昨年、こんな記事を書いていました。
2015年9月の頃ですから、新国立競技場計画がいったん白紙になり、ではその後はどうなるのか?
新コンペにはザハさんエントリーするのか?
といったことが話題に上っていた頃です。
外苑新国立計画は凍結し駒沢競技場の活用へ1
外苑新国立計画は凍結し駒沢競技場の活用へ2
外苑新国立計画は凍結し駒沢競技場の活用へ3
外苑新国立計画は凍結し駒沢競技場の活用へ4
外苑新国立計画は凍結して駒沢競技場活用へ5
もう、こんなグチャグチャになったんなら、駒沢競技場を再活用しましょうよ、といった提案でした。
あれから、新コンペのA案、B案、そしてザハ案パクリ問題ときて、その後は新国立競技場計画について、なんの報道も進捗状況の発表もありませんよね。
やっぱり、難しいんですかね。
なんか、問題抱えてんですかね。
やっぱり、駒沢競技場なんじゃないの?と思っておりましたら!
なんと!東京オリンピック2020に起死回生の妙手
「駒沢再生計画」が!
今週の頭、5月23日に日経アーキテクチャーのシンポジウムで発表されていたんです。
その発表者の名は!
建築家、大江匡(おおえ ただす)。
なんと!あの大江さんが!
大江さんキターーーー!!と思いました。
槇文彦さん「景観と歴史を感がえよう」、
伊東豊雄さん「旧国立を直して使おう」、
磯崎新さん「もう原っぱしておこう」、に続いて!
いやあ、やっぱ日本の建築界、層が厚いわ。
みんな大江さん知らない?知らない人は居ないと思うんだけど。
実は、大江さんは超有名人なんですよ。
建築に関する受賞歴だって凄いし
それだけじゃない。
実は、ほとんどの人が大江さんとは出会っている。
かつて、NEWSの解説者として毎日お茶の間に登場していた、あの理知的で物腰やわらかく爽やかな先生をおぼえていませんか?
きっとどこかの大学の先生なんでは、、、とか、○○総研の主任研究員とか、日経新聞の論説委員、、とか、勝手に想像していたでしょう?
そのときのニュース解説者の大江匡さんは、建築家だったのです。
しかも!クオリティの高い建築をいっぱい造ってきた。
なのに、なんで大江さんのことを今時の建築学生は知らんのかというと、なんで大江さんは見たことがあっても、建築家大江匡というイメージを一般の方々がもっていなかったかというと、
大江さんは人前で威張らない、大言壮語しない、建築建築いわない。
ニュース解説に徹していた。
と、同時に柔らかくしなやかに、サラサラとスマートに
そういう人だから、
新国立競技場問題のような、ガチでドロドロした薄暗い底なし沼のような計画に、まさか物申されるとは!!
その大江さんの駒沢計画案を、不肖、森山、入手いたしました!
ていうか、大江さんが僕のところにお送りくださったのです。
大江さんは人前で威張らない、大言壮語しない、建築建築いわない。
ニュース解説に徹していた。
と、同時に柔らかくしなやかに、サラサラとスマートに
そういう人だから、
新国立競技場問題のような、ガチでドロドロした薄暗い底なし沼のような計画に、まさか物申されるとは!!
その大江さんの駒沢計画案を、不肖、森山、入手いたしました!
ていうか、大江さんが僕のところにお送りくださったのです。
あの駒沢の塔が見えますね。
平面計画、すっぽり収まっているじゃないですか。
既存施設の改修、いわゆるレガシーというやつです。
おっしゃるとおり。
これが正解なんじゃないですかね。
で、今からこんなこと言って間に合うのか?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
それが!間に合うのです。
工程計画まで出来てる!
そして!そのお値段とは!
えー、、ざっくり500億円となります。
今の計画案の3分1以下。
さすが!大江匡。
抑えるべきところを抑えている。
少ない枚数で重要なことをカッチリ説明してあります。
この計画案について解説するつもりが、解説の必要がない。
要は「外苑よりも敷地が広いし、周辺の交通機関や環境整備を含めて対応しやすい。」以上。
というわけです。
大江さんはですね、もう今からずいぶん前に、拙著『非常識な建築業界「どや建築」という病』の前に、建築界の現状を予測されていたんです。
12年前の記事を読んでみてください⇒www.k-system.net/butsugaku/pdf/081_report.pdf
同時に、建築家の職能を解体し拡張し再統合してこられました。
僕もそういったことに偶然出っくわしてなんとかその場しのぎでやってきた、いわば嵐に翻弄される小舟のように、いつも沈没スレスで流されてきたわけなんですが、
大江さんは明確に目標意識をもって取り組まれていた。
実は!僕の前にはいつも大江さんがいたんです。
僕が、ずっと以前、ソフトメーカーと工務店向け住宅用CADの開発を手伝い始めた頃に、既に大江さんは設計事務所のフルCAD化とデータークラウドの開発とご自分の事務所のCAD運用を進められていたし
たとえば、僕がシャール・ボーヴィスの日本進出でCM業を学んでいるときから、既に大江さんの事務所のプランテックは、企業の資産運営管理のクライアントサービスを始めていました。
また!プロパティデータバンクという不動産管理クラウドのベンチャー企業のシステムUIや顧客調査の手伝いをしている頃に、既に大江さんの事務所のプランテックは日産の生産施設のトータル管理をされているのに出っくわしました。
そして、大江さんはとっくに日本型の建築家像、「アトリエ型設計事務所」、「私小説型の建築作品」、「小劇団型の建築家活動」にきっぱり見切りをつけて、建築設計から総合クライアントサービスファームのような活動に移られています。
同時に、先ほどのニュース番組。
建築界では自己表現のために取材を受けたがる人は大勢いますが、そうではなく、マスメディアの中で刻々と入れ替わる人々が関心をもつテーマを、瞬間的に多くの人々にわかりやすい説明をするという、いわば、知力の反射神経を要するような難しい仕事をずいぶん前にされた。
そういう方ですから
新国立競技場の泥試合なんかには、建築業界の茶番劇といった状況には、もはや関心がなく、対岸の火事がごとくに、冷笑されているのではないか、、くらいにしか思っていませんでした。
違っていました。大江さんマジでした。
「漢」と書いて「おとこと読む系」でした。
打ち合わせが始まるのでつづきは後ほど