さて、「ザ・ファブル」なんですが、このマンガ非常に空間の密度が濃いんですよね。むちゃくちゃ書き込んでいるわけでもないんですが、 なんだか、密室というか室内でいろいろ展開する。というより、ミニマムかつミニマルな部屋の中で厳しい会話が展開する。 主人公の佐藤明の真黒住宅の研究から入ろうと思ったんですが、それよりもずっと気になることがあったんです。第一話からなんですが、 初っぱな、こんな異様な部屋で始まります。3畳ほどの部屋に囲炉裏が切ってあり、自在鉤まで吊ってありますよね。どんだけマニアやねん、と思いました。 それだけじゃない。不思議なのは! 狭!ここ、主人公たちのアジトみたいなんですけど、なんで、こんだけ狭いねん、と。 4畳しかない。 こんな狭い部屋で、ガンガンに囲炉裏焚いていますけど。 大丈夫なんか? 心配になります。 なぜなら、換気です。 このアジトを図面化してみました。この時点ではファブルたちは東京にいるので、 畳は、関東間のまあ普通の大きさとして、880×1760の大きさとみてます。 これ、相当狭いですよね。 以前、もう10年前になりますが、分析してみた田中の部屋と同じサイズです。 建築エコノミスト 森山高至『アフロ田中シリーズにおける建築的考察 4』アフロ田中シリーズにおける建築的考察 3アフロ田中シリーズにおける建築的考察 2アフロ田中シリーズにおける建築的考察 1ええ、昨年の9月から止まってました「ア…ameblo.jp しかも、この部屋、出入り口がない。ていうか、サッシのところから出入りするしかない部屋なんです。 で、この部屋でガンガンに囲炉裏に火をくべてますよね。大丈夫なのか?と、 部屋の気積、空気の体積をチェックしてみました。一般的な部屋の天井高さだとすると、16立方メートルしかない。人体からの二酸化炭素の発生量は約0.02立法メートル/毎時といわれています。3人いるとその3倍の二酸化炭素が発生していることになります。 二酸化炭層濃度は、通常、健全な状態を維持するには1000ppm以下にしなくてはならないといわれており、その上限値は3500ppmとされています。 1ppmというのは、下記の図のように1立米メートルあたりに1cm角分が存在する濃度のことです。 上限は、100センチ×100センチ×100センチがいっぱいになることだから、100万ppmというのが全部埋まった状態を表しています。 なので、1000ppmというと多そうに感じますが、100続きをみる
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