すでに、ザハ案ではなくなってしまったといっていい
新国立競技場の基本設計案について次々と突っ込んでいきたいと思います。
今起きていることを再度整理しておきますと
ザハ案とは
建設不可能案、コンテクスト(敷地周辺環境の読み取り)無視、自己流
というのが大前提です。
もしかしたら建築家のチビッ子や他ジャンルのデザイナーさんの中に見られるような、
「ザハの案があのまま出来るのに、
日建設計や日本設計や梓設計が無茶にした。」
と考えていたとしたら、大間違いですからね。
その能天気さは審査委員長や審査員と変わりませんよ。
もし、ザハ案をザハのデザインテイストを活かして設計していくなら、
ザハは構造的冒険をしたい建築家ではないので、
巨大アーチをさっさと捨てて、
足元からの三次曲面による「ぬめり上がり」や、
覆いかぶさる菌糸状にぬらぬらとした出っ張りの曲面ラインを、
死守しなければなりませんでした。
しかも、ザハの事務所はそういった三次曲面をCADからCGやFEMやBIMを用いて、
工場発注できるように、幾何学的に数値化して、ディメンジョンを整理して、パーツ化することに長けているわけですから。
現時点でザハのデザインが激しく死んでいるのは、この個所です。
見た瞬間思いました。「なんじゃ、コリャー!!」
ニュータウンかよ!
宅地造成で出来た新興住宅地の駅前人工地盤じゃねえか!
ありのまま、今おこったことを話すぜ
ザハ・ハディドだと思って新国立競技場の設計案をみてたらいつの間にかニュータウンだった。
何を言ってるかわからねえと思うが、下の写真を見てくれ。
そして、この部分が本計画案、
新国立競技場基本設計案で最低で最悪の個所です。
これ一発で外苑西通りは死にます。
パースで一見のびのびして見えるのは人工地盤の上であって、
外苑西通りは町田駅前の地上部とか、私鉄の駅の足元みたいな状態です。
しかも、600m以上の長さに渡ってだ!
大して広い道路じゃないし、歩道も狭いぞ~ここは。
河出書房もホープ軒もこれからは谷底だし、
もうタクシーをちょっと停めとくスペースもないんだ。
それに、あのでっかいモミの木みたいな街路樹もない。
そこに覆いかぶさるのはザハ的なもんでもねえ!
薄暗い駅の足元みてえなもんになるんだ。
しかも!また建築違反なんだよな~。
重箱のスミを突くな!
と眉をひそめる諸兄もいらっしゃると思うんですが、
これは、重箱のスミなんてもんじゃねえ。
重箱をはるかにはみだして、メガ盛。
もともと、敷地に対してデカイ計画なんですが、
ここで建築のプロならおわかりになると思うのですが、、
この敷地は約11万3千㎡、で建蔽率というものがあります。
建蔽率(けんぺいりつ)というのは、敷地の何割までを建物に使っていいかという法的制限です。
ここの敷地は70%が制限です。
なので、約7万9千㎡までが限界なのですが、、、
基本設計案書類には面積算定表がないので、
どこからどこまでが参入されているのかいまひとつわからないのですけど、、
人工地盤は地面じゃなくて建造物だよね。
てことは、建蔽率に参入されるんじゃね。
じゃあ、メガ盛にマシマシで完全にオーバーしてんじゃないでしょうか。
もしかして、「開閉式遮音壁という脱法屋根」のところを、今度は建蔽率から外したりしてる?
だとすると、この「開閉式遮音壁」って、脱法屋根&脱法建蔽率。
なんか、「開閉式遮音壁」いろんな法規をすり抜けてて、超スゴイんですけど、
こんななんでもアリなら、俺たちも「開閉式遮音壁」ヤリタいなあ。
これキメて、セッケイやったら、なんか癖になりそうなんですけど
「キメセケ」ですか!
国の施設だからってここまで脱法性があっていいのかなあ
習慣性がありそうだから、取り締まった方がいいと思いますよ。