千葉県市原市のゴルフ練習場の倒壊問題、今朝も、テレビで採り上げられたようです。
テレビ朝日 【羽鳥慎一モーニングショー】 JCCテレビすべて
鉄柱直撃・住宅補償めぐり全面対決か
住民vsゴルフ練習場・住宅補償めぐり全面対決か。
被害住民は「台風で仕方ないが自宅の修繕費用は多少は負担してもらいたい」。
ゴルフ練習場の弁護士は「今回は天災のため住宅は各自火災保険」。
弁護士・高橋裕樹に話を聞く。
裁判になった場合のポイントはゴルフ練習場側の台風への備えが十分だったか。
ゴルフ練習場のオーナーは対策として天井部のネットは下ろし側面は固定式で下ろせなかった。
市内の他の6つのゴルフ練習場のうち4つが台風接近時にネットを下ろした。
下ろしていないところは周辺に民家がない。
下ろしたところも下ろしていないところも被害はない。
5年前に千葉・鎌ヶ谷市でも鉄柱15本が倒壊し被害が出た。
これを受けて市原市は市内のゴルフ練習場に強風が予想される場合は事前の安全点検、ネットを下ろす対策を求めていた。
きのう、台風17号が接近し福岡のゴルフ練習場では前の日に全てネットをおろした。
ネットは可動式が主流。
風対策として、ネット自動昇降システムがあり、規定の風速に達すると警報機が鳴りネットが自動で降下する。
元三重県知事・北川正恭、ニューヨーク州弁護士・山口真由のスタジオコメント。
千葉県市原市のゴルフ練習場の倒壊問題、今朝も、テレビで採り上げられたようです。
この問題がなぜ、多くの方々の関心を呼ぶのか…についてですが、
こうしたゴルフ練習場は各地にたくさんあり、よく目にするからなんですね。
ひとつには、ゴルフに縁がない人にとっても案外身近な問題だと考えていると言う点と、
もうひとつは、自然災害によって巻き起こった被害の派生的被害であること、
いわばドミノ倒し的に被害が広がっているケースで、二次被害、三次被害の補償や救済がどうなってしまうのか…という、
人々の不安や疑問の検証をともなっているから、いわば社会制度の事例研究、ケーススタディになってきているからです。
災害で自分の家が倒壊した半壊した全損した…というときのために、保険があります。
その保険にはいろいろな種類というかオプションがあって、
最近では台風・竜巻等による損害、
雪災・ひょう災による損害、
落雷による損害、
洪水・集中豪雨・土砂崩れによる損害、
地震による損害、
等々です。
そして、その保険の範囲も「住宅」と「家財」は別別になっています。
なので、家財も保障を受けたい場合には「家財」分も加入しておかなくてはなりません。
尚、「建物」には、付随するものも含まれます。たとえば、門や塀、垣根や車庫、室外機など、家の中にある建築設備のガス台や浴槽やエアコン、エレベーター等です。
「家財」には。家具や衣類、家電製品等です。また家財には現金や通帳や証書、知的財産、データ等は含まれず、たとえば現代では必須となってきているコンピューター関係の大事な資産としてのデータや仮想通貨のパスワード等は含まれないというわけです。
また、地震による火災には、火災保険単独ではカバーされず「地震保険」とセットで加入が必要です。
今、このゴルフ練習場被害で人々の関心が高いのは、
隣家の被害で受けた自宅の被害が保険上どう扱われるのだろうか…ドミノ式被害に補償はつくのだろうか…なんです。
まず、火災についてなのですが、隣家の火事から燃え移ったドミノ式被害、これは保障されます。
消火活動による水濡れも同じく保障対象です。
続いて、楽雷、これは隣家への落雷による過電流により自宅の家電が破損、これも保障されます。
突風や竜巻などの「風災」ですが、飛んできたものでガラスが割れたような場合、これは保障されます。
これは、「建物外部からの飛来・落下・衝突」とみなされ風が原因なら「風災」となります。
一方、自動車の飛び込みや、ボールの飛来などの人的要因が事故原因の場合は「飛来・落下・衝突」となります。
ただし、これらの保障項目は各社ごと、保険商品ごとの契約状の細かい約束で変わってきますので、
どういう保険に入っているのか…によってその保障内容も保障金額も違ってきますから、
この問題についてテレビ番組では、ぜひ保険の専門家からの意見を聞くべきなんですね。
ですが…、保険会社はテレビもっとも大きなスポンサー企業のひとつですから、何か保険会社に不利になるようなこと、
つまりは、保険料をたくさん払うことになるような方針のコメントが出ることは恐れてしまいます。
同時に、保険の専門家はFP(ファイナンシャルプランナー)等ですが、彼らも保険商品を売る側なので、
どうしても保険会社や保険制度にはナーバスになってしまいます。
でも、保険会社もこうした事故のときに、積極的に保険制度と保険商品について、テレビや新聞、雑誌、ラジオで積極的に説明や解説をして、
出来ることと出来ないこと、有利・不利についても説明するべきなんです。
そして、人々を安心させて欲しい。
なぜなら、我が国の国土は、地殻変動の大きい峻険な山々にモンスーン気候特有の高温多雨、
そして熱帯性低気圧が高度に発達した台風が頻繁に都市部に襲いかかるという、極めて自然災害の被害確立が高い地域であり、
それらの甚大な被害からも、国民が何度でも立ち上がれるような機運が国家の原動力としても、絶対的に必須だからなんです。
一度の自然災害で家屋敷資産の一切を失い再起できないような事例をとにかく無くす、
そのための制度づくりや助け合いの気風が、長年にわたり我が国が築いてきた社会のあり方だと思うんですね。
飢饉のときに備蓄米をきちんと領民に放出できた藩が名君と呼ばれるのはそのためです。
自然災害の救助の仕組みや復興の仕組みに、建設や土木事業も大事ですが、保険制度と融資制度は極めて重要です。
もっとも大事なのは失った家や家財などが保障されること、何もかも失って借金だけが残るようなことにならないようにすることが大事です。
そうでなければ、この国で生きることは、自然の猛威の前で、ただただ不安であることになる。
将来の事故や災害に備えて、ひたすら貯蓄や縮こまるようなことになり、社会の活気や経済的な損失が長期にわたり残ります。
311の東北震災以降、欠けているのが大丈夫、復活出来る、仕事を辞めなくていい、工場をたたまなくていい、家はちゃんと建て直せる、田畑や港も復旧できる、二重ローンや借金だけが残るようなことにはしないよ、なぜならここは日本なんだから…。
そういったメッセージを実務レベルで発信している個人や企業が少なすぎるからなんです。
あいかわらず、情報商材やネットやなんだかわからん方法で、仮想なんとかで、株で儲けたと称する輩が、
本出したりベストセラーとか騒ぎたてて、ちっとも面白くもなんともない…というみんなの気持ちが、底流にはあるんです。
つまり、自然災害と不景気マインドは一体化しているんです。
続きはまた後で書きます。