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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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葛西臨海水族園が平成の名建築である理由⑬

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水族館建築を、現代の芸術デザインに高めたのがケンブリッジセブンアソシエイツという建築事務所という話の続きです。

 

抽象彫刻のような建築を確立し、三角形のエレメントの集合で増殖的なデザインメソッドが、建築の更新を可能にしたというものです。

 

 

 

 

 

このボルチモア国立水族館に続き、さらに形態とデザインで、ケンブリッジ節を高めていったのがテネシー水族館です。

こちらはですね、なにか結晶体のごときものです。

 

まず、建物のプランが正方形で出来ていますからね。

ボルチモア水族館で増殖し変形してしまっていた水族館の動線を、カッチリ整合させている。

線対象、点対象、回転といった操作だけで複雑な動線計画をシンプルな幾何学に収めることに成功しています。


マレービッチのシュプレマティズムの絵画や、モンドリアンの絵画ネオプラスティシズムの絵画のようでもあります。

 


結果、そのデザインは、機能性を表現するというよりも、都市の彫刻、ランドマークとして機能しています。

この建築こそ、ポストモダンを代表するものといってもいいんじゃないでしょうかね。

 

この建物はなんでしょうか?と水族館とは知らない人に写真を見せても何かのイベントホール?ってわかる。

同時に、政府系のお堅いものではなくてエンタメですよね?と形態や色彩が語りかけてくる系、しかしながら下世話ではない感じです。
 

 

三角形のアトリウムが王冠のように互いに卍型に展開しているため、スカイラインが単調になることを防いでいますね。

大きくなり過ぎな建物のボリュームを2つに割ってあることと、周辺に残る煉瓦つくりのビルにも合わせてあることがわかります。

 

 

こうして、ガラスの三角アトリウムを頭上に備えた建築を観れば、ケンブリッジセブン?っていうくらいに広まりました。

 

その、世界に冠たる水族館王の建築家、建築界の王下七武海ことケンブリッジセブンの建築が日本にもあるのですよ。

 

 

建築家の方々なら知っているけれども…ポップ過ぎて、下世話過ぎて、建築作品とみなしていないって人もいるらしいです。

 

また、関西の人ならみんな知ってるけれども、誰が設計したか一般には知られていない。

 

それが、大人気建物、ジンベエザメでも有名な、海遊館ですね!

 

 

これが、ケンブリッジセブンアソシエイツの設計です。

 

ここに、海遊館のコンセプトダイアグラムがありますが、テネシー以上に幾何学的整合性と動線計画を突き詰めた設計になっています。

行った人は知ってると思いますが、あそこの最大の見ものが、十文字水槽ですよね。

 

 

海遊館の平面図を確認してみましょう。

 

正方形の建物の中に十文字の水槽が入ってることがわかりますね。

ここが、太平洋を再現しているんです。

 

 

ここにジンベエザメがいますね。

 

真ん中の十文字水槽の周りに様々なテーマの水槽が取り巻く構成になっています。

 

 

 

縦の空間的つながりが分かるパンフレットです。

 

 


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