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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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リバプールFCスクール完成しました。

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古い公共施設を活かしてつかおうの事例として、以前記事でご紹介していましたリバプールFCサッカースクール計画ですが
 参照:将来のサッカー日本代表が生まれるかも


出来ました。

こんな感じです。


ちょうど夕暮れがせまる日没前でしたので西日を受けて、芝生にリバプールレッドの色彩が映えてました。




完成した姿を見れば、なにか初めからサッカーFCのクラブハウスにしか見えませんが、この建物は元々千葉県南房総市の旧丸山中学校の技術家庭教室だったんです。

過去最も多いときで700人の生徒数だったそうですが、近年の少子化の影響で生徒数は100人近くまで減少していました。

この学校敷地は平成17年に移転し、新丸山中学校として立派な新校舎が建設されていましたが、その丸山中学校も今年平成24年で閉校して、再統合により嶺南中学校が開校されています。

最初見に行ったときは、こんな感じでした。


構造は鉄骨、外壁はALC
(発泡軽量コンクリート板)で外装も塗装の剥がれやカビ等によりかなり傷んでおり、サッシ関係も枠が曲がったりして建付けも悪くなっていました。


内部は雨漏りしてました。机の上のバケツがそれを物語っています。



壁面にはなつかしい技術家庭の授業で使う機械や電気関係の資料関係がかかっていますね。
この自転車の標本は昭和30年代のマルキン号ではないでしょうか

とまあ、このような状態から、どうしたものか、、で始まったプロジェクトだったんです。

南房総市って聞いても千葉県の人でないと、にわかにはどこにあるかわかりませんよね。市町村合併で生まれた新しい市なんです。

場所は房総半島のほぼ先端に近いところです。





こういう地図を見ますと戦国RPG「信長の野望」を思い出しまして、なんか館山を包囲して攻め込みそうな勢いですが、館山市も南房総市もがっちり戦国大名里見氏の所領です。
里見氏といえば滝沢馬琴による江戸時代の長編伝奇小説「南総里見八犬伝」で有名です。


と、南房総の歴史に酔っててもしょうがないんですが、なんとか限られた予算で既存施設をうまく再利用しようということでこんな提案をしておりました。




着工後は、施工に携わる方々の頑張りにより




無事完成にいたりました。
旧丸山中学校ご出身の職人さんも電気や設備や仕上げ工事に関わっていただいてました。








リバプールFCサッカースクールHP
リバプールFCよりコーチが来られてサッカーを教示するだけでなく、英語の勉強も同時に出来てしまうというのが素晴らしいと思います。
開校の募集に既に応募がかなり集まっているとのことです。

スクールの企画・運営組織の株式会社Sports Management Internationalさん記者会見の様子です。




少子化でどんどん学校がなくなっていくのはさびしいものですが、こうして古い校舎がかつての思い出を残しながらレガシーを継承しながら再生されて、町に新たな事業を興し、同時に国際文化交流の場になるなんて、とっても素晴らしいことです。

ほんとに小さな建物ですが、地元の子供たちの将来に大きな夢を与えてくれることを願っています。


それではみなさま良いお年を!

来年も常時フルスロットルで頑張っていきたいと思います。


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