本日ですね、驚愕の情報がもたらされました。
それは、晴海の客船ターミナルが解体されそう…との情報です。
まさか!と思いました。
この建築も平成を代表する名建築なんです。
海に向かってガラスのキューブが特徴的な、東京湾のランドマークのひとつです。
建築家、竹山実さんの設計です。
あろうことか、これを東京五輪後に消滅させようと企んでいるらしいんです。
こんなポスターを東京都は発表しやがりました。
ななんなななんななななな、なんだと!なんで消してんだ!東京都都市整備局!
た、た、た、竹山先生の名作に、なんとする~!!ですよ。
竹山実?一般の方はあまり知らないでしょう。
建築関係者でも竹山実さんの存在を、凄さを知らない、もしくは忘れてしまっている、という方もいるかもしれない…。
それは、竹山さんが、あるときから、華々しくメディアに登場することを控えていたからかもしれないし、
むしろ大学で後進の指導に力を入れられていたからかもしれないし、
あまりにそのキャリアの前半が時代と合致し過ぎていたのと、
竹山さんのアヴァンギャルド性に時代がだんだん追いついたともいえる。
黒川紀章さんと同世代の建築家です。
私が大学生の頃で、すでに、昔、超凄かった建築家、というイメージなっていました。
特に、建築論集に『碧いニルバーナ』という著書があるのですが、
もう、このタイトルがいいでしょう?
ニルバーナ、涅槃、こんなタイトル付けてる建築書、当時ないですからね。
普通ならば、形態の詩学、とか、空間その源へ、とか、建築的空間学的試論、とか、そういう固い感じですからね、建築家の著書は。
確か、大学の図書館で見つけて、すぐに刺さりましたよ。
なんだ?この碧いニルバーナ!って。
このクラフト紙に活字「建築言語」って書いてある、でニルバーナ。
当時ですね、まだアメリカのグランジバンドの、ニルヴァーナはデビューしてないですからね。
このニルバーナという言葉自体が全然メジャーじゃないですから。
なんちゅうタイトルやねん、詩人ですか!と思いました。
ま、そうなると、当然私などは、竹山さんの建築作品よりも、この本から入ったわけですが、
竹山実さんは、とんでもない大巨匠なんです。
1934年3月15日 北海道札幌市生まれ
1956年3月 早稲田大学第一理工学部建築学科卒業
1958年4月 早稲田大学理工科系大学院修了
1960年5月 ハーバード大学大学院修了主にボストン、
ニューヨークの建築設計事務所に
勤務(~1962年)
1962年5月 主にデンマークの建築家の事務所、
デンマーク王立アカデミー建築学科に勤務
1964年4月 竹山実建築綜合研究所開設
1965年4月 武蔵野美術大学助教授・教授(~2003年)
2004年4月 武蔵野美術大学名誉教授
当時も今もそうですが、
日本にはホントに凄い建築家がゴロゴロいるなあ…と思いましたよ。
特に、最初に痺れたのは、ペプシ工場でしたけど。
その竹山さんの作品は一貫した造形的な強さと、時代精神を体現した作品づくりをされてきています。
つづく