前回ビッグサイト問題に言及して、二か月ほど経過しています。
その間、いくつかの報道が出ました。
ハーバー・ビジネス・オンライン 2017年08月04日
ビッグサイト使用不可は東京五輪の“負の遺産”となるか
関係企業勤務者「仕事が増えるかと思ったが……」
2020年の東京五輪およびパラリンピックの国際放送センター(IBC)とメインプレスセンター(MPC)が東京ビックサイトに設置されることが決定した。
日本展示会協会によると、これにより’19年4月から’20年11月までの20か月間は使用が制限され、最大の東展示棟(6万7260㎡)はその間、閉鎖。西展示棟(2万9280㎡)は’20年5月から、青海展示場(2万3200㎡)は20年7月には使用中止。全体の展示場スペースが不足することから建設中の南展示場(2万㎡)は’19年7月に完成予定だが、’20年5月には使えなくなる。
このため同協会では今年1月、オリンピック期間中に例年通りの規模で展示会が開催できるよう東京都に対し、要望書と8万筆の署名を提出した。その後もオンライン署名が約15万筆集まっている。元参議院議員で「表現の自由を守る会」代表の山田太郎氏はこの問題を「ビックサイトの分断会場問題」と位置付ける。
「青海は他の会場と1.5㎞離れているため事実上、別会場であり、大型の展示会はできない。夏冬に開催されるコミックマーケットは3~4回なくなる計算です」
◆経済損失は最大2兆円、いまだに具体策はなし
コミケは年間3万6千社が出展、60万人が来場する。ほかにも大規模展示会である東京ギフトショー、東京モーターショウ、東京ゲームショウなどと合わせると、年間4万社が出展し、802万人が来場している。「東京ビックサイト」の推計では、展示会等による経済効果は年間7500億円。それに伴い、約4万9000人、都内だけでも約2万7000人の雇用を誘発する。契約誘発効果では都内で1兆7000億円、全国では2兆7000億円だ。これについて、4月29日に開催された「ニコニコ超会議」で、小池百合子都知事は「検討します」と答えたが、具体的な回答はない。
ニコニコ超会議2017:「コミケは通常通り開催されるんでしょうか」 小池都知事へレイヤーから質問
東京ビッグサイト問題について ねとらぼ 4月29日
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1704/29/news047.html
「もう時間がない」として、展示会の関係企業勤務者でつくる「展示会産業で働く人々の生活と雇用を守る会」は都議選前の6月13日にデモ行進をした。参加者は400人(主催者発表)。政治的なデモと違って、自らの生活がかかっているだけに若い人が目立った。
「オリンピックで仕事が増えるのかと思っていたが、逆に仕事が減ることになる。リストラもあり得ます」(20代男性)、「毎朝、朝礼で話題になる。私たちの暮らしにも関係がある」(20代女性)。しかし、都議選では争点にならなかった。
◆他国開催の五輪で展示会場閉鎖の例はなし
「関係者の間でもこの問題がまだ知られていないのでは?」と山田氏は危惧する。
「直前になって、『本当にやれないの?』となるような気がします。それに会場を借りている協会や出展企業は立場上、強く言いすぎると、今後貸してもらえなくなる懸念がある。デモだけではなかなか周知されないのです」
◆他の開催都市の例をみると、’12年のロンドン、’16年のリオでも展示会は中止になっていない。
「オリンピック憲章ではレガシー(遺産)を残すようになっている。しかし、東京五輪で展示会場が使えないとなると、負のレガシーになってしまう。せっかく五輪で世界中から東京に人が集まるのに、展示会場が狭い、または中止となると、商談や展示会場の場が海外に出て行ってしまうでしょう」
ただでさえ、五輪後は経済不況が心配されている。対策をとるには1日も早い方がいい。「表現の自由を守る会」では、都議選立候補者に、分断会場問題を公開質問状を出していた。都では築地市場の豊洲移転問題がクローズアップされてきたが、この「分断会場問題」は、第二の豊洲問題とも言えるほど都民生活への影響が大きい。
<山田太郎氏>
前参議院議員。表現の自由を守る会会長。ニューカルチャーラボ社長、早稲田大学元准教授など。著書に「ネットには神様がいる」(日経BP社)など
<取材・文/渋井哲也>
スポーツ報知 2017年08月08日
http://www.hochi.co.jp/topics/20170807-OHT1T50186.html
五輪で使えない東京ビッグサイト…展示会関係者「死活問題」 どうなるコミケ
昨年12月、「海の森水上競技場」など3会場を当初の計画通りに建設することが発表され、決着がついた2020年東京五輪・パラリンピックの会場問題。だが、“もう一つの会場問題”には現在も反対の声が上がる。期間中にプレスセンターとなる東京ビッグサイト(江東区)は開催期間前後の計1年8か月の間、利用制約がかかる。同所で開催される同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」や年間300回以上行われる展示会の関係者からは「使用できないのは死活問題だ」と悲鳴が上がる。
