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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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国立競技場の解体工事が決まらない理由 2

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既存躯体図の基礎部分にある杭について続きです。




この足元にあるフーチング(靴底)の下をよく見てみますと



この赤く塗った部分が杭です。

で、フーチングという靴底の裏から生えていきます。

建築専門家とか機械設計者でないと分からないことのですが、
この絵だけみたら杭が5000本以上も!あって大変っ!ていっても
スパイクみたいなもんだからすぐ抜けるんじゃね?と思われるでしょう。



違います。
上の断面図を見て直観的に感じるようなイメージじゃないんです。


杭の先っぽを見てください。
ふにゃ~とした記号になっていますよね。

これは「まだまだ続いていますけど、紙からはみ出すので、書くのは省略しました」という意味です。



どこまで続いているんでしょうか?
以前、ザハ案アーチの問題を検討したときに調べましたよね。

新国立競技場の基本設計が終わらない理由3



支持地盤といわれる固いところまではいってなきゃいけないんで
まあ、20m以上はいってるんじゃないでしょうか

20mというと7階建てのビルくらいです。

とすると、さきほどの基礎フーチングと杭のリアルイメージはこうです。

ええー!長が!

と思うでしょう、支持地盤まで20mといわれるような土地では、普通のビルでも大体こんな感じに、曲芸の竹馬に乗っているようなものなのです。

で、この長さのものが各フーチングの下に杭打ちされています。


国立競技場の片側スタンドの全体像ではこんな感じなんです。

本当は地下構造部分の方がデカイんです。

つづく










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