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HACCPとコールドチェーン

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豊洲市場問題では、地下水モニタリングを巡ってまた騒ぎが起きていますね。

 

日刊スポーツ2017年3月4日記事

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1787599.html

豊洲問題で新展開 都の地下水調査、手順一致せず

豊洲市場の移転問題を審議する東京都議会の特別委員会は4日、地下水モニタリング調査を行った業者の参考人招致を行った。1~8回目までの調査とは桁違いの環境基準の最大79倍に達するベンゼンを検出した9回目の担当業者は、都の指示で従来とは違う方法で採水を行ったと証言した。

 地下水モニタリングは、専用の井戸の中にたまった水を一度抜き(パージ作業)、新たにたまった新鮮な地下水を分析資料として採水する。

 しかし、9回目のモニタリングを担当した湘南分析センターの担当者は「1カ所、地下水が枯渇した井戸があり、パージ水を分析資料として採水する指示が(都から)あった」と明かした。

 1~8回目の業者がパージ作業の翌日に採水していたのに対し、湘南分析センター担当者は「(都から)同日採水の指示があった」とも証言。1~3回目を担当した日水コンが作成した検査方法の「手順書」について「初めて聞いた。見たことがない」とも話し、調査方法が均一でなかった可能性が浮上した。

 担当者は、「昨年11月21日に基準値を大きく超える値が出たと都に報告した。1月14日の専門家会議で『暫定値』と発表されたのは非常に疑問だ。報告時点で再調査もできたはず。『暫定値』とされた風評被害は大きい」と、都への不信感をあらわにした。

 小池百合子都知事は、「詳しく聞いていない。確認してみます。いずれにせよクロスチェックをしている。どういう数字がでるか、確認したい」と話した。

 

どういうことか?といいますと、

豊洲市場の延期理由のひとつであった、土壌汚染作業の成否を判断するためのモニタリング作業において

1~8回まで、

と9回目で、

数字が大きく違ったわけですが、「調査手順も違っていた!」

ということがわかったということです。

 

その手順とは、「パージ作業」の時間と言われています。

 

聞き慣れない「パージ」という言葉は、英語でPurge、除去とか排除という意味です。

普段は耳にしないパージですが、歴史的には「マッカーシズム」、「レッドパージ」(赤狩り)という言葉がありました。ハリウッドで有名監督や脚本家、俳優等から共産主義者を排除した事件が有名です。

「真実の瞬間」、「マジェスティック」、「トランボ」といった映画にもなっていますね。

 

そのパージです。

 

ずっと穴に溜まってた水は、濁り水みたいなものなので、いったん捨てて、

新鮮な地下水を取り出してチェックしましょう、というものです。

 

パージの時間が違った。

 

報道では「手順が~違う~」と、なにやらやり方のすべてを変えていたかの印象ですが、

 

要は、「放っておいた時間」が違ったのです。

 

東京新聞 2017年3月5日

豊洲地下水調査 基準超の9回目採水法変更 都が指示、日程優先を業者が証言

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017030502000130.html?ref=rank

 

東京都の豊洲市場(江東区)の地下水から有害物質が検出された問題で、都議会の特別委員会は四日、調査を請け負った六業者を参考人招致した。このうち、有害物質の値が急激に上昇した最終九回目の業者は、作業を急ぐため、都の指示で八回目までとは異なる方法で採水したと明らかにした。都の指示がデータの変化に影響した可能性がある。
 調査は環境省の指針に基づき、異物が混じらないよう、観測井戸にたまった水を取り除く「パージ」という作業後、新たにたまった水を採取する手順だった。
 各業者によると、一~八回目はパージの翌日か翌々日に採水した。しかし九回目を担当した湘南分析センター(横浜市)の幹部は、できるだけ当日に採水するよう都に求められ、二十~三十分後に水位が回復してすぐ採水したと説明した。
 同社は、二百一カ所の調査地点のうち青果棟のある五街区の一カ所では「(本来は使わない)パージした水を分析試料として採取するよう、都職員から指示された」とも話した。都によると、この水からは有害物質は検出されなかった。
 都の新市場整備部の幹部は四日、記者団の取材にこれらの指示を認め、理由を「地下空間にたまった水を排出する作業に間に合わせるため、スピードを重視した」と述べた。
 委員の都議の一人は、有害物質のベンゼンが揮発性のため、「二、三日と二、三十分では条件が変わりすぎる」と指摘した。
 小池百合子都知事は四日、都内で取材に応じ「詳細はまだ何も聞いていないので、確認した上でお答えしたい」と述べた。
 豊洲市場はガス工場跡地で、都は二〇一四年から地下水の定点観測を実施。八回目で環境基準値を上回る有害物質を初検出。今年一月に結果を公表した九回目では、最大で基準の七十九倍のベンゼンなどが七十二カ所で出た。都は基準を大きく超えた地点を中心に再調査しており、今月中旬ごろに結果を公表する。

 

この「水が溜まるまで放っておいた時間」が、

1~8回目までは、2~3日。48時間~72時間。

9回目は0.5時間。

 

96倍~144倍くらい、放置時間が違う。

調査対象の有害物質は揮発性だった。

蒸発しやすい物質、ベンゼン。

 

油性マジックを30分蓋をしないで置いておいたケースと3日間放っておいたケース。

その違いみたいなもの?

 

 

さらにマズイことに、9回目は20~30分では水が上がってこなかったので、パージした水、元の溜まり水をサンプルに出した。

これはダメ。

 

パージ水では、もっと抜けてる、揮発成分が。

これはイカン、有害物質が抜けてしまう可能性がある、、、9回目は!

抜けすぎて不正確だ!と厳密さを求める方々がお怒りのご様子です。

 

今後の「パージ作業」専門家の見解を待ちたいと思います。

 

で、私が今回ブログで書こうと思っていたのは、モニタリングの件ではなく、

豊洲市場で実現している?はず?と言われている?

HACCPとコールドチェーンについてでした。

築地では出来ていないのでしょうか?

豊洲では出来ているのでしょうか?

 

築地市場再生を目指す意味でも、豊洲市場の能力を知る意味でも

HACCPとは何か、コールドチェーンとは何か、について概観しておきましょう。

 

HACCPについては以前簡単にご紹介してますよね。

築地再生計画はじめました②

 

つづく

 

 

 

 

 


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