「デストロイアンドレボリューション」というマンガがあります。
作者は森恒二先生
今、一押しでハマッてますね。
この作品には。
もちろん、最近でいえば
第9巻が出た「進撃の巨人」とか
第8巻が出た「聖☆おにいさん」とか
34巻に到達の「新宿スワン」とか
第6巻が出ちまった「監獄学園」とか
第8巻を迎える「ハカイジュウ」とか
持ち込みの結果炎君どうなるの9巻「アオイホノオ」も
気になる存在なのですが、
「デストロイアンドレボリューション」からは目が離せませんよ。
4巻が出るのが待ち遠しいです。
(といってもヤンジャン毎週チェックしてますが)
森恒二先生、
一般的には「ホーリーランド」の作者として有名なんではないでしょうか。
この先生は心理描写の鬼です。
セリフよりも、主人公の内面におけるモノローグがメイン。
ていうか、内面の思いが実はセリフとなって物語が進行するという画期的な手法。
森作品の主人公の特長として、悩む。
悩んで、悩んで、悩みぬく。
そして強くなる!
もうひとつの連載作品「自殺島」においても、そうです。
特に、「ホーリーランド」では主人公の神代ユウは、悩むエネルギーが半端ありません。
さらに、ネガティブ思考。
最近、マンガやアニメではまだそれほどでもないかもしれないんですが、
小説やハウツー本、特に!J-POPとかいわれる日本の音楽。
それらに蔓延する自己啓発的な大波現象。
「出来る」、「やれる」、「思えばかなう」、「すばらしい」、「ありがとう」
といった安直な大号令に異を唱えるような、
森恒二作品におけるネガティブモノローグ。
神代ユウの口癖
「出来ない」、「無理だ」、「ダメだ」、「どうすればいいんですか」
これが、イイ。
こんなマンガない。
ていうか、心に沁みる。
マンガなんだから、
主人公はご都合主義的にうまくやればいい。
主人公に味方する強力な仲間たちが勝手に現れればいい。
予定調和的に偶然に問題解決していけばいい、はずなのに。
森恒二先生、片付けない。
それでは潔しとしない。
「ホーリーランド」の神代ユウなんか、いつも絶望しています。
こんな風に。
神代はヒドイいじめに合っていたんですね。
そんな主人公。
そして、目が離れている。
森作品におけるキャラクター、両眼の距離に特徴がある。
神代ユウも悩み多きものとして、主人公のこの目の離れ具合
焦点の合っていない感じ、
「自殺島」の主人公セイなんかでも
チーターに追い詰められたサバンナの草食獣インパラのごとくの焦燥感が
ガンガン伝わってきます。
格闘技マンガの金字塔「グラップラー刃牙」のあっけからかんとした強さとは
まったく逆方向からの、脳への感性への強烈な攻撃力をもった作品です。
まあ、一度読んでほしい。
常に、自己否定。
常に、自信がない。
常に、追い詰められている。
決して認めたくはないだろうが、、正直、誰しもそんな部分はある。
そこをエグッてくるんです。
その圧倒的なネガティブなキャラクターの深掘り具合は、
多くの共感者を呼んでおり、
麻布十番のバー、PaZZLEのミックさんから教えてもらいましたが、
「リアル神代ユウ」との異名をとる佐野哲也選手という格闘家が存在するくらいなんです。
また、そもそも「自殺島」においては、主人公セイはじめそこに登場するキャラクターたちは
一般社会においては完全な落伍者です。
なぜなら、自殺未遂で死にきれなかった若者たちが政府によって集められた島。
生きることに絶望した若者たちが、生きる義務を放棄した契約書にサインすることによって、
ゆるやかに死んでいくことを前提とした近未来における島流し制度を前提としています。
タイトルもそのままストレートに「自殺」+「島」。
これだけ聞くと、実際の作品を読んでいない人たちには、
なにやら、イヤな話。
聞きたくない話。
なんで、こんなマンガが好きなんだよ、森山。
と思うかもしれない。
しかしながら、森恒二作品は真逆。
読めば読むほど、危険で孤独な領域から何か力を与えられるような、
いったん、現状のダメさ加減をすべてを受け入れた後に、底打ち。
ボトムからのリバース、チャート爆上げ感を誘うような熱いパッション。
極寒からの熱、絶対零度からの熱気、
読後感により高いレベルを求めたくなるようなじっとりとした勢い。
そんなものを感じさせてくれるんですよね。
だから、森恒二作品は見逃せないんです。
これら「ホーリーランド」も「自殺島」もヤングアニマル連載なんですね。
白泉社のヤングアニマルって聞いても、知らない人も多いかもしれません。
コンビニとかでも売ってたり売ってなかったり。
ところがですね!
この、ヤングアニマルではかの「ベルセルク」が連載されているんです。
他にも有名どころでは「デトロイトメタルシティー」とか「三月のライオン」
なんかはご存知の方が多いのではないでしょうか。
そして、森恒二先生の「デストロイアンドレボリューション」は、
一昨年、満を持してヤングジャンプに登場したわけなんです。
えっ、アニマル以外に登場?
と、ビックリしましたよ。
しかも
のっけから。
強い言葉、
デストロイでしょう、そしてレボリューション=革命だし、
なんかヤル気マンマン、圧倒的に積極策って感じでしょう。
このタイトルバックの後ろ姿こそ
神代ユウと同じようにくたびれたパーカートレーナーに、
伊沢マサキみたいな細身の長髪の二人ですが
もしかして、、今度の主人公たちは悩んでないのかも、、
ポジティブシンキングだったらどうしよう、、、
と心配になったんです。
つづく
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「デストロイアンドレボリューション」この大げさなタイトル
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