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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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築地市場の豊洲移転が不可能な理由⑧

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築地の作業や流通の仕組みを見てみると、魚河岸の機能が「集めて広げて、集めて広げて、、」なんだということが分かってきました。



それが、築地では出来ている。

この青い色の空きスペースを使って人々が縦横無尽に動いている。
大変だけど


取引量の増加や、周辺環境の変化、輸送システムの変化等、長い間の社会の変化でいろいろと不具合が生じているとはいうものの、
なんとか回してきた、今も回している、築地は。

では、豊洲はそれが出来んのか?の続きです。

これが豊洲で仲卸のに使うようにという6区です。


魚の流通を理解してきますと、6区だ7区だと別々にしていることが、ナンセンスだということが分かってきますよね。

卸と仲卸は待ったなしの関係でした。
そもそも、トラックからの積み下ろしの小揚だって待ったなし、セリから商品販売まで待ったなしで、動いています。

それを区画分け、別棟建て、にしようと思いつく建築計画は、どういう神経、どういう思考で出てくるのか本当に理解に苦しみます。

大丈夫か?ところが、ちょっと安心してください、
豊洲でも一応、この卸と仲卸の関係は結ばれていました、かろうじて。

下図が6区、7区を合わせた全体の平面図です。

赤いところが、豊洲の建物。
青いところは外部通路ですが、

豊洲は建物を閉め切っているため、青い通路は築地のように、トラック小揚から、卸、仲卸、セリ、店舗、という風にはつながっていません。
あくまで、上下階の駐車場移動等です。
築地でいえば場外の公道に相当するところです。

グレーの部分は、悪名高い分断道路です。
そのグレーの下をくぐるように3本で連結されています。
1本は細いのでターレやフォークの移動には使わない前提です。


確かに、つながってはいる。
かろうじて、首の皮一枚でつながっている。

いやあ、どうなんだろう?

グレーが道路で、その地下を「アンダーパス!」
幅24メートル1本と幅36メートル2本で「アンダーパス!」

24メートル、36メートルと聞くと広い通路なんじゃないか?と思えますが、それはあくまで普段我々が、道を歩いたり、オフィスの中にいて考えるからなんですが、、、

築地の幅30メートル以上ある通路ではこうです。


ターレ来ます!フォークも来ます!


ターレまた来ます!


次々と来ます!みんな急いでいます!




豊洲自慢の必殺技「アンダーパス!」

全然効き目ありません!

すぐに渋滞します、物流止まります、焦って手で運ぼうにも隙間もないかもしれません、事故も起きます。

このアンダーパスでみんなが止まった瞬間に都内の食品流通は壊滅します。

外で待ってるトラックも珠々つなぎで立ち往生することになるでしょう。
買い出しの人達も道路のトレーラー、トラックの渋滞に巻き込まれるでしょう。

そして、せっかくの魚がだいなしになる。

なんで、こんなことになっているんだ?豊洲!
築地の問題を解決するんじゃなかったのか?豊洲!
なんで築地以上に不便なんだよ!豊洲!

と、不思議な気持ちになりまして、再度よく豊洲と築地を比較してみました。

同じ縮尺で並べてみたんです。

すると!

なんと!

信じられないことに、、、、


豊洲の方が、築地より小さかった、、、、orz 。

なのに、仕事で使える通路が全然ない。



これ、オフィスとして設計したでしょ?

どっかのIT企業のツインビルかなんかの図面ぱくってきたでしょ?
本社ビルとサーバーのデータセンターみたいな。
地下だけでつながってるやつ。

あっ、でもデータセンターはサーバーが重いから、積載荷重2トンはみておかないといけないんだった。

じゃあ、一体、この豊洲施設は何に使おうとして計画したんでしょうか?

教えていただきたい。


と、設計者に悪態をついたところで、既にこの「卸売り市場としては使えない何か」はできあがってしまっているのです。

気を取り直しまして、
さらに、どんだけ使えないかの分析を続けます。


魚が築地に到着してからの流通の模式図は以下です。

1台のトレーラーから、いくつもの荷受けが派生していきます。

では、築地にはこうした輸送トラックって何台来てるんでしょうか?
データがあります。

築地市場物流動態調査 調査結果報告書 Ⅲ.水産物部搬入車両調査
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/gyosei/kaigi/shinshijo/concept/pd04/


この調査資料によると、1日に約1200台くらいが配送で来場しています。


この調査では他にも、その配送トレーラーはどこから来ているのか?とか


中身は何か?といった調査もおこなわれています。



夜の10時から、夜中の2時まで1時間あたり300台もの配送が入っています。

工事現場と比較してみても、もの凄い量です。
12秒に1台の換算です。

しかも、そのトラックやトレーラーの大半は10トン車ということのようです。

そして、それらの積み下ろしをするフォークが約440台、運搬のためのターレは2140台稼働しています。
こちらも凄い。


時間差があるとはいうものの、、、

豊洲施設ご自慢の、あの狭いアンダーパス三本に、フォークとターレが1時間あたり、4~500台以上往復することになるかもしれません。

通れるのかなあ、、、
絶対通れないでしょうね。



続きはまた書きます。





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