昨年から続く東京都の中央卸売市場、築地移転豊洲問題。
その状況がお茶の間に知れ渡って1年を経過しようとしていますが、
いまだに、その結論は容易に出せない状況が続いています。
その築地が豊洲に容易に移れないのは、いろいろな多面的要素、多面的理由がありましたが、
私が根本的に問題がある!と判断したのは、そのプランニングです。
早朝に大量の荷物をいかに捌くことができるのか?
その課題に答える建築的プランニングが豊洲には抜け落ちているのではないか?
というものでした。
そんな話題で沸騰中の2016年の夏。
実は、築地市場と同じように、いや築地市場以上に、一定の時間内に大量の情報、
大量の物資を捌いている現場に私は遭遇しました。
それが、テレビ局、テレビバラエティ、報道局の現場でした。
早朝までに番組の情報を取りそろえて出演者のブッキングを終えて、
VTRの編集やらフリップの製作やらを夜中からタイムリーに加工する各局のPさんDさんADさんの姿は、まさに、築地の魚河岸と同じような、時間が勝負、新鮮さが勝負、
セリでどこよりも早くどこよりも情報を落とす、そして視聴者にわかりやすく咀嚼する、切り分ける、加工する、その姿は、TV局は、まったく魚河岸と同じだ!と思いました。
築地い市場の豊洲移転が問題視されだしたそんな時期。
豊洲の平面計画に対する批判を私がおこなっているまさにその現場、番組収録のテレビ局のプランが、
なんだか、拙速な現場にそぐわない、タイムリーに素材加工がおこなえていないカ所がある。
それが大変気になりました。
そのような、仕事を支える意味での局の建築、局のプラン、局の動線計画っていったい全体どうなんだろう?ということが非常に気になり始めた。
それは、なんとか各局のエントランスにたどり着いたものの、
そこから30秒でスタジオ入り出来るケースもあれば、
せっかく必死でたどり着いたのに、そこからさらに10分、15分の時間を要するケースも体験したからなのです。
つまり、テレビ局のプランも魚河岸のプランも非常に似ているのではないか?
という疑問です。
そういった、問題意識から各局のプランニングや建築的機能や建築思想について踏み込んでみたいと思うようになりました。
つづく