっていないからなんです。

 

ここんとこ繰り返し説明してきた、新型コロナウィルスCOVID-19の感染経路の話ですが、

 

つい最近まで、
公式には「空気感染しない」=飛沫感染はするが飛沫核感染はしない… → 間違いでした、訂正します。と言い出しましたよね。

 

だから、結論は、ダイヤモンドプリンセス号の集団感染時に私が言ってたように、換気しないとヤバイ!という風に変わってきた。
 

もっとも重要なことは、空調のレタン(リターンのこと)を止めろ!ウィルスを濃縮するな、ということです。
健康維持のためには、空間環境や、建築の運用状態、設備系との関係というのは案外大きいんです。

とにかく、今は空気中にウィルスが漂っているから空気を入れ替えろ!ということです。

 

 

次に、私が感染経路として心配しているのが、「床にウィルスはたくさん落ちている」です。

 

 

なので、靴底にウィルスはくっついている。
靴がウィルスを運んでいる。

だから、安全にしたいゾーンには土足禁止。
特に、家や職場にウィルスを持ち込まない。

 

そして、靴底の消毒が必要だ!です。

 

 

それらは、たとえ動物が病気になっても助けられない事情のある畜産における「感染症の絶対排除」を前提にした施設や、

異物やゴミはもってのほか、細菌の繁殖で食中毒を起こしたら一発で終了の食品工場では当たり前のことなんだ、

と解説しましたよね。

 

畜産もHACCPも

消毒、消毒、消毒の感染経路の確認の繰り返しです。

 

 

それに対し、医療機関ではそこまで厳しくないんです。

治療すればいい…と思っているから、なんだろうな…と思います。

 

院内感染の防止についてなんですが、医療機関では、

消毒について、クリティカル、セミクリティカル、ノンクリティカルという三段階の判断基準を設けています。

 


この消毒の基準には「対象器具」とありますよね。

 

実は医療機関における消毒の対象は「器具」だけなんです。

 

「空間」や「ゾーン」については重視していないんですよ。

 

厚生労働省が出している

「医療施設における院内感染の防止について」 医政指発第 0201004号,平成17年2月1日

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0906-3d.pdf

 

というお達しがあるのですが、

これでですね。

 

この中に、いくつか、あれ?いいのか?というような部分があります。

 

「消毒するな…」です。

あと、「(消毒液の含侵マット)は、効果がない…」とか
 

履物を履き替えても、防護服を着ても 感染防止効果がない?

床の消毒は行う必要はない?

 

そうなのか、本当にそうなのか。

 

これらの見解の元になっているのは、いったいなんなんだ?と疑問が膨らんだんですよ。

 

つづく

 

 


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