「普門館」がなぜ、吹奏楽の聖地になったのか、の続きです。
そもそもですね、世の中のあらゆる場所に建物がありますが、一朝一夕には聖地にはならない。
凄いお金をかけた建物だからといって、そのほとんどは聖地ではありません。
むしろ、まず、聖地にはなかなかならないんです。
それを狙って企画したからといって、町興しイベントをしたからといって、まず聖地化しない。
アニメやマンガの聖地と言われるものの大半は、あくまで狭く深いファンだけのものでしかなく、一過性。
ましてや、老若男女の多くの方々が聖地として認めるためには少なくとも3世代くらいは歴史がほしい。
高校野球の聖地といえば、言わずと知れた甲子園球場。
大学野球の聖地は神宮球場。
高校サッカーの聖地といえば、旧国立競技場。
ラグビーの聖地は、花園ラグビー場ですよね。
格闘技の聖地は、後楽園ホール
かるたの聖地は、近江神宮…
他にざまざまな聖地があります。
これらの聖地が少なくとも3世代に親しまれるまでには、一世代を約25年間隔と目安にすると
祖父祖母が15歳で目標としたその場所が、子供の代で25年後、その孫の代で25年後ですから最低でも50年はかかる。
甲子園球場は、その名のとおり甲子(きのえね)の年、1924年(大正13年)完成。
全国高校野球選手権の代10回から使用されすでに95年、もうすぐ100年の歴史があります。
神宮球場も大正時代の1926年(大正15年)で92年。
花園ラグビー場は、日本初のラグビー専用スタジアムとして1929年(昭和4年)完成、89年の歴史です。
3年前、大変物議をかもしだした、旧国立競技場は1958年(昭和33年)、60年を目前にして解体されちゃいましたね。
後楽園ホールは1962年、高度成長期にプロレスやボクシングのテレビ放送と共に全国にその存在が広がっていきました。
近江神宮は1945年創祀されたもので、かるた開きの儀は、1951年(昭和26年)から始まったものです。
なので、既に聖地化している場所や建物は単にそれだけで貴重なのです。