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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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安藤忠雄研究の4

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なんだかいろんなことがあったこの二週間ですが、
安藤忠雄研究の続きです。

大阪出身の東孝光さんが東京の都心のど真ん中に無理やりというか、極小の住まいを個人の力で、建築家としての意思でくみ上げたところまでした。そして、そんな個人の生活の拠点を都市のまっただ中に成立せしめた東孝光さんには、当時の1960年代~1970年代の多くの建築の若者が憧れ、殺到したわけです。

でも、東孝光さんの影響なら誰でも受けたいですよ。
今でもあんな都心の極小空間に住まうことはみんなの夢でしょう。

当時、都市と個人の関係については当時多くの建築家が取り組んでいたテーマでした。同時に、極小でありながら豊かな個人の生活の拠点を確保する、というのは建築家としても永遠のテーマです。
この個人の力で住まいを確保するっという東孝光さんの「塔の家」に呼応するように現れ、塔の家を超えるくらいに人気があった建築家の自邸に鯨井勇さんの「プーライエ」という住宅がありました。

これはですね、当時建築学科の大学生に過ぎない鯨井勇さんが卒業設計の課題として仲間たちと独力でセルフビルドした家です。

僕は20数年前に見学させていただきましたけど、なんていうか永遠に未完成でありながら、住まいとしては住手と共に進化していくような家でした、ランボーの「酔いどれ船」を思い起こすような空間でしたね。
板張り外壁の黒塗もその後の極小住宅の意匠に影響を与えています。
たぶん、この「プーライエ」が都市と個人の対峙をテーマとした住宅の極北に位置するような建築の金字塔だと思います。

そのような個人と都市の対峙をテーマとする建築のスト-リーと同時に、コンクリート打ち放し仕上げ、コンクリ-トのアノニマスな表現に都市住宅の可能性を見出していたのが、鈴木恂さんです。





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