この2~3週間ほどの間、『非常識な建築業界「どや建築」という病』(光文社新書)のご挨拶で出先からいきあたりばったりに本屋さん巡りをして、手書きポップ配布をしていたわけなんですが、
都内の山の手線主要駅からも書店さんが消えていました。
以前はあったはずなのに、、、と
もっともそれを実感したのが、高田馬場周辺です。
学生時代からよく知っている街だったから、というのもありますが、あるはずのとこにない。
高田馬場駅から早稲田通りを早稲田大学に向かって歩けば、かつては本屋さんだらけ
それが、ここ十数年で本屋さんが減りまくってラーメン屋さんだらけ
早稲田はもはや大学の街ではなくラーメンの街になり果てておりました。
それでも、気を取り直しまして駅前の芳林堂書店さんにも出向いたわけなんです。
『非常識な建築業界「どや建築」という病』(光文社新書)著者突撃。
街の書店さん販促大作戦。
ちょうど一ヶ月前の2月18日のことですが、そのときに新書担当の方とちょっとお話しました。
本日刊行されたばかりの「非常識な建築業界」という新書の著者のもので森山高至と申しますが、販促のご挨拶回りと書店さんの応援で、手書きポップ書いてきました。もしよろしければお使いいただけましたら幸いです。
実は、、新刊の入荷が止まっておりまして、、いつ入荷されるかどうかもわからないので、
えっ?どういうことですか?
取り継ぎ店の太洋社さん廃業のあおりを受けまして、、、、
そのニュースは知ってます
新規の取り継ぎ店さんが決まるかどうか怪しいんです。
なので、ここのところウチには、、、、週刊誌や週刊漫画誌も、、、、
えーっ!お客さんこんなに居るのに、仕入れできないんですか?
はい、、、、とりあえず、このポップはお預かりはしますが、、、お役に立てないかもしれません。
その一週間後のことでした。芳林堂書店さんが自己破産しました。
大変なことが起きているなと実感したわけなんですが、、、
この一ヶ月の間で実は同じようなことが全国で起きているのです。
もっと大きなニュースにならないといけない問題です。
芳林堂も破産、書店閉店が止まらない日本--書店復活の米国との違いとは?
林 智彦(朝日新聞社デジタル本部)
http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35078425/、連鎖閉店や連鎖倒産の流れは、まだまだ続くのでは? とも言われ、取次自主廃業にともなう余波は、収まる気配がありません。
流通は産業の血管のようなもの。そこが詰まれば、末端である書店はなすすべもありません。理屈の上ではわかっていたことですが、2001年の鈴木書店、2015年の栗田出版販売の倒産では、今回のような大規模な「連鎖閉店」は筆者の記憶にありません。他の取次に切り替える「帳合変更」ができれば、商売を続けることは可能なはずですが、それすらできないということなのか……。
上記記事を読んでいただければ分かるのですが、何が起きているのかといいますと
出版不況とかなんとかいわれながらも、普通に健全経営していた、地域の人達が毎日利用していたような街の書店さん。
そこが、「商品を入れてもらえないから」という理由で廃業や倒産しているのです。
本屋さんなので、毎日売れるものと長期に店頭に並ぶものもありますから、その状況は見えにくかったわけですが
街の八百屋さんが、生鮮市場で仕入れられない、魚屋さんが築地で魚が仕入れられない、材木屋さんが木場で木材を仕入れられない、お客が居るのに!なんです。
もっと分かりやすくいうなら、コンビニに配送トラックがこなくなって商品棚がこういう状態だということです。
今、日本中にこのような状況で書店を継続するかどうかの岐路に立っているところがいっぱいあるのです。
太洋社の自主廃業が2月8日、私が芳林堂さんに出向いたのが2月18日、すでに一ヶ月経過しております。
これは早くなんとかしないと大変なことになります。
なぜ、こんなことが起こっているのか?といいますと、「取り継ぎ制度」というものと「取り継ぎ会社」というものの動きが、
中小企業イジメの銀行のごとき行動、
まるで銀行の貸し剥がしのごとくになっているからなんですね。
ちょっと、この件は引き続き書いていきたいと思います。
この取り継ぎの仕組みなのですが、その前に野菜とか魚の流通はどうなっているかといいますと
生産者から、仲買人や協同組合等を経て卸売り市場から小売り店に流れていきます。
この矢印の流れと逆に代金が支払われていくわけです。
東京都中央卸売市場HPより
仕入れから小売りまで、それぞれの立場で仕入れ値や販売額を決めて、買い取っていく流れです。
商品は途中様々なルートを経ますが、生産者から消費者の元へ一直線です。
これに対し出版の取り継ぎ制度とは、本を仕入れて売るのではなく、本の販売を委託するというかたちをとっています。
そして売れ残ったものは返品できる。
商品が腐らない、傷まないという前提だから可能なのです。
このような返品可能な取引はアパレルの小売りでもおこなわれていますが、書籍の場合は商品の点数が非常に多いことと、配本先も非常に多いということ、それをひとまとめにしているのが取り継ぎ会社です。
販売委託というカタチをとっています。
出版社は大手取り継ぎ会社に本を送る、取り継ぎ会社はそれらの出版社から送られた本を全国の1万数千社の小売り書店それぞれに配本するのです。
そして、他の商品とここが違うのですが、売れ残った本は返品出来ます。返品された本は取り継ぎ会社から出版社に返本されます。
このようなループを描いているのが出版取り継ぎの特徴です。
太洋社」が自主廃業…出版業界でなにが起こっているのか
http://news.livedoor.com/article/detail/11181482/
http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35078425/
書店さんが減っていることについて、それだけでなく出版事情についていろいろとまとめてあるサイトが下記にあるのですが
書店数の推移
http://www.1book.co.jp/001166.html