展示場が足りない―。最高峰の戦いを見ようと、各国から観光客が集まる2020年。大会期間中は同時に日本の文化や「ものづくり」の力を世界にアピールする格好の場であるはずが、その機会が大幅に失われようとしている。
東京ビッグサイトは、19年4月から利用スペースに制約がかかる。これは同所が大会のIBC(国際放送センター)、MPC(メインプレスセンター)となるため。準備工事などが必要で「大会期間中だけ使用禁止」とはいかず、1年8か月間にわたって制約前と比較して最大でも75%、20年7~9月の3か月は全く利用できない状況。対策として現在、南展示棟が増築されているほか、約1キロ離れた場所に仮設の「青海展示棟」を建設し、スペースを確保しようとしている。
同所で開催される大規模イベントとして有名なのがコミケだ。今夏も週末の11日から3日間にわたって行われるが、19年夏・冬、20年夏と3回にわたって影響を受ける。現在でも出展希望が多く、抽選で参加サークルを選んでいるだけに、スペース減少は大きな問題。20年夏は時期もしくは会場の変更、あるいは中止を余儀なくされることになる。
日本が世界に誇るマンガ、アニメ文化の“発信地”でもあるだけに、関係者も危機感を募らせている。主催するコミックマーケット準備会は「できる日程、できる開催日数、可能な限り最大限の広さで、東京ビッグサイトでの開催を検討している」とコメント。「会場および東京都の関係部署の皆さんが、与えられた条件の中で、多大なご努力をされていることは認識していますが、同人誌即売会に限らず各種のイベントの継続的開催への大きな影響が避けられません」と窮状をアピールした。
さらに「このままでは仕事にならない」と訴えるのは、展示会の関係者だ。同所は全国で年間600近く開催されるさまざまな業種の展示会のうち、半数以上の会場として使用されている。営業活動に人員や費用を割けない中小企業にとって、「売り手」と「買い手」が一堂に集まって情報交換や商談をできる展示会は、大きなビジネスチャンスの場といえるのだ。
日本展示会協会の関係者は「日本は展示場が少なく『ビッグサイトがダメだから、他でやればいい』とはいかない。出展する社だけでなく、展示場の内装や整備をする業者は“仕事場”がなくなるということで、さらに困る。展示場問題は、日本経済に大きな打撃を与えると思います」。ビッグサイトが完全閉鎖される20年5~9月の5か月間だけでも、例年同時期と比較して1兆円以上の売り上げを失うとの試算もあるという。
「(都が)用地を貸してくれるなら、自分たちで仮設の展示場を建設してもいい。それくらい、切羽詰まっている。例えば、再開発前の築地市場の土地を使わせてもらえないでしょうか」と展示会協会は提案。現在までに約15万人の署名を集めており、今後も展示場不足解消に向けて訴えていくつもりだ。
これらの悲痛な声に対し、東京都側は「できないものはできない。今後は少しでも問題を解消できるように、各業者の方々と丁寧に調整をしていくことが重要ですし、唯一できること」と対応。現在のところは、これ以上の展示場用地の確保は予定していないという。(高柳 哲人)
◆現場も悲鳴
実際に展示会に出展している中小企業からの“現場の声”は切実だ。
ネジの開発・販売をする「株式会社サイマコーポレーション」は1年に7~8回、ビッグサイトの展示会に参加する。「他社さんもそうだと思いますが、我々はこの会場でお客さんのニーズを聞いて、その後の商売につなげることも多い。参加できなくなると、2~3年先の業績にまで影響が出てしまう」と斎間孝社長。歯車メーカー「協育歯車工業株式会社」の井田斉昭社長も「ビッグサイトの展示会は、一つの“ブランド”。日本の『ものづくり』の中心となる製造業にとってウェートは大きく、参加できないと困る」と話した。
ただ、2人とも東京五輪・パラリンピックの開催に関しては「賛成だし、楽しみにしています」。都が少しでも展示会に影響が出ない方策を立ててくれることを願っていた。
どちらの報道もねえ、ひとまずコミケを中心に置いたものなんだよなあ。
私のブログを読んでいただいてる方々なら、もはやすでに自明のこととは思いますが!
この問題はは、コミケが中心ではありません!
たまたまビッグサイトのイベントといえば、コミケが目立つから、
学生や主婦やお年寄りの皆さんは、見本市なんて行かないから、
社会人で営業とか、メーカーで開発とかじゃないと、見本市なんて行かないから、
マスコミに従事する方々も、スタジオ技術さんとかじゃないと、見本市なんて行かないから、
ビッグサイトといえばコミケ?と思ってしまう。
それじゃ、ダメです。
以下ののリンクを順番に読んでください。
特に、制作の方々!
で、ビッグサイト問題がいかに、日本の産業のすべてにかかわる大問題なんだ!と
コミケ問題じゃないんだよ!と
コミケの話ばっかりしてちゃダメなんだよ!と
なんで、ビッグサイトといえばコミケなんだよ!と
いうことで、今年はコミケに行ってきました。
しかも、裏方として、配送のお手伝いとして。
そして!すべてを見てきたよ。
早朝からこういう状態。
これはお客さんじゃありません、出展者さん達です。
いわば、準備する側の人、市場でいえばお店側の人達。
出勤ならぬ出展者風景です。
早朝ですが、すでに温度はジリジリと上昇を続けております。