東京都の北区に十条という街があります。
「条」と聞くと、京都の町を思い出しますよね。
北から一条、二条、三条、四条と京都の町には東西に流れる街路があります。
東京にも「十条」がある。
ならば、九条、八条、七条があるのか?といえばそれはありません。
東京の街は京都や札幌のように碁盤目になっていません。
皇居、旧江戸城を中心に円形と放射状道路がちょうど蜘蛛の巣のように広がっています。
そのため、京都、札幌のような街並みに慣れている方からすると、
まっすぐ北や西に進んでいるつもりが、いつの間にかぐるっと斜めにズレていきます。
碁盤目でもないのに「十条」とはなぜなのか、
源頼朝が挙兵した折に頼朝に参陣し鎌倉幕府の有力御家人となった豊島清元が、名付けたとも言われております。
豊島氏は紀州の熊野権現を都内に多数勧請したようでして、北区の王子神社もその一つです。
その十条の駅前が揺れている。
らしい、知り合いから十条がちょっとヤバイと聞かされたんです。
十条商店街といえば、どこの駅前もそうでしたが、一時は寂れた昭和の懐かしい趣を、
昨今地元の若手の努力により、都内屈指の面白く活気のある街に再生しつつあった。
行けばわかりますが、十条の駅が地形的にちょうど急斜面に乗り出すようなカタチもあって、
坂道路地から連なる商店街の雰囲気は、どこか温泉街を彷彿とさせる面白い風情なのです。
その十条の駅前に、なにやら場違いの計画がにわかに吹き上がっているのです。
なんだ?これは。
なぜ、駅前の商店街をぶっ潰してこんなタワーを計画しているんだ?
ワトソン君、これはちょっと調べてみるしかないよね。
ということで、十条駅前再開発について調査を始めております。
つづく