Quantcast
Channel: 建築エコノミスト 森山高至「土建国防論Blog」Powered by Ameba
Viewing all articles
Browse latest Browse all 676

新国立競技場問題:世界のスタジアムに歴史あり

$
0
0

世界のスタジアムを紹介しているサイトがあります。
http://www.worldstadiums.com/
世界224か国には12000棟もの競技場があって、それらを網羅しています。


著名なところをピックアップしてみますと、
上からフランスのスタッド・ド・フランス、イギリスのウェンブリースタジアム
イタリアのスタディオ・オリンピコ・ローマ、スペインのカンプ・ナウ
ドイツのベルルイン・オリンピア・シュタディオン、日本の国立競技場です。


デザインにもお国柄といいますか、雰囲気が違っているのが面白いです。
オリンピックといえば国際的な祭典といった目的がありますが、
一方で開催国のローカルな文化に触れる機会でもあります。
本来なら、国際コンペにしようの前に、
まずは国内コンペするべき事案なんではないでしょうかね。

たとえば、将来バグダットでオリンピックが開催されるとして、
そのメインスタジアムがイラク人建築家ではなくて、国際コンペにしたんでフランス人建築家に決まりました、、でいいんだろうか?
たとえば、ベトナムのホーチミンでオリンピックが開催されるとして、国際コンペやから、ベトナムを元気にしようや!でアメリカ人建築家に決まったとして、それのどこが面白いんだろうか?

俺は、全然面白くない!

ブラジルだったらブラジルの建築家、チリだったらチリの建築家、タイだったらタイの建築家、インドだったらインドの建築家の作品こそ見たい。

ローカルの文化と無関係のインターナショナルな無国籍な抽象実験建築とかが世界中に出来ることが国際化ではなくて、

普遍的な建築技術の進歩に地域文化や感性が融合していくこと、
それが、真の国際化した建築の姿だと思うのだけど。


↓世界のスタジアムからみで面白い記事を見つけました。
染井38さんの新国立競技場について(勝手に)考察
スタット・ド・フランスを外苑に入れてみたら、、、です。

染井38さんは、サッカーのヴェルディのファンの方らしいのですが、今から3年ほど前の記事にもかかわらず、まだ専門家筋も気づいていなかったであろう、
敷地の大きさについて言及されているんです。

~スタジアム周囲にもはやエスケープゾーンとなる空間は残っていませんね。
防災上も大きな問題です。~
それを検証された記事が秀逸です。

世界のスタジアムに戻りまして、


フランスのスタッド・ド・フランスの設計者は誰かというと、
SCAUhttp://www.scau.com/index.php/en/homeという名の設計ファーム
ミッシェル・マカリ(真ん中左)とエメリック・ズブルナ(真ん中右)、同じく共同設計者のミッシェル・レジャンバル(外左)、クロード・コンスタンティニ(外右)
というフランスの設計チームです。




イギリスのウェンブリースタジアムは、件の
ノーマン・フォスター卿




イタリアのスタディオ・オリンピコ・ローマはといいますと、
かの未来建築大巨匠のひとり、ピエール・ルイージ・ネルヴィ大先生であります。

ネルヴィ 未来建築3巨匠 1|建築エコノミスト 森山のブログ



スペインのカンプ・ノウの方は、これまたスペイン建築界の巨匠。


フランセスコ・ミジャンス・ミロ
1909年生まれで2007年に97歳でお亡くなりになられました。


戦後のスペイン近代建築を支えた建築家です。
スペインの場合は第二次世界大戦の枢軸側戦勝国といいますか、フランコの軍事政権が70年代まで存続していましたから、スペイン建築界はずっと謎に包まれていたんですが、スペインモダニズムの巨匠です。




で、一番興味深いのがドイツのベルリン・オリンピア・シュタディオンです。
これはですね、建設が1936年です。
昭和でいえば昭和11年、三菱で96式艦上攻撃機が開発された年です。

戦前です。

もう80年近く前の建築です。

1936年建設のベルリン・オリンピア・シュタディオン、これを直しました。



誰が?って、あの二人です。

現代ドイツ建築界の巨匠、見た目司馬遼太郎&蛭子能収こと、

ゲルカン&マルクです。


こんな感じにです。





新古典主義でデザインされた昔の外壁の石張りはそのまま活かされています。



回廊の石張も


やります!ゲルカン&マルク。

もちろん、彼らもドイツの建築家です。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 676

Trending Articles