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Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
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新国立競技場に新たな問題が発生③

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新国立競技場問題は昨年の7月に予算が天井知らずということで、
このままではマズいと計画の白紙撤回、安倍首相の緊急会見、
見直し決定、という流れだったのですが

その見直し決定後の議論のときから、なんかきな臭い、なんかすっきりしない、なんか、嘘っぽいと思い続けておりました。

その辺はちょこちょこ小出しにブログ記事にしてましたので、常連読者の方々はよくご存知だと思います。

しかしながら、私はオリンピック反対論者ではありませんので、うまく進んで綺麗に進んでいくことを願っておりました。

同時に、オリンピックを機会に乗じてやろう、上手汁を吸ってやろう、たかってやろうというような、ゲスな輩は激しく憎んでおります。

で、新国立競技場計画なわけですが

伊東豊雄さんによる懸念、ザハ氏による警告が発せられるなか、問題のA案を設計したと自称する建築家隈研吾さんの会見があったんです。

場所は、日本外国特派員協会、通称外国人記者クラブです。

実は、昨年の時点で、私はA案とザハ案一致点問題、もしかして設計データ流用問題、まったくコピペ可能性についてはなんとなく気付いていたのですが、

場合によっては、ザハ案時代の設計図書はJSCに買い取りされてるかもしれない、場合によっては設計実務は日本側の設計会社によってなされており、その知財や権利の行使については解決しているかもしれないという可能性も考慮して、

指摘を思いとどまっていたんです。

だから、隈研吾さんの会見に非常に興味があった。

隈さんがなんて言うか。

ところがなんです。

当日の記者会見中継録画がYoutubeにありますが




長いので、文字起こしされているこちらのサイトの方がいいでしょう。

とりあえず計画案の説明です。
http://thepage.jp/detail/20160115-00000005-wordleaf

隈:緑を植えると、たぶん皆さん気になるのはメンテナンスが大変じゃないかっていうことをたぶん気にされるだろうと思うんですが、メンテナンスがなるべくかからないような木を選んで植えました。

これが南側の入り口からスタジアムを見上げたところです。普通、建築っていうのは、建築家はついつい建築を模型で見て、上から見て、格好がいいとか悪いとか言うんですが、私たちの場合は人間の地上のレベルから見たときに、建物がちゃんと人間に優しく感じられるようにするということをテーマに設定しておりますので、この地面のレベルから建物を見上げたときの感じというのが非常に大事です。

 この見上げた絵で木が見えると思います。これはひさしの、軒の部分に木をたくさん使っています。これは日本の伝統的建築っていうのも、ひさしの下の軒の部分に木を使って、その部分がすごく美しいのが日本の伝統的な建築の特徴なので、私たちもそういうような日本の技を今回、この建物にも生かしたいと思いました。

 例えば、皆さんご存じの奈良の法隆寺があります。この法隆寺の五重塔というのも、そのひさしの裏の軒というものの美しさ、そこに木を使っている、その美しさがこの法隆寺の五重塔の美しさの大事な部分なので、われわれはこういうものを意識して、こういうやり方を現代によみがえらせようというふうに考えたわけです。

 それからこの軒に木を使うというののもう1つのいいところは、直接雨がかからないので木が長持ちするっていうことです。それによってこの法隆寺の建物は世界最古の木造建築って言われますですね。それと同じようにわれわれも、木を軒のところに使って雨が直接かからないようにすることで、メンテナンスを簡単にして木を長持ちさせる、メンテナンスコストを安くさせるということを考えました。



メンテナンスコストがかからない木っていうのがあるとは思えないんですが、まあ次にいきましょう。


面白いのはその後の質疑応答コーナー
http://thepage.jp/detail/20160115-00000009-wordleaf

ザハさんもわれわれも両方とも3段なんですけど、3段にしたときに観客席からサイトラインっていって全てのアスリートが見えるように計算をすると、角度っていうのは、一番適正な角度っていうのが決まってくるので、その場合もザハさんの角度は私に似てるっていうのは、それはアスリートから見えるようにすると自動的にそれに近い角度が出てきます。

 それからもう1つ、細かいディテールの話なんですけど、座席の並びも東京都の火災予防条例って法律があって、その火災予防条例っていうもので決まった座席の配列の仕方があるんですね。それをするとだいたい同じような配列でしか法律が通らないので、それもザハさんは、そこも言ってるのかもしれないんですけど、座席の配列が似るのは同じ法律、それから同じ敷地の形、同じトラックの形になってるので、自動的に似てくる。そういうふうな宿命にあります。

 で、そういうことにも、そういうディテールにもかかわらず、やはりわれわれとザハさんは基本的に実現しようとしてる建物のコンセプトが違いますので、大きな配置、先ほどサドル型とフラット型って言いましたけれども、基本的にまったく違う建物だ、まったく違うデザインだということは分かっていただけると思います。はい。

ザハさんとの類似を指摘され、この辺、非常に矛盾してて苦しい答弁が続きます。
自動的に決まるのだけど、まったく違うものだそうです。

質疑応答コーナーの続きです。
http://thepage.jp/detail/20160115-00000010-wordleaf


隈さんご自身は、ザハ案との類似性をお認めになっているかのようにも聞こえました。となると、ザハさんが法的手段の行使も辞さないま、外形上のネックはやはり梓設計の存在ではないでしょうか。ザハ案の設計JV4社のうちの1社であったこともあり、今回のスタンド設計で、本当に流用やアイデアの一致がなかったと言い切れるのでしょうか。よろしくお願いします。

隈:私は類似点というのは、座席を何席並べるとか、それから角度っていうことで、それはあの条件から自動的に出てくるものでの類似点があると言ったので、デザインが類似してるとはまったく思っておりません

隈:そうですね。今回のコンペティションというのは、実は、プロセス自身いろんなことがあったということで、普通の国立のスタジアムっていう以上に世界の人が着目しているんですね。ですから、私に寄せられるメール、いろんな意見も、もう本当に世界中の専門家の方から、こんなに皆さんが関心持っているんだなというふうに感じます。

 それは建築家としては、私は今の時代の建築家っていうのはそういうものを無視する、昔の建築はそういうのを無視する、あのような、建築家っていうのはなんかすごくエゴイスティックなそういう人だっていう評価も昔はあったけど、これからの建築家っていうのはやはり、そういうものに対して誠実に応えるっていうことが私の責任だと思っているので、できる限りそういうものに対して誠実に応えたいっていうふうに思っています。


再度、前回の設計案との類似についての質疑について、またも非常に苦しい矛盾した答弁です。


自動的に出てくることだから類似点がある。
デザインは類似していない。

世界中が着目している、からそういったメールとか
できるだけ、そういったものに誠実に応えたい。

う~ん、隈さん、苦しいなあ。
水中、それは苦しい、と同じくらい苦しいなあ。
ジョニー大蔵大臣ぐらい、苦しい。





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