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築地市場の豊洲移転が不可能な理由⑥

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いよいよ都知事選挙が始まるようですね。
今回の都知事は東京オリンピックに関わる諸問題をいかにソフトランディングにもっていけるか?が問われることになります。
が、
それ以上に吃緊の問題がこの築地市場の豊洲移転問題です。
一応、今の予定では本年の11月7日(月)を期しているようですが、なぜ月曜日なの?という疑問があります。

なぜなら築地の休みは水曜日だから。

この一点だけみても、自分らが土日休みだから月曜にしたんだろうという、東京都の役人や大手企業奉職人の考えの浅はかさがよくわかります。

11月7日って何の日か、調べてみたところ
まず季節は立冬でした。冬の気配が近づく頃、となっています。
確かに、この頃になると紅葉も終わり、朝起きると霜が降りていたり、粉雪が舞ったりする地域もあろうかと思います。
その後、大相撲の九州場所が始まると大体、今年も終わりだなあ、という雰囲気になって来ますよね。

そんな時期。鍋の季節。11月7日は鍋の日でもある。


てことは、築地は忙しいんだよ、この頃は!
ズワイガニが解禁だしカマスやブリやウニ、ナマコやサワラとか、海から来る冬の幸たけなわなんだ。

そんなときに、季節柄も忙しいし、土日は休みでもないし、役所の都合のみで設定しているバカ日程。
しかも、既に移転はほぼ不可能という物理的問題が山積み。

卸しも仲卸もこりゃ無理なんじゃねえの?と、場外に来るお客さんや観光客も、辞めといた方がいいんじゃないの?と言い出しているぞ。

その証拠に!都知事候補者が皆、築地移転問題に言及し始めた。

というわけで、各候補者さんからも見て、読んでいただいている、という「築地市場の豊洲移転が不可能な理由⑥」を始めたいと思います。

続いて!市場機能について見て行きましょう。
まず、築地のおさらい。

流通はいってみれば河の流れですから、全国から集まる魚の大河をいかに効率良く支流に分けていくか!が勝負なのでした。
そういう意味では、現築地は上図のような導線計画が素直に建築のカタチ、扇形の駅のカタチになっているということです。

それが、トラック輸送への対応不足や、長年の仮設対応を経て、導線が複雑化してしまい、建物周辺部は迷路のすり抜けのようになってしまっており、

仲卸さんのターレやフォークの長年の操作技術により、なんとかなっている、なんとかしている、という状態。

いわば、初期コンピューターゲームの名作である、「アステロイド」での宇宙船操作みたいになっているのです。


それを解決する?という触れ込みで建設されたはずの豊洲市場。
では、豊洲はどうなのか?

築地が狭くて使いにくい、駐車場も足りない、というのが、豊洲移転の理由のひとつとしてあげられていました。

豊洲は本当に広くなっているの?

ということで敷地を比較してみました。

確かに、広くは、なってる、数字上は。
23ヘクタールから40ヘクタールへ。

ヘクタールというのは面積の単位で、100メートル四方、10000㎡のことです。野球場が両翼90メートルくらいですから、観客席抜きの市民球場とかをイメージすればわかりやすいでしょう。

野球場23個分が40個分に増えた、と言っている。
しかし!

それは数字上のマジック、
現場を知らぬ者らのゴマカシ。
すりかえ、詐称。

実は狭くなっているんです。
こんな感じに

まず、これが豊洲を欠陥に導く最大要因のひとつなんです。

豊洲施設問題を理解するうえでも、この分断街区のことを頭に入れておいてください。豊洲は5区、6区、7区と分かれております。
5区は青果市場、6区は仲卸売、7区が卸売とされています。

大きさを把握するために、同じ縮尺の東京ドームを置いてみましたよ。


鮮魚の流れは、遠隔地から魚が卸売に運ばれてきて、荷さばきして、セリにかけて、たくさんの仲卸がセリ落とし、客の好みに合わせて納品する。という流れです。

築地では、扇形の円周からだんだん中心に向かって仕分けされていきました。

では、豊洲はどうなのか?

まず、青果部の5区は、分断されたうえで、まったく6区、7区と繋がっておりません。

青果?築地は魚じゃないの?と思われる方もいらっしゃるでしょう?青果は大田じゃないの?と、

築地青果市場
http://www.tsukijiseinaka.peaman.jp

ちがいます!築地には青果市場もあるのです。野菜や果物やお花とか、しかも魚市場とつながって


取り扱い量も一日1000トンを超えるものです。



徒歩1分以内、数十秒で青果と魚介は往き来できるのです。
たとえば、築地を活用する料亭さんや小料理屋さん、レストラン、居酒屋、今日の仕込みの魚を仕入れて、野菜も仕入れて、フルーツも仕入れて、午前中にお店に戻れる。

築地に行けば全部済む。
だから!築地は日本一、世界一の総合食品市場なんですよ。

ところが!なんです。
豊洲は、青果と魚介の関係をブチ切ってしまった。

徒歩数十秒の関係を、実質徒歩1時間くらいにしてしまった。
東京ドーム十個分の距離、水道橋から秋葉原までの2駅分の距離にしてしまったんです。車で移動するしかない。

豊洲の魚介と青果はもはや、別市場なんです。

これ、大問題になります。
豊洲では青果部を見捨てた格好になっている。

で、いよいよ豊洲施設の本質的な問題点、
「築地のような市場としては、まったく使えないんじゃないのか?」
について見て行きたいと思います。

まず、6区の「仲卸に」あてがわれている建物です。

いっぱい細かく線があって分かりにくいと思いますので、建物とそうでないところ色分けしてみました。

青い部分は通路、赤く塗った部分が建物です。


これで、パッと気付くのは敷地にまったく余裕がないぞ、です。

現築地市場と比較して、みますと明らかなのですが、、、、
建物以外のところ、
築地の方が広く感じてしまいますよね。

これ、非常に重要な違いでして、豊洲の通路は建物の周囲をグルグル回っているように見えますが、、、実際はグルグル回れるのではなく、上の階に上がるためや、隣の7区に移動するためのものなのです。つまりは場外です。

たぶん、これが非常に心配なところなのですが、、、、
豊洲は、築地の「場内」を箱内に入ちゃおうとしているんです。

つまり、豊洲の青い通路部分は築地場内で見られるような、仲卸さんや買出人さんの自由な動きは出来ません。


▲場内のターレやフォークの様子

築地でいえば、場外の公道に相当するようなもの、
ですが非常に狭いけど、、ただ上下に移動するために、、、
と言っていいでしょう。

場外にターレが出張っているのは、今の築地界隈ではよく目にする光景ですが、これは近隣のお店や、場内に駐車出来なかったお客さんのところに配送しているのです。

▲場外へ配達中 
デイリーポータルZ 築地市場でターレ試乗会
http://portal.nifty.com/2006/11/03/c/2.htm


つづきはまた書きます。





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